oracle rac / oracle asm / oracle clusterware automatic storage management oracle clusterware

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Oracle RAC / Oracle ASM / Oracle Clusterware

最新機能詳解製品事業統括テクノロジー製品事業統括本部技術本部基盤技術部

シニアエンジニア伊藤勝一


Russia 17–18 April 2012

India 3–4 May 2012


San Francisco September 30–October 4, 2012


以下の事項は、弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです。また、情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。以下の事項は、マテリアルやコード、機能を提供することをコミットメント（確約）するものではないため、購買決定を行う際の判断材料になさらないで下さい。オラクル製品に関して記載されている機能の開発、リリースおよび時期については、弊社の裁量により決定されます。

OracleとJavaは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。

文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。


Agenda

• Oracle Grid のアーキテクチャと進化

• 11g R2 新機能

– Oracle RAC

– Oracle ASM

– Oracle Clusterware

• まとめ

• Q&A


Oracle Database の変革

1992～ Oracle7

1997～ Oracle8

1999～ Oracle8i

2001～ Oracle9i

2004～ Oracle Database 10g

2007～ Oracle Database 11g

PL/SQLストアド・プログラム読み取り一貫性と行レベルロック SMPサポート(パラレル処理) 分散トランザクション, レプリケーション

VLDB(Very Large Database) VLUP(Very Large User Process)

インターネット対応Java in Database

Unbreakable Oracle Real Application Clusters XML Database

Oracle Automatic Storage Management Oracle Clusterware グリッド対応

Real Customer Release

1977～ Oracle2

性能・機能

ＩＴ運用コスト削減

クライアント・サーバー分散コンピューティング

インターネット・コンピューティング

グリッド・コンピューティング


Oracle Real Application Clusters (RAC)

• Oracle9i より提供しているデータベースのクラスタリング機能

可用性高速なフェイルオーバーを実現し、システム障害時のダウンタイムを最小化

拡張性負荷の増減に応じた処理性能の最適化が可能

投資コスト最低限必要な構成で導入でき、初期コストを抑えることが可能

リソースの有効活用により最適な投資コストを実現

Active

共有ディスク

Active Active Active

常に全サーバーが Active （稼働）となり、リソースを有効活用

障害によるサーバ停止があっても、障害ノードを切り離して、処理を継続

処理量の増加に合わせ、容易に拡張可能


Oracle Automatic Storage Management (ASM)

• Oracle Database 10g より提供しているディスク構成の仮想化技術

ストライピング

• ディスク・グループ内の、すべてのディスクでストライピング（ホットスポットが発生しない）

ミラーリング

• ファイルのタイプに応じて、Oracle レベルでミラーリング（2重化 / 3重化 / ミラーなし）

動的リバランシング

• ディスクの追加 / 削除時に、自動的にデータを再配置

性能の維持

可用性の担保

拡張性

ASM ディスク・グループ

ファイル1 ファイル2

ファイル3

2 1 4 3 ASM ファイル

2 1 4 3 4 3 2 1 ミラー

ディスク削除

ディスク追加

再配置

2 1 4 3 1’ 4’ 3’ 2’

2 1 3 1 3 2

2 1 1’ 2’


Oracle Clusterware

• Oracle Database 10g より提供しているクラスタ技術

RAC のためのインフラストラクチャ提供

• 必要とされる唯一のクラスタウェア

クラスタのノード・メンバーシップ管理

• ハードウェアの障害検知

• ノードの追加・離脱に伴うクラスタ再構成を実施

リソースの可用性管理

• システム上で稼動するアプリケーションを監視

• 障害時にフェイルオーバー

Oracle Clusterware

Oracle インスタンス

Oracle Clusterware

Oracle インスタンス

CSS CSS CSS CSS

共有ディスク

投票ディスク領域

通信障害

共有ディスク

CRS CRS CRS

クラスタ再構成

フェイルオーバー

App1 App2


Grid Computing

単体サービス基盤から複数サービス基盤へ

DB DB DB

AS AS AS

アプリケーションアプリケーションアプリケーション

単体サービス基盤

アプリケーションごとに IT インフラの構築運用管理コスト増大

複数アプリケーションで IT インフラを共通化

運用管理コスト削減未使用リソースの増加リソースの全体最適化

RAC RAC

AS AS

アプリケーションアプリケーションアプリケーション

複数サービス基盤

AS AS AS

AS

RAC RAC RAC

RAC


サーバー・リソースの仮想化

• 物理リソースのプールを作り、必要なだけ論理リソースとして取り出す

リソース・プール

物理リソース

論理リソース

ストレージ

CPU

メモリ

・・・

AP

・・・


サーバー・リソースの仮想化を行うレイヤー

• 「仮想化」はレイヤーが異なると、着目点も異なる

– 1 台を分割して、複数システム・イメージを提供

– 複数台を統合して、単一システム・イメージを提供

OS / Hypervisor

VM

VM

OS OS

仮想サーバーに「分割して」使用する複数サーバーを「統合して」使用する

サーバー仮想化 Oracle Grid

Disk Group Disk Group

Oracle Database

Service Service


Oracle Grid の進化

2001 2009 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

単一データベースサービスの可用性と拡張性

複数データベースサービスの統合 / ストレージの仮想化

Grid Infrastructure

RAC

Oracle Clusterware

ASM RAC

Clusterware

年

ストレージを

仮想化

複数データベースサービスを

インスタンス個別に配置

各データベースサービスに与えるリソース量を指定

単一データベースサービスを配置

複数サーバープール間のリソース移動

RAC RAC

ASM

Oracle Clusterware

2010 2011

Oracle Database 10g R1 Oracle9i Database R1

Oracle9i Database R2

Oracle Database 11g R1

Oracle Database 11g R2 Oracle Database 10g R2

2012


Oracle Grid アーキテクチャ典型的なハードウェア構成

共有ディスク

ネットワーク

パブリックネットワーク

インターコネクト

(スイッチを使用)

SAN スイッチ

Node 1 Node 2 Node N Node N-1


Oracle Grid アーキテクチャ 11g R2 での典型的なソフトウェア構成

共有ディスク

OS OS OS OS

Oracle Grid Infrastructure



Oracle Grid アーキテクチャ 11g R2 での典型的なソフトウェア構成

共有ディスク

OS OS OS OS

Oracle Grid Infrastructure Oracle Automatic Storage Management (ASM)

Oracle Clusterware


Oracle ASM により管理された共有ディスク


Oracle Grid アーキテクチャ 1 ノードごとの構成

共有ディスク

OS


Oracle RAC

Oracle ASM により管理された共有ディスク

ノード・メンバシップ管理

HA フレームワーク

ASM インスタンス

OS

DB インスタンス

• Oracle Clusterware ファイル

• 投票ディスク

• Oracle Cluster Registry (OCR)

