統一気象予測ソフトウェアの開発 ~その理想と実態~
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統一気象予測ソフトウェアの開発 ~その理想と実態~. GFDセミナー 平成13年8月24日 気象研究所予報研究部第一研究室 室井ちあし mailto:[email protected]. 目次. 数値予報の概要 予報モデルの共同開発 非静力学モデル 気象庁非静力学モデル関連トピックス. 天気予報の流れ. 観測. ラジオゾンデ、地上、船舶、航空機、衛星、レーダーなど. データ収集・デコード. アジア周辺のデータが集まるまでおよそ2時間. 品質管理 QC. 観測データが正しいとは限らない. 観測があるところは観測、ないところは予報・・ - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
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天気予報の流れ
データ収集・デコード
品質管理 QC
予報モデル
プロダクト作成・翻訳
観測
天気予報作成
ラジオゾンデ、地上、船舶、航空機、衛星、レーダーなど
データ同化
アジア周辺のデータが集まるまでおよそ2時間
観測データが正しいとは限らない
観測があるところは観測、ないところは予報・・近年、変分法の導入など進歩が激しく、予報精度に影響
全球モデル、領域モデル
FAX作成、オンライン送信、モデルの予報変数から、天気予報要素への変換
予報官・予報士による判断・修正
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数値予報
• 物理法則を数値的に解く 観 測 デ ー タ
数 値 予 報
熱
雲
大陸 海洋海氷
流 体
力 学
・ 熱
力 学
雨
* *
**
***
**
***
**
**
**
**
**
**
*
*
雪
**
**
*
*
水蒸気
大気
の運
動
水蒸気雲
* *
**
***
**
* *
**
*
太陽
大気との熱交換 水の蒸発
数 値 予 報 モ デ ル
5
数値予報モデルの種類と用途 ( 平成 13 年 3 月 ) モデル名称(略称)
目 的 水平格子間隔格子数( 計算領域 )
鉛直層数最上層面
予報回数 予報期間 備 考
全 球 モ デ ル(GSM)
週間予報航空気象予報
約 55km640×320( 全地球 )
40 層0.4hPa
2 回/日 216 時間
1 ヶ月アンサンブル予報モデル
1ヶ月予報 約 110km320×160( 全地球 )
40 層0.4hPa
2回/週 34 日 初期値は 26 例
週間 予アンサンブル報モデル
週間予報 約 110km320×160( 全地球 )
40 層0.4hPa
1回/日 216 時間 初期値は 25 例
有害物質輸送モデル
核事故等の場合に、汚染物質の流跡線、被爆量、地表面沈着量について 3 日先まで予報する。
約 55km640×320( 全地球 )
40 層0.4hPa
要請時 72 時間
領 域 モ デ ル(RSM)
天気予報時系列 分布予報・航空気象予報
20km325×257
(アジア領域)
40 層10hPa
2 回/日 51 時間
台 風 モ デ ル(TYM)
台風進路強度予報・
24km271×271
( 台風を中央 )
25 層10hPa
4 回/日 84 時間 最大 2 個の台風
メ ソ モ デ ル(MSM)
降水 6 時間予報防災気象情報
10km361×289
( 日本付近 )
40 層10hPa
4回/日 18 時間
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気象庁のスーパーコンピューター
および主な数値予報モデルの変遷 HITAC S810K
72.5
(381km)北半球バランスバロトロピックモデル
70.4 (381kmL3)北半球バランスモデル
75.1 NHM(381kmL4)北半球プリミティブモデル
NHM(381kmL8)
83.3 ( T 4 2 L12)北半 球スペク ト ル モデル
70.4 88.3 GSM(T63L16)全球スペクトルモデル
(304.8kmL4)アジア準地衡風モデル 89.11 GSM(T106L21)
73.10 GSM(T213L30)
(FLM152.4kmL6)アジアファインメッシュモデル GSM(T213L40)
FLM(127kmL10)
83.3 FLM(127kmL12)
88.3 ASM(75kmL16)領域スペクトルモデル
RSM(20kmL36)
83.3 VFM(63.5kmL11)ベリーファインメッシュモデル RSM(20kmL40)
84.11 VFM(63.5L13)
98.3 MSM(10kmL36)
88.3 J SM(40kmL19) MSM(10kmL40)
92.3 J SM(30kmL23)
10.1.1 図 気象庁の数値解析予報システムのスーパーコンピューターと大気数値予報モデルの略歴
(台風モデル、週間アンサンブル予報、1か月予報支援用モデルは除く)
HITACHI SR8000E1
1959.3 1967.4 1973.8 1982.3 1987.12 1996.3 2001.3
IBM704 HITAC5020F HITAC8800 HITAC M200H HITACHI S3800
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全球モデルスコアの変遷GSM Z500(20N-90N) RMSE 00UTC/ 12UTC
0
10
20
30
40
50
