あなたと家族の命を 守るために! -...
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群馬大学理工学研究院 教授北九州市防災アドバイザー 監修/片田 敏孝
防災の心がまえ
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あなたと家族の命を
守るために!
あなたと家族の命を
守るために!
あなたと家族の命を
守るために!
北九州市
北九州市では、「北九州市地域防災計画」を定め、次の3つの基本方針のもと、住民一人
ひとりの状況に配慮した防災対策を進めます。
① 自じ
助じょ
意識の醸じょう
成せい
自らの命は自らが守るという住民の「自助」意識を育み、住民の主体的な防災対策の促進。
② 共きょう
助じょ
の風土づくり隣近所の付き合いを大切にした地域住民が助け合う「共助」による防災対策の促進。
③ 公こう
助じょ
の推進防災関連行政機関、地域、企業等との連携の工夫、効果的な防災施設の整備、避難計画の
策定・周知など、実効性のある「公助」の取り組みの推進。
この計画のもと、北九州市では、市民のみなさんが災害に対する意識や行動を固定化しな
いよう、従来のように1つの災害を想定して防災を呼びかけるのではなく、本市で発生する
可能性がある複数の想定をお知らせし、想定を超える災害が発生した場合でも、一人ひとり
が「命を守り抜く」行動を率先して行うことができる防災対策を進めていきます。
この冊子では、北九州市地域防災計画の中でも、市民のみなさんに特に知っていただきたい<自然災害から命を守るために重要な心がまえ>を紹介します。
「知っておけば良かった」と後悔しないために必ずご覧ください!
■ あなたに質問です …………………………………………………………………… 2
■ 東日本大震災での実話 ……………………………………………………………… 3
■ どうしたら助かるのか ………………………………………………………………… 5
■ 片田教授のこころえコラム1・避難 3 原則が守った子どもたちの命 …………… 6
■ あなたと家族の命を守る …………………………………………………………… 7
■ とらわれてはいけないこと …………………………………………………………… 9
■ 北九州市の自然災害の実際 …………………………………………………………10
■ その時の行動 …………………………………………………………………………12
■ 備えておくべきこと ……………………………………………………………………15
■ 片田教授のこころえコラム 2・「誰がやるべきか」から「誰ならできるか」へ ……16
■ みんなで命を守る ……………………………………………………………………17
■ 片田教授のこころえコラム 3・「自分の命を守る」ということ ……………………18
目 次
東日本大震災での実話
2011年 3 月 11日。日本中が驚きと恐怖に襲われた東日本大震災。
過去、たびたび津波被害を受けていた岩手県釜かま
石いし
市では、30 年もの歳月と1200 億円を費やし、ギネスブックにも認定される、世界最大水深の防波堤を造っていました。しかし、東日本大震災の津波は、予測を超えてしまい、最強と思われていたこの防波堤は、被害軽減に一定の効果を発揮したものの、大きく破壊されました。
災害を防ぐためのハード(施設)整備は重要です。でも、自然災害は、それだけで防げない場合があることをどうぞ忘れないでください。
「釜かま
石いし
の奇き
跡せき
」といわれている話をご存知ですか?実際にあった釜石市の子どもたちの話。
彼らの行動は、災害から命を守るために私たちにできることを教えてくれます。
(写真:国土交通省東北地方整備局釜石港湾事務所)
(写真:国土交通省東北地方整備局釜石港湾事務所)
あの津波は、世界一の防波堤さえ破壊しました。
忘れないでください
!
では、自然災害に対して私たちはどうすれば良いのでしょうか?