• データベース・ファイル

• Redo / アーカイブ・ログ

• 制御ファイル等

• Cloud File System (= ASM Cluster File System [ACFS])

• DB 関連以外のファイル

• 11.2.0.3 : RMAN バックアップ・セットやデータ・ポンプのダンプファイル等


Oracle Grid アーキテクチャ 1 ノードごとの構成

OS


Oracle RAC

ノード・メンバシップ管理

HA フレームワーク

ASM インスタンス

OS



Oracle Grid アーキテクチャ

4 ノードのクラスタ構成の CRS リソース配置

ora.asm

ora.dgname.dg

ora.listener.lsnr

ora.ons

ora.gsd

ora.net1.network

ora.registry.acfs

ora.asm

ora.dgname.dg

ora.listener.lsnr

ora.ons

ora.gsd

ora.net1.network

ora.registry.acfs

ora.asm

ora.dgname.dg

ora.listener.lsnr

ora.ons

ora.gsd

ora.net1.network

ora.registry.acfs

ora.asm

ora.dgname.dg

ora.listener.lsnr

ora.ons

ora.gsd

ora.net1.network

ora.registry.acfs

LISTENER_SCAN1

ora.SCAN1.VIP

ora.node1.vip

LISTENER_SCAN2

ora.SCAN2.VIP

ora.node2.vip

LISTENER_SCAN3

ora.SCAN3.VIP

ora.node3.vip

ora.oc4j

ora.cvu

ora.node4.vip

OS OS OS OS


データベース作成後は次のリソースが作成される:

•ora.Dbname.db

•ora.Dbname.Srvcname.svc

リソースは次のコマンドで確認:

• crsctl status resource -t


Oracle RAC 11g R2 新機能 • Single Client Access Name

• 複数パブリック・ネットワーク

• サーバー・プール / ポリシーベース管理 / ポリシー管理型 RAC データベース

• RAC One Node


Oracle リスナーの 2 つの役割

SERVICE

tnslsnr tnslsnr tnslsnr

SERVICE


tnslsnr

SCAN リスナー

Oracle RAC 11g Release 1 まで

すべてのリスナーが 2 つの役割を兼ねる

Oracle RAC 11g Release 2 から

2 つの役割を異なるリスナーが担当

リダイレクト用リスナーが SCAN リスナーとして追加

1.接続リクエストのリダイレクト

2.Oracle インスタンスとのセッション確立


Single Client Access Name リスナー


Oracle

インスタンス1

Oracle

インスタンス2

Oracle

インスタンス3

pmon pmon pmon

tnslsnr

Oracle

クライアント

• リダイレクト用の Oracle リスナー（SCAN リスナー）が、全ての Oracle インスタンスからサービス登録

– 「リダイレクト」と「セッション確立」の役割が分離

Oracle初期化パラメータ

REMOTE_LISTENER


LOCAL_LISTENER

ローカル・ノードのリスナーの

仮想 IP（VIP）を指す

インスタンスごとに設定が異なる

Oracle RAC 11g R2 では、

Oracle Clusterwareによってインスタンス起動後に動的に設定される

SCAN リスナーの仮想 IP

（SCAN VIP）を指す

全インスタンス共通の設定となり、総ノード数が増減しても設定変更は発生しない

接続リクエストのリダイレクト Oracle インスタンスとのセッション確立

このリダイレクト専用リスナーを

Single Client Access Name

（SCAN）リスナーと呼ぶ

各ノードのリスナーは「セッション確立」を行う


SCAN リスナーに登録されたサービス

$ lsnrctl status リスナー名(LISTENER_SCAN1など)

（省略）

Listening Endpoints Summary...

(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=ipc)(KEY=LISTENER_SCAN1)))

(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=10.196.25.101)(PORT=1521)))

Services Summary...

Service "lpdbfs" has 2 instance(s).

Instance "lpdbfs1", status READY, has 2 handler(s) for this service...


Service "lpdbfsXDB" has 2 instance(s).



The command completed successfully

サービス名 lpdbfs

インスタンス名 lpdbfs1

インスタンス名 lpdbfs2

• SCAN リスナーが稼働しているノードで

• ORACLE_HOME/bin/lsnrctl status リスナー名

※ Oracle Grid Infrastructure 11g Release 2 から、Oracle リスナーはOracle Grid Infrastructure に含まれるものを使用

この例では、環境変数 ORACLE_HOME は Oracle Grid Infrastructure

のインストール・ディレクトリを指す



Oracle

インスタンス1

Oracle

インスタンス2

Oracle

インスタンス3

pmon pmon pmon

参考：Oracle RAC 11g Release1 まで

• 全ての Oracle リスナーが、全てのOracleインスタンスからサービス登録

– 「リダイレクト」と「セッション確立」の役割を兼ねる


REMOTE_LISTENER


LOCAL_LISTENER

接続リクエストのリダイレクト Oracle インスタンスとのセッション確立 Oracle

クライアント

ローカル・ノードのリスナーの VIP

を指す

インスタンスごとに設定が異なる

全ノードのリスナーの VIP を列挙

全インスタンス共通の設定になるものの、総ノード数の増減で設定変更が発生する

各ノードのリスナーは「リダイレクト」も「セッション確立」も行う


SCAN リスナーと SCAN VIP


Oracle

インスタンス1

Oracle

インスタンス2

Oracle

インスタンス3

pmon pmon pmon


• SCAN リスナーと SCAN 仮想 IP アドレス（SCAN VIP）のセットで起動

• SCAN リスナーの稼働ノードに障害が発生すると、別ノードで SCAN VIP とセットで再起動

高可用性のために複数セットが構成される

Oracle 初期化パラメータ

REMOTE_LISTENER

= “scanhostname:port” Oracle 初期化パラメータ

LOCAL_LISTENER

SCAN リスナー

SCAN VIP

VIP

Oracleリスナー

1 つの SCAN ホスト名が複数の SCAN VIP に対応するように DNS を事前に要構成

REMOTE_LISTENER が指すのは 1 つの SCAN ホスト名

LOCAL_LISTENER が指すリスニング・ポイントは SCAN リスナーを含まない

そのため、SCAN リスナーはOracle インスタンスとのセッション確立を行わない


SCAN リスナーと SCAN VIP

pmon pmon pmon pmon


scan-vip1 scan-vip2 scan-vip3

DNSサーバーホスト名 IP アドレス

scanhostname scan-vip1

scan-vip2

scan-vip3

• DNS で 1 つの SCAN ホスト名と複数の SCAN VIP を対応づける

DNS で 1 つの SCAN ホスト名に複数の

SCAN VIP を対応づける

Oracle Grid Infrastructure 11g Release 2

のインストール前に実施しておく

Oracle 初期化パラメータ

REMOTE_LISTENER

= “scanhostname:port”

