次世代型情報取得システムの構築技法 ~ cruse開発を通じて
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クラウドおよびiphone等スマートフォンの発達により移動時に豊富な情報を得る環境が整いつつあります。しかしスマートフォンはPCほど画面は広くなく入力手段も乏しいため欲しい情報を的確に指示し一覧することが大変です。本セッションではこの課題を解決する”文脈指向マルチモーダル”というシステムの構築技法と、システムを構成する技術要素を情報取得システムCRUSEの開発を通じて解説します。TRANSCRIPT
Developers Summit 2010
伊藤純一アイエニウエア・ソリューションズ株式会社
デジマビジネスユニット
シニアエンジニア
19-4-C
次世代型情報取得システムの構築技法 ~ CRUSE開発を通じて
Developers Summit 2010
アジェンダ
背景
課題と解決方法
システムの紹介
デモンストレーション
まとめ
Developers Summit 2010
背景
情報インフラ発達により移動時に豊富な情報を得る環境が整いつつある
クラウドの発達
企業内データ整備
モバイルPC
携帯端末
WiFiやWiMAXによる高速通信
移動時の情報活用が進んでいるとはいえない
通信インフラ端末インフラ データインフラ
Developers Summit 2010
情報活用の課題①
携帯端末での情報取得
画面が広くない
情報を一度に閲覧できない
入力手段が乏しい
欲しい情報を的確に指示するのが大変
「キーワード入力⇒結果一覧」というPCの検索方法をそのまま適用は無理
Developers Summit 2010
情報活用の課題②
システム提供側の都合
既存webアプリの携帯端末上での課題
PC向けにできている、表示が重い、動かない
携帯端末向けアプリの課題
メニュー階層の深い使いにくいアプリ
構築ノウハウの不足
携帯端末での情報活用に対するネガティブ
Developers Summit 2010
課題に立ち向かう技術
RIA
Flash, HTML5...
マルチタッチ・インターフェース
加速度センサ
音声認識/音声合成
GPS
カメラ
Developers Summit 2010
課題をどう解決するか?
情報を得ようとする人間の行動プロセス
操作:ユーザー意図をシステムに伝える
認知:提示されたデータを認知する
判断:認知をもとに何をするか決める
認知操作 判断
Developers Summit 2010
課題解決:操作
ユーザー意図をシステムに伝える方法の検討
その場で使える手段を自由に組み合わせる
音声
キー入力
タッチ入力
なるべく少ない手数でシステムを操作する
ここまでにシステムに与えられた入力を活用する
ユーザーの環境情報を利用する⇒明示的に指定しなかった場合に暗黙情報として利用(例:現在位置)
原則:シンプルに使えるもの
Developers Summit 2010
課題解決:認知
データ表示方法の検討
瞬時に全体把握が可能な方法を使う
図形を効果的に使う
詳細はユーザーが必要なときに提示
複数種類の出力を活用
音声ガイダンス
振動による通知
ジャンル 場所 店名
イタリアン 東区1-2-3 Italiana
フレンチ 東区3-2-3 Le Royale
フレンチ 千種区3-2 Bourgogne
イタリアン 千種区2-1 Chao
フレンチ 東区3-2-3 Louis XIV
: : :
地図上への図示例
+
Developers Summit 2010
課題解決:判断
データ参照の視点を変える方法の検討
システムが視点の変え方をナビゲートする
データが多すぎるときは視点を狭く(例:絞り込む条件候補提示)
データがないときは視点を変える(例:変更するとデータが得られる条件の提示)
ナビゲートにユーザー嗜好を反映させる
ユーザーの試行錯誤を無くす
過去の操作履歴から嗜好を抽出
原則:主導はユーザー、あくまでオプションという位置づけ
Developers Summit 2010
文脈指向マルチモーダルシステム
この考えをもとにした文脈指向マルチモーダル
意図をシステムに伝える各種手段
ユーザーの環境情報
ユーザーの欲しいもの
システムによるナビゲート
入力手段を自由に組み合わせデータ抽出条件を指示
操作文脈からの入力補完
環境情報を暗黙情報として利用
データ抽出状況とパーソナライズで次操作を提示
ナビゲーションを音声出力
データの図示
音声
キー入力
タッチ入力
位置情報
結果表示
音声通知
操作提示
データ
これはいい!!