震災前 震災後
3|あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ
東日本大震災での実話
東日本大震災の時、津波は釜石の市街地を飲み込むように襲いました。そんな中、釜石市の小中学生 2,926 人の 99.8%が津波を逃れ、命を落とさずにすみました。この話は、釜石の奇跡として数多く報道されました。
3月11日のその時、釜石市では震度5強の地震が5分以上続きました。釜かま
石いし
東ひがし
中学校では、教頭先生がマイクで避ひ
難なん
の指し
示じ
をしようとしたところ、生徒は揺れている最中からすでに逃げ出していました。
● ● ●
まず、グラウンドで部活動していた生徒たちが「津波が来るぞ!逃げるぞ!」と大声で叫びながら避難場所に向かって走り出し、彼らの後を追い、他の生徒たちも逃げ出しました。隣接する鵜
う の す ま い
住居小学校の子どもたちは、校舎の3階に避難していましたが、中学生たちが小学校に向かって「逃げろ!」と叫びながら必死に避難しているのを見て、彼らについて走りだしました。必死に逃げる彼らの姿を見て、逃げる途中にある保育園の保育士さんも、園児を連れて逃げ出しました。地域の大人たちも逃げ始めました。身体の不自由な同級生を背負ったり、自分より小さな子の手を引いたり、園児が乗る台車を押すのを手伝ったりしながら子どもたちは必死に逃げたのです。
● ● ●
最初に逃げたのは避難場所として決められていた福祉施設でした。しかし、その施設の近くのがけが崩れているのを発見し、中学生が「ここじゃだめだ」と言い始め、懸けん
命めい
に、さらに高い場所を目指しました。中学生が小学生の手を引き、園児を抱えて逃げた生徒もいました。福祉施設の高齢者の車いすを押しながら逃げる生徒もいました。みんな、とにかく一生懸命に自分のできる最
さい
善ぜん
を尽くして必死に逃げたのです。高台にたどりついて数十秒後、津波はすぐ近くまで迫り、止まりました。最初に小学生が避難していた小学校の3階も津波に襲われました。まさに危機一髪、ギリギリのところで彼らは助かったのです。
より高い場所を目指し逃げる子どもたち(当時の実際の写真)
「釜かま
石いし
の奇き
跡せき
」は、奇跡ではありません。懸
けん
命めい
に自分の命を守った子どもたちの実じっ
績せき
です。
釜石の子どもたちの実話1
(片田教授講演会から引用)(写真:鵜住居地区住民撮影、片田研究室提供)
あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ|4
どうしたら助かるのか
なぜ釜石の小中学生は助かったのか。その理由は1つ、「自ら懸命に逃げた」からです。
行政の災害情報を待たずに自分の判断で、そのときの最
さい
善ぜん
を尽くして逃げたからこそ、彼らは助かりました。
「自分の身は自分で守れ、自分一人で生き延びろと言われていたので、一人で逃げた」一人で留守番していた時に地震にあった釜石の小学生の言葉です。
一番大切なのは「自分の命は自分で守る!」というあなたの強い意識と行動です。
釜石の子どもたちの実話 2
地震が起こったとき、釜かま
石いし
小学校の子どもたちのほとんどは、すでに下校していました。さまざまな状況下で起きた地震。
一人で留守番をしていた時に地震にあった小学3年生の A 子ちゃん。親が帰ってくるのを待たず、揺れがおさまってすぐ、高台に向けて懸
けん
命めい
に逃げました。
おじいちゃん、おばあちゃんと留守番をしていた小学4年生の B 子ちゃん。逃げようとしないおじいちゃんとおばあちゃんに泣きながら「逃げよう!」と言い続けました。そんな B 子ちゃんの真剣さに動かされたおじいちゃんとおばあちゃんは、一緒に逃げました。
親や先生の指 示を得られない中、子どもたちはそれぞれに「津波が来るから逃げなければ!」と自ら判断し、懸命に高い場所に逃げきり、全校生徒184 人全員が無事に避難しました。
「あの時、ああすれば助かったのに…」とならないために自然災害で一番大切なことは、<自分の命は自分で守る>という意識と行動なのです。
!
