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使い方 ■基本的な個数 茅蜩・鼓粒1個は約4kgの真鍮製のウエイト に相当する仮想質量です。故に、各ユニット が必要とする茅蜩・鼓粒の個数は磁気回路 の性能によって当然異なります。 ●ツイータやスコーカの場合 殆どのツイータやスコーカは1個で十分で す。強力なユニットの場合は2個必要です。 ユニットの重量が180g以上の場合は、2個 の方が良いでしょう。 ●ウーファーの場合 ウーファーはコーン紙の直径が目安になりま す。 8cm 以下には   1個 16cm       2個 20cm       3個 30cm       4個 大体以上の個数でOKですが、不明な場合 はお問合せ頂くと調べてお答え致します。 ■取り付け方 茅蜩・鼓粒をSPユニットのマグネット(写真 ①)あるいはフレーム(写真②)に取り付けま す。音のエネルギーが集中しそうな所が取り 付け所です。取り付け時の方向は、出来るだ け振動に対して直交するようにします。つま りコーン紙の動きと平行にするのがポイント です。 写真① 一般に25cm以上のウーファーともなるとマ グネットはかなり大きく重いモノがついてい ます。激しいインパルスの再生時に必要なカ ウンターウエイトの質量もかなり大きくなり ます。マグネットとカウンターウエイトの質 量を同時に支えるのがフレームの役目です が、オリジナルのままではフレームの強度が 足りない場合が多く、フレームの補強が必要 になります。この補強を少しでも軽減するた めには、 茅蜩・鼓粒をマグネットの後ろより もフレームに取り付けることをお勧めしま す。(写真②) マグネットとカウンターウエ イトの質量を集中させない為です。 鼓粒は振動に対して 垂直に設置します 振動の方向 写真② 1.取り付ける場所をよく拭き、テープの粘着 力が弱まらないよう、油分やゴミを落として ください。 2.位置決めに両面テープを使って茅蜩・鼓 を貼付けます。 3.その上からガムテープで落ちないように 固定します。ガムテープは1枚で貼るよりも、 細くタスキがけにして貼り付けた方がより確 実に固定できます。(写真①) 4.更にエポキシ系の接着剤や結束バンド を使って固定される事をお勧めします。 5. 茅蜩・鼓粒は、中身を分解して接着剤等 で固定するとカウンターウエイトとして機能 特徴 11kg~12kgだと考えています。しかし 現実問題として12kgもの重さを10cmの 小さなユニットに付けるとどうなるでしょ う。 幾つかのユニットではフレームが曲がってし まうかも知れません。この重さに耐える設計 をすれば、コストUPは避けられず実用的で はないと判断されるのが落ちです。 SPユニットのフレームは適度な強度は必要 ですが、意味のない強度を持つ必要はあり ません。特にカーオーディオを考えると質量 は走行性能の要なので、軽いことも重要で す。 その為、慣性力を応用したカウンターウエイ 茅蜩・鼓粒を開発しました。激しいインパ ルス性の衝撃に対応して慣性力で重くなり ます。平常時は66gの小さく軽いモノです が、瞬時には4kgもの慣性力を発揮しま す。 この鼓粒をカウンターウエイトが必要な場 所に必要数だけ装着すれば、理想的なカウ ンターウエイトが完成することになります。 SPユニットのインパルス特性を良くするた めの手法としてカウンターウエイトを使う方 法は昔からよく使われてきました。理屈から 見ても合理的な手法なので現在でも多くの 機種で採用されていますが、Ge3的にはウ エイトが軽すぎる様に思えます。理想的なカ ウンターウエイトの重さは、10cmクラスの 高性能ユニットの場合、必要なウエイトは 図例① この度は茅蜩・鼓粒(ヒグラシ・コツブ) お買い上げ頂き有り難うございます。 茅蜩・鼓粒は音楽のダイナミックな再生にお いて重要である、強烈なインパルスを躊躇な くはね返すカウンターウエイトとして機能し ます。見かけは小粒ですが特殊な構造によ り1個で4kgに相当するパワーを発揮しま す。慣性力による仮想的な質量を利用してお り従来のカウンターウエイトとは比較になら ないほど小さく軽量です。 本説明をよく読み、正しい方法で上手に蜩・鼓粒をご利用ください。 仮想カウンターウェイト 茅 蜩・鼓 粒