1 つの SCAN ホスト名から複数のSCAN VIP の名前解決を行い、複数の SCAN リスナーにサービス登録


従来の接続 (VIP) と SCAN の比較項目従来 (VIP) SCAN

接続で指定するホスト名 VIP アドレス SCAN 名

接続リクエスト先のリスナーデフォルトリスナー SCAN リスナー

接続形態 tnsnames.ora EZCONNECT / tnsnames.ora

接続時フェイルオーバー VIP を羅列

(tnsnames.ora で定義)

自動

クライアント・サイド・ロードバランシング VIP を羅列

(tnsnames.ora で定義)

自動

サーバー・サイド・ロードバランシング VIP を羅列

(REMOTE_LISTENR で定義)

SCAN を指定

(REMOTE_LISTENER で定義)

サーバー障害時 VIP フェイルオーバー (TCP タイムアウト待ちの回避)

SCAN VIP / SCAN リスナー共にフェイルオーバー (常に接続要求の処理が可能)

ノード追加 / 削除サーバー / クライアント共にtnsnames.ora の変更が必要

サーバー / クライアント共に接続設定の変更は不要


Oracle クライアントの SCAN 拡張 • Oracle Client 11g Release 2 から、1 つの SCAN ホスト名を内部的に複数の

SCAN VIP に展開可能



RAC のノード数が変更されても

SCAN VIP の設定は変わらないため、REMOTE_LISTENER の変更は不要

Oracle Client 11g Release 2

Oracle Client 11g Release 2 は接続記述子に

SCAN ホスト名を記述すると、DNS から内部的に複数の SCAN VIP に展開される

複数ある SCAN VIP が、障害発生時の接続時フェイルオーバー先の候補にもなる

sqlplus user/password@scanhostname:port/service

EZCONNECT の記法は、1つのホスト名しか指定不可

ホスト名 IP アドレス

scanhostname scan-vip1

scan-vip2

scan-vip3

DNSサーバー


参考：Oracle Client 11g Release 1 まで



(DESCRIPTION =

(LOAD_BALANCE=ON)

(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)

(HOST= scan-vip1 ) (PORT = port ) )





(CONNECT_DATA= (SERVICE_NAME=service ) ) )

• SCAN 拡張のない以前のリリースのクライアントで SCAN リスナーに接続する場合は、SCAN VIP を列挙

Oracle Client 11g Release 1 までのクライアントで SCAN リスナーに接続する場合は、従来通り

ADDRESS 句を複数記述

SCAN ホスト名ではなく SCAN VIP をADDRESS 句に列挙

実際の接続先はサーバー側

接続ロード・バランシングで

決定される

Oracle Client 11g Release 1


複数パブリック・ネットワークのサポート

• 11g R2 より、複数のサブネットに接続されたサーバー環境で、複数のパブリック・ネットワークを構成し、それぞれのサブネットに VIP、リスナーを作成することが可能

– サブネットごとに 1 つの VIP の作成が可能

– 11g R1 までは、サーバーごとに VIP は 1 つのみサポート

パブリック・ネットワーク A

パブリック・ネットワーク B

eth0 eth0

eth2 eth2

Interconnect

eth1 eth1

Network (net2)

VIP

Network (net1)

Listener

Listener

VIP


複数サブネット構成に関する注意点

• Grid Infrastructure インストール時の構成は不可

– インストール後に、別のサブネットに対して VIP を作成

• VIP とリスナーのみ構成可能

– SCAN および NODEAPPS の作成は不可 (クラスタで 1 つのみ)

