robocup ssl humanoidの過去・現在・未来

升谷保博

ODENS

大阪電気通信大学

2015年9月12日SSL勉強会＠愛知県立大学

RoboCup SSL Humanoidの過去・現在・未来

2015年9月12日升谷保博（ODENS，大阪電気通信大学） 2

はじめに

• 2007年に着想し，2009年から実施されているSSL Humanoidは，当初の計画では2015年に最終形になる予定であった．

• しかし，その目論見通りになっていない．

• 本発表では，SSL Humanoidを振り返り，今後を皆さんと相談したい．

目次

• 過去• 提案

• 当初の計画

• 現在• 歴史

• 現状の問題

• 未来• 研究的な発展

• 競技的な発展

• ご相談


目次


• 当初の計画


• 現状の問題



• ご相談



SSL Humanoidの提案(1/3)

ヒト型ホビーロボット

• 市販キットあり• ほとんどが操縦型

RoboCupヒューマノイド

リーグ

• 自律型• 搭載カメラ・コンピュータ• 経済的・技術的な

ハードル高い

RoboCup小型ロボット

リーグ• 自律型• 外部カメラ・コンピュータ• 経済的・技術的な

ハードル高い

環境知能化• 環境側センサを

ロボットの制御に利用する研究

SSL Humanoid• 自律型• 外部カメラ・コンピュータ• 市販キット利用可能



• 小型ロボットリーグの車輪型ロボットをヒト型ロボットに置き換える．

• 外部カメラ（グローバルビジョン）OK

• 外部コンピュータOK

• 小型ロボットリーグのこれまでの成果を共通基盤として活用．



• 特定の要素技術の開発に偏りがちなSSLの現状をリセット．

• 市販のロボットキットが利用可能．

• 技術的・経済的な困難を減らす．

• これまでと異なる人たちに参加を促し，RoboCupやロボティクスに関わる人の輪を広げる．

• 知能化された環境でヒト型ロボットが活動するシステムの1ケース．


当初の計画(1/2)

• 2009年（準備段階）

• 小型ロボットリーグのサブリーグ

• 小型ロボットリーグのフィールドの半分

• 天井カメラやマーカは小型ロボットリーグと共用

• 小型ロボットリーグのレフェリーボックスを利用

• 1チームあたりのロボット数は3台

• 市販ヒト型ロボットキットで出場できるルール


2009年（準備段階）の競技形態

２次元・マーカあり


当初の計画(2/2)

• 2015年頃（最終段階）

• マーカなし

• ロボットの3次元情報認識

• 4台程度のカメラでフィールドを斜め上方から撮影

• 画像または処理結果をネットワーク経由で参加チームへ


2015年頃（最終段階）の競技形態

３次元・マーカなし

目次


• 当初の計画


• 現状の問題



• ご相談


歴史（1/5）

• 2007年

• ジャパンオープンの飲み会で着想．

• 2008年

• ジャパンオープン（沼津）でODENSがデモ．

• 世界大会（中国蘇州）でODENSがデモ．

• ウェブサイト robocup-ssl-humanoid.org 開設．

• ロボコンマガジンで記事になる．

• 「JapanOpen における SSL-Humanoid 実施案」を日本委員会へ提出


歴史（2/5）

• 2009年

• ジャパンオープン（大阪）で初の公式試合に4チーム参加．

• 上記と同時開催のAIチャレンジ研究会で発表「外部カメラを用いたヒト型ロボットによるサッカー競技 RoboCup SSL Humanoidの提案」

• 世界大会（オーストリアグラーツ）でデモ試合に4チーム参加．

• 日本ロボット学会学術講演会で発表．


歴史（3/5）

• 2010年

• 人工知能学会誌ロボカップ特集で解説記事「外部カメラを用いたヒト型ロボットによるサッカー競技RoboCup Soccer SSL Humanoid」

• SSL-Vision義務化（視覚情報の共有）

• ジャパンオープン（大阪） 6チーム参加．

• 世界大会（シンガポール）デモ試合に4チーム参加．

• 上記と同時開催のRoboCup Symposiumで発表 “SSL-Humanoid: RoboCupSoccer using humanoid robots under the global vision”


歴史（4/5）

• 2011年

• ジャパンオープン（大阪） 6チーム参加．

• 世界大会（トルコイスタンブール）デモ試合に3チーム参加．

• 2012年

• ジャパンオープン（大阪）7チーム参加．

• 過去最多のチーム数：ODENS（大阪電通大），KIKS（豊田高専），RoboDragons（愛知県立大），Chukyo RoboStars（中京大），OPCT（大阪府大高専），Owariboto-CU（中部大），MOB（大阪電通大OB）


歴史（5/5）

• 2013年

• ジャパンオープン（東京） 4チーム参加．

• 2014年

• ジャパンオープン（福岡） 3チーム参加．

• 2015年

• ジャパンオープン（福井） 3チーム参加．


ジャパンオープン2008におけるデモ


ジャパンオープン2012決勝戦


現状の問題

• 参加チームが少ない．

• 魅力が少ない？

• 敷居が高い？

• 技術的な発展が小さい．

• ホビー用ロボットではダメ？

• 世界で認められていない．


目次


• 当初の計画


• 現状の問題



• ご相談


研究的な発展

• 3次元・マーカなし

• ボクセルサーバ（この後事例紹介）

• ポイントクラウドサーバ（この後事例紹介）

• ローカルビジョンとの併用

• 登録されたモーションの組み合わせでなく，より柔軟なモーション生成．


競技的な発展

• 参加チームの開拓

• 参入の障壁を下げる．

• 非IEEE1394カメラ

• 非Linux

• 見本のシステムの提示

• 世界向けて発信

• ウェブサイトの更新

• 再度フェデレーションへ提案？

• RoboCup 2017 Nagoyaがチャンス？


「3次元・マーカなし」を目指して


サーバPC クライアントPC

画像を共有ボクセルデータの共有部位位置の共有

競技的な発展

• 参加チームの開拓

• 参入の障壁を下げる．

• 非IEEE1394カメラ

• 非Linux

• 見本のシステムの提示

• 世界向けて発信

• ウェブサイトの更新

• 再度フェデレーションへ提案？

• RoboCup 2017 Nagoyaがチャンス？


ボクセルサーバ（木村2010）

26

シルエット画像

ボクセルデータの例（動画）

27

ボクセル群からポーズ推定（植田2011）

28

カラーボクセルサーバ（植田2013）

29

• ボクセルサーバの実用化を目指して

• 色によるボクセルの多値化

• 実時間処理を維持

• ネットワーク配信可能なデータ量を維持

カラーボクセルデータの例（動画）

30

ポイントクラウドサーバ（未発表）

• ボクセルではなく，点群（ポイントクラウド）を提供するサーバ．

• 複数台のKinectを用いる．4台で実用的？

• Kinect 1台につき，サーバプログラム1個．ただし，高性能なPCでなくても構わない．



システム例

実験環境


処理例（1/3）


処理例（2/3）


処理例（3/3）


目次


• 当初の計画


• 現状の問題



• ご相談


ご相談

• 参加チームを増やしたい

• 過去の参加チームに戻ってほしい．

• 新規の参加チームを開拓したい．

• 参加するための障壁は何？

• 要望は？


まとめ

• SSL Humanoidの

• 過去（提案・当初計画）

• 現在（歴史・問題点）

• 未来（の一例）

を紹介した．

• 研究のネタは色々ある．

• 参加チームを増やしたい．

• 相談に乗ってください！


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