60
70
80
1984_12L-HSM
1985_12L-HSM
1986_12L-HSM
1987_12L-HSM
1988_16L-GSM
1989_16L-GSM
1990_21L-GSM
1991_21L-GSM
1992_21L-GSM
1993_21L-GSM
1994_21L-GSM
1995_21L-GSM
1996_30L-GSM
1997_30L-GSM
1998_30L-GSM
1999_30L-GSM
2000_30L-GSM
2001_40L-GSM
Geo
pote
ntial h
eigh
t
24h_Fcst 48h _ Fc s t72h _ Fc s tAve(24h )Ave(48h )Ave(72h )
気象庁数値予報課提供
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重点開発課題の変遷(1)• モデルの力学フレーム(~ 1990s )
– プリミティブモデルの登場– スペクトルモデルの台頭– 高解像度化(→予報精度向上)– 分散主記憶型並列計算機への対応– セミ・ラグランジュアン法
• モデルの物理過程( 1980s ~)– 対流スキーム
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重点開発課題の変遷(2)
• モデルを用いたアプリケーション( 1990s ~)– アンサンブル予報– 輸送モデル
• データ同化( 1990s ~)– 初期値の重要性が再認識– 変分法– 衛星データ– メソスケール予報にふさわしい観測網(レーダー、
プロファイラ等)の拡充
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スペクトル法の黄昏 ?!
分散型並列計算機の台頭 ノード間通信のオーバーヘッ
ド
高解像度化に伴うルジャンドル変換のコスト増(M3)
まだまだ負けない...
・ T1000程度でもスペクトル法が優位
・高速ルジャンドル変換が出現するかも
・非スペクトルモデルの評価検証用
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統一気象予測ソフトウェアとは
• 天気予報のための現業モデルとして• 気象研究のためのツールとして
開発を効率よく集中的に行うことを目的
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予報モデルを用いた研究
• 4次元的な均一データが得られる• 気候予測からメソスケール擾乱解析ま
で幅広く行われる• 最近は、化学・海洋・陸面等とのカッ
プリング・モデルが増加傾向にある• シミュレーションに対する批判も当然
ある
13
2
2
4
5
11
16
17
0 5 10 15 20
ARPS RAMS
NCAR/CSU MM5
JMA RSM
MRI GCM
MRI/NPD NHM
JMA GSM,MJ 98
CCSR/NIES GCM
気象研究によく使われるモデル
資料: 2001 年日本気象学会春季大会講演予稿集 自ら(もしくはグループで)モデルを実行したと思われるもの 予報結果や再解析データを利用した、としたものは除く
モデルを用いた研究数104件/432件(24%)
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業務用予報モデル
• モデル作成自身がお仕事
• おきて– 異常終了してはならない– 高速でなければならない– 再現性がなければならない– 正確でなければならない
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研究用「ツール」
• モデルを作ることはお仕事にならない• やって示さなければならない• プレゼンには力を入れる• ソースコードにはアピール力がない
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よいモデルとは立場はいろいろ・・
• よく検証されている。• よくメンテ(更新)されている。
• 拡張性・互換性が高く、使いやすい。• フリーである。
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両立するか?
• 利害関係の一致が前提
• 現業モデルとして、統合・検証する。• 研究モデルとして、拡張性を備える。• フリーは困難であるが、モデルコミュニティーを拡張することによりメリットを享受できる。
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気象庁・気象研の場合
• 全球モデル GSM 、非静力学モデル NHM で共同開発
• 具体的な取り組み– メーリングリスト– CVS リポジトリ(非静力学モデル)– コーディングルール
• 「モデル公開」によりコミュニティの輪を広げつつある
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互換性を高めるために
• Linux から「地球シミュレータ」まで– スカラとベクトルで最適化するのは難し
い• コーディングルール クリックしてね
– 読みやすいコード– コードの交換を容易にする
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しかし実際には・・
• 統一されていない– 並列本庁版、並列研究所版、逐次(非並列)版の
3つが存在– 「ちょっとだけ異なる」雲物理過程や放射過程– 統一されるのは、メインプログラムだけ ?!
