planning, budgeting and forecasting...planning, budgeting and forecasting...

24
Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー調査

Upload: others

Post on 26-Jun-2020

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

Planning, Budgeting and Forecasting計画策定・予算編成・業績予測

経営戦略を実現するPBFプロセス

KPMGとACCAのオピニオンリーダー調査

Page 2: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー
Page 3: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

1

2

3

本調査について 4

はじめに 6

エグゼクティブサマリー 7

適切な組織文化と活動方法を生み出す 8

PBFプロセスを統合し、質の高いデータを活用する 12

効果的で拡張性の高いテクノロジーソリューションを導入展開する 16

執筆者について 22

目次

An eye on the future | 3© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 4: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

本調査について本グローバルレポートは、ACCAおよびKPMGが共同で実施した3部構成の調査の第1部です。財務経理部門内の企業業績管理(EPM)*能力が、計画策定(Planning)・予算編成(Budgeting)・業績予測(Forecasting)を実施するための適切な人材、プロセス、テクノロジーを、どのようにしてCFOに対して提供しているかを評価したものです。

本レポートで使用したデータは、2015年4月17日から同5月11日にかけて実施されたアンケート調査に基づき、50ヵ国以上900人超の財務経理担当者の見解を反映したものです。同アンケート調査にはあらゆる規模の組織の従業員が参加していますが、その60%以上が、従業員数1,000人超、年間売上1億米ドル以上の組織に属している回答者でした。

さらに、回答者の30%は、財務経理担当上級管理職/管理職であり、20%は経理担当者、11%は経理財務責任者(Financial Controller)、7%が 取締役/共同経営者、6%がCFO、これ以外の26%には、CEO、社内監査役、財務アナリスト、およびコンサルタントなど、さまざまな役職が含まれています。

* EPMは、計画策定・予算編成・業績予測(PBF)、業績報告、および多次元による収益性管理(Dimensional Profitability)で構成されています。

| An eye on the future4 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 5: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

本レポートは、50ヵ国以上900人超の 財務経理担当者の見解を反映しています

An eye on the future | 5© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 6: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

はじめにKPMGでは、計画策定・予算編成・業績予測(PBF)は、組織がトップダウンの戦略目標を業績予測とシームレスに結び付け、かつ戦略目標を基準として経営成績を報告するための3つの業績管理フレームワークの1つであると考えています(他の2つの要素は、業績報告と多次元の収益性管理です)。

以下に、計画策定、予算編成、および業績予測という各要素の役割について概要を示します。

計画策定/ Planning計画策定とは、トップダウンの戦略計画であり、組織の目標達成に必要となる企業全体のハイレベルの活動の戦略的な狙いを定義することです。

予算編成/ Budgeting予算編成とは、経営資源の配分を、組織全体にわたって策定された戦略的な目標およびターゲットと整合させることです。

業績予測/ Forecasting業績予測とは、ビジネスの期待業績を追跡する活動です。これを利用してタイムリーな意思決定を下すことで、ターゲットへの未達状況を解決したり、新たな機会を最大限に活用したりすることが可能となります。

完全に統合された業績管理フレームワークは最も重要なものです。これにより、成長を直接的に実現する活動についての企業全体のビジビリティ(「見える化」能力)を獲得するとともに、戦略実現に資する継続的な経営資源配分の方法を決定するための明確なフレームワークを得ることができます。

6 | An eye on the future © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 7: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

1.適切な組織文化と活動方法を生み出す

PBFのオーナーシップは事業部門内にあり、財務経理部門はPBFプロセスの

進行役を務め、プロセスに投入されるインプット(要素)の1つに留まるべきです。

従来の業績評価指標は、戦略的な目標と整合していることが稀であるため、組織内では短期的

な目標管理として使用されることになるでしょう。

2.PBFプロセスを統合し、質の高いデータを活用する

PBFのプロセスや情報のやりとりは企業内を横断するものであり、ビジネスのあらゆる

領域に影響を及ぼすものであるため、データガバナンスはこれを反映しているべきです。

PBFプロセスではビッグデータを活用し、また、このプロセスを戦略的目標達成の

ために利用しなければなりません。

3.効果的で拡張性の高いテクノロジーソリューションを導入展開する

テクノロジーは、単発的な静的分析を提供することから脱却し、より定常的で、迅速で、

動的なプロセス実現手段へと変貌しつつあります。

クラウドソリューションは、継続的改善を組み込んだリアルタイムの報告機能を、より低廉

なコストで実現しつつあり、効果と効率を増大させることができます。

エグゼクティブサマリー計画策定・予算編成・業績予測(PBF)は、企業にとって、 その継続的な活動がいかにして将来のより長期的な戦略達成に貢献するものであるかを理解する手助けとなるものです。PBFは、限りある経営資源を企業の戦略的な意図に即した形で配分するための手法であり、変化する状況に対応しながら戦略的目標を達成するための手法です。

しかし、本調査によると、ビジネス環境が困難さを増す中で、現行のPBFプロセスには欠陥が見られ、多くの企業がビジネス上の戦略的ニーズおよび業務ニーズのいずれをも満たすことのできない業績管理プロセスに膨大な時間を費やし続けていることが示されています。

本調査により、現行のPBFプロセスの改善、およびリーディングプラクティス(優良事例)となっている業績管理フレームワークへの整合性の向上に焦点を置く、以下の3つの重要なポイントの存在が明らかになりました。

An eye on the future | 7© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 8: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

1

77%

10%

9%3%

2%

適切な組織文化と活動方法を生み出す

適切な組織文化を築くことは、トップが適切なリーダーシップを示すことを含め、計画策定・予算編成・業績予測(PBF)プロセスを発展させる上で欠かすことができません。PBFプロセスは、組織のあらゆる部分に影響を及ぼす数少ない企業活動の1つです。また、PBFプロセスは、情報、プロセス、そして人を企業全体にわたって結び付けるものです。適切に実践した場合、PBFプロセスは、競争優位の創出および持続可能な長期的ビジネス価値の実現につながる、より的確なビジネス上の意思決定を促進する上で、最も重要な役割を果たすものとなります。

しかし残念ながら、多くの場合、PBFプロセスは依然として、古くから定着した慣行として、財務経理部門が各事業部門に押し付けるという形で運用されており、日常的な業務の現実との整合性をほとんど失っています。上級管理職が包括的な戦略を策定し、財務経理部門が概して予算と短期ターゲットを設定しているということから、このプロセスは断片化され、事業部門から隔絶されていることが少なくありません。そこから頻繁に生じる結果は、ライン部門の管理職が、自らはプロセスへのインプットに関与した覚えがないのに、そのプロセスからのアウトプットに対する結果責任を負わされる、という状況です。この状況では、プロセスによって生み出される計画・予算・予測が事業部門から積極的な支持を得られる見込みはほとんどなくなってしまいます。

