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10.13-1
10.13 電波障害
10.13.1 調査の結果の概要
1)調査項目
・ 電波の発信状況
・ 電波の受信状況
・ その他予測・評価に必要な事項(地形・工作物等の状況、住宅及び受信方法等の状況)
2)調査方法
(1)電波の発信状況
既存資料により、地上デジタル放送のチャンネル、送信場所、送信出力、計画地との距
離等について調査した。
(2)電波の受信状況
「建造物による受信障害調査要綱(地上デジタル放送)」(平成 17 年 (社)日本 CATV 技
術協会)に定める測定方法に基づき、現地調査を行った。調査用機材一覧を表 10.13-1 に、
調査系統図を図 10.13-1 に示す。
表 10.13-1 調査用機材一覧
機 器 名 種 別 メーカー名 型 名
受信アンテナ UHF14 素子 日本アンテナ㈱製 AU-14
地上デジタル受信機 21 型 ㈱日立リビングサプライ製 21CL-FS5X
受信特性測定器 スペクトラムアナライザー ㈱アドバンテスト製 U3751
BER測定器 - パナソニック㈱製 TU-MHD600
地上デジタルチューナー - パナソニック㈱製 TU-MHD600
増幅器 - マスプロ電工㈱製 UB33H
図 10.13-1 調査系統図(電波測定車)
10.13-2
(3)その他予測・評価に必要な事項(地形・工作物等の状況、住宅及び受信方法等の状況)
地形図、土地利用現況図等の既存資料及び現地踏査により整理した。
3)調査地域・地点
調査地域は、机上検討により想定する計画建築物による遮へい障害の発生が推定される
地域及びその周辺とした。
現地調査(電波の受信状況)の調査地点は、図 10.13-2 に示すとおり、計画地の建築物
による遮蔽障害の影響を把握するため、送信局(東京スカイツリー、東京タワー、浦和局)
と調査地点の間に計画地が存在するように設定した。なお、受信アンテナ地上高は、10m
とした。
4)調査期間・頻度
現地調査(電波の受信状況)は、平成 25 年 10 月 28 日~29 日に実施した。
10.13-4
5)調査結果
(1)電波の発信状況
計画地及びその周辺において受信されている地上デジタル波は、東京スカイツリー、東
京タワー、浦和局であり、各発信所の状況を、表 10.13-2 に示す。また、現在利用されて
いる主な放送衛星(BS)、通信衛星(CS)の概要を表 10.13-3 に示す。
表 10.13-2 電波の発信状況(地上デジタル波)
(東京スカイツリー:計画地から東南東約 26km)
放送対象地域 チャンネル 放送局 リモコン 周波数
(MHz)
送信
アンテナ高 送信出力
関東広域圏
ch27 NHK 総合
(NHK-G) 1 554~560 614m 10kW
ch26 NHK 教育
(NHK-E) 2 548~554 614m 10kW
ch25 日本テレビ
(NTV) 4 542~548 604m 10kW
ch24 テレビ朝日
(EX) 5 536~542 594m 10kW
ch22 TBS テレビ
(TBS) 6 524~530 584m 10kW
ch23 テレビ東京
(TX) 7 530~536 594m 10kW
ch21 フジテレビ
(CX) 8 518~524 604m 10kW
東京都(県域放送) ch16 MXTV
(MX) 9 488~494 566m 3kW
(東京タワー:計画地から南東約 24km)
放送対象地域 チャンネル 放送局 リモコン 周波数
(MHz)
送信
アンテナ高 送信出力
関東広域圏 ch28 放送大学
(HO) 12 560~566 267m 5kW
(浦和局:計画地から北東約 8km)
放送対象地域 チャンネル 放送局 リモコン 周波数
(MHz)
送信
アンテナ高 送信出力
埼玉県(県域放送) ch32 テレビ埼玉
(TVS) 3 584~590 173m 0.5kW
表 10.13-3 主な放送衛星(BS)、通信衛星(CS)の概要
種別 衛星名 周波数
(GHz)
軌道位置
東経(度)
放送衛星(BS)
BSAT-3a
11.71398~12.16294
110
BSAT-3b 110
BSAT-3c/JCSAT-110R 110
通信衛星(CS)
N-SAT-110 12.27375~12.74825 110
JCSAT-4B 12.2500~12.7465
124
JCSAT-3A 128
10.13-5
(2)電波の受信状況
計画地及びその周辺における地上デジタル波の受信状況を表 10.13-4(1)~(2)に示す。
画像評価は、全ての地点において「○(正常に受信)」であった。また、品質評価は、東
京タワー(関東広域圏=放送大学)で 3 地点が「C(おおむね良好)」であったが、それ以
外は全て、「A(きわめて良好)」であった。
表 10.13-4(1) 電波の受信状況(画像評価)
画像評価 東京スカイツリー
(関東広域圏)
東京スカイツリー
(東京都(県域放送))
東京タワー
(関東広域圏)
浦和局
(埼玉県(県域放送))
○ 14 地点(100%) 14 地点(100%) 15 地点(100%) 10 地点(100%)
△ 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%)
× 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%)
合計 14 地点(100%) 14 地点(100%) 15 地点(100%) 10 地点(100%)
注 1)画像評価は以下のとおりである。
○:正常に受信
△:ブロックノイズや画面フリーズあり
×:受信不能
2)各調査地点における画像評価の判定は以下のとおりとする。
・一波でも「×」がある場合は、その調査地点は「×」とする。
・「×」はないが、一波でも「△」がある場合は、その調査地点は「△」とする。
・全てのチャンネルが「○」の場合、その調査地点は「○」とする。
3)表中の( )内の数値は、地点数に対する割合(%)を示す。
