導入事例 japan digital design株式会社 様 - okiが「atm mini」です。「atm...

2
Japan Digital Designגձ ಋೖ ɹJDDɺMUFGͷ৫ͰʮΠϊϕʔγϣ ϯɾϥϘʯεϐϯΦϑ201710ʹઃΕ·ɻ ಉͷతɺ··ͳձత՝ʹର۩ମతͳ ϓϩτλΠϓΛ։ɺݧΛ௨༗༻Ռ Λɺͷ৽ͳ༥αʔϏεΛɾఏҊ ΔͱͰɻۀ։ϝϯόʔʹՃɺʹΤϯδχΞ σβΠφʔɺσʔλαΠΤϯςΟετͱΤϯδχΞ ϦϯάΛ༴ɺϥϘΒ ફΦʔϓϯΠϊ ϕʔγϣϯΛجຊελϯεͱɺ֎෦ۀاͱͷ࿈ ܞɾ ڠಇΛۃతʹਪਐɺ৽ͳϓϩδΣΫτΛʑͱ ·ɻ ɹऔΓΈʹଟͷҬ༥ػಉɺ Ͱʹ35 ߦύʔτφʔʹΛ࿈Ͷ·ɻBusiness Development Div. ManagerͱʮATM miniʯϓϩ δΣΫτΛ୲ΔਔɺʮͲͷϓϩδΣΫ τʹͱ༏ઌΕΔʠ٬ͷମݧɺ٬ ʹͱͷՁʡͰΓɺΕΛݱΔखʹɺ MUFGͱάϧʔϓͷʹΘ·Μʯͱ આ·ɻ ͷҰൠʹATMΛΜ ίϯύΫτͰػߴಈͷΈ ɹJDDͰɺʮminiʯͱαʔϏείϯηϓτͷͱɺ ʠʑͷΒΛɺձΛΐͱศརʹΔαʔ ϏεʡΛల։Αͱ·ɻ۩ମతʹɺ طଘͷ ༥αʔϏεͰఏڙͰͳʮՃՁʯͷ ݱͱɺපӃɾༀہͷձܭɺߍͰͷɺখചళͷϨ δɺ;Δͱೲ੫ɺߦޱͷखଓͱΒͷ ג ձ ඛ U F JϑΟφϯγϟϧɾάϧ ʔϓʢ Ҏ Լ ɺM U F G ʣͷ ά ϧʔϓձͰͷ༥αʔϏεʹΔௐɾ ڀݚɾ։Λख ΔJapan Digital Design ג ձ ʢҎԼɺJDD ʣɺ ʮ AT M m i n i ʯϓ ϩδΣΫτʹ ɺҰ ൠ ʢ ϛχ ό ϯ ʣʹ খ ܕATMΛ ɺ ݱඞཁͳॴ༬Ҿग़αʔϏεΛఏ ڙΔ ʮ Ҡ ಈ AT M ʯΛ։ ɻ2 018 9Β ݧΛల։· ɻͷ ATMͱ ༻Ε ͷ ɺO K I ͷʮ Ϟ δϡʔϧ ܕATMʯͰɻ ϓϩδΣΫτͷഎ ܠɾ ܦҢ ໘ͰɺʠΜͳͱͰΒʡͱ٬ͷΓͱΛ ༥ͱͼαʔϏεͱఏ ڙΔऔΓΈΛ ߦ·ɻ ɹͷʮminiʯϒϥϯυͷ1Ͱɺ ػίϯϏχͳͲʹਾ ஔΕΔATMΛҠಈ ΔαʔϏεͱఏڙΔͷ ʮATM miniʯͰɻʮATM miniʯͷߏ ͷɺձઃલͷ2017य़ ͰɻʮFintechΩϟογϡ ϨεΕΔҰͰɺຊ Ͱ ݱΛ໘·· ݱঢ়Λଊɺ٬ݱΛඞཁͱΔ໘ ʹATMʰདྷΔʱʰΔʱͱͰɺ٬ͷਅͷతʹ دΓఴͱͰΔͷͰɺͱͷΒʰҠಈATM ʱͷΞΠσΞੜ·Ε·ʯͱɺޠΓ·ɻ ɺʮҠಈ༥ళฮͷΑͳେΓͳͷͰͳɺ ҰൠͰͲʹͰߦΔίϯύΫτͰػಈͷߴ ΈΛݱʯͱɺ߹ͷΔෳͷATM ϕϯμʔʹ૬ஊΛ·ɻͳΒɺϕϯ μʔΒͷճΕرʹదͷͰΓ·Μ Ͱɻ ख٧·ΓͷதͰʹ·OKIͷϓϨεϦϦʔεʹɺ Πϝʔδ௨ΓͷιϦϡʔγϣϯ ɹॳͷҰาΛ౿Έग़ʹதɺ2017623ʹ OKI දҰൠ༻AT Mʮ Ϟδϡʔϧ ܕATMʯ৽ചͷϓϨεϦϦʔεʹ·Γ·ɻ Business Development Div. Manager ͲʹͰग़ళͰΔʮҠಈATMʯʹOKIͷʮϞδϡʔϧܕATMʯΛΠϕϯτձͰͷݧͰATMʮདྷΔʯ༥ମݧΛఏ ڙOKIເͷ൶Λ։· OKIքͷਓʑͷ৺๛Ͱ৺ɺશͳເͷձͷ൶Λ։·ɻ ͷເرݱͷͷͱͳΔใձͷݙߩʹݱͱɺ ΕʹΑਓʑʹʮ৺ʯΛಧΔͱΛՌ·ɻ ʮͳͷເΛʯʮΛݱΔʯɺ ΕʮOpen up your dreamsʯʹΊOKIͷଋͰɻ OKI www.oki.com/jp/

