九州の果樹の概況 -...
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九州の果樹の概況
平 成 2 6 年 1 月
目 次
1 果樹生産をめぐる動向 頁(1) 果樹販売農家数①販売農家数の推移と構成 ・・・・・・・・・・ 1②規模階層別・主副業別割合 ・・・・・・・・・・ 2
(2) 果樹の栽培面積 ・・・・・・・・・・ 3(3) うんしゅうみかんの収穫量 ・・・・・・・・・・ 4(4) うんしゅうみかんの生産出荷目標及び出荷実績・・・ 5(5) 果実の産出額①農業産出額に占める果実産出額のシェア ・・・・・ 6②果実産出額の推移 ・・・・・・・・・・ 7③管内各県別の果実産出額 ・・・・・・・・・・ 8
(6)産地計画の策定状況 ・・・・・・・・・・ 9(7)認定農業者数 ・・・・・・・・・・ 10
2 果樹対策の推進(1)改植の推進や基盤整備等 ・・・・・・・・・・ 11(2)需給調整の推進 ・・・・・・・・・・ 12(3)果実の流通対策 ・・・・・・・・・・ 13
(4)果実加工仕向けの推進 ・・・・・・・・・・ 14
3 果実の消費動向 ・・・・・・・・・・ 15
4 果実の輸出 ・・・・・・・・・・ 17
○2010年センサスのおける九州の果樹販売農家数は、36,462戸と全国の15.0%を占めており、 前回2005年センサスに比べ5,259戸(△12.6%)減少した。○九州における果樹販売農家数は熊本県が10,061戸と最も多く、九州管内の27.6%を占めている。
1 果樹生産をめぐる動向(1)果樹販売農家数
①果樹販売農家数の推移と構成
管内販売農家数BEST3第1位:熊本県10,061戸第2位:福岡県6,611戸第3位:長崎県4,959戸
果樹農家数の推移(%)
九州管内における果樹販売農家数の割合
1
5,271
4,890
3,304
2,7652,423
929 795534 417 365
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
H2 7 12 17 22
(百戸)
全国
九州 鹿児島 10.4
宮崎 8.0
大分 11.0
熊本 27.6
長崎 13.6
佐賀 11.2
福岡 18.1
0%
20%
40%
60%
80%
100%
H2 7 12 17 22
(%)
資料:農林業センサス 資料:農林業センサス
36.0
主業農家 31.8
23.0
準主業農家 25.3
41.0
副業的農家 43.0
九州
全国
主副業別割合(%)
0.5ha未満
53.1
56.1
0.5~1.0ha
23.6
23.3
1.0~1.5ha
9.9
9.7
5.1
4.8
8.3
6.1
九州
全国
規模階層別割合(%)
1.5~2.0ha
○九州の栽培規模階層別では1.0ha未満の農家数が76.7%を占めており、2ha以上の大規模栽培は全国に比べ2.2ポイント高くなっている。
○九州の主副業別は、副業的農家が14,953戸(41.0%)と最も多くを占めており、主業農家では、全国に比べると4.2ポイント高くなっている。
1 果樹生産をめぐる動向
②規模階層別・主副業別割合
29.1
41.0
27.1
38.5
34.9
37.7
39.1
21.1
20.4
20.3
22.6
26.6
25.0
23.5
49.9
38.6
52.7
38.9
38.5
37.2
37.4
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
資料:農林業センサス
50.3
51.9
42.6
46.6
50.2
50.1
52.2
27.6
27.8
28.0
26.7
23.7
24.4
23.5
10.7
9.8
13.7
12.8
10.6
10.9
10.1
4.3
4.5
7.1
6.0
6.1
5.5
5.4
7.1
6.1
8.6
7.8
9.5
9.1
8.9
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
1.5~2.0ha
2.0ha以上
資料:農林業センサス
2
○平成24年産九州の果樹栽培面積は41,000haと全国の17.1%を占めている。前年産に比べ900ha、2.1%減少した。○県別に見ると、熊本県が12,200haと全国第5位、福岡県が6,970haと全国第9位を占めている。
※長崎県:第13位、鹿児島県:第15位、佐賀県:第15位、大分県:第17位、宮崎県:第22位(鹿児島県と佐賀県については、同面積である)
1 果樹生産をめぐる動向(2)果樹の栽培面積