PBFプロセスのさまざまな要素にわたって明確な意思決定権限を定めることは、多くの地域や事業部門に進出している複合的な多階層企業において特に重要です。本調査 によると、現在、最も多くの時間をPBFプロセスに費やしているのは財務経理部門 である、というイメージが強いことが分かり ます(65%の回答者)。しかし、PBFプロセスは事業部門と財務経理部門の連携という形で実施されるべきであるとの見解

(77%の回答者が同意している見解)はありますが、今後も財務経理部門が引き続き最も多くの時間をPBFプロセスに費やしていくべきであると考える回答者の割合は、50%にまで下がってきます。この数字の差が生じているのは、CEOや事業部門の役割の増大を予想する見方に分散しているためです。

結果責任の明確化と、PBFプロセスへの事業部門の管理職の関与の増大だけで、ただちに成功が保証されるわけではありません。経営幹部および組織全体がPBFプロセスのコンセプトを積極的に支持する

か、あるいはそれを適切な行動で実証しなければ、成功はありません。強力なPBFプロセスが、組織の業績向上においてきわめて重要な意味を持つ、継続的かつ有意義な必須の活動であり、事業部門全体にわたる高いレベルでの積極的関与を要とするものであるということを認識しなければなりません。

しかし、本調査によると、46%の回答者が、現行の予算制度では、政治的に合意された数字を組織のトップから生み出しているに過ぎず、現実の事業見通しと一致していないか、あるいはボトムアップ的な実務の現実と結び付いていないと考えています。

回答者の77%が、計画策定・予算編成・業績予測(PBF)プロセスは、事業部門と財務経理部門が連携して推進する、企業全体のリスクを考慮に入れたパートナーシップ型のアプローチでなければならない、と考えています

Q1 PBFは、事業部門と財務経理部門を結び付ける企業プロセスとして、どうあるべきだと思いますか?

PBFは、企業全体のリスクを考慮に入れながら、事業部門と財務経理部門のパートナーシップという協力関係の中で実施されるべきである

財務経理部門がオーナーとなって最初に計画を作成すべきであり、それから事業部門からの追加的な見識を受け入れるべきである

本社とのやりとりで使用する全社規模の計画策定ツールは、部門規模の計画策定ツールと統合されるべきではない

予算は、もっぱら財務経理部門の独占的な活動である

効果的なPBFツールは財務経理部門以外の人員にとって扱いやすいものではない

| An eye on the future8 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 9: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

1.適切な組織文化と活動方法を生み出す

2.PBFプロセスを統合し、質の高いデータを活用する

3.効果的で拡張性の高いテクノロジー

ソリューションを導入展開する

COOCFOCEO

2% 2%

5%5%6%

3%3% 7%65%

50% 12%19%

18%

2%

Q2 現在および将来のPBFプロセスに最も多くの時間を費やしているのは誰だと思いますか?

社内で、現在、最も多くの時間を計画策定・予算編成・業績予測(PBF)プロセスに費やしているのは...

将来、最も多くの時間をPBFプロセスに費やすと予想されるのは...

財務経理部門 事業部門 その他 分からない

あなたは、何人の著名な最高財務責任者(CFO)の名前を挙げることができますか? おそらく、Buffett氏(世界最大の投資持株会社Berkshire Hathaway の CEO)、Bezos 氏(Amazon のCEO)、Blankfein 氏(Goldman Sachs のCEO)といったCEOの名前のようにスラスラと出ては来ないでしょう。しかし、今こそ、そうしたCEO以外にも目を向け、主役としてのCFOにもっと注目すべき時なのです。今回のKPMGの調査によると、現在は誰が計画策定・予算編成・業績予測(PBF)プロセスを担っていて、将来は誰が担うべきかに関して、意見の不一致が見られます。

それが誰でなければならないと考えるか(CFOかCEOか)は別として、現実問題として、CEO自ら が直接にPBFの旗振り役となる可能性は非常に低いでしょう。したがって、CFOが十分な統制力を行使することで、PBFプロセスから抽出される数字の持つ整合性が確保されるようにする

(つまり、PBFの基本的な「健康管理」を提供する)必要があります。では、CFOはそれをどのように実行し、同時に企業における戦略的リーダーとして牽引力を獲得するのでしょうか?

CFOは戦略的な役割を築き上げるため、組織全体にわたって、特にCレベルの経営陣の中で、

プレゼンスを獲得し、強力な影響力行使のスキルを身に付ける必要があります。今回の調査によると、CFOはどうやら期待されるほどの発言力を持っていないように見受けられ、発言力があると考えている回答者は33%だけでした。

組織は、真に先進的な財務経理部門リーダーを必要としています。旧来の、特定時点の状況に基づく厳格な計画策定・業績予測慣行から徐々に脱却して、効果的なローリングフォーキャストを「動く標的」(外部要因の変化をリアルタイムで反映するターゲット)とともに導入展開するために、そのような財務経理部門リーダーが必要なのです。財務経理部門リーダーは、6 ~9ヵ月も前に作成された陳腐化した静的な予算を使用していては、会社の代表として権威ある意思決定を下すことなど不可能であることを認識しなければなりません。

そのような考え方と並んで、CFOは、戦略企画部門や事業部門とともに企業規模の変革を主導する(あるいは少なくとも促進する)カリスマ性と影響力を必要とします。77%の調査回答者がPBFは企業全体のプロセスであるべきだと考えているという事実は歓迎すべきものですが、今回の回答者の大多数は財務経理担当者です。そのような考え方について納得して理解する必要が

あるのは、組織内のそれ以外の人々です。

この発想を受け入れてもらうのは容易ではないでしょう。なぜなら、上級管理職は、予算に見合った業績を上げれば高い報酬が得られるという傾向があるからです。これは今回の調査結果にも反映されており、ほぼ半数の回答者が予算を「政治的に合意された数字である」と見なしています。

では、CFOは何ができるのでしょう? 現段階では、多くのCFOが、CEOと取締役会の信任を獲得するために、PBFを変革することの価値を前もって実証しようとするでしょう。これもまた厄介な仕事です。しかし、PBFに対するより賢明かつ統合的なアプローチを決然と推進する覚悟ができていないCFOは、より幅広い計画策定や戦略から完全に閉め出されてしまう危険があります。

