算数科学習指導案 - 京都府教育委員会hp®—数科学習指導案 1 対 象 第2学年...

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算数科学習指導案 1 対 象 第2学年 2 単元名 1000までの数 3 単元について (1) 教材について 本単元の主な内容は、100 を超える数の表し方、10 や 100 を単位とした数の相対的な表し方、数の大小比較、 1000 という数の意味、10 を単位とする簡単なたし算、ひき算である。新たに百の位が導入され、3桁の数、その 表し方、よみ方を学習し、それらを基に、1000までの数の順序、系列、構成、大小比較について理解し、たし算、 ひき算を行うことができるようにする。 本単元の内容は、第2学年下巻では「10000までの数」、第3学年における「千万の位までの数の概念」へと発 展する。したがって、一、十、百、千・・・という位(桁)はとても重要となる。けた(桁)というのは、もと もと「柱・壁などの上に架け渡して、ほかの部材を受ける横木」のことで、それが転じて「そろばんの玉を貫く 縦の棒」となったところから、算数では「数の位取り」を意味した。「けた」という用語は、第2学年が初めてで ある。そこで、3桁の数…235、208、2桁の数…15、62、1桁の数…5、7 と例をあげて理解させていきたい。 数の相対的な見方とは、 10 や100 などを単位として、それらのいくつ分かで数の大きさをとらえる見方である。 ブロック操作で十進位取り記数法を定着させたあと、ブロックを硬貨の模型に置き換え、1 円、10 円、100 円の 硬貨が何枚あるかで考えられるように、具体物と対応させながら指導していく。 (2) 指導観 100 を超える数の数え方では、すでに第1学年の 100 までの数で「10 ずつまとめて数える」ことを経験してい る。したがって、「10 ずつまとめる」という考えを発展させ、10 のまとまりを10 集めて100 のまとまりをつくれ ばよいことに気付かせる。 本単元で学習する「千」という数では、100 のまとまりを 10 集めて 1000 のまとまりをつくる。数が大きくな るので、ブロックと数直線上の数の大きさをそろえながら、数を数えさせる。なお、「数直線」という用語は第4 学年で知らせることになっているので、この学年では「数の直線」とよぶ。実際に具体物を数えさせることがで きる数の範囲は、おそらく「千」までであると考えられることから、数を数えること、10 や 100 のまとまりをつ くること、ブロック操作などの算数的活動を通して、数の大きさや量感を体感させることを大切にして指導する。 4 単元の評価規準 (1) 1000 までの数について、数え方を工夫して数えようとしたり、十進位取り記数法のよさに気付いたりしている。 〈関心・意欲・態度〉 (2) 100 までの数と同じように、1000 までの数の大きさを、10・100 などを単位として、そのいくつ分とみたり、 大きな数の加減を 10 を単位にして計算したりしている。〈数学的な考え方〉 (3) 十進位取り記数法の仕組みをもとにして、1000 までの数を表したりよんだりしている。また、1000 までの数の大 小を比べている。〈表現・処理〉 (4) 1000 までの数の表し方や仕組みを説明している。〈知識・理解〉 5 単元指導計画 全 13 時間(本時5/13) 小単元 次 学習活動 評価規準 (観点)〈評価方法〉 十分満足できると 判断される状況 努力を要する状況への手立て 課題 設定 1 1 ・10 や 100 のまと まりをつくって 数える。 ・100 を超える数 の表し方や仕組 みを調べるとい う課題をつか む。 ・10 や100 のまとまり にして数えている ・10 や 100 のまとまりを すばやく作り、数え(表) いる。 ・100 を超える3位数に興 味を持ち、いろいろな 3位数をよんでいる。 ・10 や 100 のまとまりを鉛筆 で書いて囲ませ、数えさせ る。 ・位ごとにブロックで表し、お 金の模型に置き換え、3桁の 数字の構成を理解させる。 100 を こえる 数の構 2 2 ・3位数の仕組み を知る。 ・3位数について数字 で表したり、構成を 説明したりしている。 (考・表・知) ・3位数について数字で 表したり、構成をわか りやすく説明し ・3桁の数字をブロックで表 し、お金の模型に置き換えさ せて、理解につなげる。

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Page 1: 算数科学習指導案 - 京都府教育委員会HP®—数科学習指導案 1 対 象 第2学年 2 単元名 1000までの数 3 単元について (1) 教材について 本単元の主な内容は、100を超える数の表し方、10や100を単位とした数の相対的な表し方、数の大小比較、

