柏崎振興局講演 h24.1.30 [互換モード]...県内の先進事例その1...

近藤信（中小企業診断士・税理士）

「儲けて」「続けて」「残せる」農業経営

～そのポイントと具体的事例～

はじめに ① 成功している農業経営者の考え方に共通するものとは

仕事に対する志と健全な価値観があり、未来投資費である「利益」を出し、経営として成立させている

自分のお客様を作ること

価値のある商品を売ること

堅実に投資すること

人材ではなく人財教育を継続的に行うこと

組織を形成すること

出典：澤浦彰治「小さく初めて農業で利益を出し続ける７つのルール」

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はじめに ② 成功への身近なヒント！

農業生産法人の「黒字企業の共通点」ヒト・・・「権限と責任をもったリーダーと跡継ぎ」が組織

にいること！つまり、「集落のコンセンサス形成」が徹底されていて、「再委託方式」を採っていないこと！

モノ・・・ハコモノよりもウリモノを持っていること！つまり、付加価値の高い作物・商品を扱っていること

カネ・・・データ管理がタイムリーになされていること！つまり、身の丈をしっかり見つめ管理していること！→無茶な投資は破綻の序曲→「1.2の法則」

ノウハウ・・・コメに固執していないこと！つまり、農業は第６次産業であると認識し複合経営を実践しリスク分散していること


はじめに ③

生き残る農家に必要な「２つの能力」とは？

①「販売能力」（モノを売る能力）

→利益の出ている農業経営者は何が違うのか？

②「経営管理能力」（会社を切り盛りする能力）

→ハードよりソフトな経営資源を充実させよ！

お上が悪い？景気が悪い？地域が悪い？天気が悪い？・・・じゃ話にならない！

→事業は自己責任！市場原理に身を委ね環境適応せよ！

コストダウンは、絶対額の減少だけでなく、増収増益で実現するくらいの気概を持とう！


はじめに ④

どうして第６次産業化が必要なのか？


ヒトの管理編

組織の成長度合いに合わせた管理をしよう

農業の成功とは・・・「本業として農業を行い、家庭を持ち、家を持つことができる。そして子供を育て、その子供も農業に就く」ことである。

「権限と責任をもったリーダー」はいるか？

⇒どうして、必要なのか？

家族以外の専従者は３人いるか？

⇒生産・加工・販売に責任者を！

人事考課は、「透明度」と「説得力」がポイント！

跡継ぎや次世代のスタッフには、目標管理を！

組織の成長度合いによって経営を変える⇒環境適応


モノ（売りモノ）の管理編

「マーケット・イン」という考え方を徹底せよ！

売れないものはいくら作っても意味がない・・・

本来は、「作れば売れる」ということ自体がおかしいのではないか？

「売れるものを売れるだけ作る」という考え方

メーカーは本来「受注生産」が基本だが・・・

売れるものを作るには・・・複合化と垂直統合

贅沢品を買う人⇒高くてもイイ品を買う時

安物を買う人⇒安くていい時


モノ（ハコモノ）の管理編

設備は、身の丈をわきまえたうえで購入しよう！

借入金で設備を導入する際の留意点とは？

借入金はだれが返済するのか？

身の丈とは・・・

年間の返済可能額（≒ ）

総資本回転率

を把握した上の投資であること

農地は買うな！借りろ！

農業機械のメンテナンスを徹底することで修繕費が激減する


カネの管理編①

農業は「値段のつけ方」が全てです！

適正価格（生業として成り立つ金額）

＝生産原価(肥料・苗代・人件費・その他経費)