こうした努力はきっと報われるはずです。過去数年、CFOがCEOの地位に直接昇進する事例が着実に増えており、これによってCFOは単なる

「そろばん役」を超えた存在になり得ることを実証してきました。現に、財務経理に対してより先見的なアプローチを採用してきた企業は発展を遂げているのです。

CFOは計画策定・予算編成・業績予測で主役を演じなければならないJohn O’Mahony | Head of EPM, KPMG UK

An eye on the future | 9© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 10: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

先進的なツールとデータが常にPBFの精度と効率性を高めるわけではありません。41%の回答者が、現時点ではCEOが「オーナー」として組織内のPBFプロセスに対して最終決定権を持っている、と考えていることが示しているように、もしも企業文化が旧態依然とした思考様式に根差したままであれば、精度の向上や効率化は期待できません。

もう1つの重要な企業文化的な課題は、報酬による意欲の喚起、という長年の問題です。残念ながら、多くの組織では、旧来の計画策定プロセスから引き出された既定のターゲットを越えることを基準として社員に報酬を与えるという手法が取られています。その結果として、容易に達成できる低い数値目標を設定するという当然の

心の動きを生じさせるとともに、組織に何の価値も付加しない冗長な協議に時間を空費するという行為が助長されることにもなります。

年次予算から生み出される対象期間1年のターゲットが、計画策定プロセスに包含された長期的戦略目標と整合していることは稀です。予算を使用して短期ターゲットを生み出していると、短期指向の文化が醸成され、それが望ましくない行動様式を企業内にはびこらせる誘因となって、短期的な利得が長期的な価値創造よりも優先されるようになる恐れがあります。

Q3 現在および将来、PBFプロセスをオーナーとして担うのは誰だと思いますか?

COOCFOCEO

5%5%

4%

4%

4% 3% 3%

7%

41%

36%

33%

30%

13%

13%

社内で、現在、「オーナー」として、PBFプロセスに関して最終的な決定権を持っているのは...

将来、「オーナー」として、PBFプロセスに関して最終的な決定権を持つと予想されるのは...

財務経理部門 事業部門 その他 分からない

46%の回答者が、現在の予算制度は現実の事業見通しと一致しない政治的に合意された数字を生み出している、と考えています

かつて2013年に、私は、企業において年次での予算編成制度の消滅が差し迫っており、遠からず ローリングフォーキャストに道を譲るであろうと宣言する記事を書きました。それから2年が経ち、私は今、クライアントとの仕事を通じて、また、今回の調査結果について考えることで、この考えを再検討し始めているところです。当然ながら、予算編成と業績予測はともに、企業がステークホルダーに対して約束を果たせるよう支援する役割を持つものです。しかし、予算編成と業績予測の役割は、企業の意識の中で複雑に絡みあっており、その結果として、注力の不均衡、結果責任の不明確さ、そして無益な行動様式を生み出しているように思われます。

第一に、両者の区別を明確に表現すべきです。予算は、譲れない一線となる確定した数字を定めるものであり、その時点で入手できる知識と、会計年度が始まる数ヵ月前に作成した一連の想定に基づいて組織が達成可能であると考える ものを表します。今回の調査において62%の回答者が、この定義が自分の組織に当てはまると述べています。それに対して、四半期予測は動的なツールであり、実際の市場動向を踏まえて、業績のギャップを調整します。

私の考えでは、今日の予測不可能なマーケットの中で、四半期予測が、成長に必要となるアジリティと柔軟性の飛躍的な増大に寄与するものであることは明らかです。調査回答者がこの点を明確に理解しているかどうか、そして、予算編成と業績予測(および、そこから生み出される膨大なデータ)をどのように利用すれば、ビジネスにメリットをもたらすかを明確に理解しているかどうか、私は少し疑問に思います。

一方で、69%の回答者が従来の予算編成プロセスは5年以内にローリングフォーキャストへと転換されると予想していること(Q10)を心強く思います。これは、企業の年次予算編成制度の消滅について私が以前考えていたことと一致します。しかし、他方、66%が、業績予測は大幅に自動化され、手動介入はほとんど不要になる、とも考えています。

これは、意思決定の実現手段の1つとしての業績予測の役割が回答者に理解されていない、と私が考えるポイントです。つまり、そうなると、業績予測は、大規模に自動化されたシステムによって吐き出されるレポートをまた1つ増やしただけ、説明すべき数字の山をさらに1つ追加しただけに過ぎなくなります。

しかも、今回の調査が浮き彫りにしたように、多くの組織内では、予算編成プロセスにも憂慮すべき欠陥があります。半数が、予算は政治的に合意された数字であると感じており、個人やチームがそれぞれに固有の業績目標を満たすためにそれを利用している、と回答しています。予算編成プロセスの真の目的を本当に認めている人は少数でした。

では、財務経理担当者の立場はどうなるのでしょうか? その役割は何なのでしょうか? 私の考えでは、予算編成・業績予測プロセスがもたらし得るさまざまな役割と価値を実証することこそ、財務経理部門の仕事なのです。

財務経理部門は、検討会議で方向性や基本姿勢を打ち出すことや、成果を審査するときに厳格さを導入すること、そして、事業部門が提起する予算や予測に異議を申し立てることにより、これを実践することが可能です。これにより、財務経理部門の地位を高め、プロセスを動かすだけの単なるバックオフィス機能の1つから、事業部門に対する真のパートナーへと変貌させることができます。

予算編成・業績予測プロセスの役割は誤解されているか?Svilena Tzekova | Senior Manager, KPMG Financial Management

| An eye on the future10 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 11: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

適切な組織文化と企業活動を生み出すための鍵となる主な施策

トップダウンと ボトムアップへの注力CFOは、経営幹部が予算プロセスを政治的な駆け引きの場にしたり、数字への合意を独裁的に取り決めたりするのを阻止するために、企業全体への働きかけを継続しなければなりません。

意思決定のあり方を 明確にするPBFプロセスの中で「誰が何をするのか」ということは、適切に対処すべき重要な課題です。特に、指揮命令系統がマトリックス型になっている大企業ではこの点が顕著です。

明確な意思決定権限と役割は、指揮命令の重複を防ぎ、関係者からの積極的な支持を得る上で助けとなるものです。

事業部門が 結果責任を担うPBFプロセスは、事業部門がオーナーとなり、それを財務経理部門が支援する形でなければなりません。それによってはじめて、事業部門と財務経理部門の一体性とそれぞれの真の当事者としての責任感が、企業全体を通じて生み出されることになります。

報酬を適切に付与する経営幹部の報酬は、事前交渉で取り決められた計画的なターゲットを達成したかどうかによって決定されるべきではありません。それは、内外の見通しの変化を考慮することのできる柔軟性を取り入れたターゲットを基準として、その業績に応じて決定されるべきです。

11An eye on the future | © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 12: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

Q4 業績予測の中に外部データを取り込む割合を大幅に増やすことは、業績予測の精度の点で大きなメリットをもたらすと思いますか?