Upload: others

Post on 27-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 導入事例 Japan Digital Design株式会社 様 - OKIが「ATM mini」です。「ATM mini」の構想が持ち上がった のは、会社設立前の2017年春 でした。「Fintechやキャッシュ

Japan Digital Design株式会社 様導入事例

 JDD様は、MUFGの社内組織であった「イノベーショ

ン・ラボ」がスピンオフして2017年10月に設立されました。

同社の目的は、さまざまな社会的課題に対して具体的な

プロトタイプを開発し、実証実験を通じて有用性や効果

を模索し、次世代の新たな金融サービスを創造・提案す

ることです。事業開発メンバーに加え、社内にエンジニア

やデザイナー、データサイエンティストといったエンジニア

リング力を擁し、ラボ時代から実践してきたオープンイノ

ベーションを基本スタンスとして、外部企業との連携・協

働を積極的に推進し、斬新なプロジェクトを次 と々立ち上

げています。

 こうした取り組みには多くの地域金融機関が賛同し、

すでに35行がパートナーに名を連ねています。Business

Development Div. Managerとして「ATM mini」プロ

ジェクトを担当する竹内亮仁氏は、「私どものプロジェク

トにとって最優先される事項は“お客様の体験、お客様

にとっての価値”であり、それを実現する手立てに関して、

MUFGというグループの枠にこだわってはいません」と

説明します。

目指したものは一般車両にATMを積んだコンパクトで高機動性の仕組み JDD様では、「mini」というサービスコンセプトのもと、

“日々の暮らしを、そして社会をちょっと便利にするサー

ビス”を展開しようとしています。具体的には、既存の金

融サービスでは提供できていなかった「付加価値」の実

現として、病院・薬局の会計、学校での集金、小売店のレ

ジ、ふるさと納税、銀行窓口の手続きといった暮らしの場

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)のグループ会社で次世代の金融サービスに関する調査・研究・開発を手がけるJapan Digital Design株式会社様(以下、JDD様)は、「ATM mini」プロジェクトにおいて、一般車両(ミニバン)に小型ATMを搭載し、現金が必要な場所へ預金引出サービスを提供する「移動ATM車」を開発。2018年9月から実証実験を展開しています。その車載ATMとして採用されたのが、OKIの「モジュール型ATM」です。