(片田教授講演会から引用)
5|あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ
片田教授のこころえコラム1・避難 3 原則が守った子どもたちの命
釜かま
石いし
の子どもたちは、自分でできる限りの避難を懸けん
命めい
に行い、東日本大震災による大津波を生き抜いた。子どもたちが身につけていたのは、「想
そう
定てい
にとらわれるな」、「最
さい
善ぜん
を尽つ
くせ」、「率そっ
先せん
避ひ
難なん
者しゃ
たれ」と教える避難3原則だった。決して自然を侮あなど
ることなく、とかく大丈夫と思いがちな自分に打ち勝ち、避難しようとしない大人たちを懸命に説得して避難した釜石の子どもたち。その子どもたちの姿勢には、大人たちが失
うしな
いかけていた「自分の命は自分で守る」という防災の基本がしっかりと根付いていた。 相手は自然である。ハザードマップに示されるような人間の想定通りに自然災害は起こるはずがない。時に災害は我々の想像をはるかに超えた規模で生じることもある。だから君は自分のできる最善の行動を取るのだ。それであっても自分の命を守りきれるとは限らない。しかし、最善とはこれ以上の対応ができないことをいうのであって、その結果は受け入れるしかない。大事なことは君が最善を尽くすこと。それしかないのだ。 大人たちは、前回の津波警報でも大丈夫だったとか、避難が必要なときには市役所が教えてくれるなどと言って、避難しないかも知れない。でも、そんな大人たちに惑
まど
わされてはいけない。万が一でも津波の可能性があるなら、その時は避難するのだ。もし津波が来なかったなら、津波が来なかったことを喜べば良い。 君が一人でもしっかり避難できる子なら、お父さんも、お母さんも必ず避難して、津波のあと必ず君を迎えに来てくれる。だから君は迷わず自分の命を守り抜けばいい。みんなが避難しようとしないとき、真っ先に逃げることは勇気がいる。それにちょっとかっこ悪い。でも、君が勇気を出して率先避難者になれば、それを見たまわりの人たちも避難を始める。君の勇気が多くの人の命を守ることにもつながるのだ。 釜石の防災教育に先生方と取り組んで7年の月日が経過したあの日、釜石の多くの子どもたちは教えを守ってくれた。あまりにも大きな津波のなかで、学校を病気で休んでいた子など5人の命は守ってやることができなかったが、それでも多くの子どもたちは自分の命を守り、逃げようとしない大人たちを説得し、弱き者の手を取り避難してくれた。災害過保護とでも言いたくなる日本の防災の現状にあって、この釜石の子どもたちの行動には、学ぶべきことが多くある。
片田教授の
こころえコラム
1
片田 敏孝 氏北九州市防災アドバイザー、群馬大学理工学研究院 教授群馬大学広域首都圏防災研究センター長本冊子「防災の心がまえ」監修平成 16 年から岩手県釜石市の小中学校で災害に立ち向かう主体的姿勢の定着を図る防災教育に取り組む。片田教授の教育を受けた児童生徒の多くは、多くの犠牲者を出した東日本大震災において被災を免れることができ、「釜石の奇跡」として注目を集めている。北九州市においては、平成 22 年度から、防災講演会や「北九州市地域防災計画見直し検討会」・「みんなde Bousai まちづくり懇話会」の座長を務めるなど、本市の防災対策の強化に助言・指導をいただいている。
筆者紹介
避ひ
難なん
3原げん
則そく
が守った子どもたちの命
あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ|6
あなたと家族の命を守る
自然災害は、いつ、どんな時に起こるかわかりません。子どもが学校や幼稚園、保育園にいる時。子どもだけで留守番をしている時。そんな時は、まず、どんな行動をとりますか?
でも、そうすることで避けられた被害にあい、命を落としてしまうという悲しい現実が、
これまでに多く起こっています。
もしもの時、あなたは逃げることができますか?
