プレゼンスライド改善作戦 psi-#1 エネルギー基本計画 前編
TRANSCRIPT
プレゼンスライド改善作戦 PSI-#1
「エネルギー基本計画」 前編
アイデアクラフト 開米瑞浩 http://ideacraft.jp
Collaborating with 政策研究集団 Cubic Argument提供
概要・想定読者・使い方
プレゼンテーション用のスライドを「わかりやすく」
改善する事例を解説します
本書以外には特に必要ありません。
情報量が多くなりがち、難解になりがちな
研究発表系のプレゼンテーションを行う方
【著作権者】ドキュメント・コンサルタント 開米瑞浩
著者公式サイト http://ideacraft.jp
(著者および Cubic Argument の紹介を本書末尾に掲載しています)
【使い方】
【本書の概要】
【想定読者】
2
本書の事例は政策研究集団 Cubic Argument が原案を提供し、ドキュメント・コンサルタント開米瑞浩が改善事例・解説を作成しています。
【特記事項】
事例:エネルギー基本計画(原案)3
エネルギー基本計画(2014.4.11閣議決定)• 我が国の中長期(20年程度)のエネルギー需給構造を視野に
入れ,今後取り組むべき政策課題と,長期的,総合的かつ計画的なエネルギー政策の方針をまとめた計画書
• 前回作成時(2010)からの情勢変化
◇東日本大震災,福島第一原発事故(2011)
震災前のエネルギー戦略を白紙に
国内原発の全機停止
燃料資源の輸入量増による電気料金値上げ
◇エネルギー自給率 6.0%(2012)
化石燃料依存率 6割→9割へ
◇CO2排出量一般電気事業者以外 2,900万ton減少
一般電気事業者 11,200万ton増加
3
改善前のスライド原案です。エネルギー基本計画について説明していますが、文字が多く、読み取るのに苦労します。どう改善すれば良いでしょうか?
→ ヒントを見てみましょう
ページ分割4
エネルギー基本計画(2014.4.11閣議決定)• 我が国の中長期(20年程度)のエネルギー需給構造を視野に
入れ,今後取り組むべき政策課題と,長期的,総合的かつ計画的なエネルギー政策の方針をまとめた計画書
• 前回作成時(2010)からの情勢変化
◇東日本大震災,福島第一原発事故(2011)
震災前のエネルギー戦略を白紙に
国内原発の全機停止
燃料資源の輸入量増による電気料金値上げ
◇エネルギー自給率 6.0%(2012)
化石燃料依存率 6割→9割へ
◇CO2排出量一般電気事業者以外 2,900万ton減少
一般電気事業者 11,200万ton増加
3
内容が大まかに2つに分けられるので、2ページに分割すると1ページあたりの文字数を減らせます。
→ 次は、分割したものを図解しましょう
このラインの前後で2つに分けられる
ページ分割をするとその分ページ数が増えるのが欠点ですが、それが大きな問題にならない状況では有力な方法です
図解:時間軸を手がかりにする5
分割した前半部分の情報を、今度は図解してみましょう
→ さらにヒントを見る
エネルギー基本計画(2014.4.11閣議決定)
我が国の中長期(20年程度)のエネルギー需給構造を視野に入れ,今後
取り組むべき政策課題と,長期的,総合的かつ計画的なエネルギー政策の方針をまとめた計画書
ヒント:「時間軸」を手がかりにします。
起点・中間・終点を探す6
時間軸を引いたときの、起点・中間・終点にそれぞれ書ける情報を探します
→ 答えは?
時間軸
起点
中間
終点
エネルギー基本計画(2014.4.11閣議決定)
我が国の中長期(20年程度)のエネルギー需給構造を視野に入れ,今後
取り組むべき政策課題と,長期的,総合的かつ計画的なエネルギー政策の方針をまとめた計画書
ここに書ける情報を、上のテキストから探すと・・・?
図解案とその理由(1)7
→ ところで、「エネルギー計画2010」の話も出てましたね?
時間軸
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
これが一番未来の情報なので、終点に書く(20年後)
(現在)
政策課題は中長期の期間内に遂行すべきものなので、中間に書く
これは「現在」のものなので、始点に書く
図解案 その理由
図解案とその理由(2)8
→ その結果は?