プロジェクトの背景・経緯

面で、“こんなことができたら”というお客様の困りごとを

金融と結びつけたサービスとして提供する取り組みを

行っています。

 この「mini」ブランドの1つで、

金融機関やコンビニなどに据

え置かれているATMを移動さ

せるサービスとして提供するの

が「ATM mini」です。「ATM

mini」の構想が持ち上がった

のは、会社設立前の2017年春

でした。「Fintechやキャッシュ

レスが注目される一方で、日本

では現金を使う場面もまだま

だ多い現状を捉え、お客様が現金を必要としている場面

にATMが『来る』『ある』ことで、お客様の真の目的に寄

り添うことができるのでは、との発想から『移動ATM

車』のアイデアが生まれました」と、竹内氏は語ります。早

速、「移動金融店舗車のような大掛かりなものではなく、

一般車両でどこにでも行けるコンパクトで機動性の高い

仕組みを実現したい」と、付き合いのある複数のATM

ベンダーに相談を持ちかけました。しかしながら、ベン

ダーからの回答はいずれも希望に適うものではありません

でした。

手詰まりの中で目に留まったOKIのプレスリリースに、イメージ通りのソリューションが 最初の一歩を踏み出せずにいた中、2017年6月23日に

OKIが発表した一般車両搭載用ATM「モジュール型

ATM」新発売のプレスリリースが目に留まりました。

ATMを3つのモジュール(基本部・通帳部・紙幣部)に分

割、コンパクトに配置できるようにし、普通免許で運転で

きるミニバンに搭載可能となった新商品は、まさにコンセ

プトに合致するものでした。竹内氏は「偶然とはいえ、

困っていたところにタイミングよく救いの手を差しのべら

れた感じでした」と振り返ります。

 すぐにOKIに問い合わせ、コンタクトを取りました。「プ

レスリリースに掲載されていた車両に機器を搭載した写

真は、ずばりイメージ通りでしたし、OKIのショールームに

足を運んでチェックした実機の機能も十分に満足できる

ものでした」(竹内氏)。

鹿児島銀行様との提携で銀行法のハードルもクリア 「モジュール型ATM」の採用は2018年初めにはほぼ決

定していました。ただ、次のステップに進むためには、越え

なければならないハードルがまだありました。

 「銀行法上、ATM業務は金融機関でなければ提供で

きないため、銀行業のライセンスを持たない当社がサービ

スを具現化するためには、金融機関と業務提携する必要

がありました。さらに、ATMを運用するためには提携先

の勘定系システムとの接続も不可欠でした」と、竹内氏は

説明します。この課題を迅速にクリアする手立ては、OKI

のATMの運用実績があり、プロジェクトの趣旨に賛同し

てくれる金融機関とパートナーシップを組むことでした。

そこで、OKIの協力を得て有力候補へのアプローチを

行った結果、ほどなくして株式会社鹿児島銀行様(以下、

鹿児島銀行様)から実証実験の協働運営で合意を得る

ことができ、2018年4月17日に報道発表がなされました。

 こうして、JDD様はATMサービスの場(ハードウェア)