果樹栽培面積BEST3第1位:青森県: 23,400ha第2位:和歌山県:20,300ha第3位:愛媛県:19,700ha
346350
400
(千ha)果樹栽培面積の推移
福岡
100%
九州各県別果樹の栽培面積割合
3
315
286265
247 244 240
7361 54 47 43 42 41
0
50
100
150
200
250
300
350
H2 7 12 17 22 23 24
全国
九州
資料:農林水産省統計部「耕地及び作付面積統計」
鹿児島
11.1%
宮崎
8.2%
大分
10.3%
熊本
29.8%
長崎
12.6%
佐賀
11.1%
17.0%
0%
20%
40%
60%
80%
H2 7 12 17 22 23 24
資料:農林水産省統計部「耕地及び作付面積統計」
○平成24年産(概数値)の九州におけるうんしゅうみかんの収穫量は267,500tと全国の31.6%を占めている。○県別に見ると、熊本県が84,400tと全国第4位、長崎県が同5位、佐賀県が同6位と全国の上位を占めている。
※福岡県:第9位、大分県:第13位、鹿児島県:第12位、宮崎県:第15位
1 果樹生産をめぐる動向(3)うんしゅうみかんの収穫量
900
1,000
(百トン) 九州各県うんしゅうみかんの作型別収穫量(H24)
うんしゅうみかん収穫量BEST3
第1位:和歌山県 :147,600t第2位:愛媛県:118,400t第3位:静岡県 :108,400t
1,653
1,600
1,800
2,000
(千トン)うんしゅうみかんの収穫量の推移
4
3
76 12 ハウス
16 22 5 582
210
139
極早生
217
28 84 71
117
90
199
早生
342
3740 67
63
134253
普通
268
6810
16
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島
資料:農林水産省「果樹生産出荷統計」
1,378
1,143 1,132
1,003
786
928
846
622568
405369
322 322268 268
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
H2 7 12 17 21 22 23 24
全国
九州
資料:農林水産省「果樹生産出荷統計」
4052
2928
32 31
2828
27 2726
300
350
(千t)
うんしゅうみかんの出荷目標
及び出荷実績(九州) 自家消費等加
工原料用
○平成24年産全国の適正生産目標量は910千tであり、うち九州は280.2千tと全国の30.8%を占めている。○同年産の適正出荷量は、全国810千tに対し、九州は252.7千tとなっている。
1 果樹生産をめぐる動向(4)うんしゅうみかんの生産出荷目標及び出荷実績
福岡
10%大分
6%
宮崎
5%
鹿児島
6%
平成24収穫量県別シェア
262291
236 250 242233 241220 225
214
4038
5035
2527 27
26
0
50
100
150
200
250
目標 実績 目標 実績 目標 実績 目標 実績 目標 実績
21年産 23年産22年産 24年産20年産
出荷実績
生食用(
国内)
生食用(
輸出)
資料:農林水産省「果樹生産出荷統計」
5
佐賀
19%
長崎
22%
熊本
32%
6%
九州の収穫量
267,500t
資料:農林水産省「果樹生産出荷統計」「適正生産出荷見通し」
44
4
43
果実
7.4%
8.7%
米 13.2%
23.6%
野菜 26.3%
25.4%
花き
3.9%
4.0%
畜産 39.1%
30.8%
その他 10.1%
7.4%
九州
全国
全国・九州各県の主要部門別構成比
○平成24年農業産出額に占める果実の産出額は、全国の8.7%に対し、九州では7.4%を占めている。○県別で見ると、総産出額は鹿児島県が全国第4位、果実産出額が占めるシェアでは佐賀県が12.7%と最も高く、次いで大分県が11.0%を占めている。
1 果樹生産をめぐる動向(5)果実の産出額
①農業産出額に占める果実産出額のシェア
全国シェア 全国順位
86,104 100%
16,601 19.3%
総産出額(億円)
2.1%
4.8%
10.2%
10.3%
8.5%
12.7%
10.9%
6.4%
7.7%
23.4%
13.9%
11.2%
23.9%
20.8%
12.9%
24.3%
25.8%
36.2%
32.0%
28.9%
34.1%
3.2%
2.2%
4.4%
3.2%
5.4%
2.5%
8.3%
57.9%
54.7%
31.3%
29.2%
31.0%
23.6%
16.7%
17.5%