2

4%2% 51% 33%10%

PBFプロセスを統合し、質の高いデータを活用する

PBFプロセスの真の目的は、計画的なイニシアティブ、予算化された資源配分、およびローリングフォーキャストを通じて企業戦略を支援することであり、企業環境の変化がどの程度まで自社の目標達成能力に影響を及ぼしているかを継続的に確認することです。しかし、現実には、多くのPBFプロセスは分断された個別の管理活動になっていて、それらは企業全体から必要情報を収集することなく財務経理部門によって推進されるものと社内で見られがちです。

62%の回答者が、予算が単なる「ある特定の一時点」の展望に過ぎず、外部で現実に起こっていることを反映できていない、と考えています

現状の組織を変革するためには、財務と業務の計画策定をより密接に結び付けることが必要であり、それによって、部門ごとに別々に分かれた活動ではなく、真に統合された事業計画策定プロセスを生み出す必要があります。計画策定におけるアジリティの増大と、組織全体にわたるより迅速かつ正確な意思決定に対する要求が高まっている今、こうした姿勢が従来にも増して、ますます必要不可欠になっています。

予算編成は、財務経理部門と他の部門の統合性が著しく欠如している一例であり、その結果として、予算編成プロセスからのアウトプットが企業全体にとってほとんど役に立たなくなっています。今回の調査では、62%の回答者が、予算は単なる「ある特定の一時点」の展望に過ぎず、市場の外部で現実に起こっていることを反映していない、と考えており、56%が、当該年度中のある時点で予算は妥当性を失ってしまう、と考えています。それでも、回答者の3分の1以上が、自分の会社はまだローリングフォーキャストを利用していない、と回答しています。

PBFのアウトプットの価値は、基本的に、その最も重要な素材、すなわち、データの品質に依存しています。しかし、今回の調査では、質の低いデータが多くのPBFプロセスの実効性を毀損し続けていることが確認されています。

PBFプロセスが依然として非効率的である理由は、自社にとって最も適切なデータを使用していないからです。財務経理部門は、ビジネス指標の激増を背景として、過剰にレポートを出し続けていますが、そうした指標の中で、真の戦略的な重要業績指標(KPI)であるものは、もし存在したとしても少数です。そのようなKPIは事業戦略と整合化されるので、そのKPIを、データを構造化するためのマップとして使用すれば、結果として、ビジネスバリュードライバー(ビジネス価値増大の推進要因)と整合化されたデータ構造が得られるでしょう。そうすることで、組織がデータを利用して効果的な意思決定を下せるようになる可能性が高まります。

多くの組織が、PBFプロセスの中核にある内部データにフォーカスし続けています。本調査のほぼ3分の1の回答者が、外部データは業績予測プロセスで使用されていないか、またはその適用方法が限られている、と示唆しています。一方で、84%の回答者は、外部 データを取り入れることで業績予測の精度を大幅に向上できるだろうと考えています。データの品質は、計画策定プロセスにおける社外 データの利用を妨げている主な阻害要因として挙げられており、データ 分析の利用を妨げる障害としてよくあるものとみなされています。

テクノロジーは、データ関連のあらゆる問題に対するソリューションのように思われがちですが、十分な品質レベルを有する正しいデータが適時に利用可能である場合にそのような効果を発揮するに過ぎません。また、データ分析の自動化は、財務会計(Transactional Finance)の場合と同様、企業業績管理(EPM)においてもコスト削減を実現する手段の1つであると捉えられがちです。

まったくそう思わない そう思わない そう思う 強くそう思う 分からない

| An eye on the future12 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 13: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

45%

19%

6%

5%5%

9%

3%

8%

Q5 計画策定プロセスにおける外部データの効果的かつ効率的な利用を妨げている最大の阻害要因はどれでしょうか?

1.適切な組織文化と活動方法を生み出す

2.PBFプロセスを統合し、質の高いデータを活用する

3.効果的で拡張性の高いテクノロジー

ソリューションを導入展開する

データの品質

データが何を示唆しようと関係なくトップダウンの意思決定を下そうとする文化

データ構造に矛盾がある

コスト

技術動向

データの量何もメリットがないという意識

分からない

3分の1を超える回答者が、まだローリングフォーキャストを使用していない組織に勤務しています

3分の2を超える回答者が、従来の予算 編成プロセスは5年以内にローリングフォーキャストへと転換されるだろうと考えています

データの信頼性が低ければ、PBFプロセスを通じて事業戦略を実施することは難しくなります。45%の調査回答者が、データ品質は外部データの効果的かつ効率的な利用を妨げている最大の阻害要因である、と感じているという事実は、データ品質に関して組織が直面している課題を浮き彫りにしています。

私の経験によると、低品質のデータがもたらす結果の1つは、事業部門が生み出した数字を財務経理部門が無効にしてしまい、事業部門による予算と予測を、直観や経験に基づく推測で置き換えてしまうことです。この種のプロセスが生み出した予算と予測に対して、事業部門がオーナーとしての責任を感じることはありません。

私は、経営環境が(たとえば、ビッグデータの活用、グローバル取引の増加、税制や法規制の変化などを通じて)複雑化するのに伴って、以前は成功していた企業が経営難に陥る姿を目撃してきました。私見では、その原因は、そうした企業が低品質のデータを使用し続け、その結果として、十分な信頼性に欠ける情報に基づいて意思決定を下していたことにある、と思います。

たしかに、企業が「ハードデータ」(確立された信頼性の高いデータ)だけを使用して、通念を覆すような革新的な意思決定を下すことは決してありません。経営幹部は、同僚との会話や自分自身の経験を通じて、そしてサプライヤー、コンサルタント、そして顧客の見解のサンプリングを通じて得た「非構造化データ」の価値を正しく評価すべきなのです。しかし、データと分析(アナリティクス)によって明らかになったビジネスチャンスは、それに投資する企業に競争優位性を提供するでしょう。