– NETCA もしくは、srvctl コマンドでリスナー作成時にサブネットを指定

• 追加したサブネットでは GNS/DHCP の利用は不可

• 2 つ目以降のネットワークの障害時に、VIP 自動フェイルバック機能は 11.2.0.2

以降では有効

• サブネットをまたがって同じサービスの使用は不可


ポリシーベース管理

概要

• Oracle Real Application Clusters 11g Release 2 の新しい概念

• 動的なインフラストラクチャを提供

• Oracle Clusterware 配下にすべてのサーバーを統合

• サーバー・プールと呼ばれる論理的なグループでサーバーを管理

• サーバーの割り当ては、ポリシーに基づいて Oracle Clusterware が自動管理

• 従来の専用サーバーという考え方とは異なり、クラスタ内のサーバーリソースを効果的に共有する仕組みを提供


従来のシステム管理

アプリケーション（HA 構成）勘定系 DB 顧客 DB

App Oracle Clusterware

RAC RAC

Oracle Clusterware

Vendor Clusterware

RAC RAC RAC

• 特定のサーバー上で、RAC データベースやアプリケーションが稼動

• 各システムごとに、コストの高い専用サーバーを配置

• システムごとにサーバーリソースの最適化を実施


ポリシーベース管理

RAC RAC

App

独立したシステム Oracle Clusterware で一括管理

統合

勘定系 DB

顧客 DB

アプリケーション

各サービスにサーバーを割り当てる

• 専用サーバーという考えを排除

• Oracle Clusterware 配下に全てのサーバーを統合

• サーバーの割り当ては、Oracle Clusterware が自動管理

RAC RAC RAC


サーバー・プールによるサーバー仮想化

• ディスクグループで複数のディスクを1つの論理グループとして仮想化

• データベースのデータファイルを配置

ストレージの仮想化（10g R1～）サーバーの仮想化（11g R2）

• サーバー・プールで複数のサーバーを1つの論理グループとして仮想化

• RAC データベースやアプリケーションを配置

* Oracle ASM の機能 * Oracle Clusterware の機能

ディスク・グループサーバー・プール

Application Database Datafile 1 Datafile 2


サーバー・プール

• Oracle Clusterware 配下のサーバーを管理する論理的グループ

• クラスタ内に複数作成することが可能

• サーバー・プール間は排他的

• 1 つのサーバーは特定のサーバー・プールにのみ配置可能

• クラスタを異なるワークロードで分離

RAC データベース Application

サーバー・プール Free

排他的


Oracle Clusterware

ポリシー

最小数 : ３

最大数 : ３

重要度 : ２０

サーバー・プール RACDB

ビジネス要件に従って、

ポリシーを定義

サーバー・プール APPS


サーバー・プールの種類

• ユーザー定義サーバー・プール

• Generic サーバー・プール

• Free サーバー・プール

Grid Infrastructure インストール時に組み込まれる

Generic サーバー・プール

– RAC データベースが稼動するサーバーを固定化する従来の方法による管理（管理者管理）で利用

– 以下の用途で利用されるサーバー・プール

• 管理者管理 RAC データベース

• 下位バージョン（11g Release 1 まで）のデータベース

• 11g Release 2 にアップグレードしたデータベース

• 11g Release 2 シングル・インスタンス

• RAC One Node

Free サーバー・プール

– どのサーバー・プールにも割り当てられていないサーバーを配置


サーバー・プールの属性

• サーバー・プールで定義される属性（ポリシー属性）

最小数（MIN_SIZE）

• サーバー・プールに含まれるサーバーの最小数（デフォルトは0）

最大数（MAX_SIZE）

• サーバー・プールに含まれるサーバーの最大数（デフォルトは0）

重要度（IMPORTANCE）

• サーバー・プールの重要度（範囲： 0 - 1000）（デフォルトは0）

• 値が大きいほど、重要度が高い

• Oracle Clusterware は上記のポリシー属性を基に、サーバー・プールにサーバーを割り当てる


ポリシーベース管理とサーバー・プール

• ビジネス要件に従って、サービスを提供するサーバーの数や重要度を定義

• Oracle Clusterware がサーバー・プールのポリシー要件に応じて自動的にサーバーを割り当て

• サービスを配置する物理サーバーを意識しない

• Free サーバー・プール内の空きサーバーは、障害用 / 拡張用として確保

Generic サーバー・プールユーザー定義サーバー・プール Free サーバー・プール

ポリシーベース管理従来方式（固定）

Oracle Clusterware サーバーの動的な割り当て


RAC データベースの構成タイプ

管理者管理

• 従来のスタイル

• RAC が稼動するサーバーは固定

• Generic サーバー・プールに配置

ポリシー管理

• ポリシーベース管理

• RAC が稼動するサーバーおよび、インスタンスは動的

• クラスタを構成する全ノードが稼動候補の対象

• RAC を配置するサーバー・プールを作成

11.2 New

ユーザー定義サーバー・プール

サービス

サービス

RAC データベース



ポリシー管理 RAC データベース

• カーディナリティベース管理

• サービスを提供するカーディナリティに基づいたキャパシティ管理

• サーバー・プールは、RAC データベースやサービスを配置するインフラ

• サーバー・プールの拡張 / 縮退に応じ、RAC インスタンスおよびサービスの配置も動的に変動

• RAC データベースのカーディナリティ

• サーバー・プールの最小数 / 最大数

• サービスのカーディナリティ

• UNIFORM （サーバー・プールの最小数 / 最大数）

• SINGLETON （単一）


ポリシー管理 RAC データベースの作成

DBCA の画面からの抜粋

• DBCA に構成タイプを選択する画面が追加

管理者管理

• RAC を構成するサーバーを選択

ポリシー管理

• RAC を構成するカーディナリティ（サーバーの数）を指定

• カーディナリティは、サーバー・プールの最大数に反映


ポリシー管理 RAC データベースの作成

管理者管理ポリシー管理「管理者管理型」を選択「ポリシー管理型」を選択

RAC を構成するサーバーを選択

サーバー・プール名と RAC を構成するカーディナリティ（サーバーの数）を入力


Generic

ポリシー管理 RAC データベースの活用例

Free

1. 5 ノードのクラスタ環境を構築



Free Free サーバー・プール 1 Generic


2. RAC データベースを配置するサーバー・プールを作成

サーバー・プールの設定

最小数 : 0 （デフォルト）最大数 : 4

重要度 : 0 （デフォルト）



Free サーバー・プール 1

人事サービス

会計サービス

物流サービス


Generic



3. RAC データベースを作成し、サービスも作成

障害時は Free プールから動的にサーバーを割り当て


Generic


Free サーバー・プール 1

人事サービス

会計サービス

物流サービス


Generic Free サーバー・プール 1


人事サービス

物流サービス

会計サービス



3. RAC データベースを作成し、サービスも作成

障害時は Free プールから動的にサーバーを割り当て

4. サーバー・プールの設定を変更

RAC データベースおよびサービスが自動的に拡張される

サーバー・プールの設定

最小数 : 0 （デフォルト）最大数 : 4 → 5

重要度 : 0 （デフォルト）


Oracle Real Application Clusters One Node

• Oracle Real Application Clusters One Node (RAC One Node)

– 11g Release 2 より導入された Enterprise Edition (EE) のオプション

– 複数のシングル・インスタンス・データベースを統合

• 待機系サーバーの集約によるコスト削減や、Oracle Clusterware による一元管理が可能

シングル・インスタンス・データベースも統合システムで管理


Oracle RAC One Node の基本機能

管理

• インスタンスのライブマイグレーション

（オンライン・データベース再配置）

可用性

拡張性

• サーバー障害時の自動フェイルオーバー

• インスタンス障害時の自動再起動

• 容易な RAC への構成変更 RAC One RAC Database

RAC One RAC One

構成変更

インスタンスの移動

RAC One RAC One


管理 : インスタンスのライブマイグレーション

• コマンドにより、インスタンスの移行を制御

– 再配置中は、一時的に 2ノード RAC の状態となる（許容時間 : 720分）

– サービスの再配置

（移動先インスタンスでサービスを起動）

– 再配置中に、クライアントは移動先インスタンスに再接続

– 許容時間を超えると、元のインスタンスは停止

オンライン・データベース再配置

ダウンタイムなしで、サーバー間の移動が可能

• サーバー過負荷のため、別のサーバーに移動（負荷のバランス）

• OS / DB のローリングパッチ適用

• サーバーのメンテナンス


可用性 : 自動フェイルオーバー / 自動再起動

• より短い時間で切り替え、復旧が可能

• RAC One Node データベースを Oracle Clusterware のリソースとして管理

– Oracle Clusterware によるサーバーおよび、インスタンスの監視機能を利用

サーバー障害時インスタンス障害時


拡張性 : インスタンスのライブマイグレーション

• 既存のデータベースを保持したまま、インスタンスを追加することで、

RAC に構成変更することが可能

RAC へのアップグレード手順

1. RAC への構成変更（srvctl convert database）を実行

2. DBCA あるいはコマンドでインスタンスを追加

3. サービスの変更


Oracle ASM 11g R2 新機能 • Oracle Cloud File System

• ASM Cluster File System(ACFS) と

スナップショットおよびデータ管理機能、セキュリティ機能

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Oracle Cloud File System

• コンセプト

– クラウド環境におけるデータベース、ミドルウェア、アプリケーションに横断的なストレージプールの提供

– データベースやファイルに対して統合的なストレージへのネットワークアクセスを提供

クラウド環境における横断的なストレージプールの提供


En

terp

rise

Ma

na

ge

r

Database Middleware

Application

– 迅速で柔軟なオンライン・ストレージ・プロビジョニングをサポート


Oracle Cloud File System によるデータ統合管理

ASM ASM に直接配置

Oracle データベース

関連ファイル

ADVM

ACFS 3rdPartyFS

ASM からボリュームを切り出す(ボリュームファイル)

ログデータ、アプリケーション関連ファイル

ログデータ、アプリケーション関連ファイル


スナップショットレプリケーションタギングセキュリティ暗号化


ASM 動的ボリューム・マネージャ (ADVM)