算数科学習指導案

1 対 象 第2学年 2 単元名 1000までの数 3 単元について

(1) 教材について

本単元の主な内容は、100を超える数の表し方、10や100を単位とした数の相対的な表し方、数の大小比較、

1000という数の意味、10を単位とする簡単なたし算、ひき算である。新たに百の位が導入され、3桁の数、その

表し方、よみ方を学習し、それらを基に、1000までの数の順序、系列、構成、大小比較について理解し、たし算、

ひき算を行うことができるようにする。

本単元の内容は、第2学年下巻では「10000までの数」、第3学年における「千万の位までの数の概念」へと発

展する。したがって、一、十、百、千・・・という位(桁)はとても重要となる。けた(桁)というのは、もと

もと「柱・壁などの上に架け渡して、ほかの部材を受ける横木」のことで、それが転じて「そろばんの玉を貫く

縦の棒」となったところから、算数では「数の位取り」を意味した。「けた」という用語は、第2学年が初めてで

ある。そこで、3桁の数…235、208、2桁の数…15、62、1桁の数…5、7と例をあげて理解させていきたい。

数の相対的な見方とは、10や100などを単位として、それらのいくつ分かで数の大きさをとらえる見方である。

ブロック操作で十進位取り記数法を定着させたあと、ブロックを硬貨の模型に置き換え、1 円、10 円、100 円の

硬貨が何枚あるかで考えられるように、具体物と対応させながら指導していく。

(2) 指導観

100を超える数の数え方では、すでに第1学年の100までの数で「10ずつまとめて数える」ことを経験してい

る。したがって、「10ずつまとめる」という考えを発展させ、10のまとまりを10集めて100のまとまりをつくれ

ばよいことに気付かせる。

本単元で学習する「千」という数では、100のまとまりを10集めて1000 のまとまりをつくる。数が大きくな

るので、ブロックと数直線上の数の大きさをそろえながら、数を数えさせる。なお、「数直線」という用語は第4

学年で知らせることになっているので、この学年では「数の直線」とよぶ。実際に具体物を数えさせることがで

きる数の範囲は、おそらく「千」までであると考えられることから、数を数えること、10や100のまとまりをつ

くること、ブロック操作などの算数的活動を通して、数の大きさや量感を体感させることを大切にして指導する。

4 単元の評価規準 (1) 1000までの数について、数え方を工夫して数えようとしたり、十進位取り記数法のよさに気付いたりしている。

〈関心・意欲・態度〉 (2) 100 までの数と同じように、1000 までの数の大きさを、10・100 などを単位として、そのいくつ分とみたり、大きな数の加減を10を単位にして計算したりしている。〈数学的な考え方〉

(3) 十進位取り記数法の仕組みをもとにして、1000までの数を表したりよんだりしている。また、1000までの数の大小を比べている。〈表現・処理〉

(4) 1000までの数の表し方や仕組みを説明している。〈知識・理解〉

5 単元指導計画 全13時間(本時5/13)

小単元 次 時 学習活動    評価規準

(観点)〈評価方法〉 十分満足できると

判断される状況 努力を要する状況への手立て

課題 設定

1 1 ・10や100のまとまりをつくって数える。

・100 を超える数の表し方や仕組みを調べるという課題をつかむ。

・10や100のまとまりにして数えている

・10や100のまとまりをすばやく作り、数えて

      (表)  いる。             ・100を超える3位数に興

味を持ち、いろいろな3位数をよんでいる。

・10 や 100 のまとまりを鉛筆で書いて囲ませ、数えさせる。

・位ごとにブロックで表し、お金の模型に置き換え、3桁の数字の構成を理解させる。

100 をこえる数の構成

2 2 ・3位数の仕組みを知る。

・3位数について数字で表したり、構成を説明したりしている。(考・表・知)

・3位数について数字で表したり、構成をわかりやすく説明している。

・3桁の数字をブロックで表し、お金の模型に置き換えさせて、理解につなげる。

Page 2: 算数科学習指導案 - 京都府教育委員会HP®—数科学習指導案 1 対 象 第2学年 2 単元名 1000までの数 3 単元について (1) 教材について 本単元の主な内容は、100を超える数の表し方、10や100を単位とした数の相対的な表し方、数の大小比較、

3 ・空位のある3位数の仕組みを知る。

・空位のある3位数を表したり、構成したりしている。

(考・表・知)

・空位のある3位数を表したり、構成したりでき、説明している。

・ブロックを位取り板に並べさせる。それをお金の模型に置き換え空位を理解させる。

4 ・10を単位として、数の相対的な大きさをとらえている。(知)