＋生存費用（内部留保・投資費用）

（孫の代まで農業を続けるための費用）

→無茶な低価格・高価格戦略は避け、品質と同様に「価格の一等米」を生産することを心掛けよう！

★良品の価格は、「１．３倍」まで許容される！？

⇒直販所のおかあさんとある税理士のお話に何を思う？


カネの管理編②

すべては「現状認識」から始まる！

「適時性」と「正確性」のある会計ｼｽﾃﾑを構築せよ！

月次決算は、会社の業績管理（体調）の要

「季節はずれの試算表」では何も判断できない！

「税金計算」と「会計」は目的がまったく違うぞ！


カネの管理編③

「現状把握」と「迅速な対応」を習慣化せよ！

月次試算表は必ず翌月初旬に集計完了せよ！

数字を読めない社長は退場せよ！

適正な価格設定を徹底せよ！

単位当たりのコストを把握せよ！

補助金は、「すべて内部留保」するくらいの経営を目指せ！

利益を出すことに何よりもこだわること！

短期の資金繰りと長期の資金繰りを頭に入れよ！


カネの管理編④ 月次試算表と決算書の数字をそのまま生産管理データとして活用せよ！

「作業日報」は一時間単位で必ず作成！

複合経営の場合は、作物別に部門別で！

作業委託費や地代は、単位当たりの金額で比較せよ！

年間必要キャッシュフローと年間返済額をしっかり記憶せよ！


カネの管理編⑤ 黒字農業生産法人は、「粗利益」「総資本回転率」と「利益の源泉」が違うぜ！


カネの管理編⑥ コスト分析・削減云々と言う前に「正しいコスト把握」がなされていますか？

この数字が決算書の「製造原価報告書」と一致していること！


ノウハウ管理編① 増収増益のために・・・環境変化に慌てる前に実行すべき事とは！？

自分の製品の適正価格を検証・把握せよ！→販売価格と生産ｺｽﾄのﾐｽﾏｯﾁを解消せよ！

自分の製品の総合的販売を徹底せよ！

①用途別品種の開発・販売（第６次産業化）

②加工・包装・ブランド化・ＧＡＰで付加価値をつける

③売れる商品には、「透明性」と３つの「○×志向」

「地産地消」＋「地産地商」そして「知産知消」を！

→地元のお客様には３種類ある

直販所のお客様・地元の業務需要・地元出身者


ノウハウ管理編② 経営資源別に先進農業者の手法を考えよう！


ノウハウ管理編③ 他業種並みのＰＤＣＡサイクルを実践せよ！


総合編①

農業経営の本質とは？

農業は「ものづくり」≒再生産し、継続することが目的

個人所得が３００万円、年間借金返済額２００万円で生活できるの！？

６５歳で２０年償還の借入金！誰が返済するのか？

外部環境に振り回されてもビクともしない経営とは！？→「価格」にこだわり「リスク」に備えよ！

補助金受給のノウハウ（補助金は重要な収入源だが）よりも大切なこととは！？→収益性の高い作物とは！？

ある程度の規模は必要である！20ha・専従３名！

農業の活性化は・・・集落・新潟県・わが国の活性化に直結している！→TPP参加！？・・・輸出へ向かう！？


総合編②

数字が示す「未来志向の法人形態」とは？


総合編③ 地域のため、集落のためを考えれば・・・どちらの方式！？税務調査に注意せよ！

農業生産法人

ＡさんＢさんＣさん

ＪＡほか消費者

給与

農業生産法人

ＡさんＢさんＣさん

ＪＡほか消費者

外注費

総合編⑤

農事組合法人のメリット・デメリットとは？

農事組合法人のメリット・デメリットを考えると、農業の置かれている状況が見えてくる！？

自分の組織の現状を把握した上の組織選択か？

農協が組合だから農事組合法人がいいという戯言

税務上、通達まで出ている組織形態

意思決定は、合意か迅速か？リーダーシップは発揮しやすいの？

出資１００万円の人と１０万円の人は平等か？

土地の集積がしやすいというけれど・・・


総合編⑥

改正農地法の概要とその効果・影響とは？

Ｈ21.12.15施行基本理念を「所有」→「利用」へ

貸借規制の緩和による農地利用者の確保・拡大（貸付区域の限定が解除されるため、企業の農業参入が増加！？）

集落営農の法人形態の自由化と法人化要件の緩和（農地非所有法人も補助金の対象に、構成員要件と役員要件が緩和された）

遊休農地対策の強化（無縁農地への利用権設定が可能となった）

農地の相続税納税猶予制度の見直し（農業経営基盤強化促進法に基づいて貸し付けられている農地に限定）


県内の先進事例その１

首都圏への積極的営業と作業受託で拡大

組織形態株式会社

耕作面積 65町歩

従業員数 8人（営業専任2名、耕作担当6名、期間雇用多数）

売上高（補助金含まず）：190,000千円資本金：18,000千円

販売品目米・もち・ねぎ・作業受託

主販売先首都圏スーパー、個人客

コメ１㎏あたりのコスト 280円

その他（こだわり等）

・当初は、助成金に頼らない経営を志向していた

・社長を先頭に営業力には定評がある

・コスト管理を徹底し価格に反映するようになり利益が出た


県内の先進事例その２

手堅く、組織をまとめ、未来志向で・・・

組織形態農事組合法人


従業員数 3人（営業兼務1名、耕作担当2名、期間雇用多数）


販売品目米・大豆・おくら・梅・作業受託

主販売先首都圏スーパー、個人客、ＪＡ

コメ１㎏あたりの単価：350～400円コスト：260円


・実態は、株式会社（会社方式）で運営されている

・代表者の長男が引き継ぐ予定である

・計数管理が厳格でコスト計算も自社ですべて行える


県内の先進事例その３

一戸一法人のメリットとは？

組織形態株式会社


従業員数 3人（営業兼務1名、耕作担当2名、期間雇用多数）


販売品目米・大豆・作業受託

主販売先個人客、ＪＡ

コメ１㎏あたりの単価：230～500円コスト：242円


・高品質高単価米に特化し、ターゲットを絞り込んだ！

・一戸一法人だから迅速にできることもある

・固定費をかけずに手取りを最大限に！


農業も立派な商売、商売は・・・「儲けて」「続けて」「残して」なんぼ！

国が地域が何かしてくれると考えず、自社が農業を通じて国と地域にいかに役割を果たすことができるか！←この意識をもっているか！？

「産地間・集落間競争の時代」に「白兵戦」は通用しない！一人では何もできない

「安くても売れないもの」は売れない！こだわりを持とう！


ご静聴ありがとうございました。

課題解決型経営相談・業種別専門支援・経営再建支援・成長志向型企業支援のこだわりのある事務所です！

中小企業診断士・税理士近藤信〒951-8126 新潟市中央区学校町通二番町５２９３番地学校町ビルTEL 025-210-3009 FAX 025-210-3008e-mail [email protected]://charisma-z.com ←new 「近藤まこと」で検索！※お気軽にご相談ください。Copyright(C)2012 Makoto Kondo Tax Office All rights reserved.

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