表 10.13-4(2) 電波の受信状況(品質評価)
品質評価 東京スカイツリー
(関東広域圏)
東京スカイツリー
(東京都(県域放送))
東京タワー
(関東広域圏)
浦和局
(埼玉県(県域放送))
A 14 地点(100%) 14 地点(100%) 12 地点 (80%) 10 地点(100%)
B 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%)
C 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 3 地点 (20%) 0 地点 (0%)
D 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%)
E 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%) 0 地点 (0%)
合計 14 地点(100%) 14 地点(100%) 15 地点(100%) 10 地点(100%)
注 1)品質評価は以下のとおりである。
A:きわめて良好
B:良好
C:おおむね良好
D:不良
C:受信不能
2)各調査地点における品質評価の判定は、各チャンネルの評価の最低ランクを採用した。
3)表中の( )内の数値は、地点数に対する割合(%)を示す。
(3)その他予測・評価に必要な事項(地形・工作物等の状況、住宅及び受信方法等の状況)
図 10.13-3 に示すとおり、受信実態調査範囲内で一部、既設テレビ共同受信施設対象の
家屋が見られるが、大部分の家屋は個別アンテナ受信もしくはケーブルテレビ加入であっ
た。
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10.13.2 予 測
1)存在(施設の存在)による影響
(1)予測内容
電波障害の範囲及び電波受信状況の変化の程度とした。
(2)予測地域及び予測地点
予測地域及び予測地点は計画地及びその周辺とした。
(3)予測時期
進出企業の計画建物の建設工事が完了した時期とした。
(4)予測方法
進出企業の計画建物による遮へい障害について、「建造物障害予測技術(地上デジタル放
送)」(平成 15 年、NHK 受信技術センター)等に示される理論式を用いて予測し、障害の範囲
を求めた。
(5)予測条件
ア.対象とする送信局
対象は地上デジタル放送とし、表 10.13-2 に示した送信局(東京スカイツリー、東京タワ
ー、浦和局)とした(p.10.13-4 参照)。
イ.対象とする建物
対象とする建物は、進出企業の計画建物とし、配置は「第2章 都市計画対象事業の目的
及び内容 2.6 都市計画対象事業の実施方法 2.6.2 進出予定企業計画」の図 2.6-2 進出予
定企業の建築計画に示すとおりとした(p.2-9 参照)。なお、計画建物高さは、地上高 35m と
した。
ウ.受信アンテナ高さ
計画地及びその周辺の建物の立地状況から、一般家屋と同等の地上高 10m とした。
(6)予測結果
地上デジタル放送の予測結果を図 10.13-4 に示す。
進出企業の計画建物による地上デジタル放送の遮へい障害地域は、東京スカイツリー(東
京都(県域放送):MXTV)について、計画地の北西側約 200m の範囲内と予測する。
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10.13.3 評 価
1)存在(施設の存在)による影響
(1)回避・低減に係る評価
ア.評価方法
予測結果を踏まえ、周辺地域への電波障害が、保全対策等により、実行可能な範囲で回避・
低減が図られているか否かを判断する。
イ.評価結果
予測の結果、進出企業の計画建物により、東京スカイツリー(東京都(県域放送):MXTV)
について、電波障害の影響が考えられるが、表 10.13-5 に示す環境保全措置を講ずることで、
電波障害の発生の抑制に努めていく。
このことから、施設の存在に伴う電波障害の影響は、実行可能な範囲で低減が図られてい
るものと評価する。
表 10.13-5 存在(施設の存在)による影響に対する環境保全措置
保 全 措 置
の 種 類 低減 低減 低減
実 施 内 容
計画地周辺で計画建物による
障害が生じた場合には、受信障
害の改善方法、時期等について
関係者と十分協議し、必要な対
策を実施するよう指導する。
連絡窓口を明確にし、迅速な対
応を図るよう進出企業に指導
する。
「新座市開発行為等の基準及
び手続に関する条例」に定めら
れる中高層建築物を建設する
場合には、適切な対応を図るよ
う進出企業に指導する。
実 施 期 間 施設の存在時 施設の存在時 事業計画立案時
効 果 及 び
変 化
電波障害の影響範囲を最小限
に抑えることが可能である。
電波障害の影響範囲を最小限
に抑えることが可能である。
電波障害の影響範囲を最小限
に抑えることが可能である。
副 次 的 な
影 響 等 なし。 なし。 なし。
(2)基準や目標との整合性に係る評価
ア.評価方法
電波障害の予測結果について、以下の基準等と整合が図られているかを判断する。
・新座市開発行為等の基準及び手続に関する条例(平成 14 年 12 月 25 日、条例第 30 号)
中高層建築物の建築を行う者は、当該中高層建築物又はその建築工事により周辺住民
の放送電波の受信に障害が生じることが予測されるとき、又は現に生じたときは、周辺
住民が正常な放送電波を受信できるよう、当該中高層建築物又はその他の場所に共同受
信設備を設置する等必要な措置を講じなければならない。
イ.評価結果
予測の結果、進出企業の計画建物により、東京スカイツリー(東京都(県域放送):MXTV)
について、電波障害の影響が考えられるが、表 10.13-5 に示したとおり、計画地周辺で計画
建物による障害が生じた場合には、進出企業に対し、受信障害の改善方法、時期等について
関係者と十分協議し、必要な対策を実施するよう指導していく。
したがって、施設の存在に伴う電波障害の影響については、基準や目標との整合が図られ
るものと評価する。