論点① つながる世界の基本モデル案€¢...

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Software Reliability Enhancement Center Copyright © 2015 IPA, All Rights Reserved 1 論点① つながる世界の基本モデル案 2015年8月5日 ソフトウェア高信頼化センター 第1回つながる世界の開発指針検討WG 資料6(15-tskk-1)

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論点①つながる世界の基本モデル案

2015年8月5日

ソフトウェア高信頼化センター

第1回つながる世界の開発指針検討WG 資料6(15-tskk-1)

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概要

セーフティ、セキュリティ、信頼性要件について議論のためには、基本的な構成やつながり方の考慮が必要。

世の中にあるアーキテクチャを参考にしながら、つながる世界に関して本WGにおいて検討をすすめるための基本的なモデルを定義する。

「Cyber Physical “society”(CPS(超情報化)社会)の概念図 【出典】平成27年4月 産業構造審議会商務流通情報分科会 情報経済小委員会 中間とりまとめ」を元に追記

異なる分野の製品がつながって新しいサービスを創造(IoT)

生産現場等をつないで産業基盤

の高度化を実現(C

PS

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IoTのモデルについて

1. 公開されている主要なリファレンス oneM2M 「Release1」(2015年1月) IIC「Industrial Internet Architecture」(2015年6月) Industrie4.0 「RAMI4.0」(2015年4月)

2. ISO/IECの取り組み状況 ISO/IEC JTC1 SWG5 「Study Report on IoT Reference

Architectures/Frameworks」(2014年8月)様々な分野にわたって調査されており共通のリファレンスの必要性が提言されている。• JTC1 Standards:5分野調査されている。例えばSensorNetworkはプラグアンドプレイの管理

重視。• ITU-T recommendations:例えばITU-T Y.2060は構成要素中心、Y.2063 WoTはWeb技術重視。• ETSI:oneM2Mの規格はETSI等を規格をベースに検討。• GS1:タグのユニークな割り当て重視。• 他

ISO/IEC JTC1 SWG5の調査等からIoTのリファレンスについては様々な標準化団体やコンソーシアムが定義していて統一されていない状況。

主要なリファレンスの内、oneM2M、IIC、Indesutrie4.0を参考として検討

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oneM2M(Release1)リファレンス

「M2Mのレイヤー構造と標準化対応」

【狙い】標準化を推進することにより垂直統合的にしかできなかったビジネスにおいて、水平方向のサービス展開を図る。

【構成要素、振る舞い】M2Mを6階層とし、そのうちプラットフォーム、ゲートウェイ、デバイスから構成要素を抽出。構成要素の振る舞いはアプリケーション機能(AE)、共通サービス機能(CSE)で定義。

【関係性】機能(Entity)間の関係を定義。 【その他】セキュリティについては共通サービス機能で定義、またCSEをもたない低機能デバ

イスも定義されている(⇒このような配置方法はセキュリティ・セーフティ・信頼性の検討の実施に適している)。

「oneM2Mアーキテクチャ(実装イメージ)」

【出展】M2M標準化最新動向– oneM2M技術仕様(初版)の全貌–http://ftp.onem2m.org/Others/MARCOM/01_Regional_event_materials/20140901_ARIB-TTC%20Joint%20Seminar%20on%20oneM2M%20Standardization%20(Japanese).pdf

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IICリファレンス

【狙い】産業分野のためのリファレンスを定義。 【構成要素、振る舞い】全体を3階層に分類し(NWやゲートウェイを含めるとM2M階層と大き

な差はない)、それぞれから構成要素を抽出し振る舞いを定義。 【関係性】垂直方向のデータフローと制御フローで関係を定義。

「Three-tier IIS(※) Architecture」【出展】Industrial Internet Reference Architecture http://www.iiconsortium.org/IIRA-1-7-ajs.pdf※ IIS:Industrial Internet System

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ERP基幹システム

MES製造実行システム

SCADA生産監視制御システム

PLCシーケンサ機器制御装置

I/O入出力FA機器、センサー等

Industrie4.0 RAMI4.0

「RAMI4.0」をもとに経済産業省が作成した図【出典】経済産業省2015年度版ものづくり白書本文http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2015/honbun_pdf/pdf/honbun01_03_02.pdf

【狙い】関係する事業者が利用する様々な技術の相互運用性を重視 スマートグリッドアーキテクチャモデル(SGAM)を踏襲した立方体の形式で定義

• 立方体の横方向はPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)。• 立方体の奥行方向はTIA(トータリー・インテグレイティッド・オートメーション)。• 立方体の垂直方向は相互接続の求められるサービスや機能をそれぞれのレベルに応じて配