調査対象者のうち、変化する変数の迅速な分析を可能にする柔軟なデータモデルをPBFプロセスに組み込んでいるのは21%に過ぎませんでした。めまぐるしく変化し、ますます競争が熾烈化するビジネス環境は、変化する状況に即応できるアジリティの高い計画策定プロセスの導入展開に対する、新たな需要を生み出しています。

たとえば、鉱業の大手企業数社が、市場価格の変動をPBFプロセスに組み入れるシナリオモデルを導入したとします。価格変動を先取りして、ある鉱山で銅の生産を減らし、別の鉱山で石炭の産出量を徐々に増やしていく能力は、その企業の利幅を最大化し、競争優位をもたらしているでしょう。

データは、PBFの重要な実現手段です。事業部門が柔軟で効果的なPBFプロセスから得られる付加価値、すなわち、確かなデータに通じた質の高い意思決定に基づいて実現される付加価値が、データの重要性を証明しています。財務経理部門は、データと洞察に主導される企業への変貌を目指す改革で、リーダーの役割を果たすことができます。

今日の勝ち組の企業はデータから最も優れた洞察を引き出している企業であるHayley Rocks | Senior Manager, KPMG Financial Management

An eye on the future | 13© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 14: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

Q6 計画策定プロセスにおけるデータ分析の、効果的かつ効率的な利用を妨げている最大の阻害要因はどれでしょうか?

31%

10%11%

7%5%

17%

13%

8%

しかし、自動化されたアナリティクスによって業績に関する洞察を提供するためには、はるかに困難な道のりを踏破する必要が生じます。すなわち、その途中で根本的な発想の転換を成し遂げ、従来の手作業による戦略的プロセスの一部を自動化することができるという考え方を受け入れる必要があります。

組織が保持するデータがいまだかつてない量に達している時代にあって、内部と外部の両方のデータ品質は、PBFプロセスにおける外部データの取込みとデータ分析の利用を妨げる、最大の阻害要因であると見なされています。

したがって、多くの組織は、PBFの自動化を通じて達成できるコスト削減の機会を逸しており、組織の持つ潜在的な競争優位性とPBFプロセスの戦略的重要性を下落させています。内外のデータがPBFに効果的に統合されなければ、ビッグデータは機会ではなく、効果的なプロセスの阻害要因であると見なされる結果に終わります。

より多くの、そしてより優れたデータソースを構造化して利用するメリットは広範囲にわたります。データを構造化して戦略目標と整合させることにより、組織は資源配分を改善し、戦略を達成する機会を最大化できます。統合された外部データは、業績予測の精度を向上させ、正のキャッシュフローと資産の有効利用を促進します。

組織にとって引き続き問題となるのは、現行のデータ構造に起因する不適切な意思決定に関するコストや、改革を成功させるためのコストと比較しながら、改善されたデータの価値を証明することです。改善された意思決定と資源配分の価値を定量化することは、それを達成するための短期的コストを定量化することよりはるかに困難です。一方、財務会計の自動化への投資はもっと容易でした。なぜなら、コストの削減と財務経理組織の合理化という具体的な成果が得られるからです。

データの品質

データが何を示唆しようと関係なくトップダウンの意思決定を下そうとする文化

データ構造に互換性がないこと

コスト

技術動向

データの量

何もメリットがないという意識

分からない

PBFでは財務経理部門と他の事業部門の協力関係が必要不可欠です。調査回答者の4分の3以上がこの見解に同意していること(Q1)は、私にとっては朗報です。

しかし、組織内の現実はそれほど甘くありません。明らかに、財務経理部門は依然として最も多くの時間をPBFに費やしている部門であり、もうしばらくそれに変化はないでしょう。本来、事業部門はより多くの責任を担う必要があります。

PBFプロセスは、組織が自社の市場戦略とポジション、課題、そして機会について共同で検討する数少ない機会の1つなのです。もし、財務経理部門だけがそれを暗い部屋に閉じこもってそれを実行しているなら、それは機会損失をしていることになります。財務経理部門が、長年にわたって事業部門によって業績というスコアの

「公式記録員」であると位置付けられてきたから

といって、この機会を逃すのはもったいないことです。

財務経理部門だけが単独でPBFに取り組んでいると、業績把握の正確さと信頼性が低下します。これは歓迎されることではありません。投資家はサプライズを嫌い、特に業績の下方修正を嫌います。したがって、企業はマーケットに対して、約束どおりの業績を実現できるという安心感をもたらす必要があるのです。

もちろん、財務経理部門にはPBFに付加価値や正確さをもたらす能力がない、と言っているのではありません。財務経理部門にはすでにその実績があります。しかし、今日のマーケットの複雑さは、そして、変化のスピード、ボラティリティ の増大、そしてグローバル化の進行は、より協働指向のアプローチを要求しているのです。戦略企画部門、セールス部門、マーケティング部門、

調達部門、製造部門、そして財務経理部門を含む、企業全体からの既成概念にとらわれない思考が、よりバランスの取れた完成度の高い予算と業績予測を生み出す助けとならなければなりません。

あらゆる事業部門が、多かれ少なかれ、毎日、計画策定と業績予測を行っています。もし財務経理部門がそうした部門に代わって仮説を立てる作業を一手に引き受けたら、ミスが増えすぎて、高業績組織が許容できる範囲を超えてしまう可能性が高いでしょう。

これまで、PBFに関するシェアードサービス センター、ツール、およびプロセスへの投資機会 は見逃されてきました。組織は、過少投資と価値の逸失をこれ以上続けることはできません。今が行動すべき時なのです。

PBFプロセスは依然として財務経理部門に依存しているNick Mountcastle | Director, KPMG Financial Management

| An eye on the future14 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 15: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

PBFプロセスを統合して高品質なデータを活用するための鍵となる主な施策

バリュードライバーを 企業全体で整合させるデータの構造と要件を見直すことで、より長期的な戦略を提供するビジネスバリュードライバーと整合化されたデータを中心としてPBFプロセスが構築されるよう、取り計らう必要があります。

成功を測るための一貫性のある指標について合意する企業は、PBFプロセスに関して、何が成功をもたらし、何が失敗なのかを明確に理解する必要があります。予算を守ることが機会損失を生み出していませんか? 業績予測プロセスの精度はどのくらいですか?

