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研究シーズ集 2016-2017 029
薬学部
029
製剤学分野において、ナノテクノロジーを導入したナノパーティクル製剤が注目を集めているが、近年、我々も2つのリン脂質のみで構成するリピッドナノパーティクル（平均粒子径50 nm）が種々の難溶性薬物の可溶化を可能にすることを明らかにしている（Int．J．Pharm．，
（2008））。調製したリピッドナノパーティクルは冷暗所、4ヶ月間、優れたナノ分散性を示すこと（Int．J．Pharm．，（2009））、薬物がほとんど漏出しないこと（Int．J．Pharm．，（2009））、経口投与した際、有意に高いバイオアベイラビリティを示すこと（Int．J．Pharm．，（2013））、凝集防止剤として二糖類を添加し、凍結乾燥することで、製剤としての長期安定性が獲得できることが分かっている（Chem．Pharm．Bull．，（2014））。
水に対する
溶解性の改善
Concept
難溶性薬物
水に対して難溶であるため
バイオアベイラビリティが低い
+
HSPC; Hydrogenated soybean phosphatidylcholine DPPG; 1,2-Dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphoglycerol
+HSPC
DPPG
R1 CO CH2
CH
O
CH2OPOO
O- N+
R2 COO
R1, R2; C11–C19
R1, R2; C15
脂質
50 nm
脂質ナノ粒子
Nifedipine
薬物粒子の微細化
(Aqueous solubility: 19.5 μg/mL, 37C)
Griseofulvin
難溶性薬物
(Aqueous solubility: 15.0 μg/mL, 37C)
◦連 絡 先◦教員プロフィール◦メールアドレス
難溶性化合物の可溶化，消化管吸収促進，バイオアベイラビリティ
TEL.054-264-5612 FAX.054-264-5615http://db.u-shizuoka-ken.ac.jp/show/[email protected]
薬学科（創剤科学分野） 岩尾 康範難溶性化合物の可溶化―溶けないものを溶かします
本技術はこれまで製剤開発・商品化が難しかった化合物（医薬品や食品成分）に対しても応用できる可能性が十分ありますので、ご興味ある企業研究者からのご連絡をお待ちしております。