・10 を単位として、数の相対的な大きさをイメージ化してとらえるている。

・10を24個集めた数を求めるときは、10円玉が10枚で100円玉に変わり、100円玉と10円玉を合わせて数えさせる。

・360は、10を何個集めた数かを求めるときは、100 円玉 1枚を 10 円玉 10 枚に置き換え、10 円玉の合計数を数えさせる

100 を こえる数の構成

5 本 時

・10 を 24 個集めるといくつになるかを考え、10を単位とした数の構成について考える。

・10を単位とした数の分解についてまとめる。

・100を10個集めた数 1000 を知る。

・1000の構成や系列を考える。

・1000という数の仕組みを理解している。(知)

・1000 という数の仕組みを理解し、説明している。

・100のまとまりを作らせる。・100のまとまりをブロックに置き換えて、10枚あることを押さえ、位を確認させる。

数の系列・順序

6 ・1目盛りが10の数直線を見て、650、340、990はどこになるかを考える。

・数の系列についての練習をする。

・1000までの数の系列や順序を理解している。

(表・知)

・数直線上に1000までの数を表している。

・大きい目盛りは100で、小さい目盛りは 10 であることを知らせる。

・大きさ比べの仕方を考え、練習する。

・3位数の大小を比較 している。(表・知)

・3位数の大小比較を行い、説明している。

・上の位の数字から順に比べさせる。

数の大小比較 練習

8 練習問題を解く。

たし算とひき算

3 9 10

・(何十)±(何十)の計算の仕方について知る。

・10を単位とする簡単なたし算・ひき算をしている。(考・表)

・10 を単位とするたし算・ひき算をしている。

・10円玉を使って、80+30は、10 円玉が(8+3)と考えさせる。

たしかめ道場

4 11 12

練習問題を解く。

評価テスト

13 評価テストをする。

6 本時の目標

・1000という数の構成や数の系列をとらえる。

7 本時の展開

程 指導内容 形態

主な学習活動

○発問 ・予想される児童の反応

指導上の留意点

(教材教具、知識・理解活

用のための工夫など)

評価

1 前時までの復

習をさせる。

一斉 1 前時までの復習をする。

○ 360は、10を何個集めた数です

か。

○ 100は、10を何個集めた数です

か。

Page 3: 算数科学習指導案 - 京都府教育委員会HP®—数科学習指導案 1 対 象 第2学年 2 単元名 1000までの数 3 単元について (1) 教材について 本単元の主な内容は、100を超える数の表し方、10や100を単位とした数の相対的な表し方、数の大小比較、

2 1000 個の数を

見せる。

3 本時のめあて

を知らせる。

一斉

2 1000個の数を見る。

3 本時のめあてを知る。

4 本時の学習課

題を知らせ、課

題を解く方法を

考えさせる。

5 考えを発表さ

せる。

6 1000 という数

の構成を知らせ

る。

7 1000 の書き方

を知らせる。

8 1000 という数

の系列を考えさ

せる。

9 練習問題をさ

せる。

一斉

個別

一斉

一斉

一斉

一斉

個別

一斉

4 本時の学習課題を知り、1000 と

いう数の数え方を工夫して数える。

○ ●はいくつあるか数えてみま

しょう。

5 自分の考えを発表する。

・1000

・100 のまとまりが 10 個あるから

1000だ。

6 1000という数の構成を知る。

7 1000の書き方を知る。

8 1000という数の系列を考える。

○ 1000は、900にあといくつ足し

たものですか。

○ 1000は、10を何個集めた数です

か。

○ 1000は、990にあといくつ足し

た数ですか。

○ 1000より 1小さい数は、いく

つですか。

9 練習問題をする。

① 1000は、600にあといくつ足し

た数ですか。

② 1000は、930にあといくつ足し

たものですか。

③ 1000より 3小さい数は、いく

つですか。

・数えた結果だけでなく、

数え方も発表させる。

・なぜ、1まとまりが100

と分かるか発表させる。

・1000は100を10個集め

た数であることを図と

ブロックを使って確認

する。

・100の板を10枚集めて千

の位の部屋へ移動する。

・位を確認して、数字を書

き、1000の書き方を指導

する。

・100の板を10枚集めたも

のが 1000 だから、900

は、9枚。よって、あと

1枚で1000になる。1枚

は100なので、100足し

たら 1000 になることを

知らせる。

・1000 は、10 が何個集ま

った数か数えさせる。

・100 の板から1取ると、

99 になる。よって、999

になることを知らせる。

めあて「●は、いくつあるか しらべよう。」

・1000 という数の

構成や数の系列

をとらえている。

〈知識・理解〉

10 振り返りをさ

せる。

一斉 10 振り返りをする。 ・今日の学習の感想を書か

せる。

・次時の学習内容の説明。

本時の流れへ