日本グリース株式会社横浜工場 標準室...

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NIPPON GREASE CO.,LTD. 粘度のJCSS校正事業者の 認定取得について 粘度のJCSS校正事業者の 認定取得について 日本グリース株式会社 横浜工場 標準室 橋爪 幹夫

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NIPPON GREASE CO.,LTD.

粘度のJCSS校正事業者の認定取得について

粘度のJCSS校正事業者の認定取得について

日本グリース株式会社 横浜工場標準室

橋爪 幹夫

・粘度計校正用標準液のご紹介

・粘度のJCSS校正事業者の認定取得について

・今後の展開

本日の内容

NIPPON GREASE CO.,LTD.

粘度計校正用標準液の外観粘度計校正用標準液の外観

NIPPON GREASE CO.,LTD.

独立行政法人 産業技術総合研究所 校正済

↓日本グリース㈱横浜工場 標準室 校正済

沿 革沿 革

NIPPON GREASE CO.,LTD.

1952年 (S27) 昭和石油㈱品川研究所(当時)にて、粘度の精密測定の研究を開始

1957年 (S32) 通産省工業技術院 資源技術研究所、中央計量検定所、昭和石油の3者で共同研究を開始

1960年 (S35) 国産の粘度標準液発売開始(低粘度標準液10種類)

1964年 (S39) 日本工業規格 JIS Z 8809「粘度計校正用標準液」制定

1965年 (S40) 高粘度標準液の市場化の要望を受け、通産省工業技術院 計量研究所(以下「計量研」)と昭和石油㈱とで共同研究を開始

1967年 (S42) 高粘度標準液発売開始(3種類)

1978年 (S53) JIS Z 8809に高粘度標準液3種類が追加

1998年 (H10) 昭和シェル石油㈱から日本グリース㈱に製造販売権が移管

2010年 (H22)日本グリース㈱横浜工場に粘度計校正用標準液の調製及び

校正を業務を行う標準室を設置

2011年 (H23) 日本工業規格 JIS Z 8809「粘度計校正用標準液」改定

2012年 (H24)登録に係る区分:粘度にて、粘度計校正用標準液のJCSS

校正事業者として認定登録

NIPPON GREASE CO.,LTD.

沿 革沿 革

種類と基準値種類と基準値

種 類

動粘度 mm2/s 粘 度 mPa・s

基準値 概略値 概略値

20℃ 25℃ 30℃ 40℃ 20℃ 25℃ 30℃ 40℃

JS 2.5

JS 5

JS 10

JS 20

JS 50

JS 100

JS 200

JS 500

JS 1000

JS 2000

JS 14000

JS 52000

JS 160000

2.5

5.0

10

20

50

100

200

500

1 000

2 000

14 000

52 000

160 000

100 000

2.1

2.9

7.4

14

32

59

110

260

500

940

5 500

20 000

1.8

3.2

5.7

10

21

32

66

150

270

420

2 400

8 500

2.0

4.1

8.4

17

43

86

170

440

890

1 800

13 000

46 000

140 000

90 000

1.6

3.2

6.1

11

27

51

95

230

430

820

4 800

18 000

1.4

2.5

4.6

5.2

18

32

56

130

230

420

2 100

7 500

JIS Z 8809:2011 5.動粘度及び粘度の表2より

NIPPON GREASE CO.,LTD.

許容範囲許容範囲

種類 許容範囲 (mm2/s) 調製目標値 (mm2/s)JS 2.5

JS 5

JS10

JS 20

JS 50

JS 100

JS 200

JS 500

JS 1000

JS 2000

基準値の

±5%

2.375 ~ 2.625

4.750 ~ 5.250

9.500 ~ 10.50

19.00 ~ 21.00

47.50 ~ 52.50

95.00 ~ 105.0

190.0 ~ 210.0

475.0 ~ 525.0

950.0 ~ 1050

1 900 ~ 2 100

2.450 ~ 2.550

4.900 ~ 5.100

9.800 ~ 10.20

19.60 ~ 20.40

49.00 ~ 51.00

98.00 ~ 102.0

196.0 ~ 204.0

490.0 ~ 510.0

980 ~ 1 020

1 960 ~ 2 040

JS 14000

JS 52000

JS 160000

基準値の

±20%

11 200 ~ 16 800

41 600 ~ 62 400

128 000 ~ 192 000

許容範囲と同じ

いつでも、規定する基準値と同一の粘度をもつ標準液を得られることが望ましい

(JIS Z 8809:2011 解説より)

NIPPON GREASE CO.,LTD.

安定性(動粘度の1年当たりの変化率)安定性(動粘度の1年当たりの変化率)

種類 1年間の変化の割合 未開封液 (1) 開封液 (2)

JS 2.5

JS 5

JS 10

JS 20

JS 50

JS 100

JS 200

JS 500

JS 1000

JS 2000

JS 14000

JS 52000

JS 160000

±0.2

±0.4

±1

0.06

0.03

0.04

0.05

0.01

0.03

0.01

0.07

0.06

0.05

0.08

0.08

0.07

0.06

0.07

0.07

0.06

0.03

0.03

0.03

0.12

0.15

0.13

残液の量に

よって変化率

が異なる

単位 %(1) 未開封のまま室温下で保存

(2) 開封して一部を使用後、残液を室温下で保存

JIS Z 8809:2011 6.品質の表3及び附属書より

NIPPON GREASE CO.,LTD.

1993年、昭和シェル石油㈱が計量研究所(現 産業技術

総合研究所)を訪問した記録から~

計量研(現 産総研)校正事業の移管について-1計量研(現 産総研)校正事業の移管について-1

NIPPON GREASE CO.,LTD.