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Page 1: 茅蜩・鼓粒 - ge3.jpge3.jp/uploads/pdf/manual/audio/kotsubu.pdf · 使い方 基本的な個数 茅蜩・鼓粒1個は約4kgの真鍮製のウエイト に相当する仮想質量です。故に、各ユニット

使い方■基本的な個数茅蜩・鼓粒1個は約4kgの真鍮製のウエイトに相当する仮想質量です。故に、各ユニット

が必要とする茅蜩・鼓粒の個数は磁気回路の性能によって当然異なります。●ツイータやスコーカの場合殆どのツイータやスコーカは1個で十分です。強力なユニットの場合は2個必要です。ユニットの重量が180g以上の場合は、2個の方が良いでしょう。●ウーファーの場合ウーファーはコーン紙の直径が目安になります。 8cm 以下には   1個 16cm       2個 20cm       3個 30cm       4個大体以上の個数でOKですが、不明な場合はお問合せ頂くと調べてお答え致します。

■取り付け方茅蜩・鼓粒をSPユニットのマグネット(写真①)あるいはフレーム(写真②)に取り付けます。音のエネルギーが集中しそうな所が取り付け所です。取り付け時の方向は、出来るだけ振動に対して直交するようにします。つまりコーン紙の動きと平行にするのがポイントです。

写真①

一般に25cm以上のウーファーともなるとマグネットはかなり大きく重いモノがついています。激しいインパルスの再生時に必要なカウンターウエイトの質量もかなり大きくなります。マグネットとカウンターウエイトの質量を同時に支えるのがフレームの役目ですが、オリジナルのままではフレームの強度が足りない場合が多く、フレームの補強が必要になります。この補強を少しでも軽減するためには、茅蜩・鼓粒をマグネットの後ろよりもフレームに取り付けることをお勧めします。(写真②) マグネットとカウンターウエイトの質量を集中させない為です。

鼓粒は振動に対して垂直に設置します振動の方向

写真②

1.取り付ける場所をよく拭き、テープの粘着力が弱まらないよう、油分やゴミを落としてください。2.位置決めに両面テープを使って茅蜩・鼓粒を貼付けます。3.その上からガムテープで落ちないように固定します。ガムテープは1枚で貼るよりも、細くタスキがけにして貼り付けた方がより確実に固定できます。(写真①)4.更にエポキシ系の接着剤や結束バンドを使って固定される事をお勧めします。5.茅蜩・鼓粒は、中身を分解して接着剤等で固定するとカウンターウエイトとして機能

特徴

11kg~12kgだと考えています。しかし現実問題として12kgもの重さを10cmの小さなユニットに付けるとどうなるでしょう。幾つかのユニットではフレームが曲がってしまうかも知れません。この重さに耐える設計をすれば、コストUPは避けられず実用的ではないと判断されるのが落ちです。SPユニットのフレームは適度な強度は必要ですが、意味のない強度を持つ必要はありません。特にカーオーディオを考えると質量は走行性能の要なので、軽いことも重要です。その為、慣性力を応用したカウンターウエイト茅蜩・鼓粒を開発しました。激しいインパルス性の衝撃に対応して慣性力で重くなります。平常時は66gの小さく軽いモノですが、瞬時には4kgもの慣性力を発揮します。この鼓粒をカウンターウエイトが必要な場所に必要数だけ装着すれば、理想的なカウンターウエイトが完成することになります。

SPユニットのインパルス特性を良くするための手法としてカウンターウエイトを使う方法は昔からよく使われてきました。理屈から見ても合理的な手法なので現在でも多くの機種で採用されていますが、Ge3的にはウエイトが軽すぎる様に思えます。理想的なカウンターウエイトの重さは、10cmクラスの高性能ユニットの場合、必要なウエイトは

図例①

この度は茅蜩・鼓粒(ヒグラシ・コツブ)をお買い上げ頂き有り難うございます。茅蜩・鼓粒は音楽のダイナミックな再生において重要である、強烈なインパルスを躊躇なくはね返すカウンターウエイトとして機能します。見かけは小粒ですが特殊な構造により1個で4kgに相当するパワーを発揮します。慣性力による仮想的な質量を利用しており従来のカウンターウエイトとは比較にならないほど小さく軽量です。本説明をよく読み、正しい方法で上手に茅蜩・鼓粒をご利用ください。