6.2%
4.9%
7.2%
11.9%
8.4%
9.2%
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
資料:農林水産省統計部「生産農業所得統計」
6
2,265 2.6% 14
1,267 1.5% 25
1,422 1.7% 22
3,245 3.8% 5位
1,312 1.5% 24
3,036 3.5% 7位
4,054 4.7% 4位
○九州の果実の産出額は、平成2年の1,819億円をピークに減少傾向で推移しているが、平成24年は前年比0.5%増加し1,229億円となっている。○全国の果実の産出額に占める九州のシェアは16.5%を占め、熊本県の産出額は全国第7位となっている。
※福岡県:第9位、佐賀県:第13位、宮崎県:第16位、大分県:第17位、長崎県:第20位、鹿児島県:第27位
1 果樹生産をめぐる動向
②果実産出額の推移
産出額BEST3第1位:青森県:692億円
第2位:和歌山県:607億円第3位:山形県:572億円
全国
7471 8000
9000
10000
1600
1800
2000
(全国:億円)(九州:億円)果実産出額の推移
500
(億円) 県別果実産出額の推移
7資料:農林水産省統計部「農業産出額及び生産農業所得」
鹿児島84
宮崎147
大分134
熊本333
長崎121
佐賀161
福岡248
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
H2 7 12 17 22 23 24
資料:農林水産省統計部「農業産出額及び生産農業所得」
0
100
200
300
400
500
H2 7 12 17 22 23 24
福岡大分
佐賀長崎
宮崎
熊本
鹿児島
333350
(億円)九州各県別果実産出額(H24)
○九州管内各県別の産出額を見ると、みかんが上位を占めている。
1 果樹生産をめぐる動向
③管内各県別の果実産出額
管内果樹産出額BEST3第1位:熊本県:333億円第2位:福岡県:248億円第3位:佐賀県:161億円
平成24年産管内各県別主要果実の産出額 単位:億円
区分 5位
もも
461
かき
57
キウイフルーツ
4位
日本なし
817
不知火
106
日本なし
3位
ぶどう
1,079
日本なし
109
かき
ぶどう
126
みかん
みかん
487
ぶどう
九州
全国みかん
1,480
1位 2位
りんご
1,313
248
161
121134
147
84
0
50
100
150
200
250
300
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島
熊本県は全国第7位
資料:農林水産省統計部「生産農業所得統計」8
3位 50 2位 20
1位 12 3位 12
1位 69 2位 20 1位 15
1位 12 4位 5
1位 42 1位 22 1位 20
2位 10 1位 10 2位 10
資料:農林水産省「生産農業所得統計」
注:順位は、推計を行った都道府県における順位
7
12
かぼす
日向夏
なつみかん
ぶどう
ぶどう
キウイフルーツ
キウイフルーツ
日本なし
なつみかん
ポンカン
3
3
きんかん
たんかん
日本なし
30
ぶどう
4
ぶどう
6
くり
28
ポンカン
29
かき
不知火
13
不知火
日本なし
27
ぶどう
22
17
びわ
不知火
日本なし
みかん
みかん
55
日本なし
みかん
39
マンゴー
みかん
16
107
みかん
80
みかん
162
ぶどう
64
みかん
長崎
佐賀
福岡
鹿児島
宮崎
大分
熊本
○平成24年度の九州における果樹産地構造改革計画の策定状況は、99産地のうち94産地において策定済みである。
1 果樹生産をめぐる動向(6)産地計画の策定状況
平成24年度における果樹産地構造改革計画策定状況
(単位:協議会数、ha、%)
産地協議会数
産地計画策 定 数
県別栽培面積(a)
計画策定済面積(b)
策定済シェア(b/a)
福岡県 31 31 6,804 3,762 55.3%
佐賀県 7 6 4,510 2,580 57.2%
151,004 87,816全国計
果樹産地構造改革計画策定状況(面積(ha))
9
佐賀県 7 6 4,510 2,580 57.2%
長崎県 4 4 5,118 2,804 54.8%
熊本県 14 14 12,144 8,285 68.2%
大分県 17 13 3,964 1,199 30.2%
宮崎県 13 13 3,290 2,135 64.9%
鹿児島県 13 13 4,338 3,658 84.3%
九州計 99 94 40,168 24,423 60.8%