・1992年5月、新計量法公布・1993年11月、施行・新たに計量標準のトレーサビリティ制度が導入

3年以内に粘度の校正業務を公益法人等又は民間事業者に移管するかを決定(計量研)

計量研(現 産総研)校正事業の移管について-2計量研(現 産総研)校正事業の移管について-2

NIPPON GREASE CO.,LTD.

1997年、昭和シェル石油㈱・弊社が計量研究所を訪問

した記録から~

・粘度計校正用標準液の製造販売権を、昭和シェル石油㈱から日本グリースに移管

・粘度の校正事業を弊社に移管する設備、費用、審査、認定等を打ち合わせ

1998年-粘度計校正用標準液の製造販売権の移管

以降、JCSS認定を計画・準備開始

2000年-計量研究所の技術アドバイスを頂き、校正用

機器の導入を開始

2000年以降-細管式粘度測定装置を用いての測定

技術を高める

JCSS認定取得の経緯-1JCSS認定取得の経緯-1

NIPPON GREASE CO.,LTD.

2005年-NITEのJCSS等技術委員会粘度分科会に参加、JCSS技術的要求事項適用指針の作成に携わる

2007年-NITEにて適用指針:粘度が制定弊社横浜工場にて、ISO/IEC 17025要求事項に適合する品質システムの構築を開始

文書化のポイント

品質システムの文書化は、ISO 9001の品質システム文書類を組み合わせて見直し、新たな文書はできるだけ作成しない

JCSS認定取得の経緯-2JCSS認定取得の経緯-2

NIPPON GREASE CO.,LTD.

JCSS登録及び登録後のスケジュールJCSS登録及び登録後のスケジュール

NIPPON GREASE CO.,LTD.

2007年4月-JCSS技能試験(粘度:粘度計)に参加

2010年4月-JCSS登録申請書提出

文書審査が始まる

2010年12月-文書審査の質問書が届く

文書審査の結果

品質マニュアルや文書に多くの質問事項があり、期限

までの回答に苦労

JCSS申請及び審査-1JCSS申請及び審査-1

NIPPON GREASE CO.,LTD.

2012年8月-現地審査1日目:マネジメントシステム審査

(文書・記録の確認)技術審査(技術文書・技術的記録の確認)

2日目:技術審査(模擬校正、値付け、不確かさ他)

現地審査の結果

品質マニュアルを始め、多くの文書に不適合を指摘された技術的な部分に関して多くの不適合を指摘された

JCSS申請及び審査-2JCSS申請及び審査-2

NIPPON GREASE CO.,LTD.

2012年9~12月-数々の不適合の是正処置に対応

2012年12月-NITEの評定委員会で弊社の校正事業

が認定された

2012年12月25日付けで登録証発行

JCSS申請及び審査-3JCSS申請及び審査-3

NIPPON GREASE CO.,LTD.

登録番号:0297

事業所の名称:日本グリース㈱ 横浜工場 標準室

所在地:神奈川県横浜市鶴見区末広町1-12

登録に係る区分:粘度

法律に基づく初回認定日又は初回登録日:

平成24年12月25日

国際MRA対応初回年月日:平成24年12月25日

校正手法の区分の呼称:粘度標準液

JCSS認定登録の内容JCSS認定登録の内容

NIPPON GREASE CO.,LTD.

NIPPON GREASE CO.,LTD.

校正範囲及び最高測定能力校正範囲及び最高測定能力

NIPPON GREASE CO.,LTD.

校正範囲及び最高測定能力校正範囲及び最高測定能力

粘度のトレーサビリティ体系粘度のトレーサビリティ体系

NIPPON GREASE CO.,LTD.

校正設備-1 (弊社標準室の紹介)校正設備-1 (弊社標準室の紹介)

標準室の外観

1F:粘度標準液調製室

2F:粘度標準液校正室

NIPPON GREASE CO.,LTD.

校正設備-2 (校正室内の様子)校正設備-2 (校正室内の様子)

常温用恒温槽

測時計

温槽制御

温度測定装置

大気圧力計

環境用温度・湿度計

NIPPON GREASE CO.,LTD.

今後の展開-粘度計校正用標準液今後の展開-粘度計校正用標準液

・各種類の粘度値を超えたより低粘度や高粘度の

標準液の開発

(例えば、JS 2.5以下、JS 160000以上)

・粘度値を補完する中間粘度の標準液の開発

(例えば、JS 2000とJS 14000の中間)

・20 ℃~40 ℃の温度範囲を超える動粘度又は粘度値

(例えば、-40 ℃、0 ℃、100 ℃など)

今後は、新しい種類の粘度計校正用標準液の開発に

取り組んで行きます

NIPPON GREASE CO.,LTD.

今後の展開-校正事業今後の展開-校正事業

・登録された粘度の校正範囲

動粘度 0.5 mm2/s以上、192 000 mm2/s以下

粘度 0.4 mPa・s以上、168 000 mPa・s以下

校正温度 20 ℃以上、40 ℃以下

JIS Z 8809 粘度計校正用標準液の範囲

今後は、校正温度範囲の拡張に取り組んで行きます

NIPPON GREASE CO.,LTD.

おわりに

1998年にJCSS認定の準備を開始してから

15年の歳月を経て、この度、JCSSが認定登録

されました。

認定審査において、ご指摘やご指導を頂き

ましたNITE認定センターの審査チームの皆様、

ならびに産総研の流体標準研究室の皆様に

この場を借りて深くお礼と感謝を申し上げます。

NIPPON GREASE CO.,LTD.