• 動的ロード可能なドライバ

• ACFS 及び他のファイルシステムに対して標準的なディスク・デバイス・インターフェースを提供

• 動的ボリューム管理サービスの提供

– 新しく追加された ASM ファイル・タイプ:

• ASMVOL (ASM Volume File)

• ASMVDRL (ASM Volume Dirty Region Logging)

– ASM ボリューム・ファイル作成時に自動的に

OS のデバイスファイルを作成

• /dev/asm/vol1 (Linux)

• asm_dga_vol1 (Windows)

概要

vol1

/dev/asm/vol1

ASMボリューム・ファイル ADVMデバイスファイル


ADVM

• ロードされる 3 種類のドライバ

– Oracle ACFS ドライバ

– Oracle ADVM ドライバ

– Oracle Kernel Service ドライバ (OKS ドライバ)

• ora.asm(init) で ADVM ドライバを管理

– ora.asm リソースが開始すると、ASM ドライバがロードされる

– ora.asm リソースを停止させると、 ASM ドライバはアンロードされる

ADVM ドライバのロード

#lsmod |head -4

Module Size Used by

oracleacfs 787588 2

oracleadvm 177792 6

oracleoks 226784 2 oracleacfs,oracleadvm


ADVM ADVM ドライバのロード

• ドライバがロードされると

• /sbin 配下に ACFS と ADVM 関連のコマンドが配置される

• /lib/modules 配下にドライバがインストールされる

• Oracle Kernel Service ドライバ (OKSドライバ) - oracleoks.ko

• メモリ管理

• ロックやクラスタの同期

• ADVM ドライバ - oracleadvm.ko

• ボリュームデバイスからの I/O リクエストを動的ボリュームにマッピング

• ファイルシステムのボリューム管理ドライバ・インターフェース

• ACFS ドライバ - oracleacfs.ko

• 全ての ACFS のファイル操作をサポート


ADVM

• ASM ファイルと ASM ボリュームファイルのエクステントマップの動き

エクステントマップの取得方法

ボリュームエクステントマップをもとにADVMドライバがアクセス

ASM インスタンスから ADVM

ドライバへボリュームエクステントマップの受け渡し CSS

ASM

インスタンス

VMB

VDBG



ADVM ドライバ

VBG#

ASM ファイル

ASM ボリュームファイル

ASM インスタンスから

DB インスタンスへエクステントマップの受け渡し

エクステントマップをもとに、実際にデータへアクセスするのは DB 側のプロセス


ADVM

• ADVM ドライバは ASM の AU(allocation unit) 単位でのストライピングよりさらに粒度の細かいストライピングを実現

• ボリュームファイルのストラピング粒度はより柔軟に設定が可能 – デフォルトのストライピング単位は 128k(4k ～ 1M まで設定可能)

– ボリュームファイル単位で作成時に定義

ボリュームファイル・ファイン・ストライピング

: ボリュームファイルの

ストラｲピング単位(デフォルト128K)

: ASM ファイルのストライピング単位

(デフォルト 1M)


ASM ボリュームファイル ASM ファイル



Oracle ASM クラスタ・ファイルシステム（ACFS）

• ストレージ統合を意識して実装された汎用のファイルシステム

– ASM との組み合わせにより、構造化データだけではなく非構造化データも統合管理

• Oracle ホーム、トレースファイル、アラートログ、アプリケーションファイル、構成ファイル、動画、画像等

• 11.2.0.3 では次のファイル・タイプにも対応

– RMAN バックアップ・ファイル、アーカイブログ・ファイル、Data Pump ダンプセット・ファイル

• スナップショットや動的ボリューム管理、データ管理機能、セキュリティ機能もサポート

– ACFS スナップショット / ACFS レプリケーション / ACFS タギング / ACFS セキュリティ / ACFS 暗号化

• NAS および CIFS プロトコルを使用したネットワーク・アクセスもサポート

• マルチ OS プラットフォーム

• ASM の全体最適化機能を継承

概要

gif

jpg

pdf

tｘｔ

ASM クラスタ・ファイルシステム (ACFS)


Oracle ASM クラスタ・ファイルシステム (ACFS)

• 性能

• 高可用性

• 拡張性

• 管理性

メリット

– ASM ストライピング技術によるボトルネック排除

– ファイルシステム領域ではより高度なストライピング設定が可能

– ASM ミラーリング技術による、高可用性

– ストレージ筺体障害に耐え得る構成が可能

– ブロックレベルの障害に対して自動修復機能を提供

– Oracle Clusterware との連携による可用性担保

– ASM のスケールアウト型アーキテクチャを継承

– 自動リバランス機能によるファイルシステム領域のオンライン拡張・縮小・移行

– マルチプラットフォーム対応による管理の標準化

– データベース領域との一元管理による管理コスト削減


ACFS における ASM 技術の活用

• バランスの取れた分散配置

– 全 ASM ボリュームファイルは ASM エクステントの分散配置を活用し、ディスク・グループ内で均等に分散



ACFS 上のファイルA のデータ ACFS 上のファイルB のデータ

Linux:

/dev/asm/vol1

Win:

¥¥.¥asm_dgname_volname

Vol1

ASM ボリュームエクステント

ACFS マウントポイント

ファイルA

ファイルB



• ACFS 内のファイルは ASM の冗長構成(ミラーリング)可能

– ミラーリング属性は以下 3 種類より選択可能

– 2 重化/3 重化/ミラーなし

ミラーリング


Linux:

/dev/asm/vol1

Win:


Vol1


ファイルA

ファイルB

ACFS 上のファイルA のミラーデータ

ACFS 上のファイルB のミラーデータ ASM プライマリ・エクステント ASM セカンダリ・エクステント

ACFS 上のファイルA のデータ

ACFS 上のファイルB のデータ



• ACFS は ASM のファイル・リサイズ機能を活用

動的リサイズ


Linux:

/dev/asm/vol1

Win:


Vol1


ファイルA

ファイルB

ACFS 上のファイルA のミラーデータ

ACFS 上のファイルB のミラーデータ ASM プライマリ・エクステント ASM セカンダリ・エクステント

ACFS 上のファイルA のデータ

ACFS 上のファイルB のデータ

$ /sbin/acfsutil size +50G /mnt/acfs


ADVM / ACFS

• ACFS は 2 種類のキャッシュを利用

• ACFS 上のユーザー・データ

• 一般的な Linux / UNIX / Windows のファイルシステムと同様に OS ページキャッシュをファイルキャッシュとして利用

• ACFS 自身のメタデータ

• 物理メモリの一部をメタデータキャッシュ用に割り当てて利用

キャッシュの利用

VFS ACFS メタデータ

キャッシュ

ACFS ファイルキャッシュ

プロセス

ボリューム・エクステントマップなど ADVM ドライバ

プロセスプロセス

ACFS カーネル空間

ユーザー空間


ACFS の活用例 (1)