全国計 528 481 238,820 151,004 63.2%
注1:平成25年3月末現在注2:24年産栽培面積は農林水産省統計部「耕地及び作付面積統計」。
ただし、いちじく、ブルーベリー、マンゴーは農林水産省生産局園芸作物課「22年産特産果樹生産動態等調査」
3,658
2,135
1,199
8,285
2,804
2,580
3,762
策定済 24,423
680
1,155
2,765
3,859
2,314
1,930
3,042
未策定 15,745
0% 20% 40% 60% 80% 100%
鹿児島県
宮崎県
大分県
熊本県
長崎県
佐賀県
福岡県
九州計
○平成23年度(24年3月末)の九州における果樹の認定農業者数は5,412人で、全国の果樹の認定農業者数(26,607人)の20.3%を占めている。
1 果樹生産をめぐる動向(7)認定農業者数
26,59927,250 27,756 27,381
26,607
25,000
30,000
(単位:人)認定農業者数の推移(果樹)
1,583
1,400
1,600
1,800
(単位:人)九州各県の果樹の認定農業者数(H23)
5,766 5,911 5,936 5,7155,412
0
5,000
10,000
15,000
20,000
H19 20 21 22 23
全国
九州
資料:経営局「農業経営改善計画の営農類型別認定状況」注)果樹の認定農業者数は、果樹単一経営及び複合経営の合計
910
575
791
653
489411
0
200
400
600
800
1,000
1,200
福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿児島
資料:経営局「農業経営改善計画の営農類型別認定状況」注)果樹の認定農業者数は、果樹単一経営及び複合経営の合計
10
<< 果樹経営支援対策事業 >>
※ 事 業 実 施 期 間 平 成 2 3 年 度 ~ 2 6 年 度※ 補 助 率 1 / 2 以 内 、 定 額※ 事 業 実 施 主 体 農 業 者、農業者団体 等
整備事業(生産基盤の改善)
◆優良品目・品種への改植・高接等◆
<< 果樹未収益期間支援対策事業 >>
●面積単価×支援年数を一括交付
5万円/10a ×改植の翌年から4年分 (下限面積:5a)
※改植後の未収益期間(5年間)のうち、改植初年度を除いた4年間の
果樹の育成経費の一部を定額で補助。
※果樹の改植1年目の諸経費は改植事業(果樹経営支援対策事業)
※ 事 業 実 施 期 間 平 成 2 3 年 度 ~ 2 6 年 度
※ 果樹経営支援対策事業を活用して優良品目・品種への改植を行った担い手に対して、改植後の未収益期間を支援。
改 植
・かんきつ、りんご 補助率:定額優良晩かん類
みかん:22万円/10aりんご: 16万円/10a(普通栽培)
2 果樹対策の推進 (1)(改植の推進、基盤整備等)
○ 果樹産地の収益力の強化と農業者の経営安定を図る観点から、消費者ニーズに対応した優良品目・品種への転換、高品質化を加速するため、改植及び未収益期間に対する支援を実施。
○ あわせて、園内道整備、傾斜の緩和等による園地の基盤整備等を推進。
【平成26年度予算概算要求額 果樹・茶支援関連対策 70億円の内数】
※ 自然災害時の改植について、産地の実情に応じて弾力的に運用。
年度別転換面積(ha)累計転換面積
(ha)
21年度(実績) 479 479 (0.2%)
22年度(実績) 674 1,153 (0.5%)
23年度(実績) 826 1,979 (0.8%)
24年度(実績) 1,104 3,083 (1.2%)
26年度(目標) - 7,641 (3.0%)
推進事業(生産構造の改革)すべて補助率:1/2以内
注)対象品目の果樹共済の加入率が道府県の平均以上等の要件
を満たす必要
◆労働力調整システムの構築◆
◆担い手支援(園地流動化)情報システムの構築◆
◆新技術の導入支援◆
◆販路開拓の推進強化◆
◆大苗育苗ほの設置◆
◆輸出促進の実証◆
◆小規模園地整備(園内道の整備、傾斜の緩和、土壌土層改良、かん水施設)等◆
すべて補助率:1/2以内
1
で支援。
(参考1)未収益期間 (参考2)改植後の育成経費(肥料代など)5年程度(早期成園の場合) 10万円/10a程度
<< 果樹栽培面積に対する優良品目・品種への累積転換面積 >>
注:( )内の数値は果樹園地面積に対する累計転換面積の割合である。
・すべての果樹 補助率:1/2以内
・その他果樹 補助率:1/2以内産地計画に
位置づけられた振興品目・品種
りんご: 16万円/10a(普通栽培)32万円/10a(わい化栽培)
高 接
