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ペイシェントボイスカフェ
乳房外パジェット病
H30年 9月 2日 患者 小谷洋子
自己紹介
• 都立病院で混合病棟に勤務した看護師
• 現在 有料老人ホーム主任の看護師
パジェット病(Paget病)• 主に汗を産生する汗器官由来の細胞が癌化する表皮内癌の一種です。
• パジェット細胞という癌細胞が増殖しますが、最初は表皮の中だけに留まっており、真皮には及んでいない状態です。進行して真皮まで腫瘍細胞が浸潤したのがパジェット癌ですが、一般にはパジェット癌も含めてパジェット病と呼ぶこともしばしばです。
一般社団法人日本皮膚悪性腫瘍学会より
• 表皮→真皮→リンパ転移
• 同時に臓器の
パジェット病
• 乳頭や乳輪に生じる乳房パジェット病
乳房パジェット病は乳癌と同じ扱い
• 陰部や腋窩などに生じる乳房外パジェット病
乳房外パジェット病
• 皮膚がん
• 原因不明
• 女性:男性 1:2
• 60歳以上の高齢者に多く発生
• 15%程度に胃がん、膀胱がん 大腸がんなど内臓原発の腺がんを伴う
症状
• 陰部や腋窩などに赤くて湿った病変が生じ、表面にかさぶたがついたり、痒みがあったりします。見た目が湿疹やたむしに似ていることがありますが、薬を塗ってもよくならず、少しずつ広がっていきます。赤い病変の他に白色や茶色の病変も混じることがあります。進行すると病変内に結節や腫瘤ができたりします。
乳房外パジェット病
• 外陰部や肛門の周囲に、自覚症状のない比較的境界明瞭な淡紅色や茶褐色の斑状病変として発症します。時に、その周囲に脱色素斑を伴います。自覚症状としてかゆみを感じることもあり、そのような場合、白癬(みずむし)や湿疹と思い込まれ治療されるケースがありますが、塗り薬の治療が効きません。一般に病変は陰部に単発で生じますが、陰部に加え腋の下や臍にも同様の病変が見いだされることもあります。進行すると斑の一部にびらんや痂皮(かひ-かさぶた)が生じ、そして、硬結や結節が形成され、やがてリンパ節転移や遠隔転移を生じます。
治療
• 原則として手術で切除します。病変の境界より1~3cm離して切除します。欠損が大きくなるため、多くの例でその被覆に植皮や皮弁などの再建手術が必要です。所属リンパ節に転移がある場合は転移の程度によりますがリンパ節郭清が必要です。本病変はときに病変の境界を見極めるのが難しい例があり、再発や転移も少なくありません。 リンパ節転移が広範囲に及んだり、臓器に転移がある場合は、化学療法を主体とした治療が行われます。
一般社団法人日本皮膚悪性腫瘍学会より
治療
• 手術療法が第一選択で、他の選択肢として放射線療法があります。切除不能の転移病変が有る場合、薬物療法(化学療法)が実施されます。手術療法では、治療範囲を明確にするため、肉眼的病変部より1~3cm
離れた部位を多数パンチ生検(マッピング生検といいます)し、腫瘍細胞の有無を確認します。そしてマッピング生検の結果をふまえたマージンをつけて、病変を切除します。広範な皮膚欠損にて単純縫縮が困難な場合、再建方法として、植皮が一般に用いられます。尿道や肛門に広がる場合は、尿路変更や人工肛門が必要になるケースがあります。
• 表皮
• 真皮リンパ転移なし 手術
• リンパ転移あり 手術+リンパ郭清
• 内臓転移 化学療法
当時の私
• 専業主婦 5歳 3歳の子育て中
• 皮膚科の病棟看護師の経験あるも乳房外パジェット病の知識なし
• ネット環境なし
• 教科書でみる程度
• 友人の皮膚科医に電話 「癌だよ。取りな」
発見までの軌跡
• わきの下に「うす茶色しみ」
• 半年で0.5mm ほんの少し大きくなってる
• 痛みもかゆみもない
• 息子がチャドクガにかぶれた→皮膚科受診
• 「シミだと思うよ」 念のため×2
IC
「癌だから取らなきゃ」
慌ててる医師 本人のみのIC
入院 OPE
• 全身麻酔下 腋下皮膚切除 大腿部より植皮
OPE後
• 「ふつうは予後5年だけど、30代の腋下パジェットは日本に100例しかないから8年はみて」
• 若い(60歳以下)は真皮に浸潤が速くリンパ転移起こしやすい
• 再発しても見つけずらい
• 現在でもリンパ節転移を起こした場合の手術方法の確立が遅れていることや、リンパ節転移が多発したり、内臓転移を起こしたりした場合の抗がん薬による治療方法の開発がほとんどされていない。
• 乳房外Paget病の5年生存率は、表皮内に限局した時期・真皮浸潤の時期・局所リンパ節転移の時期ではいずれも100%で、遠隔リンパ節転移では32%に減少します。遠隔臓器転移の場合には1年生存率で30%
• まさかのケロイド治療
長い通院期間
• 治らないケロイド
• 再発は???
• 病院時代のがん患者の苦しみ
• 子育てというリハビリ
ケロイド治療
使用薬剤
•リザベン
•ステロイドテープ
•あきらめた
ケロイド治療
発症から20年• 症状ない
• 原因不明
• 独身は見つけにくい 腋下 外陰部 乳房
• 年齢とともに増えるシミ
• 転移したら治療は確立されていない
• もう 「なるようにしかならない(^^♪」
当時の薬剤師さんとのかかわり
•記憶にない• 同じ薬を毎回同じ説明する
質問
•同じ薬をもらう人をどう思っています?
•処方間隔が延びてる人をどう思ってます?
•なんて声をかけます?
•問診表は何のため?
去年であった素敵な薬局
• 国分寺駅前の古い薬局
• 胃の痛みで飛び込んだ
「検査いってくださいよ」
次に行ったとき
•「検査の結果どうでした?」
こんなかかわりができたら
• 当時は誰も聞いてくれない。
「母は強くなきゃいけないと思ってた」
• 癌の不安
• ケロイドのこと
今•最強の味方 訪問薬剤師
できる薬剤師さんとのタッグで
仕事はグッとらくになる。
施設での情報共有
• 本人の思い
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• 生活リズム
•もっと薬剤師さんと絡みたい♬
•ご清聴ありがとうございます。