• コーディングルールは守られない– 特に研究者
• 共通のインフラ確保が容易でない
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よその事例
• 日本で他にあったら教えてほしい• 外国の例
– WRF (統一メソスケールモデル)– ECMWF, Meteo France (全球予報モデル、
データ同化システム)
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Weather Research and Forecasting(WRF) 計画
• WRF計画 :現業機関と研究機関の協力になる領域モデルシステムの開発計画
• 参加機関 :NCEP/EMC 、 NCAR 、 NOAA/FSL 、USAF/AFWA 、 CAPS など
• 用途 :Rapid Update Cycle(RUC) モデル、 NCEP で領域モデル (Eta) のネストモデルまたは新領域モデル、 ( おそらく NCAR/MM5 の後継 ) コミュニティモデルとして公開、など。
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WRF の動機
• メソスケール数値予報には改善の余地が大きい。
• 最先端の数値予報システムを開発する。-これまでに開発されてきたモデル技術の最良
の部分を使う。• 研究側の成果を直接現業予報の改善に反映できるようにする。
• 研究部門と現業部門との関係を強化する。また人事交流を容易にする。
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WRF計画の概要
• 変分法による解析や非静力技術、セミラグランジュスキームなどの最先端の技術を取り入れたモデリングや、データアーカイブ、検証やアンサンブル予報への利用に、現業予報者の訓練まで。
• いくつかの WG を作って、各機関の開発者が共同作業。
• 予報モデルの作成は NCEP と NCAR とで独立に進められている。
25http://www.wrf-model.org/PRESENTATIONS/2001_02_NCEP_Presentations/intro/1.html
26http://www.wrf-model.org/PRESENTATIONS/2001_02_NCEP_Presentations/intro/3.html
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WRF at NCAR(1)
• 任意のアーキテクチャの計算機で実行できるように設計。– 共有メモリ~ patch;プロセッサ~ tile
– サブルーチンの内容による階層分け
• フラックス形式、完全圧縮方程式系、オイラーモデル、荒川 C格子
• スプリットエクスプリシット法を適用し、 3 次ルンゲ・クッタ法を用いる。
• 積雲対流、放射から微物理、地表面
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WRF at NCAR(2)
• リアルタイムでの Eta モデルとの比較が行われている (http://rain.mmm.ucar.edu/mm5/pages/wrf.html)。– モデルの仕様:完全圧縮型のフラックス形式の方程式、水平解像度 30km 、時間ステップ 200秒、水平差分の精度は 5 次、鉛直差分の精度は 3 次、 Kain-Fritsch の積雲パラメタリゼーション、 NCEP の 3 型の氷の微物理、 NCEP/MRF の境界層スキーム、 5層の地面温度
– 2001.8 月現在、仕様が変更されていて、たとえば水平解像度も 22km版(時刻刻み 120秒)と 10km版があり、対流パラメタリゼーションも改められている。今後も随時変更があると思われる。
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22kmWRF による予想例2001.8.14.00初期値の 36h 予報
アメリカ合衆国の海面更正気圧と 6 時間降水量。点線の範囲について、さらに解像度 10km での予報を実施している。
http://rain.mmm.ucar.edu/mm5/pages/wrf.html
30
10kmWRF による予想例2001.8.14.00初期値の 36h 予報
http://rain.mmm.ucar.edu/mm5/pages/wrf.html
アメリカ合衆国中部の海面更正気圧と 3 時間降水量。
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問題点として指摘されていること
• 力学コアが複数あることがモデルの共有化という目的と相容れないという見方もある。また力学コアが異なる場合は、変数や格子系も異なることがあり、 共有 は困難なのではな「 」いか。物理過程でも同様。
• いろいろなスキームを試して最善の選択をするという意志もあったはずだが、実際には複数のコア、複数のスキームを実装しようとしている。
• 人的開発資源から見ても複数のコアを開発することは容易ではない。
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WRF のこれから
• 2004 年ころに業務化される予定– 研究用としては NCAR版が既に公開されている。
• 客観解析については 3 次元変分法が 2002 年秋に研究用の版が、 2006 年にはそれを更に高度化した版が予定されている。
• 4 次元変分法については、やや懐疑的だが、2003 年には最初の版が発表される見込み。– 3 次元変分法を短い時間間隔で実行することによりゲインはほとんど尽くされる (本当か? )。
• NCEP版と NCAR版とが共存する、か。
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非静力学モデルNon Hydrostatic Model
• 運動方程式
• 状態方程式
• 連続の式(質量保存の式)
• 熱力学の式
uDIFx
p
dt
du.