モバイルユーザー クラウド
データ
データ
利用するデータを自動で選択
Developers Summit 2010
データ取得部UI部
語彙の辞書、概念定義をもとに検索条件に変換
確定できない内容は対話で確認
得られた条件でデータ抽出・結果取得
次操作のヒントを追加
個人プロファイル
データ
音声認識
音声合成(次操作ヒント)
音声
地図表示(結果を図示)
キー入力
画面タッチ
音声通知
結果一覧
不足情報を文脈から補完
対象データの概念定義
位置情報
操作提示
入力を文字列に一元化することで処理を共通化
概念定義をメタデータとしてもちデータの変更や拡張に強くする
ユーザー操作の支援
認知を支援パーソナライズ
文脈指向マルチモーダル内部の仕組み検討
データ
データ
RDB,XMLWeb対応
Developers Summit 2010
データ取得部
内部のデータの流れ①
UI部
語彙の辞書、概念定義をもとに検索条件に変換
確定できない内容は対話で確認
得られた条件でデータ抽出・結果取得
次操作のヒントを追加
個人プロファイル
音声認識
音声合成(次操作ヒント)
音声
地図表示(結果を図示)
キー入力
画面タッチ
音声通知
結果一覧
不足情報を文脈から補完
対象データの概念定義
位置情報
操作提示
日光で露天風呂に入りたい
「施設種類を選んでください。ホテル、ペンション、民宿・・・」
場所=日光属性=露天風呂あり
場所=日光属性=露天風呂あり
例:宿泊検索
データ
データ
データ
Developers Summit 2010
データ取得部
内部のデータの流れ②
UI部
語彙の辞書、概念定義をもとに検索条件に変換
確定できない内容は対話で確認
得られた条件でデータ抽出・結果取得
次操作のヒントを追加
個人プロファイル
音声認識
音声合成(次操作ヒント)
音声
地図表示(結果を図示)
キー入力
画面タッチ
音声通知
結果一覧
不足情報を文脈から補完
対象データの概念定義
位置情報
操作提示
民宿がいいです
次の条件候補・卓球あり・カード可
施設の一覧
タイプ=民宿
卓球あり score=0.9
カード可 score=0.8
ペット可 score=0.3
...
タイプ=民宿文脈からの継続+場所=日光+属性=露天風呂あり
例:宿泊検索
データ
データ
データ
http://../?場所=日光&属性=露天風呂あり&タイプ=民宿
Developers Summit 2010
データ取得部の要素技術
以下の処理を1つのエンジン上で処理できるエージェント・ネットワーク(Answers Anywhere)を利用
語彙の辞書、概念定義をもとに入力文を解析
文脈を追跡して不足情報を補完する
解析結果よりSQLやXML Webからデータを取得
データの概念定義、過去の操作履歴、データの取得結果から次操作を提示
複数ユーザーの同時アクセス、履歴記録に対応
Developers Summit 2010
エージェント・ネットワーク自然言語より意味を抽出し対話と処理を実行するエンジン対象データの概念定義をネットワークで記述するビジュアル・プログラミングモデル 視覚的に編集できわかりやすい 概念定義がデータと1対1になり習得しやすい コンパイル不要で作りながら動作確認でき、プロトタイプ開発容易 ネットワークの結合により拡張が容易 JavaAPIで動作をカスタマイズ可能 反復テスト可能なテストツール付属
エージェントを配置、キーワードを定義し線で結ぶ
Command(操作)
Field(カラム)
Object(テーブル)
Relation
(ジョイン)
エージェントとデータの列が1対1で対応
Developers Summit 2010
デモ:iCRUSEコンセプト「電話で人と話をしているかのように検索する」
ボイス検索
店舗情報を持つ外部Webサービス
言葉の解析
音声フィードバック
対話の生成
検索結果と共にパーソナライズされた条件候補を返します
自然文を解析し、文脈を理解して検索します
Juliusで音声を認識
中華が食べたい
他に・・・
HotPepper グルメサーチAPI
Developers Summit 2010
デモ:iCRUSE
Developers Summit 2010
適用可能性
文脈指向マルチモーダルが適する領域
属性の種類が多い構造化されたデータ
個体の抽出を目的とし図示が有効なデータ
エンタープライズ向け
営業員向け顧客情報検索システム
社内文書検索システム
コンシューマー向け
多種コンテンツの串刺し検索
twitter・Googleバズをトリガで動く情報端末
Developers Summit 2010
おわりに
本日のまとめ
移動時における情報活用のためのシステムに文脈指向マルチモーダルが有効
Answers Anywhereによる文脈指向マルチモーダルの構築
謝辞
株式会社モンスター・ラボ様
iCRUSEの共同開発
Developers Summit 2010
お知らせ
iCRUSE無償版
AppStoreにて近日公開予定
Answers Anywhere情報
無償評価用SDK
http://www.ianywhere.jp/dl/dl_evl.html
開発者向けCodeZine連載記事
http://codezine.jp/article/corner/309
セミナーのお知らせ
Answers Anywhere技術セミナー(3/18開催)