時間軸
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造(20年後)
エネルギー基本計画20102010 は当然2014より前に書くのが妥当でしょう
こうして大まかな枠組みを決めた上で、レイアウトや装飾を微調整します
図解案とその理由(3)9
→ では、この図解を使ったプレゼンのスクリプトも考えてみます
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
2030~2040 頃
エネルギー基本計画2010
「時間軸」という文言は不要につき削除、代わりに年代を示す
2014
2010
「中長期のエネルギー需給構造」は期間を通して見据えるものなので位置づけ変更
基本計画と課題を区別したほうが良さそうなので色分け
このあたりは書類を示すアイコンを使っても良いでしょう
口頭で話すスクリプトの表記法10
→ 以下、スクリプトです
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
2030~2040 頃
エネルギー基本計画2010
2014
2010
以後、プレゼンの際に口頭で話す内容を次のような形で示します。
2014年に閣議決定されました
口頭で話します
話す際にゼスチャーでこの位置を指示します
スクリプト(1)11
→ 続く
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
2030~2040 頃
エネルギー基本計画2010
2014
2010
国家のエネルギー計画は少なくとも20年以上の中長期のエネルギー需給構造を踏まえて考える必要があります
スクリプト(2)12
→ 続く
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
2030~2040 頃
エネルギー基本計画2010
2014
2010
その中長期の期間において取り組むべき、さまざまな政策課題を長期的、総合的に推進するために、
スクリプト(3)13
→ 続く
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
2030~2040 頃
エネルギー基本計画2010
2014
2010
2014年にエネルギー基本計画2014が閣議決定されました。
スクリプト(4)14
→ 続く
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
2030~2040 頃
エネルギー基本計画2010
2014
2010この基本計画2014の前に作られていたのがエネルギー基本計画2010です。
スクリプト(5)15
→ スクリプトは以上。少々補足事項があります
エネルギー基本計画2014
取り組むべき政策課題
我が国の中長期のエネルギー需給構造
2030~2040 頃
エネルギー基本計画2010
2014
2010 実は、2010と2014の基本計画の間には大きな違いがあります。
具体的にどのような違いなのでしょうか? 次はそれを見てみましょう
以下、ページを変えて残りの内容を書く
補足16
→ いったんまとめます
一般的には、プレゼンスライドでは1枚ごとに
「このページではこれを言いたい」という内容を表した
「メインメッセージ」と呼ばれる簡単なテキストを付与するのが
セオリーですが、今回の図解はコンテンツ部分の構造を示すのが
目的のため、メインメッセージはつけていません。
まとめ
• 「時間軸」は有力な図解の手がかり
– 時間軸に限らず、「順序をつけられるもの」を探すと、それを手がかりに他の要素を配置していくことでわかりやすい図解になることが多いです
• 起点と終点の情報を探す
– 順番に並ぶものの両端は探しやすいことが多いので、まず両端の情報を探してみてください
17
→ ところで、ページ分割した残りの情報は・・・?
残りは後編に続きます18
エネルギー基本計画(2014.4.11閣議決定)• 我が国の中長期(20年程度)のエネルギー需給構造を視野に
入れ,今後取り組むべき政策課題と,長期的,総合的かつ計画的なエネルギー政策の方針をまとめた計画書
• 前回作成時(2010)からの情勢変化
◇東日本大震災,福島第一原発事故(2011)
震災前のエネルギー戦略を白紙に
国内原発の全機停止
燃料資源の輸入量増による電気料金値上げ
◇エネルギー自給率 6.0%(2012)
化石燃料依存率 6割→9割へ
◇CO2排出量一般電気事業者以外 2,900万ton減少
一般電気事業者 11,200万ton増加
3
ページ分割した後半部分は、後編として別冊にします
別冊をお楽しみに!(2015/2/2現在、準備中)
謝辞19
本書の事例は政策研究集団 Cubic Argument 様からご提供いただきました。この場で御礼申し上げます。
自ら生業を定め、社会へと歩み出し、そしてこれからの日本を支えていくこと。それが、私たち若者の果たすべき役割です。
とはいえ、若年の私たちには今すぐ社会で活躍できるほどの実力はなく、日本を導いていくに相応しい計画を携えているわけでもありません。しかし、「ない」ことを自覚しているからこそ、私たちはその必要性を痛切に感じています。それゆえ、私たち Cubic Argument は、「日本国がなすべきこととは何なのか」を、人の受け売りではなく自分たち自身で考えること、そしてそれを実現するための力を自ら養うことを目指しています。
Cubic Argument は、同世代の若者の連携を強化し、これからの日本を支えていくことを目指す団体です。
Cubic Argumentでは、活動のなかで採択された会全体の主張を基に、より具体的な目的や活動指針を盛り込んだ「Cubic Argument活動大綱」を定めていきます。そして、「日本国がなすべきこと」についての我々の意見を「Cubic Argument綱領」として定めることを目指していきます。
活動内容 ・テーマ別勉強会(月1、2回) ・政策提言会(12月) ・機関誌発行(6、12月) ・専門講座(原子力、軍事学、金融など)
HP http://cubic-argument.org/FB https://www.facebook.com/CubicArgument?fref=ts
【著者紹介】
→著者公式サイト http://ideacraft.jpお問合せ先: http://ideacraft.jp/cms/main-contact.html
技術屋のためのドキュメント相談所(誠ブログ)→ http://blogs.bizmakoto.jp/doc-consul/
開米 瑞浩 (カイマイ ミズヒロ)
元:IT技術者。現:ドキュメント・コンサルタント。
難解な情報を整理分析して論理構造を見抜き、「素人にも分かりやすく表現する」ことを得意とする。
技術者向けの「分かりやすく書く力」研修や、難解な技術文書のリライト業務コンサルティングを提供。
技術者向けおよび一般ビジネスパーソン向けの「書く技術、説明する技術」に関する著書多数。
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