・親は、子どものいるところに迎えに行く。
・子どもは、自分が逃げる前に親を探す。
釜石の子どもたちの実話 3
自分で自分の命を守りきった釜かま
石いし
の子どもたちは、「いざという時は、僕は必ず逃げるから、お父さんやお母さんも必ず逃げてほしい」とお父さんやお母さんが心から信じてくれるまで、しっかりと伝えるように教わりました。
「絶対に逃げなければ !」と頭でわかっていても、「お母さんが僕を迎えに来るかもしれないから…」と思うと、子どもは心配で逃げることができません。親のほうも、「子どもが逃げていないかもしれないから迎えに行かなければ」と思うとやはり逃げることはできません。
「お母さん、お父さんは、ちゃんと逃げて、避難場所に迎えに来てくれる」そう思えるから子どもは一人でも逃げることができます。
「うちの子は、絶対に逃げてくれる」そう思えるから親も逃げることができるのです。
釜石の子どもの親たちは、自分の子どもが絶対に逃げてくれると確信が持てるまで、子どもと十分話し合いました。釜石の奇跡と言われている子どもたちの行動の背景には、
<それぞれが絶対に逃げ切って、避難した後に必ず会う!>
という親と子の強い信頼があったのです。
それは、当然のことかもしれません。
(片田教授講演会から引用)
7|あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ
あなたと家族の命を守る
と家族と話し合い、確認し合ってください。
もしもの時でも、
互いを信頼し合って行動できるようになってください。
危険を感じたら、まず、あなたが率そっ
先せん
して逃げる。
それは、勇気のいることかもしれません。
「自分だけ逃げて…」という後ろめたい気持ちになるかもしれません。
でも、違うのです。
あなたが率先して逃げることで、他の人もあなたについて逃げ、
助かることができるのです。
あなたがちゃんと逃げる人だとわかっているから、
家族もそれぞれの状況で逃げることができるのです。
他の人が逃げてから…ではなく、
互いを信頼し合って、まずあなたから率先して逃げる!
そうすることであなたも、家族も、仲間も、守ることができます。
もしも、家族と別々の場所にいるときに自然災害が起きたとしたら、あなたは、後で家族と必ず会えると信じて、逃げることができますか?
!
別々の場所で災害にあったら、それぞれが自分の命を自分で守り、必死に逃げ切って、後で必ず会おう!
あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ|8
東日本大震災での実話
東日本大震災で津波が襲った鵜う の す ま い
住居小学校と釜かま
石いし
東ひがし
中学校は、津波がどこまで来るかなどを示す、市が作ったハザードマップ(想定図)では、津波が来ない場所になっていました。
釜石市大おお
槌つち
湾わん
2005 年当時の津波予想図に東日本大震災での死者、行方不明者の位置を示したもの
当時のハザードマップでは上図の色が付いているエリアが津波が来ると想定されていました。しかし、東日本大震災では、青い線の所まで津波が押し寄せました。ハザードマップの色が付いた丸は、津波で亡くなられた方がいた場所です。津波が来ないと想定された場所で、多くの方が亡くなっています。子どもたちがもし想定にとらわれて逃げていなかったとしたら…考えるのも怖い結果になっていたかもしれません。
私たちが相手にしているのは、行政が作ったハザードマップではありません。
私たちの想像を時に超える自然を相手にしているのです。想定を超えたことが起こりうる、それが自然災害です。
とらわれてはいけないこと
想定は、あくまでも1つの例。相手は自然です。想定外の災害もあり得ることを忘れないでください!
(群馬大学大学院片田研究室提供)
9|あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ
北九州市の自然災害の実際
「北九州市に地震や津波が来ない」と断定はできず、また、自然災害は、地震や津波だけではありません。
この頃の集中豪雨の多さは、1 時間に 100 ミリの雨が降るという今まででは考えられないような豪雨が各地で起こっています。北九州市でも、想定外の災害が起きないとは言えません。
「九州・山口県・沖縄の気候変動監視レポート 2012」から抜粋
最低海面低気圧900ヘクトパスカル、最大瞬間風速55.3メートルを記録!
70〜100年に1回程度しか本州沿岸に到達しない最大風速54メートル超の最強クラスの台風が、今世紀末には10〜20年に1回程度接近する可能性がある。
九州・山口県のアメダス地点で1時間降水量 80mm 以上の年間発生回数(180 地点あたり)
だけど、北九州市は大きな地震や津波が来ないから大丈夫、 そう思っていませんか?
考えてみてください
80ミリ以上の
雨の発生回数は、
40年前に比べて
1.7倍!
平成24年 台風16号「甚じん
大だい
な被害が予想される」として気象庁が最大級の警戒を呼びかけ!最低海面低気圧910ヘクトパスカル、
最大瞬間風速51.8メートルを記録!
史上最強クラス近年にない記録的な風や雨
平成24年 台風15号
史上最強クラス近年にない記録的な風や雨
沖縄気象台が異例の呼びかけ!台風の
凶暴化が懸
け
念ねん
されています!台風が凶暴化、
最強級10〜20年ごとに!台風が凶暴化、最強級10〜20年ごとに!