1
uDIFx
p
dt
du.
1
RTp
0
z
w
x
u
t
.DIF
C
Q
dt
d
p
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大気中の波動コリオリ力(の緯度変化)
を復元力とする波・ロスビー波・慣性振動
重力を復元力とする波・ケルビン波・(混合ロスビー重力波)・(慣性重力波)・重力波
圧力傾度力を復元力とする波・ラム波・音波
位相速
度速
い
非静力学モデル
プリミティブモデル
バランスモデル
重力波の扱い 重力波
・音波の扱い
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弾性と非弾性
• 非弾性モデル– 連続の式で、大気の圧縮性を認めない– 流体・工学分野では多用される– 密度変化が大きい場合は使えない
• 弾性モデル– 連続の式で、大気の圧縮性を認める– 完全圧縮系では、気圧を陽に予報する– 数値計算の誤差に細心の注意が必要
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弾性モデルにおける音波の取り 扱 い
• HE-VE– すべての項を陽的 (explicit) に時間積分する– 時間積分間隔は音波の伝播速度 ( ~ 300m/s) に制約される
• HE-VI– 音波を鉛直方向に対しては陰的 (implicit) に解く– 音波を小さな時間ステップで、残りの項を大きな時間ス
テップで解く方法が「タイムスプリット法」で、これと併用したものが「スプリット・イクスプリシット法」
• HI-VI– 音波を鉛直・水平方向ともに陰的に解く– 3次元楕円方程式を解く必要がある
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スプリット・イクスプリシット時間積分法(HE-VI)
• 音波から生じるタイムステップの制限を回避
• 音波を水平に Explicit, 鉛直に Implicit に 扱 う
• 音波項を分離し短いタイムステップ Δτ で、その他の項を長いタイムステップ Δtで積分
• 多次元マトリックス計算が不要• 並列計算機への適合性がよい• セミ・ラグラジアン法の適用は困難
Δτ
Δt
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なぜ非静力学モデルか?
• 雲解像モデル(< 1km メッシュ)– 小スケールの現象理解のため(対流実験など)– 初期場は単純、狭い予報領域
• メソスケールモデル( 1km メッシュ < 10kmメッシュ)– 気象情報の高度化のため必要
– リアルデータでのメソ降水現象の再現・予測、台風・竜巻のシミュレーション、広い予報領域
– 将来は、全球(・領域統一)非静力学モデル
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気象庁非静力学モデル基礎方程式系完全圧縮方程式系 (非弾性、準圧縮、静力学近似)座標系 ポーラーステレオ、 z* (直線直交座標)格子構造 Arakawa-C, Lorenz時間積分法 リープフロッグ、タイムフィルター音波の取扱 水平・鉛直ともインプリシット
(水平はスプリット・イクスプリシット、非弾性による除去)
乱流 レベル 2.5 乱流クロージャーモデル雲物理 水蒸気・雲水・雲氷・雨・雪・あられの混合比(数密度)積雲 陽に扱 う (対流調節)地表面過程 Monin-Obukhov の相似則大気放射 RSM と同じ (雲水量の光学的厚みで評価)地面温度 RSM と同じ (地面斜度を考慮)上部境界条件固定壁、レーリー摩擦による吸収層側面境界条件放射ネスティング、レーリー吸収層 (開放、周期、摩擦なし)初期化 内挿 (変分客観解析、非弾性近似による気圧場)計算拡散 4次の線形拡散 (非線形拡散)
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いくつかの事例紹介
• 2001 年松山豪雨• 1999 年福岡豪雨• 1997 年寒気吹き出し(筋状層積雲)• 1991 年台風 19号• 並列化効率• 全球
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2001 年 6 月 19 日の愛媛県の大雨
レーダー・アメダス合成図では北九州~瀬戸内海、紀伊半島付近に降水集中帯MSM ( 10km メッシュ静力学スペクトルモデル)では、紀伊半島から南西に強い降水域がのびている
NHM (10kmメッシュ非静力学格子モデル)では、瀬戸内海にも強い降水を表現している気象庁数値予報課提供
44
寒気吹き出し時の層積雲のケース(永戸ほか、 2000 )
GMS-5 Visible imageGMS-5 Visible image03UTC 22 JAN. 199703UTC 22 JAN. 1997
Surface Weather MapSurface Weather Map00UTC 22 JAN. 199700UTC 22 JAN. 1997