仮想カウンターウェイト茅蜩・鼓粒

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2009.07.16

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    http://ge3.jp特に掲示板(BBS)では製品の使い方などについてユーザーの方々同士、情報交換も盛んです。レアな情報も多いので是非ご覧下さい。また、新しい使い方等のご提案や報告もお待ちしております。注意点

■エイジングおよびリラックスGe3では茅蜩・鼓粒を取り付けた直後は装置のトレーニング(一般にはエイジング)が必要だと考えています。付けた直後のSPは自分自身の変化にまだ気が付いていません。おかしなモノが付けられたので暴れます、その結果、低音が少なくなったり高域が暴れたりしますが、これらはトレーニングが進むと落ち着いてきます。この期間は慣らしと考えて下さい。茅蜩・鼓粒を取り付けて音が変だと思っても最低4日は待って下さい。毎日目まぐるしいほど音が変わりますが大抵のSPは4日ほどで安定します。ちなみに、これまでの最高に頑固なSPはタンノイのアーデンで安定するまでに5週間掛かりました。

●茅蜩・鼓粒の取り付けは機器の改造となります。取り付けは、ご自分の責任で行ってください。

●ご不明な点がありましたら、メール、FAX、 BBS等で、お問い合わせください。

SP以外への応用

■オーディオへの応用1.シャシーの下に…機器のシャシーの下に貼り付けると剛性感が上がった様になり、S/Nも良くなります。2.電源コンセントに…電源コンセントに抱かせるように取り付けて下さい。ダイナミックレンジが大きくなったように変化します。3.出力ターミナルに…出力ターミナルの側に貼ってください。エネルギーが溢れ出てくるようなダイナミックな鳴り方に変化します。4.トーンアームに…トーンアームのアーム部分に貼って下さい。トレースの安定感が良くなり、グッと音の腰が据わり針音も小さくなります。

■クルマへの応用SPユニット用のカウンタウエイトとして開発した茅蜩・鼓粒は、車にもカウンターウエイトとして応用できます。

●車のサスペンションに応用する場合ショックアブソーバが車体に固定されている所に取り付けるのが効果的です。取り付ける方向は、ショックの方向に対して90度が最適です。茅蜩・鼓粒を取り付けると、固定部を補強したかの様な反応を示します。ショックアブソーバの初期制動も逃げる事無く、全域で設計値通りの減衰力を発揮します。

・取付箇所RRの場合:前部ショックアブソーバ取付部FRの場合:前部ショックアブソーバ取付部4WDの場合:前後ショックアブソーバ取付部

・取付数量(ショックアブソーバ1箇所に付ける数量) 3000cc以下:2個 6000cc未満:4個 6000cc以上:5個※スポーツカーは上記数量の約1.5倍の個数が必要です。※サスペンション形式により取付数量が変わります。 独立懸架型:上記通り リジット型:上記数量の2倍

・取り付けのポイント 茅蜩・鼓粒を取り付ける時のポイントは「しっかりした所にしっかり固定する」です。茅蜩・鼓粒は仮想質量の発生に振動を利用しています。その為、茅蜩・鼓粒を取り付ける場所はフワフワした所よりもガッチリした丈夫な所である事が重要です。その意味ではショックアブソーバを車体に固定しているネジの周辺の金属部は補強も十分で路面からの振動が最初に直接伝わってくる場所なので最適です。「ショックアブソーバのゴムブッシュはどうか?」との質問が多いですがゴムの上は、ボディーの振動が曖昧に伝わる所なので不十分です。振動が良く伝わる事と振動で揺れることは違うという事に注意して下さい。同様に茅蜩・鼓粒の固定には柔らかく伸びるモノは使わない方が良いです。厚めの両面テープやスポンジテープ、ビニールテープ等

は、茅蜩・鼓粒から見ると構造的にはバネに重いモノを乗せた状態モノそのものです。ユラユラ揺れるだけで残念ながら仮想質量の発生には至りません。固定にはガムテープ、ガラステープ、タイラップ、エポキシ、ホットボンド、針金など、しっかり固定できるモノを使って下さい。ゴム系で硬化しない接着剤も使わない方が良いでしょう。

しません。接着は、必ず外皮のビニルの上から接着して下さい。