(気象庁研究所と海洋研究開発機構の共同研究チームによるシミュレーション)(片田教授講演会から引用)
あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ|10
その時の行動
●がけから水がふき出したり水が濁にご
る●がけに亀
き
裂れつ
がはいる●小石がパラパラ落ちる●斜面がふくらむ●がけから大きな音がする
●「ゴ〜」と山鳴りがする●雨が降り続いているのに川の水位が下がる●川が濁ったり流木が混ざり始める
●地面にひび割れができる●沢や井戸の水が濁る●斜面から水がふき出す●斜面のすそが膨らんでくる
「連絡しても何も起こらなかったら悪いし」「気のせいかもしれない」というためらいが災害をまねきます。「いつもと違うな」と感じたら、迷わずお近くの区役所・消防署にご連絡ください!
大雨、集中豪雨で最も怖い土砂災害。いつもとは違う「前ぶれ」に気づいてください!自然災害の中で、予測や逃げるタイミングが難しいのが土砂災害です。この災害から命を守るには、「普段とは違う前ぶれ」を見逃さないことです!
気づいてください! こんな前ぶれ!土砂災害から身を守るヒケツ
がけ崩れの場合
土ど
石せき
流りゅう
の場合
地すべりの場合
知っておこう!雨の強さと予想される被害
1時間の雨量(ミリ) 主な被害人への影響
●小規模のがけ崩れが始まる●下水管や側溝から雨水があふれ出す20ミリ以上 50ミリ未満 傘をさしてもぬれる
●地下室や地下街に雨水が流れ込むときがある●土石流が起こりやすい50ミリ以上 傘は全く役に
立たなくなる
※連絡先はこの冊子の裏表紙に掲載しています
みんなで土砂災害の
危険に気づくセンサーになろう
「九州・山口県 防災気象情報ハンドブック 2013」から抜粋
あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ|12
❶ 水がたまっている所での運転は危険です。
❷ 大雨によりマンホールのフタが外れることがあります。 マンホール・排水溝などに転落して危険です。
❸ 水圧でドアが開かないおそれがあります。
❹ エレベーターが動かなくなることがあります。
水が一気に流れ込んできます。
地下室では外の様子がわかりません。
浸水するとエレベーターは使えません。
水圧でドアが開きません。
○ 建物や車があれば、その中に避難しましょう!○ 畑や広場などの平たんな屋外では、姿勢を低くしましょう!○ 海水浴、サーフィンやゴルフなどは中断し、避難しましょう!○ 樹木の下には、近づかないようにしましょう!○ 傘、釣りざお、ゴルフクラブなどの長い物は持たないようにしましょう!
その時の行動
大雨・集中豪雨の時は、こんなことに注意しましょう!
雷の時は、こんな点に注意!
都市で起こりやすい水害に注意!
地下室で起こりやすい危険。早めに避難を!
やむをえず浸水の中を避難する場合は、十分注意して!
避難は浸水前に!早めに避難してください!
浸水してからの避難はかえって危険な場合があります。安全な建物にいる場合は、より高い階で浸水がおさまるのを待ちましょう!
長い棒などをつえ代わりにして、安全を確認しながら歩きましょう!
裸足、長靴は危険です!動きやすい運動靴をはきましょう!
乳幼児は、浮き袋などを利用し、お年寄りや身体の不自由な人は背負って避難しましょう!
13|あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ
その時の行動
○窓や扉などを固定・補強しましょう!○懐中電灯やラジオなどを用意しましょう!○接近時間、避難情報を収集しましょう!
○外出はしないように!○屋根や高い所に上がらないで ください!
竜巻発生を確認したら、頑がん
丈じょう
な建物に逃げ、ガラス窓から離れて頭部を守りましょう!
外出中に地震が起きたら
家の中にいるときに地震が起きたら○机の下などにもぐり、 頭部を守りましょう!○あわてて外に 出ないようにしましょう!
○津波情報に注意し、 高いビルに逃げましょう!○看板、ガラスの落下に注意しましょう!○館内放送や係員の指示に従いましょう!
台風が近づく前に準備すること! 台風が近づいてきたらやってはダメ!