• Oracle Database のバイナリを ACFS 上に置くことで、

共有オラクルホーム環境を実現

• インストール、構成の簡素化

• ASM のミラーリングや、リバランシングの機能を活用

• ポリシーベース管理の RAC との親和性をアップ

– ASMCA から Oracle Database 用の ACFS を作成

• 注意

– Oracle Database を ACFS に配置すると、共有 ORACLE_HOME 環境と同様のデメリットがある

– ローリング・アップグレードやローリング・パッチ不可

– 単一障害ポイントになり得る

• ACFS スナップショットや ASM のミラーリングを活用することを検討

Database Home on ACFS

DB Home

Oracle RAC


ACFS の活用例 (2)

• ACFS も通常のファイルシステムと同様にエクスポートすることで

NFS や CIFS プロトコルを通じてリモートアクセスが可能

リモートクライアントからのアクセス

Oracle RAC アプリケーションサーバー

LAN

CIFS NFS

gif

jpg

pdf

tｘｔ

ASM クラスタ・ファイルシステム (ACFS)


ACFS スナップショット

• スナップショット取得時はポインタのみのコピー

– 高速かつ効率的な領域管理が可能

• ACFS 領域のオンラインバックアップツール

– Read Only のスナップショットはレポーティングや分析のソースとして活用

– Read Write 可能なスナップショットは開発やテスト環境用に活用

– 取得したスナップショットは同一ファイルシステム内の

<マウントポイント>/.ACFS/snaps 配下に保存

• 1 ACFS (デバイス・ファイル)毎に

63 個まで保存可能

• Enterprise Manager および acfsutil snap コマンドで操作

概要

gif

jpg

pdf

tｘｔ

ASM クラスタ・ファイルシステム

(ACFS)

スナップショット


ACFS スナップショット

• データコピー時は、実データへのポインタのみを構成

• データの更新時に実データをコピー

• ディスクスペースの効率的な使用と、すばやい複製（コピー）が可能

• ファイルシステムのスナップショット機能に標準で使われている技術

Copy-On-Write (COW)

ファイルA ファイルA’(snapshot)

A B C

ポインタのみスナップショット取得時データ更新時

A B

C B’

B

B を B’ に更新

ファイルA ファイルA’(snapshot)


ACFS レプリケーション

• ACFS のネットワーク (Oracle Net) 経由のレプリケーションが可能 (非同期)

• レプリケーションのログを取得/転送/適用し、レプリケーションを実現

• 転送のタイミング - 自動転送：データの更新頻度により不定期

手動転送： acfsutil repl sync コマンドを発行した時

• acfsutil repl コマンドで操作

概要

プライマリ ACFS スタンバイ ACFS

レプリケーション・ログ

① ACFS 上での変更点を記録

② レプリケーション・ログの転送

③ 変更を適用

④ すべての変更を適用すると両サイトのレプリケーション・ログを削除

レプリケーション・ログ

データベース・ファイル

ファイル・システム（ACFS）

ASM

Database Application Database Application

データベース・ファイル

ファイル・システム（ACFS）

ASM Data Guard




• プライマリサイトの障害時はスタンバイサイト側から acfsutil repl terminate

コマンドを実行し、スタンバイサイトを読み書き可能ファイルシステムとして利用

• スタンバイサイトを通常の ACFS として復旧後、レプリケーションを再構築

サイト障害時(クラスタ間レプリケーション構築時)

プライマリ ACFS スタンバイ ACFS

レプリケーション・ログレプリケーション・ログ読み書き可能

terminate !!

プライマリサイトスタンバイサイト


ACFS タギング

• ACFS のファイルにタグを付与

• ディレクトリにまたがってファイルのグルーピングが可能

• acfsutil tag コマンドで操作

• タグ名は下記のASCII 文字を使用可能（最大32文字まで） • a-b

• A-Z

• 0-9

• スペース

• ハイフン

• アンダースコア

概要

ACFS タグでグループ化（ディレクトリをまたがってグループ化）


ACFS セキュリティ

• Oracle Database Vault の枠組みに基づいた設定

– OS のアクセス・コントロールに加え、レルムベースのよりきめ細かいアクセス・コントロールの設定

が可能

• 例) ファイル操作の制限 : ファイルのオープン、作成、削除などの操作毎に設定可能

• 例) 時間帯でのアクセス制御 : 9:00 ～ 17:00 のみアクセス可能

• OS の特権ユーザーとファイルシステム（ACFS）管理者の権限分離

• acfsutil sec コマンドで操作

概要

レルム管理ファイル非保護ファイル

ACFS カーネルモジュール

レルム認証非レルム認証

アプリケーション I/O

カーネル領域

ユーザー領域

OS 認証


ACFS セキュリティ

• レルム : ファイルやディレクトリの仮想的な入れ物

– セキュリティ・フィルター（コマンドルール及びルールセット）を使用し、アクセス定義

– レルムで定義されているユーザやグループに対してアクセス権が付与

• ルールセット : 1 つ以上のルールの集まり

• ルール : システムパラメータに基づいて下記を指定

• 時間、ユーザー、ホスト名、アプリケーション名

• コマンドルール : ファイルシステム上の各オペレーション

• open、 create、 read、 write など

セキュリティ設定

ルールセット: ALLOW、DENY

ルール：TRUE、FALSE

ファイルシステム操作

レルム


ACFS 暗号化

• ACFS 内のデータをファイル単位、ボリューム単位で暗号化が可能

– アプリケーションからは透過的に暗号化・複合化

– 暗号化ファイル、非暗号化ファイルは共存が可能

– Advanced Encryption Standard (AES) をサポート

• 保護対象

– 補助記憶装置の紛失、盗難

– 補助記憶装置へのダイレクトアクセス

• 暗号化のタイミング : ディスクに書き込まれる前

• 複合化のタイミング : ユーザーにデータを返す前

• acfsutil encr コマンドで操作

概要

暗号化ファイル非暗号化ファイル

ACFS カーネルモジュール

暗号化複合化

アプリケーション I/O

カーネル領域

ユーザー領域

読み込み書き込み読み書き


Oracle Culsterware11g R2 新機能 • Grid Plug and Play

• アプリケーション VIP

• Oracle Database QoS 管理

• インターコネクトの冗長構成

• Cluster Health Monitor (CHM)

• Reboot-less Node Fencing


Grid Plug and Play (GPnP)