より優れたデータガバナンスを導入する全社的に、データに対する明確な説明責任を割り当て、サイロ化した部門別のデータのオーナーシップを撤廃する必要があります。これにより、特定された鍵となるプロセスにおけるクリーンで、一貫性のある、完全なデータが供給されるようになり、「唯一の真実」が生み出されます。

適切な外部データを 取り入れる顧客需要データ、サプライヤー情報、政府資料や経済データ、そして競合情報はすべて重要です。こうしたデータをPBFプロセスの中に取り込んで活用することにより、精度と信頼性を高め、柔軟なシナリオモデルの作成を促進すべきです。

ローリングフォーキャストを 活用する月次ローリングフォーキャストを(各事業の経営モデルに合った形で)導入することで、戦略的ターゲットに対する企業の業績見通しを、より最新の状態で理解できます。これにより、経営の視線を過去ではなく未来へと向けることができ、予測がターゲットから乖離している場合に、より迅速な意思決定と資源再配分を行うことが可能となります。

15An eye on the future | © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 16: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

Q8 計画策定アプリケーションへの投資は貴社の組織内でどのように見なされていますか?

Q7 貴社の組織は特定の計画策定アプリケーション(すなわち、ExcelⓇ以外のツール)にすでに投資していますか?

3

41%

11%

7%

19%

21%

36%

17%16%

19%

12%

効果的で拡張性の高いテクノロジーソリューションを導入展開する

財務経理部門は、ビジネステクノロジーが断片化された状況の中で苦闘し続けています。現行のテクノロジーの多くは、変化するビジネスモデルや事象に即応できるほど十分なアジリティや適応力を備えていないため、効果的なPBFプロセスをサポートすることができず、多くの企業は未だに表計算シートの世界に閉じ込められたままです。

第1の課題は、投資の妥当性を論証することです。多くの(36%の)調査回答者が計画策定アプリケーションへの投資を戦略的付加価値をもたらすために必須であると見なしていますが、41%の回答者は特定の計画策定アプリケーションにまだ投資していません。

41%の回答者はExcel®以外の特定の計画策定アプリケーションにまだ投資していません

従来からのシステムプロバイダーにより企業向けシステム市場が支配されている状況の中でも、全社的なテクノロジーソリューションを持つ新興企業がPBFツールの分野で台頭してきたことで、徐々にPBFツールの導入コストを引き下げています。クラウドなどでPBFアプリケーションの適応力が増大し、大規模な全社一括導入も不要になっています。さまざまなデータを取り扱う代わりに、新しい、より動的なアプリケーションを利用して、データソースとデータ構造を全部門にわたって統一することが可能となってきました。データが構造化されているか否かに係らず、内部と外部の大量の データを使用して、照合、分析、モデル化、報告を行う能力を向上できるようになりました。さまざまなデータに対して検索、検討、報告を実行するツールを導入することで、組織は、PBFプロセスをはるかに効果的に活用することが可能となるのです。

新しいPBFテクノロジーへの投資により、さまざまなメリットが期待できます。財務経理部門は(および企業内の他の部門も)、価値創造と目標達成に対する企業全体の協働指向アプローチを推進するためには、市場に登場する新しいPBFツールをより的確に理解する必要があります。

テクノロジーの向上につれて、企業は、従来の静的報告のアプローチ(すなわち、何が起こったかをターゲットに照らして記述する手法)から脱却し、精度の高い将来予測へ注力し始めており、その影響を受けて、組織文化にも変化の兆しが現れ始めています。事前定義された分析のほか、予測分析までも組み込んだツールは、高度化されたプロセスの自動化をサポートするでしょう。

はい、しかし、計画策定アプリケーションは期待されたメリットすべてを実現して いるわけでは ない

いいえ

は い、 し か も、計画策定アプリケーションは期待どおりのメリットを実現している

はい、しかし、計画策定アプリケーションは何もメリットを実現しなかったので、すでにExcel®

/手動プロセスに戻っている

分からない

戦略的 ― 付加価値を提供する

戦術的 ― 全社にメリットをもたらす

戦略的 ― コスト削減と効率化を実現する

戦術的 ― 財務経理部門のみにメリットをもたらす

分からない

| An eye on the future16 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 17: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

Q9 シナリオモデリングは貴社のPBFプロセスにどの程度まで組み込まれていますか?

24%

27%

15%

21%

13%

予測分析ツールは、データを使用して機会を予測するだけでなく、リスクを織り込むことにより精度が向上しており、より的確な情報に基づいたタイムリーな意思決定に役立ちます。このようなツールは何年も前から利用可能でしたが、大多数の組織はその可能性を全面的に引き出す形では利用できていません。

予測分析ツールは、さらに踏み込んで将来の機会とリスクを予測し、それに応じて、講じるべき推奨施策を指示することができます。また、このツールは、実行された施策とその施策の実行後の成果を記録して学習し続けるので、類似の状況が発生したときにさらに優れた洞察を提供します。

しかし、今回の調査によると、PBFプロセスにおける分析技法とシナリオモデリングの適用はまだ初期の段階にあります。自社の現在のPBFプロセスが十分に柔軟なシナリオモデリング機能を組み込んでいると述べた回答者は少数(21%)に過ぎず、13%は基本的な感度分析しか使用したことがないと回答しました。

1.適切な組織文化と活動方法を生み出す

2.PBFプロセスを統合し、質の高いデータを活用する

3.効果的で拡張性の高いテクノロジー

ソリューションを導入展開する

PBFプロセスが十分に柔軟なデータモデリング機能を組み込んでいると回答したのは21%に過ぎませんでした

シナリオは単発的な偶発事象への対応として、アドホックにモデル化している

PBFプロセスはある種のデータ変数への対応としてシナリオモデリングを組み込んでいるが、十分ではない

PBFプロセスは変化に対する迅速な分析を可能にする柔軟なデータモデルを組み込んでいる

分からない

PBFプロセスは基本的な感度分析しか組み込んでいない

An eye on the future | 17© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 18: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

Q10 将来の業績予測は高度に自動化され、アナリティクスソフトウェアが企業全体で利用され、人間によるわずかな手直ししか行われなくなると思いますか?