11
○ 果樹は、生産年により需給バランスが大きく変動する場合があり、特に、うんしゅうみかんは「おもて年・うら年」の傾向が強いことから、需要にあった生産出荷が重要な課題。
○ このため、計画的な生産出荷に対する支援や、価格低落時の緊急的な加工仕向けに対する支援を実施。
2 果樹対策の推進 (2)(需給調整の推進)
<< 果実需給安定等対策事業 >>
・摘果の推進指導など計画的生産出荷に対する指導及び大幅な生産出荷調整
◆計画的生産出荷の促進◆ (うんしゅうみかん、りんご)
果実計画生産推進事業補助率:1/2以内
緊急需給調整特別対策事業※ 事 業 実 施 期 間 平 成 2 3 年 度 ~ 2 6 年 度※ 補 助 率 1 / 2 以 内 、 定 額※ 事 業 実 施 主 体 農業者団体、民間団体 等
①計画生産出荷、緊急需給調整特別対策
◆一時的な出荷集中時に緊急的に生食用果実を加工原料用に仕向ける措置を支援◆(うんしゅうみかん、りんご)
補給金単価:定額
・生食用果実を緊急的に加工原料用に仕向けた場合の掛かり増し経費(選果経費、一時保管費、加工工場への運賃)の一部を支援
加工仕向
加工仕向(通常原料)
<緊急需給調整のイメージ>A農家
B農家
…Z農家
【平成26年度予算概算要求額 果樹・茶支援関連対策 70億円の内数】
・摘果の推進指導など計画的生産出荷に対する指導及び大幅な生産出荷調整が必要な場合の取組を支援
果汁特別調整保管等対策事業補助率:定額、1/2以内
◆被害果実製品の調整保管◆
・被害果実の製品化に要する資金の金利(定額)、低温倉庫保管料(1/2以内)等を支援。
補助率:1/2以内◆被害果実加工利用の促進◆
・被害果実の区分流通促進、出荷掛かり増し経費(運搬費、一時保管費)等を支援。
◆被害果実の消費拡大◆
・リーフレット等による消費宣伝、被害果実の加工製品の販売促進等を支援。
自然災害被害果実加工利用促進等対策事業
②自然災害被害果実緊急対策事業
緊急需給調整特別対策事業実績
発動年次 品目 発動期間(選果日) 加工仕向量実績
平成19年 みかん 11月24日~12月 9日 14,677トン
平成20年 みかん 10月22日~10月31日 3,009トン
平成21年
みかん 10月20日~10月29日 3,530トン
みかん 11月19日~12月 9日 6,868トン
りんご 11月27日~12月 6日 757トン
平成24年 みかん 10月20日~10月31日 2,412トン
加工仕向(通常原料)
生食用
生食用
市場隔離
●月●日 ●月●日
当初の用途別仕向計画 実際の仕向実績
●月●日 ●月●日
通常原料
市場加工工場
加工原料用果実
低品位果実
生食用果実(選果基準クリア)
選果場
市場隔離
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○ コンビニのカットフルーツや学校給食用果実など、新たな川下の需要に対応した国産果実のサプライチェーンの構築を支援。
〈〈国産果実需要適応型取引手法実証事業〉〉
・近年、カットフルーちツ等の手軽に食べられる果実や、地産地消に取り組む学校給食用果実の需要が増加。
・国産果実の販路を維持・拡大し、取引先との間で合理的な価格形成を進めるためには、変化するニーズに対応したサプライチェーンを構築することが必要。
・一方、需要に対応した生産方法の確立やロットの確保が困難であることから、取組は進んでいない。
実施方法
<イメージ>
川上(産地)
変化するニーズに対応したサプライチェーンの構築→①合理的な価格形成→②販路の維持・拡大
川下(実需)
供給・販売計画の策定
安定生産・出荷 流通の多様化等への対応 需要拡大
取引実証支援
課 題
2 果樹対策の推進 (3)(果実の流通対策)【平成26年度予算概算要求額 果樹・茶支援関連対策 70億円の内数】
○生果実よりも扱いが簡単○利用の多い単身世帯や高齢者向け商材の充実
生産出荷団体等が、国産果実の新たな取引実証を行う際に必要となる以下の取組に係る経費を支援。
【支援対象の取組】1 取引に係る供給・販売計画の策定2 取引の実施①需要に応じた安定生産・出荷への取組②流通の多様化・低コスト化等への取組③ 需要拡大への取組
実施方法
【補助率:定額】
【実証テーマの例】※ 特に推進すべき実証テーマを定め、それに即した取組を支援。
①品質保持技術を活用したカットフルーツ等新たな荷姿対応取引型
②学校給食取引型(地元や姉妹都市の学校給食用出荷)③加工・業務用取引型(生搾りジューススタンド等への出荷)④出荷期間延長対応型(従来のシーズン外に出荷)
<想定される取引事例>
りんご生産組合
需要に即したサプライチェーンを構築し、国産果実の販路を拡大!