• ノード追加あるいは削除時の手動操作の排除

• 人的ミスの防止

• より大規模なクラスタの構築が容易に可能

GPnP の構成要素

• Dynamic Host Configuration Protocol （DHCP）のサポート

• Single Client Access Name （SCAN）

• Grid Naming Service （GNS）

ノード固有の設定を排除し、ノード追加・削除の工数が削減されたシステム

pmrac_cluster

pmrac1.us.oracle.com pmrac1-priv.us.oracle.com pmrac1-vip.us.oracle.com





Grid Plug and Play IP アドレスの割り当て

タイプ IP アサイン名前解決

ノード1 パブリック固定 DNS

ノード1 VIP 固定 DNS

ノード1 プライベート固定 DNS

ノード2 パブリック固定 DNS

ノード2 VIP 固定 DNS

ノード2 プライベート固定 DNS

SCAN VIP 1 固定 DNS



タイプ IP アサイン名前解決

GNS VIP 固定 DNS

ノード1 パブリック固定 / DHCP GNS

ノード1 VIP DHCP GNS

ノード1 プライベート固定 / DHCP GNS

ノード2 パブリック固定 / DHCP GNS

ノード2 VIP DHCP GNS

ノード2 プライベート固定 / DHCP GNS

SCAN VIP 1 DHCP GNS

SCAN VIP 2 DHCP GNS

SCAN VIP 3 DHCP GNS

• GNS を構成しない場合

• GNS を構成する場合


アプリケーション用の VIP リソース

RAC RAC

Apache VIP に向けてアクセス

Apache Binary

Action Script

Oracle ACFS 上に、Apache バイナリや

アクション・スクリプトを配置

Oracle ACFS ASM Files

サーバー障害時は、別のサーバーに Apache がフェイルオーバー

Oracle Clusterware ASM

RAC

Apache VIP に対する依存関係を構築

Apache と VIP は必ず同じサーバー上で稼動

Apache

Apache VIP

• アプリケーションが依存する VIP

をアプリケーション VIP として

Oracle Clusterware にリソース登録

• Oracle Clusterware のエージェントによって管理

• appvipcfg スクリプトを使用してアプリケーション VIP を作成

• root ユーザーで実施

• デフォルトのパブリック・ネットワーク上に作成

Oracle Clusterware で Apache を管理する例


アプリケーション VIP の作成と管理

1. root ユーザーで appvipcfg スクリプトを使用してアプリケーション VIP の作成

2. 作成した VIP リソースを起動

3. リソースの確認

# <Grid_home>/bin/appvipcfg create -network=1 -ip=172.16.0.51 -vipname=appvip -user=root

アプリケーションVIP の追加ボタンをクリック

アプリケーション VIP の

・名前

・ネットワーク番号

・IP アドレス

・プライマリユーザー

の情報を指定

# <Grid_home>/bin/crsctl start res appvip

$ crsctl stat res -t -w "NAME = appvip"

----------------------------------------------------------------

NAME TARGET STATE SERVER STATE_DETAILS

----------------------------------------------------------------

Cluster Resources

----------------------------------------------------------------

appvip

1 ONLINE ONLINE node01

$


Oracle Database QoS 管理

• Oracle Database QoS 管理（サービスのクオリティ管理）

• 目標を設定し、達成状況に応じたリソースの配置を実現 – データベース・リソース管理

•サーバー・プールの調整（サーバーの移動）をアドバイス（推奨を提示）

• リソース・マネージャによるリソース調整をアドバイス

– メモリ管理

• メモリ枯渇時に既存セッションの保護のため、新規接続を制御

– 可用性管理

•サーバー・ダウン時に、他のサーバーにサービスを移動

概要


Oracle Database QoS 管理

• サーバー・プールによるサーバー・リソース管理

• ポリシー管理の RAC データベースのワークロードを監視、管理

• リソース・マネージャを内部的に使用

• Cluster Health Monitor (CHM) と連携し、メモリの使用状況に応じたサービスの起動管理

• ora.oc4j リソースとして Oracle Clusterware が管理

• Enterprise Manager で構成および管理

• 11.2.0.2 では Oracle Exadata Database Machine で利用可能

– 11.2.0.3 では、Exadata 環境以外でも一部の機能を利用可能

実装


Oracle Database QoS 管理の運用サイクル

ポリシーベースアーキテクチャ

実装と制御

QoS の構成と有効化

評価とレポート

解析と推奨事項の提示

分類と計測

EM を使用して運用


インターコネクトの冗長構成

• Oracle Clusterware によるインターコネクトの冗長構成が11.2.0.2 より利用可能

• プライベート・ネットワーク用 NIC 障害時(インターコネクト障害時)の再起動の防止

• OUI にてインストール時に設定可能

• ora.cluster_interconnect.haip リソース(内部リソース)で管理

• 高可用性 IP (HAIP) を使用

• gpicd デーモンによってネットワーク・インターフェースを監視

• ロード・バランシングも提供

• HAIP としてリンクローカルアドレス (169.254 で始まる IP アドレス) を使用

• 最大 4 つのネットワークを使用可能

• 特別な H/W、OS の設定は不要

• HAIP 構成時にマルチキャストまたはブロードキャスト(11.2.0.3) を使用



• 設定は、インストール時に OUI から実施

OUI による設定

インターフェース・タイプとしてプライベートを選択


HAIP 割り当て時の動作(マルチキャスト通信)

マルチキャストアドレス

230.0.1.0:42424

マルチキャストアドレス

230.0.1.0:42424

node2 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.12

eth2: 192.168.1.22

node1 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.11

eth2: 192.168.1.21

• クラスタウェアの起動時にマルチキャストアドレス 230.0.1.0 (ポート番号 42424) に向けてパケット送信

• マルチキャストアドレス 230.0.1.0:42424 には、プライベートネットワーク用のNIC で受け取られるようにクラスタウェア側で設定

• 以下はプライベート・ネットワーク用のインターフェースとして eth1 と eth2 を設定している場合で、node1

が起動している状態で node2 が起動してクラスタにジョインする際のパケットの例



node2 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.12

eth1:1 169.254.169.230

HAIP

eth2: 192.168.1.22

eth2:1 169.254.94.159

HAIP

node1 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.11

eth1:1 169.254.148.228

HAIP

eth2: 192.168.1.21

eth2:1 169.254.75.98

HAIP

• HAIP は[169.254.0.0 ～ 169.254.255.255] の中でランダムに自動で重複しないように割り振られる

• HAIP は ASM、DB インスタンスのインターコネクト用の通信に使用されるよう自動で設定される

• Windows プラットフォームには未対応

HAIP



• Oracle Clusterware の監視対象であるため、障害の発生と復旧を自動で検出

• HAIP が自ノード内のプライベート・ネットワーク用 NIC 間を移動

障害発生時と復旧時の動作

node2 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.12

eth1:1 169.254.169.230

HAIP

eth2: 192.168.1.22

eth2:1 169.254.94.159

HAIP

node1 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.11

eth1:1 169.254.148.228

HAIP

eth2: 192.168.1.21

eth2:1 169.254.75.98

HAIP

node2 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.12

eth1:1 169.254.169.230

HAIP

eth2: 192.168.1.22

eth2:1 169.254.94.159

eth2:2 169.254.169.230

HAIP

node1 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.11

eth1:1 169.254.148.228

HAIP

eth2: 192.168.1.21

eth2:1 169.254.75.98

eth2:2 169.254.148.228

HAIP

node2 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.12

eth1:1 169.254.169.230

HAIP

eth2: 10.1.1.22

eth2:1 169.254.94.159

eth2:1 169.254.169.230

HAIP

node1 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.11

eth1:1 169.254.148.228

HAIP

eth2: 10.1.1.21

eth2:1 169.254.75.98

eth2:2 169.254.148.228

HAIP

node2 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.12

eth1:1 169.254.169.230

HAIP

eth2: 192.168.1.22

eth2:1 169.254.94.159

HAIP

node1 eth1

eth2

eth1: 10.1.1.11

eth1:1 169.254.148.228

HAIP

eth2: 192.168.1.21

eth2:1 169.254.75.98

HAIP


Cluster Health Monitor (CHM)