台風の時、風が強くなってからでは危険です!
地震の時は、こうしてください!
家具の転倒を防止するために
もし竜巻にあってしまった時は!
揺れが長いときは、津波のおそれがあります。
急いで高い所へ逃げてください!
阪神・淡路大震災では、屋内の家財が転倒・破損し、多くの人が被害を受けました。突然の揺れに備えるためにも、日頃から家財の転
てん
倒とう
防ぼう
止し
措そ
置ち
をしておきましょう!
風が強くなってから逃げても遅い!台風が近づいてからの行動は
かえって危険です!早めに行動をしてください。
すぐに身を守るための
行動をとってください!
頑丈な構造物の物陰に入って、身を小さくする。
家の 1 階の窓のない部屋に移動する。
シャッターを閉める。
屋外では… 屋内では…
窓やカーテンを閉める。
丈夫な机やテーブルの下に入るなど、身を小さくして頭を守る。
❶絨じゅう
毯たん
やタタミの上には背の高い家具を置かない
❷前のめりよりも、後ろもたれ気味に置く
❸家具の上には重たいものを置かない
❹転てん
倒とう
防ぼう
止し
金かな
具ぐ
等で壁や柱に固定する
紐状金具
L字金具
あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ|14
片田教授のこころえコラム 2・「誰がやるべきか」から「誰ならできるか」へ
「津波情報を待たず、地震発生後5分以内に市民全員が避難を開始すれば、この街は犠
ぎ
牲せい
者しゃ
をゼロにすることができます」津波常じょう
襲しゅう
地域である三重県尾お
鷲わせ
市での津波防災講演会で、私は津波避難シミュレーションの結果を踏まえて、市民にそんな宣言をした。
過去に何度も壊かい
滅めつ
的てき
な被害を経験し、多くの犠牲者を出してきた尾鷲市は、国が想定する南海トラフ巨大地震(マグニチュード 9 クラス)においても、17m の大津波がわずか数分で襲
しゅう
来らい
するとされている。地方の小都市がゆえに津波避難に適した高いビルがある訳ではなく、行政職員の数も限られている。街中に多く住む高齢者や援護が必要な人たち。市民全員が一刻を争う津波避難を短時間で終えることは厳
きび
しい。しかし、そうであっても犠牲者ゼロを官民挙げて目指すことが地域防災のあるべき姿と考える私は、津波避難シミュレーションを開発し、犠牲者ゼロを達成するための条件を検討し続けた。シミュレーションでは、考えられる公的立場の支援者を全て動員しても、要援護者の全てを助けることはできなかった。要援護者対策を一度中断し、要援護者がいないとの仮定で、犠牲者ゼロを達成する条件をシミュレーションで探ってみた。答えが見つかった。地震発生後5分以内に尾鷲市民全員が避難を開始する。それが答えだった。
そんな宣言をした講演を終えると、すかさず会場から多くの手が上がった。「うちには寝たきりの婆さんと、杖をついて歩くのがやっとの爺さんがいる。地震発生後5分以内に全員避難開始と言われても無理なんだが、どうしたら良いのだろうか」、多くの聴
ちょう
衆しゅう
がうなずき、事務局席の行政職員を見つめた。行政職員は、緊張と困惑の様子を隠さず、私に助けを求めるような視線を送ってきた。 私はその質問に対して改めて問い返した。「どうしてもできませんか?」「はい。どうしても避難できません」私は意を決して厳しい回答を口にした。「津波は自然の営みです。あなたのお宅に寝たきりのお婆さんがいようと、津波はあなたの家を避けてくれる訳ではありません。避難できないということは、死にますと言っていることと同じです」会場に緊張が走った。まさかの私の答えに会場がどよめいた。 私は回答を続けた。「高齢化が進み街中に多くの要援護者がいる中で、限られた行政職員がどのように努力しても5分以内で要援護者全てを救うことはできません。あなたは行政の責任で何とか対応すべきとお考えだと思いますが、それは不可能です。それを求め続ける限りこの街の犠牲者はゼロにはできません」避難シミュレーションに基づく検討結果を踏まえ、私にはそう答えるしかなかったのだ。さらに続けた。「誰が対応すべきかという議論は、自然現象である津波を前に不毛な議論です。誰なら対応できるのかを考えるべきです。誰なら5分以内にあなたの家のお婆さん、お爺さんを救えますか」会場が静まりかえっていた。