33%8% 33%21% 4%

32%4% 37%15% 12%

まったくそう思わない そう思わない そう思う 強くそう思う 分からない

従来の予算編成プロセスは5年以内にローリングフォーキャストへと転換される

将来の業績予測は高度に自動化され、アナリティクスソフトウェアが企業全体で利用され、人間によるわずかな手直ししか行われなくなる

新しいソフトウェアツールは、組織全体の業績に対する高度なビジビリティ(「見える化」能力)を提供するようになりました。ビジビリティの高いリアルタイムダッシュボードを通じて、企業全体で主要な業績ターゲットに対する結果責任を強化することが容易になっています。このようなツールは、より統制が強化された形でセルフサービスによる予算編成・業績予測の責務をライン部門に組み込むことに役立ち、全員が予算と業績予測がどのような前提に基づいているかを確認できるようになります。統制が改善される理由は、ワークフローと、拡大された自動化機能のおかげで、手動のデータ照合やデータ入力に対する依存度が減少し、PBFプロセスがより効果的に管理されるようになるからです。未来に目を向けると、3分の2の回答者が、業績予測は高度に自動化され、アナリティクスソフトウェアが企業全体で利用され、わずかな手直ししか行われなくなる、と回答しています。

SaaS(software-as-a-service)ソリューションに対する関心の増大と、クラウドに基づいた妥当なコストのソリューションの大量出現により、新しいテクノロジーを取り入れてプロセスを改善する機会が著しく増加しています。しかし、今回の調査によると、新しいテクノロジーは引き続き一定の不安感をもって受け止められています。

半数以上の調査回答者が、PBFプロセスを包括的な形で適切に実現できるクラウドソリューションの存在について、「分からない」と回答するか、その意義を否定していました。これは、多くのテクノロジー専門家が、そのようなテクノロジーこそ企業全体PBFツールの未来像であると考えていることと矛盾します。

56%の調査回答者が、クラウドソリューションが包括的な形でPBFプロセスに適切な機能を提供することについて、「分からない」と回答するか、または否定していました

60%が、クラウドソリューションはPBFプロセスのために使用する情報を保持するのに十分なセキュリティを備えていない、と考えているか、または

「分からない」と回答しました

こうしたテクノロジーは、PBFの変革という点では比較的新しいものであるため、まず、少数の先進的な企業がクラウドを取り入れてからでないと、あらゆる市場や企業に対してPBFテクノロジーが変革し始めることは難しいのかもしれません。

さらに、今回の調査は、クラウドテクノロジーに関する人々の懸念の原因が必ずしも機能だけではないことを示しています。60%は、クラウドについて知らないか、PBFのために使用する情報を保持するのに十分なセキュリティを欠いていると考えていました。プロセスが企業全体を網羅しており、機密性のある市場データも使用されるため、セキュリティに関する懸念が原因で、クラウド採用の意思決定に(クラウドがもたらし得る追加機能のメリットを承知している人による意思決定にさえも)影響が生じている様子が、今回の調査結果から見て取れます。もし、今後予想されるクラウドソリューションの大量採用を実現しようとするならば、まずこの懸念を解消しなければなりません。多くの組織は、少数の先見的な企業がPBFにおけるクラウドのメリットを実証するのを待っているように思えます。ドミノ効果が発生し得るとしたら、その後になるでしょう。

| An eye on the future18 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 19: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

調査回答者の41%が適切な計画策定テクノロジーにまだ投資していない、という結果(Q7)は衝撃的かもしれませんが、私にとってはまったくの想定外ではありません。計画策定にはさまざまな形式がありますが、組織全体の活動であることは同じであり、その結果として、多くの組織では単独のエグゼクティブオーナー 1名を指名することが難しくなります。そのため、アプリケーションに対する企業全体の承認を取り付けるのが困難な課題になることがあります。

しかし、潮目は変わりつつあります。過去3~5年の間に、PBFツールに著しいイノベーションが生じているのです。たとえば、動的クラウドソリューション、デバイスを問わないモビリティ機能、そして、リアルタイム分析/予測モデルとの統合などです。

こうしたソリューションの採用の著しい進展は多くの分野から生じており、今回の調査からも明らかなように、その大多数はそこから戦略的なメリットを見出しています(Q8)。

しかし、4分の1を超える調査回答者がそのような

投資の結果に失望しているという事実も無視できません(Q7)。厚かましく聞こえる危険を承知で言えば、私は、テクノロジー自体が失望の理由ではないのではないか、と思っています。

私が知りたいと思うのは、どれだけ多くの組織が計画策定プロセスとスキルをそうしたソリューションの導入時に変革しているか、ということです。

旧来の表計算シートを利用した予算を新しい動的なツールで再現すると、かえって複雑さが増大し、パフォーマンスに関する問題が発生します。それは、組織がドライバーベースの計画策定ツールによる業績予測精度の向上から引き出す価値を減少させ、計画と行動に対してオーナーとして結果責任を担っているという感覚が組織から失われます。

後者の問題は重大です。PBFは、従来、財務経理部門がオーナーとなってきたプロセスなので、もし事業計画や経営計画が財務経理プロセスと統合されない場合、結果として、信じる人も支持する人も誰もいない予算が出来上がって

しまいます。

効果的なPBFは、企業全体で、その末端に至るまで、事業戦略の実行と整合化を支援すべきものです。企業がこれを実行できるのは、事業 部門やその他の部門からの積極的な支持がある場合だけであり、それが欠けている場合、財務経理部門は、PBFにより企業全体の目標や戦略と整合させるために必要となる洞察と見通しを得ることが困難になるでしょう。77%の調査回答者がPBFは事業部門と財務経理部門の共同作業であるべきだと考えています。しかし、大半がそれを現実に実践しているとは考えにくいところがあります(Q7)。

私の考えでは、ここでの共通のテーマ、あるいは問題は、企業文化です。残念ながら、計画策定の領域では、古い習慣がなかなか廃れない傾向があります。私の願いは、より多くの企業が革新的な計画策定ソリューションを選択するようになり、それにつれて「文化的な統合」が導入を成功させる秘訣であることにCFOが気づいて欲しい、ということです。

計画策定テクノロジーの古い慣行は簡単には廃れないMorris Treadway | EPM Centre of Excellence Lead, KPMG Global

An eye on the future | 19© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 20: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

財務経理部門は、保有するデータを常に保護してきました。それにはもっともな理由があります。財務成績や決算結果の機密性を踏まえれば、過去と将来の両方のために、財務経理部門が常にこの情報を「鉄壁」の守りで防護してきたのは当然のことです。したがって、この情報をクラウドの中に移行するという発想は、恐ろしいとか、まったく無謀であると見なされても仕方ないのです。

私の意見では、いかなる財務データもクラウドに移行することができない、という発想は著しく根拠を欠いています。「クラウド」は多用される言葉にもかかわらず、大いに誤解されています。現実には、一部のIT内部統制と少なくとも同程度のセキュリティをクラウドは提供している はずです。しかも、「私たちのデータが誰か他人のサーバー上に置かれている」という事実は、サードパーティプロバイダーが運営するデータセンター内にホスティングされている場合と何の違いもありません。