• RAC 環境の障害診断のためのツール

– ノード排除、ハング、RAC 環境に固有の問題かどうかの切り分け

• システムメトリックとデータの採取

– OS レイヤーでの情報取得

– リアルタイム監視

– 障害発生時の OS リソース消費の再現

• 深刻な障害の発生前に問題要因と成り得る要素の特定

• Oracle Grid Infrastructure に統合

– 11.2.0.2 では Linux、Solaris プラットフォーム

– 11.2.0.3 では Linux、Solaris、AIX、Windows プラットフォーム

RAC 環境の監視・診断ツール


Cluster Health Monitor

• System Monitor Service （osysmond.bin） – クラスタの全ノードで稼働し、OS 情報を取得

• システム、プロセス、ディスク、ネットワーク、ファイルシステムなど

• 11.2.0.2 では 1秒間隔で取得

• 11.2.0.3 では 5秒間隔で取得

• Cluster Logger Service （ologgerd） – System Monitor Service が取得した情報をリポジトリに記録

– クラスタの 1ノードでマスターが稼働し、他の 1ノードでレプリカ

（スタンバイ）が稼働する HA 構成

関連プロセス



• CHM リポジトリ

– Oracle Berkeley DB （BDB）をリポジトリ・データベースとして利用

– デフォルトでは Grid Infrastructure ホーム配下に設定（1GB 程度）

• <GRID_HOME>/crf/db/<HOSTNAME>

– 配置場所やサイズの変更が可能

•共有ファイルシステム上に配置することも可能

– 初期設定で利用した場合の取得データ量の目安

• 11.2.0.2 では 1ノードにつき、1日あたり 0.5 GB 程度

• 11.2.0.3 では 1ノードにつき、1日あたり 0.2 GB に満たない程度

関連ファイル



• oclumon コマンド

– CHM により収集された情報の管理に使用するツール

oclumon debug （CHM のログレベルを設定）

oclumon dumpnodeview （取得している情報を確認）

oclumon manage （ログ情報を取得）

oclumon version （バージョン情報を取得）

• GUI ツール

– 11.2.0.2 / 11.2.0.3 に対応した GUI ツールを OTN より提供 http://www.oracle.com/technetwork/database/clustering/downloads/ipd-download-homepage-087212.html

情報取得方法

http://www.oracle.com/technetwork/database/clustering/downloads/ipd-download-homepage-087212.html








• Cluster Synchronization Services （CSS）による障害検知

– ネットワーク障害などに起因するスプリット・ブレインの発生を防ぐため、Oracle Clusterware はノード排除によるクラスタの整合性を確保

• インターコネクト障害

•投票ディスクの障害

– 障害を検知すると CSS をアボート

させることにより、ノード再起動を

実施

Oracle Clusterware によるクラスタ整合性の確保

CSS による障害検知

インターコネクト障害

インターコネクト

投票ディスク

投票ディスクのアクセス障害


Reboot-less Node Fencing

• 従来は、スプリット・ブレイン状態を早期に解消するために障害を検知した段階で障害ノードに対して reboot を行うように指示

• 11.2.0.2 以降では、ノード再起動を発生させずに対処するように実装

– Oracle Clusterware によって管理されていないアプリを実行中に、ノード再起動によって、それらのアプリが強制的に停止されてしまうことを防ぐ目的

概要

Reboot-less Node Fencing の実装

Fencing （フェンシング） : クラスタから、1つあるいは複数のノードを排除すること


Reboot-less Node Fencing

• Reboot-less Node Fencing による対処の流れ

クラスタから排除する対象となるノード上で稼働するすべてのリソースを停止

• I/O を発行しているプロセスを kill し、すべてのリソースを停止

排除対象ノードでの Oracle Clusterware の停止

• restart flag を使用して、CRS スタックをすべて停止

正常停止した Oracle Clusterware の再起動

• Oracle High Availability Services Daemon （OHASD）による再起動

対処の流れ

障害発生


まとめ


サーバー・プール Free

重要度: 高重要度: 中重要度: 低

Oracle Clusterware

SCAN

統合汎用 DB 1

社内サービス

開発環境 DB 統合汎用 DB 2 RAC One

販売サービス

在庫サービス事業別サービス

App Team A

App Team B

Service

Service

App Binary

Script / log file

Oracle ACFS ASM Files

Oracle Automatic Storage Management

Oracle Database 11g Release 2 で実現する統合システム基盤


まとめ

• リソースの物理的な所在を意識せずにサービスとして利用可能

• 統合システム基盤構築による運用の標準化、コスト削減の促進

• 複数データベースを単一クラスタに統合し、全体最適化

• RAC One Node による小規模データベースの集約

• 今後のデータセンターでは、ビジネス要件の変化に迅速に対応できる柔軟なインフラストラクチャが重要

クラウド時代に向けたデータセンターに最適なプラットフォーム

= Oracle Grid Infrastructure


Q&A


ご質問・ご相談はOpenWorld終了後もお受けしております

0120-155-096 （平日9:00-12:00 / 13:00-18:00）

http://www.oracle.com/jp/direct/index.html

各種無償支援サービスもございます。

Oracle Direct 検索

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http://www.oracle.com/jp/direct/index.html


Appendix


Appendix Oracle Database 11g Release 2 技術資料

• OTN より、Oracle Database 11g Release 2 の技術解説資料を公開中

– 11.2.0.1 をはじめ、PSR 11.2.0.2 や最新の PSR 11.2.0.3 の資料も掲載

http://www.oracle.com/technetwork/jp/database/enterprise-edition/technical/index.html





Appendix RAC on VirtualBox 構築ガイド

• Oracle VM VirtualBox を用いた Oracle RAC 11g Release 2 環境の構築手順書を OTN で公開中

http://www.oracle.com/technetwork/jp/database/clusterin

g/overview/raconvbox-db11203onol5u7-1515704-ja.pdf

http://www.oracle.com/technetwork/jp/database/clustering/overview/raconvbox-db11203onol5u7-1515704-ja.pdf









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