消費者
○手軽に食べられる○単身世帯にも適量○身近で買える
カット品質保持
パック詰め
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配送センター
コンビニ
○ 長期契約に基づき加工原料用果実の安定供給のための取組に対する支援を実施。
2 果樹対策の推進 (4)(果実加工仕向けの推進)
<品質向上・産地安定出荷型>
生食用からの拠出額に応じて国から支援
◆ 長期契約数量を安定的に出荷するために生食用価格から加工原料へ拠出する産地に対し、出荷奨励金等の交付。
生食用からの拠出
円/kg
0
50
100
150
200
生食用 果汁用
初年度の国からの支援額は、生食用からの拠出額の2分の1以内。ただし、長期契約数量×10円/kgを上限。次年度以降段階的に削減。
<加工原料用果実価格安定型>
◆ 加工原料用果実を安定的に供給する生産者に対して、当該果実の価格が低下した場合に、生産者補給金を交付。
対象果実
<<果実加工需要対応産地育成事業>>
※ 事業実施期間 平成23年度~平成26年度※ 補 助 率 定額、1/2以内、1/3以内※ 事業実施主体 都道府県法人、農業者団体、試験研究機関等
補助率:定額
補助率:定額
【平成26年度予算概算要求額 果樹・茶支援関連対策 70億円の内数】
<果汁競争力強化型>
◆国産かんきつ果汁製造業の競争力強化の推進◆
・部門別経営分析、果汁の需給調査(定額)
・過剰となる搾汁設備等の廃棄(1/3以内)
・廃止された工場へ搬入していた加工原料の近隣工場への輸送費(1/2以内)
・果汁製品の高品質化設備の導入(1/3以内) 等
◆ 長期契約に基づき出荷する原料果実の品質向上を図るため、品種等による原料価格に差を設け、上位等級品の価格引き上げを目指す産地に対し、出荷奨励金等の交付。
支援単価は、原則として上位等級品の価格を引き上げた年度に上位等級品に対して3円/kg、その後は段階的に削減。
<新需要開発型>
◆新商品開発セミナー・交流会の開催◆
・果汁用のなつみかん、はっさく、いよかん、もも、パインアップル・缶詰用のもも、パインアップル・上記以外の加工原料用果実で加工用園地で生産されたもの
◆生食用と果汁原料価格の間を埋めるような原料価格を想定した新商品の開発◆試作品の製作、消費者評価等アンケート調査の実施
◆当該加工原料を想定した低コスト・省力化栽培技術の確立◆低コスト・省力化栽培技術の現地実証、栽培マニュアルの作成
※ 新商品の開発は、低コスト・省力化栽培技術を実施した場合に限る。
補助率:定額(上限200万円)
補助率:定額、1/2以内、1/3以内
【新商品の開発例】
セミドライフルーツ
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○ 果実の供給純食料及び生鮮果実の購入数量は横ばいで推移。○ 世代別の果実の摂取量は、20~40歳代で特に少ない状況。
3 果実の消費動向
115 121.3 115.1103.7 110.3 108.5
0
50
100
150
200
果実類の摂取量(20歳以上)の推移
(g/日)
【58%】【61%】
【58%】
【52%】【55%】 【54%】
目標摂取量200g/日
39.240.7
39.1 39.8 40.1 39.036.6 37.1 38.1
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
45.0
(㎏)果実の1人1年当たりの供給純食料の推移
66.6 59.967.3
98.2
141.9158
0
50
100
150
200
250
20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70歳以上
平成24年における世代別の果実類の摂取量(20歳以上)