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層積雲シミュレーション気象庁 RSMにネスティング、 1997 年1月 22 日 06JSTを初期値氷相を含むフルモデル、雲の放射を雲水量及び雲氷量から直接計算する放射過程を新たに導入 S3800 x=2km (122×122×38) 、水平領域 240km 四方
鉛直積算雲水量 (g/m2)
GMS-5 VSGMS-5 VS
GMS-5 Visible imageGMS-5 Visible image0341UTC 22 JAN. 19970341UTC 22 JAN. 1997
Liquid Water Pass(gmLiquid Water Pass(gm-2-2))0330UTC 22 JAN. 19970330UTC 22 JAN. 1997
1km - MRI-NHM1km - MRI-NHM03UTC 22 Jan.03UTC 22 Jan.
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Liquid Water Content(gmLiquid Water Content(gm-3-3))
航空機観測とモデルとの比較ObservationObservation ModelModel
GMS-5 Visible imageGMS-5 Visible image03UTC 22 JAN. 199703UTC 22 JAN. 1997
Flight path
47
感度実験感度実験130E130E以西の地形を除去以西の地形を除去 ControlControl
99 時間予報値時間予報値 (22(22 日日 12JST12JST ))
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台風のシミュレーション(1)
1990 年台風 19号(村田 , 1999 )
5km メッシュ NHM 1990 年 9 月 15 日 12UTC イニシャル
(初期値は JSM より内挿)
鉛直積算雲水量 [0.1kg/m2] の4時間予報
GMS IR
49
台風のシミュレーション(2)
1991 年台風 19号(益子 , 2000 )
気象庁合成レーダー1991年 9月 25日 8時
5kmメッシュ NHMによる 6時間予報(前 1時間降水量)
50
並列ソフトウェアの開発
• 地球シミュレータ等の大規模並列計算機上で最適に動作することを目的
• きめ細かくかつ精度の高い予報が求められるメソスケール予報は、高速に実行される必要がある
• Fortran90 と MPI を使用– HPF はまだちょっと・・
• 結果の再現性のためには慎重な配慮が必要– 総和計算など
51
並列化手法全予報領域 ノード毎の予報領域
send receive
halo region
halo region
52
並列化効率(HITACHI SR8000E1, Δx=10km, 361x289x38)
23.817.27
12.8915.1
17.521.42
23.6
8.830
10
20
30
40
50
0 10 20 30 40 50ノード数
並列化効率
PeakNHM(HE)
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並列化の課題
• (縦方向の格子数) /6 がノード数の限界 → 2次元分割• 初期値作成等の前処理・後処理の並列化
→ モデル本体に組み込む• データ出力
– 計算が終わっても出力に時間がかかる
• 負荷アンバランス → 動的に領域を変化させる?(どうやって?)
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本庁で進行中のプロジェクト
• リアルタイムデータによる検証、比較• 簡略化した雲物理過程の改良• 精度の高い移流過程の開発
• モジュール化、倍精度化• 物理モニタ等、データ出力環境の整備• アジョイント・モデルの作成
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全球非静力学モデル(斉藤 , 2000 )
• 等緯度経度座標 1.5 度 ×1.5 度
• 極の値は周囲から内挿
• スイッチ一つで領域モデル
• 並列化はまだ 1999 年 3 月 1 日 00UTC初期値 海面更正気圧 36 時間予報
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まとめ
• 気象庁内、および大学・研究機関等との連携強化が必要と考え、取り組みを推進してきた。
• 実際には、考え方や必要性の違いなどから、「一致協力して」と言えるには遠い。
• しかしながら、正しい方向に進んでいると“ほぼ”確信しているので、今後も取り組みを強化していきたい。 NHM ではないかもしれないが。