クラウド版も開発が進む libreofficeの最新動向と導入事例の紹介
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榎 真治 ([email protected])LibreOffice 日本語チーム
in オープソースカンファレンス 2016 .Enterprise @ Osaka2016-01-29 This work is licensed under a Creative Commons
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クラウド版も開発が進むLibreOfficeの最新動向と導入事例の紹介
自己紹介 : 榎真治(えのきしんじ)● LibreOffice日本語チームメンバー (2011-現在 )
● The Document Foundationメンバー (2014/4-
現在 )● フリーで LibreOfficeのコンサル /サポート /トレーニング● アイクラフト株式会社と組んで LibreOfficeサポートビジネス( Collaboraの L3サポートのリセールと、 L1/L2サポート)
LibreOfficeとは● 統合オフィスソフト● マルチプラットフォーム
– Windows, MacOSX, Linux で動作– 同じように使える、やり取りが楽
● オープンソース・ライセンス● 多くの言語に対応 (言語パックは 111)
LibreOfficeで何ができるのか?ワープロ 表計算 プレゼンテーション
図形描画 データベース 数式エディタ
LibreOfficeが何を目指しているのか?
自由なオフィスソフトを作ること!
Microsoft Office の互換製品を目指しているわけではない
4つの価値観● すべての人々のデジタルデバイドを解消すること● 母語を保護する活動を支援すること● プロプライエタリソフトウェアやプロプライエタリフォーマットのロックインを避けること
● オープンで透明性のある開発を行うことhttps://ja.libreoffice.org/about-us/who-are-we/
誰が作っているのか?● 世界中のボランティアがコミュニティを形成して開発● ドイツ・ベルリンに The Document Foundation(非営利法人 )を設立
● TDFやサポートベンダでフルタイムで雇用されている人は20数名くらい?– TDF6 名 ,Collabora10 名程度 ,Redhat5 名 ,Canonical 1 名 ,
CIB3-4 名 ?
昨年のデンマークでの国際会議に集まったメンバー
撮影 Dmitri Popov
2016/1/9開催の日本でのミニ・カンファレンス
撮影 Kondo Masataka
MSOとのファイル相互運用性● ODF(国際標準)
– LibreOffice は標準で利用(事実上のリファレンス実装) Ver1.2 拡張– Microsoft Office の最新版では Ver1.2 をサポート
● OOXML(MSO2007以降の形式 )
– LibreOffice でインポート、エクスポート可能– やり取りの精度はそこそこ高い
● MSO旧バイナリ形式(MSO2003など)– LibreOffice でインポート、エクスポート可能
他の環境への展開● Webブラウザで編集できる LibreOffice
Online(LOOL)
● アンドロイド版ビューア
LibreOffice Online
● 去年から開発が本格化(まだまだ開発中!)● ブラウザで編集する
– UI が HTML5 、バックエンドに LibreOffice
● 将来的には複数ユーザーの同時編集も● サーバープログラムとして提供
– 誰でもサーバーをたてられる– ホスティングサービスも出てくるのでは
ownCloud の編集画面に LOOL を組み込んだものhttps://www.youtube.com/watch?v=jPGBRu085Dw
デモ
https://www.libreoffice.org/download/android-viewer/
Google Play Store からダウンロード可能
LibreOffice Viewer :現在は表示のみ実験的な機能として編集も一部可能
日本での主な導入事例● 自治体
– 徳島県、会津若松市、甲賀市、久喜市、湖西市、塩尻市– 県レベルの教育委員会で使われているケースも
● 企業– 住友電工、 NTT コムウェア
● 団体– JA 福岡市、苫小牧港管理組合 誰でもダウンロードして使える
ので、把握できません
ヨーロッパなどでは行政中心に導入が進行中● イタリア国防省 15万台● フランス内務省 24万台(これは以前から)● イギリス政府も ODF を標準に
– Collabora とも契約し LibreOffice 導入へ● 台湾も ODF推進、自治体で LibreOffice導入● ブラジルなどでもさかんイタリア国防省は LibreItalia と協力して導入を進めると発表
成果物はオープデータ (CC0) で公開される予定
イタリア国防省の導入についてEU の Web サイトでの発表
英国政府がコラボラ社と契約してLibreOffice 導入を進めることを発表
LibreOfficeを使う理由● さまざまな OS環境( Linux, Mac OS X)で使いたい
● ベンダーロックインの回避、バージョンアップ地獄からの脱出
● バージョンを楽に統一したい● ライセンスコストの削減
業務アプリケーションとして十分か?● 仕事がまわるかが肝心● 業務の理解が重要に
– 業務の棚卸につながる– 業務プロセスを改善するチャンス
アンチパターン● 業務がまわるか、現場の状況を把握せずに入れる● 根回しせずに反発をうける● 導入担当者の情熱やノウハウが次の人へ受け継がれない
導入のための参考資料● TDFのホワイトペーパー
– 世界各国での事例に基づいたもの– 日本での導入ケースでも、ほぼ同じことが言える– 小笠原さんの日本語訳
https://wiki.documentfoundation.org/images/8/84/MigrationLibreOffice-ja.pdf
JA 福岡市のマニュアル
様々な便利なマニュアルを公開されてますhttp://www.ja-fukuoka.or.jp/libre/
情報を得る・情報交換ために、参加してみよう● メーリングリスト(日本語では 3つ)
– リリース情報など: announce
– 翻訳や不具合の議論をする: disscuss
– 使い方の情報共有、質問: users
– 参照 https://ja.libreoffice.org/get-help/mailing-lists/
● 公式の質問サイト ask.libreoffice.org
– 気軽に質問を!– 英語版は情報も多いです
関西での LibreOfficeイベント● 関西LibreOffice勉強会
– 次回は 2/13(土 ) 新大阪で開催– 3−4ヶ月に 1回。セミナースタイル
● LibreOfficeの日 ( @JUSO Coworking)
– 毎月第 3水曜日 15時 -21時。大阪・十三のコワーキングで開催– LibreOffice に興味ある人が集まる日
● (他のコワーキングの人もいます)– LibreOffice に関する質問も歓迎(私が答えられるかは別ですが)
LibreOfficeを楽しもう!