資料:厚生労働省「平成24年国民健康・栄養調査」
注 :【 】内は摂取割合
(g/日)
【33%】 【34%】
【49%】
【71%】
【79%】
【30%】
目標摂取量200g/日
20歳以上平均(108.5g)
15
0
19年 20年 21年 22年 23年 24年
資料:厚生労働省「平成24年国民健康・栄養調査」
注 :【 】内は摂取割合
0.0
H元年度 5 10 15 20 21 22 23 24
34.432.7
31.0 30.228.7
30.2
27.7 27.1 27.5
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
H元年度 5 10 15 20 21 22 23 24
(㎏) 生鮮果実1人1年当たりの購入数量の推移
資料:農林水産省「食料需給表」
資料:総務省「家計調査」
○全国の1世帯当たりの果物支出金額は、平成14年度は43,018円だったが、平成24年度は36,959円と減少している。○九州各県とも、全国平均に比べて果物の支出金額は低くなっている。
○総務省家計調査における果樹の消費動向
40,000
45,000
(円) 1世帯当たり果物の支出金額
りんご
みかん
バナナ
他の果物
いちご
他の柑きつ類
ぶどう
なし
果物加工品
すいか
メロン
もも
キウイフルーツ
かき
オレンジ
グレープフルーツ
0% 20% 40% 60% 80% 100%
平成24年果物の品目別支出金額
食料
25.6%
食料以外
74.4%
消費支出に占める
食料の割合
消費支出金額
343万円
資料:総務省「家計調査」
16資料:総務省「家計調査」
資料:総務省「家計調査」
20,000
25,000
30,000
35,000
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
全国
福岡市
佐賀市
長崎市
熊本市
大分市
宮崎市
鹿児島市
0% 20% 40% 60% 80% 100%
果物
4.2%
果物以外
95.8%
食料に占める
果物の割合
食料支出金額
88万円
○生鮮果実の輸出額については、台湾のWTO加盟に伴い果実の輸入枠が緩和されたこと等により、平成14年以降、台湾向けのりんごを中心に増加。
○近年は、円高や主要な輸出先である台湾の景気悪化等の影響を受け、平成19年をピークに減少傾向で推移。平成24年は、りんごの主産地である青森県産の不作による高値及び輸出の最需要期である春節向け輸出が前後年にずれたことから、生鮮果実の輸出額は生鮮果実の輸出額は、55億円(対前年比68%)となっている。
●農林水産物等の輸出額の推移 ●生鮮果実の輸出金額の推移
4 果実の輸出
20
40
60
80
100
120
日本なし(9)
もも(7)うんしゅうみかん(7)
ぶどう(7)
かき(3)
その他(7)
(億円)
【シェア(%)】
2922 21
45
61
47
76 77
109102
8188
81
55
※資料:財務省「貿易統計」をもとに農林水産省作成※上記の農林水産物には、アルコール飲料、たばこ及び真珠を含む。
※資料:財務省「貿易統計」をもとに農林水産省作成
※資料:財務省「貿易統計」をもとに農林水産省作成 17
0
20
11年12年13年14年15年16年17年18年19年20年21年22年23年24年
りんご(60)
日本なし(9)22 21
27.3
3.3
1.3
0.5
(単位:億円)
中国
平成24年輸出実績33億円 台湾
香港
タイ
1.9
0.6
0.6
0.2
平成24年輸出実績3.6億円
カナダ
台湾
香港
シンガポール
(単位:億円)
3.4
1.4
0.10.1
(単位:億円)
平成24年輸出実績5億円
台湾
香港
タイ米国
● りんごの輸出先別割合(輸出額) ● 日本なしの輸出先別割合(輸出額)● みかんの輸出先別割合(輸出額)