となる「移動ATM車」を用意し、鹿児島銀行様が実際の

サービス(ソフトウェア)を提供するというスキームが完

成し、システム構築作業が一気に加速しました。

現場で寄せられた利用者からの生の声に実証実験の有意義さを実感 出金前の残高表示や千円札を10枚セットで出金する

ショートカットボタンを配置するといったATMのユー

ザーインターフェースの工夫や、現金の輸送形式、車両の

運行方法の検討など、すべての準備を整え、実証実験

フェーズへと移行した「ATM mini」は、2018年9月22日~

23日に岐阜県中津川市で開催された野外音楽イベントで

の稼働を皮切りに、花火大会、グルメ・フードイベント、フ

リーマーケットなどに出店しています。「ATM mini」に搭

Business Development Div.Manager竹内 亮仁 氏

載された「モジュール型ATM」は、鹿児島銀行様の東京

支店が管轄するATMという位置付けになっています。

 初回の稼働では、2日間で130件の利用があり、「イベン

トでのグッズ購入に現金が必要なのでATMの出店はあ

りがたい。手数料は気にならない」という声を筆頭に、利

用者からは高評価が多く寄せられました。一方で、イベン

トの内容によっては利用者が少なかったり、手数料負担

に対して想定以上にシビアな意見が寄せられたりするこ

ともありました。あらかじめ現金を用意してきたイベント

来場者からは「事前に告知してくれていれば利用したの

に」と残念がる声、フリーマーケット会場では「売上金を

入れたいので入金機能もあったほうがいい」という出店

者からの要望、さらに、海外からの観光客がイベント会場

では現金払いのみと知り、「ATM mini」を利用できるか

どうか質問してきたこともあったそうです。

 竹内氏は「イベントの種類によって『ATM mini』 が受

け入れられるかどうかを検証できただけでなく、ユー

ザーインターフェースや手数料について、お客様から生の

声でさまざまなご意見やご要望をいただくことができ、非

常に有意義な実証実験を展開できています」と、確かな

手応えを掴んでいる様子です。

サービス提供シーンの拡大に加え、アプリから「ATM mini」配車の実現も将来構想に JDD様では今後、実証実験の結果を踏まえ、利用者の

メリット向上につながる機能改善やサービス拡張、プロ

モーション方法などについて議論し、「ATM mini」の次

なる展開を検討する意向です。また、移動ATM車を出店

したイベント自体の盛り上がりに貢献できるような取り組

みにも着手する考えです。

 竹内氏は「次のステップでは、高齢者施設向けに年金

を引き出せる場の提供など、サービスシーンの拡大や現

金支払いの支援などにも手を広げていきたいですし、将

来的にはタクシー配車のように、アプリで呼んだら

『ATM mini』が来る、といった仕組みが実現できたらと

思っています」と言い、ATMをタッチポイントと捉えデジ

タル世界へのゲートウェイとする構想も描いています。

 OKIの「モジュール型ATM」を採用した点について、竹

内氏は「ATMをはじめ金融システムを長年手がけてきた

知見やノウハウを持っているので非常に安心感がありま

した。OKIさんが、いろいろ無理なお願いにも応えてくれ

たおかげで、短期間でシステムを組み上げ実証実験を開

始でき、本当に感謝しています。今後もぜひ当社のスピー

ド感に寄り添って、オープンイノベーションを使った社会

的課題の解決に力を貸していただきたい」と、さらなるサ

ポートに期待を寄せています。

どこにでも出店できる「移動ATM車」にOKIの「モジュール型ATM」を採用イベント会場での実証実験でATMが「来る」金融体験を提供

O K I は 夢 の 扉 を 開 き ま す

OKIは世界の人々の心豊かで安心、安全な夢の社会への扉を開きます。

すべての夢や希望が現実のものとなる情報社会の実現に貢献していくこと、

それによって人々に「安心」をお届けするという使命を果たしていきます。

「あなたの夢を拓く」「想いを実現する」、

それが「Open up your dreams」に込めたOKIの約束です。

OKI www.oki.com/jp/

Page 2: 導入事例 Japan Digital Design株式会社 様 - OKIが「ATM mini」です。「ATM mini」の構想が持ち上がった のは、会社設立前の2017年春 でした。「Fintechやキャッシュ

社 名

本 社 所 在 地

代表取締役CEO

設 立

資 本 金

従 業 員 数

事 業 内 容

ホームページ

Japan Digital Design株式会社

東京都中央区日本橋本石町3-3-5 日本橋トークビル

上原 高志

2017年10月2日

36億円(含む資本準備金)

83人(2019年1月1日現在)(2019 年1月1日現在)