今回の調査の中のクラウドに関連する質問に

対して、これほど多くの「分からない」が回答として付けられたのは納得のいくものでした。テクノロジーを導入するソフトウェアベンダーや企業が、クラウドのメリットについて顧客企業に十分な情報提供を行っておらず、誤解の解消も不安の軽減もしていないことは明らかです。

私の意見では、クラウドは、おそらくPBFテクノロジーにおける最大の進歩であると思います。その低廉な所有コスト、管理委託型のアップグレードパス、その他のさまざまなIT効率化、そして投資負担が軽いという特性はすべて宣伝文句として効果的ですが、実は、クラウドに固有の真のセールスポイント(USP)はアクセス可能性の広さと容易さです。事業部門に対する支援、ライセンスの管理と更新、バックアップ、そしてアップグレードなどを含む、毎月の発生経費は、長く使用されてきたPBFツールと比べて、費用対効果の点ではるかに優れています。

(単なるテクノロジーではなく)リアルタイムのPBFプロセスを組織全体にわたって迅速に導入展開できる能力は、営業、人事、業務の各部門

同士がより効果的に協力し合うことに役立つでしょう。また、一本化された単一のプロセスと数字に対するオーナーとしての責任感の増大を通じて、情報の質(Q5)も向上するでしょう。

今回の調査によれば、財務経理部門におけるクラウドの採用は依然として初期段階にありますが、クラウドベースの計画策定ツールの市場が拡大しつつあるのは明るい材料です。そうしたツールの低い所有コストは、規模の大きい組織だけでなく、中堅企業もより効率的なPBFプロセスを導入する余裕が生じることを意味しています。

今や、手動プロセスを使用してPBF活動を実施 することに固執する企業からの言い訳はほとんど 無意味であり、手動プロセスを使い続けることで得られるものは何もありません。クラウドPBF市場は、ますます多くの企業がクラウドPBFの提供する競争優位を理解するようになるにつれて、今後も成長し続けるだろうと、私は予想しています。

クラウド:PBFテクノロジーにおける最大の進歩Gerard Harris | Senior Manager, Enterprise Performance Management, KPMG Global

| An eye on the future20 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 21: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

効果的で拡張性の高いテクノロジーソリューションを導入展開するための鍵となる主な施策

発展するPBFテクノロジー 市場に精通し、 そこで有形のメリットを 実現できることを理解する市場への新規参入企業が従来からのIT企業と競争を展開する中で、ソフトウェアコストは下落し続けており、新機能の改善も続いています。企業は、この外部市場の動向を継続的に監視する必要があります。

投資の妥当性を明確化しておく組織は、ビジネスケースが効率化なのか、効果の拡大なのか、その両方を求めているのかを知る必要があります。ビジネスケースは資源配分の改善を通じた資源の有効利用の最大化、コスト削減を可能にする自動化などのメリットの追跡を可能にする必要があります。

テクノロジーは解決策ではなく実現手段であることを理解するテクノロジーは、企業全体への展開や、プロセス/レポーティングの自動化など、多くのメリットをもたらします。ただし、その前にデータの完全性と基盤となるプロセスの問題を先に解決しなければなりません。

競争優位を達成する組織は、競争優位を確立するために、市場のリスクと機会に誰よりも早く反応できる必要があります。膨大なシナリオモデリング、予測分析などを可能にする現行ツールは、現在のところ、そのポテンシャルを全面的に発揮するほどは有効利用されていません。

21An eye on the future | © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 22: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

執筆者について

John O’MahonyJohnは、英国におけるEPMサービスの提供を主導しており、そこで、計画策定・予算編成・業績予測(PBF)、業績報告、および多次元による収益性管理の改革を進めている大規模で複合的な多国籍企業の支援に携わっています。

KPMG入社前は、9年間、産業界で活動し、グローバルな優良企業の財務経理マネジャーや部門財務経理責任者を含む、さまざまな上級管理職を歴任しています。

Jamie LyonJamieは、CFOの役割に関するACCAの活動とリサーチを先 導するグローバル ナレッジリードです。非常に多数の経営および財務関係メディアに寄稿しており、Financial Times、Accountancy Age、Finance Director Europe、Finance Director Outsource Magazine、ITNをはじめとする、世界中のメディアに登場しています。

ACCAに加わる前は、会計士の資格を得て、産業界で、英国やその他の国で複数の著名なFTSE 100企業に勤務しながらキャリアを積みました。

謝辞本レポートの作成に貢献してくださったMark Warne-SmithおよびTom Ross(KPMGの英国Financial Managementチーム)、Harriet WebsterおよびHelen Brennan(KPMGのSIGHT Thought Leadershipチーム)、そして、貴重な洞察を提供して調査結果とレポート本体を補完してくださった専門家(SME)の方 (々Nick Mountcastle、Svilena Tzekova、Hayley Rocks、Morris Treadway、Gerard Harris、およびAndy Carfax)をはじめとするKPMGおよびACCAの多数の人々に感謝の意を表します。

| An eye on the future22 © 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity.

Page 23: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー
Page 24: Planning, Budgeting and Forecasting...Planning, Budgeting and Forecasting 計画策定・予算編成・業績予測 経営戦略を実現するPBFプロセス KPMGとACCAのオピニオンリーダー

© 2015 KPMG LLP, a UK limited liability partnership and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

© 2016 KPMG Consulting Co., Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved. Printed in Japan. 16-1545

本レポートは、KPMGインターナショナルおよびACCAが2015年7月に発行した"Planning, Budgeting and Forecasting -An eye on the future" を翻訳したものです。翻訳と英語原文間に齟齬がある場合は、当該英語原文が優先するものとします。

ここに記載されている情報はあくまで一般的なものであり、特定の個人や組織が置かれている状況に対応するものではありません。私たちは、的確な情報をタイムリーに提供するよう努めておりますが、情報を受け取られた時点およびそれ以降においての正確さは保証の限りではありません。何らかの行動を取られる場合は、ここにある情報のみを根拠とせず、プロフェッショナルが特定の状況を綿密に調査した上で提案する適切なアドバイスをもとにご判断ください。

The KPMG name, logo and “cutting through complexity” are registered trademarks or trademarks of KPMG International Cooperation.

お問合せ先

KPMGコンサルティング株式会社

〒100-0004東京都千代田区大手町1丁目9番5号大手町フィナンシャルシティ ノースタワーTEL : 03-3548-5111(代表電話)

パートナー後藤 友彰[email protected]

ディレクター中嶋 功[email protected]