この講演から数ヶ月経ち、再び尾鷲市を訪れた時、私はうれしい話を耳にした。いくつかの自主防災会がリヤカーを購入し、要援護者を乗せて避難訓練をしたという。「誰ならできるのか」という私の問いかけに住民は応えてくれた。そして今、尾鷲の街には 100 台近くの折りたたみ式リヤカーがあるという。いつの日かこの街を津波が襲う。しかし、尾鷲市は犠牲者ゼロを達成してくれると信じたい。
片田教授の
こころえコラム
2「誰がやるべきか」から「誰ならできるか」へ
あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ|16
あなたのまわりの人、地域の人を助けるためにも一番大切なことは、あなたが率
そっ
先せん
して懸けん
命めい
に自分の命を守ることです。自分の命を守れなければ、他の人を助けることもできません。
近くの人に「逃げよう!」と声をかけながら、必死に自分の命を守ってください!あなたが、ちゅうちょなく懸命に自分の命を守り逃げる姿は、
まわりの人の心や体を動かします。それが防災の基本であり、地域から犠牲者を出さないことにつながります!
みんなで命を守る
お互いさまの気持ちで自分の地域から一人の犠牲者も出さない!
大きな災害が起こったとき、頼りになるのは、ご近所さんです。これまでの大きな震災でも、家具や家の下敷きになった人を
いち早く助けだしたのは、家族やご近所さんでした。地震の揺れがおさまったあと、最初に声をかけ合い、安否を確認し合ったのも
ご近所さんだったという話もあります。
東日本大震災後、絆きずな
という言葉をよく耳や目にしたのではないでしょうか。あなたの一番近くにある、いざという時に頼りになる絆、
それは、ご近所さんとの絆です。
もしもの時、ご近所さんと助け合えるよう、町内会への加入や日ごろから互いに挨拶を交わすなど、顔見知りになり、信頼し合えていると安心ですね。
自然災害では、いつ誰が「助けが必要な人」になるかわかりません。助け、助けられるのはお互いさま。
あなたが逃げるときに、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、外国人など、
助けが必要な人がいれば、可能な限り助けてあげてください。
小さな子や近所のお年寄りを手助けしながら必死に逃げた釜かま
石いし
の子どもたち。彼らは「助けられる人」から「助ける人」へという指導を受け、
手助けをするための訓練を行っていました。
17|あなたと家族の命を守るために! 防災の心がまえ
区役所
門 司 区 役 所 331−1881小倉北区役所 582−3301小倉南区役所 951−4111若 松 区 役 所 761−5321八幡東区役所 671−0801八幡西区役所 642−1441戸 畑 区 役 所 871−1501
消防署
門 司 消 防 署 372−0119小倉北消防署 582−0119小倉南消防署 951−0119若 松 消 防 署 752−0119八幡東消防署 663−0119八幡西消防署 622−0119戸 畑 消 防 署 861−0119
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パソコン・スマートフォンから
携帯電話から
わが家や
の防ぼう
災さい
情じょう
報ほう
ご記入ください!
家か
族ぞく
や親しん
戚せき
の連れん
絡らく
先さき
名 前 電話番号 ー
住 所
名 前 電話番号 ー
住 所
名 前 電話番号 ー
住 所
避ひ
難なん
所じょ
家か
族ぞく
が離はな
ればなれになった時とき
の集しゅう
合ごう
場ば
所しょ
緊きん
急きゅう
連れん
絡らく
先さき
○区く
役やく
所しょ
☎ ー
○消しょう
防ぼう
署しょ
☎ ー
○警けい
察さつ
署しょ
☎ ー
○病びょう
院いん
☎ ー
○水すい
道どう
☎ ー
○電でん
力りょく
会がい
社しゃ
☎ ー
○ガス会がい
社しゃ
☎ ー
問い合わせ:北九州市危機管理室 電話 093-582-2110
福岡県防災メール・まもるくんhttp://www.bousai.pref.fukuoka.jp/mamorukun/
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