(1)銀行業高度化等に資する調査、研究、

  および技術開発

(2)銀行業高度化等に資するシステム開発、

  販売、および運用、

(3)銀行業高度化等に資するコンサルティング

  および人材育成

https://www.japan-d2.com/

 JDD様は、MUFGの社内組織であった「イノベーショ

ン・ラボ」がスピンオフして2017年10月に設立されました。

同社の目的は、さまざまな社会的課題に対して具体的な

プロトタイプを開発し、実証実験を通じて有用性や効果

を模索し、次世代の新たな金融サービスを創造・提案す

ることです。事業開発メンバーに加え、社内にエンジニア

やデザイナー、データサイエンティストといったエンジニア

リング力を擁し、ラボ時代から実践してきたオープンイノ

ベーションを基本スタンスとして、外部企業との連携・協

働を積極的に推進し、斬新なプロジェクトを次 と々立ち上

げています。

 こうした取り組みには多くの地域金融機関が賛同し、

すでに35行がパートナーに名を連ねています。Business

Development Div. Managerとして「ATM mini」プロ

ジェクトを担当する竹内亮仁氏は、「私どものプロジェク

トにとって最優先される事項は“お客様の体験、お客様

にとっての価値”であり、それを実現する手立てに関して、

MUFGというグループの枠にこだわってはいません」と

説明します。

目指したものは一般車両にATMを積んだコンパクトで高機動性の仕組み JDD様では、「mini」というサービスコンセプトのもと、

“日々の暮らしを、そして社会をちょっと便利にするサー

ビス”を展開しようとしています。具体的には、既存の金

融サービスでは提供できていなかった「付加価値」の実

現として、病院・薬局の会計、学校での集金、小売店のレ

ジ、ふるさと納税、銀行窓口の手続きといった暮らしの場

システム概要・ポイント

成果・今後の展望

Japan Digital Design株式会社様 概要

面で、“こんなことができたら”というお客様の困りごとを

金融と結びつけたサービスとして提供する取り組みを

行っています。

 この「mini」ブランドの1つで、

金融機関やコンビニなどに据

え置かれているATMを移動さ

せるサービスとして提供するの

が「ATM mini」です。「ATM

mini」の構想が持ち上がった

のは、会社設立前の2017年春

でした。「Fintechやキャッシュ

レスが注目される一方で、日本

では現金を使う場面もまだま

だ多い現状を捉え、お客様が現金を必要としている場面

にATMが『来る』『ある』ことで、お客様の真の目的に寄

り添うことができるのでは、との発想から『移動ATM

車』のアイデアが生まれました」と、竹内氏は語ります。早

速、「移動金融店舗車のような大掛かりなものではなく、

一般車両でどこにでも行けるコンパクトで機動性の高い

仕組みを実現したい」と、付き合いのある複数のATM

ベンダーに相談を持ちかけました。しかしながら、ベン

ダーからの回答はいずれも希望に適うものではありません

でした。

手詰まりの中で目に留まったOKIのプレスリリースに、イメージ通りのソリューションが 最初の一歩を踏み出せずにいた中、2017年6月23日に

OKIが発表した一般車両搭載用ATM「モジュール型

ATM」新発売のプレスリリースが目に留まりました。

ATMを3つのモジュール(基本部・通帳部・紙幣部)に分

割、コンパクトに配置できるようにし、普通免許で運転で

きるミニバンに搭載可能となった新商品は、まさにコンセ

プトに合致するものでした。竹内氏は「偶然とはいえ、

困っていたところにタイミングよく救いの手を差しのべら

れた感じでした」と振り返ります。

 すぐにOKIに問い合わせ、コンタクトを取りました。「プ

レスリリースに掲載されていた車両に機器を搭載した写

真は、ずばりイメージ通りでしたし、OKIのショールームに

足を運んでチェックした実機の機能も十分に満足できる

ものでした」(竹内氏)。

鹿児島銀行様との提携で銀行法のハードルもクリア 「モジュール型ATM」の採用は2018年初めにはほぼ決

定していました。ただ、次のステップに進むためには、越え

なければならないハードルがまだありました。

 「銀行法上、ATM業務は金融機関でなければ提供で

きないため、銀行業のライセンスを持たない当社がサービ

スを具現化するためには、金融機関と業務提携する必要

がありました。さらに、ATMを運用するためには提携先

の勘定系システムとの接続も不可欠でした」と、竹内氏は

説明します。この課題を迅速にクリアする手立ては、OKI

のATMの運用実績があり、プロジェクトの趣旨に賛同し

てくれる金融機関とパートナーシップを組むことでした。

そこで、OKIの協力を得て有力候補へのアプローチを

行った結果、ほどなくして株式会社鹿児島銀行様(以下、

鹿児島銀行様)から実証実験の協働運営で合意を得る

ことができ、2018年4月17日に報道発表がなされました。

 こうして、JDD様はATMサービスの場(ハードウェア)