置することを意味する。

製品設計

生産設計

生産管理・在庫管理

実行系/計画系/統合計画

販売管理

保守・保全アフターサービス

TIA

PLM

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つながる世界のモデル(IoT基本モデル)

IoT基本モデルはアプリケーション、データ、通信機能等から成る。 IoTの構成要素としてはIoTサーバ、IoT集約、IoT端末があげられる。 構成要素はそれぞれがIoTであり、それらをつなげた全体のシステムにおいてもIoTとなる。

(System of Systems)

1. 構成要素 現実世界からのデータ収集

IoT端末(センサー、車等) 収集したデータの集約、サーバとの中継

IoT集約(ゲートウェイ等) データ蓄積・分析、制御・サービス

IoTサーバ

2. 補足: IoT機器ではセンサーのように低機能で信頼

性要件を配備困難な機器と配備可能な機器を区別が必要• 低機能端末• 高機能端末

アプリケーション

データ

通信機能

その他

モノ

IoT基本モデル

※その他はOS, ミドルウェア、ハードウェアなど

IoTサーバ

IoT集約

IoT端末

構成要素

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IoT基本モデルのつながり方の例

IoTサーバ、IoT集約、IoT端末間におけるつながり方のパターンとしては、以下のような例が考えられる。

IoT基本モデルのつながり方の例

①垂直方向の接続

IoTサーバ

IoT集約

IoT端末 IoT端末

(IoT集約)

IoT端末

(IoT集約)

IoT端末②IoT端末間の直接接続

(※Car2Car等)

③複数のIoTサーバ間の接続

IoT端末 IoT端末

IoTサーバ IoTサーバ

上記の図において接続されるIoT端末には2つのレベルを想定• セキュリティ等の対応が可能な高機能端末• セキュリティ等の対応が不可能な低機能端末

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(参考)IoT基本モデルのユースケースについて

①交通情報配信②Car2Car通信③交通情報配信+ゴミ収集③’スマホからエアコンの操作

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ユースケース①:交通情報配信垂直方向にデータを集めてサービスするケース

① データ収集• プローブカー(複数)を直接インターネットに接続しデータ収集

② データ蓄積・解析• 大量の車両データ(時刻、位置等)を蓄積• 過去実績をもとに、速度・旅行時間を補完し、分析

③ 制御・サービス• 放送などによりリアルタイムに交通情報として配信

IoTサーバ:車両から送付されたデータの蓄積

データ分析、交通情報配信

IoT端末(プローブカー)車両データを送付

凡例:通信の流れ

(注)上位層から下位層への制御データの流れ、下位層から上位層編への計測データの流れ、同じ層間の通信方向を厳密に示すと煩雑になるのですべて両方向の矢印とした。

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ユースケース②:Car2Car自律した機器間で直接通信するケース

1. 機器間の通信• 車両間で車間距離など様々な情報を交換

IoT端末(車両) IoT端末(車両)

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ユースケース③:交通情報配信+ゴミ収集ゴミ収集サービスに交通情報配信サービスのサーバ間でデータ交換するケース

1. データ収集• プローブカーとゴミ箱をからデータ収集

2. データ蓄積・解析• 車両からのデータ、ゴミの量を蓄積• ゴミの量の過去のデータで配車計画を策定• 当日の最新のゴミに量や交通情報をもとに配車を見直し

3. 制御:サービス• 上記配車情報をゴミ収集車に配信

IoTサーバ:ゴミ箱から送付されたデータの蓄積

データ分析、配車情報作成

IoT集約(ゲートウェイ)データ集約、中継

IoT端末(ゴミ箱)ゴミの量を送付

IoTサーバ:車両から送付されたデータの蓄積

データ分析、交通情報配信

IoT端末(プローブカー)車両データを送付

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ユースケース③’:スマホからエアコンの操作スマホとエアコンの異分野のIoT機器間連携ケース

1. データ収集• スマホ、エアコンをNWに接続。データ収集は特に行われない。

2. データ蓄積・解析• データ蓄積、解析は特になし。

3. サービス• IoTサーバを経由してエアコンを制御。• 下図の破線のように接続するケースも想定される

IoT端末(スマホ)エアコン操作データを送付

IoTサーバ:エアコンサービス

IoT集約(ゲートウェイ):データ中継

IoT端末:エアコン

実線のルートであるが破線のルートも想定される