となる「移動ATM車」を用意し、鹿児島銀行様が実際の

サービス(ソフトウェア)を提供するというスキームが完

成し、システム構築作業が一気に加速しました。

現場で寄せられた利用者からの生の声に実証実験の有意義さを実感 出金前の残高表示や千円札を10枚セットで出金する

ショートカットボタンを配置するといったATMのユー

ザーインターフェースの工夫や、現金の輸送形式、車両の

運行方法の検討など、すべての準備を整え、実証実験

フェーズへと移行した「ATM mini」は、2018年9月22日~

23日に岐阜県中津川市で開催された野外音楽イベントで

の稼働を皮切りに、花火大会、グルメ・フードイベント、フ

リーマーケットなどに出店しています。「ATM mini」に搭

稼働中の「ATM mini」(都内イベント会場にて)

載された「モジュール型ATM」は、鹿児島銀行様の東京

支店が管轄するATMという位置付けになっています。

 初回の稼働では、2日間で130件の利用があり、「イベン

トでのグッズ購入に現金が必要なのでATMの出店はあ

りがたい。手数料は気にならない」という声を筆頭に、利

用者からは高評価が多く寄せられました。一方で、イベン

トの内容によっては利用者が少なかったり、手数料負担

に対して想定以上にシビアな意見が寄せられたりするこ

ともありました。あらかじめ現金を用意してきたイベント

来場者からは「事前に告知してくれていれば利用したの

に」と残念がる声、フリーマーケット会場では「売上金を

入れたいので入金機能もあったほうがいい」という出店

者からの要望、さらに、海外からの観光客がイベント会場

では現金払いのみと知り、「ATM mini」を利用できるか

どうか質問してきたこともあったそうです。

 竹内氏は「イベントの種類によって『ATM mini』 が受

け入れられるかどうかを検証できただけでなく、ユー

ザーインターフェースや手数料について、お客様から生の

声でさまざまなご意見やご要望をいただくことができ、非

常に有意義な実証実験を展開できています」と、確かな

手応えを掴んでいる様子です。

サービス提供シーンの拡大に加え、アプリから「ATM mini」配車の実現も将来構想に JDD様では今後、実証実験の結果を踏まえ、利用者の

メリット向上につながる機能改善やサービス拡張、プロ

モーション方法などについて議論し、「ATM mini」の次

なる展開を検討する意向です。また、移動ATM車を出店

したイベント自体の盛り上がりに貢献できるような取り組

みにも着手する考えです。

 竹内氏は「次のステップでは、高齢者施設向けに年金

を引き出せる場の提供など、サービスシーンの拡大や現

金支払いの支援などにも手を広げていきたいですし、将

来的にはタクシー配車のように、アプリで呼んだら

『ATM mini』が来る、といった仕組みが実現できたらと

思っています」と言い、ATMをタッチポイントと捉えデジ

タル世界へのゲートウェイとする構想も描いています。

 OKIの「モジュール型ATM」を採用した点について、竹

内氏は「ATMをはじめ金融システムを長年手がけてきた

知見やノウハウを持っているので非常に安心感がありま

した。OKIさんが、いろいろ無理なお願いにも応えてくれ

たおかげで、短期間でシステムを組み上げ実証実験を開

始でき、本当に感謝しています。今後もぜひ当社のスピー

ド感に寄り添って、オープンイノベーションを使った社会

的課題の解決に力を貸していただきたい」と、さらなるサ

ポートに期待を寄せています。

導入事例 Japan Digital Design株式会社 様

MEMOMEMO

〒108-8551 105-8460 東京都港区虎ノ門1-7-12 電話:03-3501-3111(大代表)URL:https://www.oki.com/jp/

※記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。※各導入事例の記載内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

2019.03

お問い合わせ

「CEATEC JAPAN 2018」に「ATM mini」を出展(JDD様「ATM mini」プロジェクトの皆さん)