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化学基礎 ◆本書の使い方◆ 本書は,化学基礎で学習する内容を 11 単元に分け,まとめのページ,基本確認,実戦問題演 習の三部で構成されている。また,各章の最後には章末問題,最後の単元にまとめとして総合問 題を設けている。 まとめのページ:センター試験に臨むにあたり,必要な基本的知識をまとめた。 まずは,このページを利用して基礎知識のインプットに努め,漏れがないか確 認してもらいたい。重要な用語は で囲んだ。 認:まとめのページで基礎知識を確認した後,それが身についているかを確かめ, 定着をはかるために利用してほしい。目で追うだけでなく,実際に書きながら 解いてみて,何も見ずに正解できるようになれば,知識事項については,セン ター試験に必要な内容は十分である。なお,計算問題を含む単元については, 基本例題と類題を設けてあるので,こちらも漏れなく解けるようにしておいて ほしい。 実戦問題演習 :過去に実施されたセンター試験の問題の中から,重要と思われる問題を選んで 掲載した。覚えるべき内容が身についたら,実際に問題に取り組みながら,知 識のアウトプットに慣れていくこと。問題にはある程度パターンがあり,問題 を解くスピードを上げるためには,問題数をこなすことが不可欠である。 間違えた問題はチェックしておき,本書を一通り解き終えた後に見直しておくと,より効率よ く学習を進めることができる。センター試験本番では高得点を狙えるよう頑張って欲しい。 第1章 物質の構成と化学結合 物質の構成 2 原子の構造と元素の周期律 8 粒子の結合 16 章末問題 22 第2章 物質の変化物質量 24 溶液の濃度 30 化学反応式 34 章末問題 40 第3章 物質の変化酸と塩基 42 中和反応 48 中和滴定 54 10 酸化と還元 62 11 金属のイオン化傾向と電池 70 章末問題 74 化学基礎のまとめ 12 総合問題 76

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  • 化学基礎

    ◆本書の使い方◆

    本書は,化学基礎で学習する内容を 11 単元に分け,まとめのページ,基本確認,実戦問題演

    習の三部で構成されている。また,各章の最後には章末問題,最後の単元にまとめとして総合問

    題を設けている。

    まとめのページ:センター試験に臨むにあたり,必要な基本的知識をまとめた。

    まずは,このページを利用して基礎知識のインプットに努め,漏れがないか確

    認してもらいたい。重要な用語は で囲んだ。

    基 本 確 認:まとめのページで基礎知識を確認した後,それが身についているかを確かめ,

    定着をはかるために利用してほしい。目で追うだけでなく,実際に書きながら

    解いてみて,何も見ずに正解できるようになれば,知識事項については,セン

    ター試験に必要な内容は十分である。なお,計算問題を含む単元については,

    基本例題と類題を設けてあるので,こちらも漏れなく解けるようにしておいて

    ほしい。

    実戦問題演習:過去に実施されたセンター試験の問題の中から,重要と思われる問題を選んで

    掲載した。覚えるべき内容が身についたら,実際に問題に取り組みながら,知

    識のアウトプットに慣れていくこと。問題にはある程度パターンがあり,問題

    を解くスピードを上げるためには,問題数をこなすことが不可欠である。

    間違えた問題はチェックしておき,本書を一通り解き終えた後に見直しておくと,より効率よ

    く学習を進めることができる。センター試験本番では高得点を狙えるよう頑張って欲しい。

    ◆ も く じ ◆

    第1章 物質の構成と化学結合

    1 物質の構成 2

    2 原子の構造と元素の周期律 8

    3 粒子の結合 16

    章末問題 22

    第2章 物質の変化Ⅰ

    4 物質量 24

    5 溶液の濃度 30

    6 化学反応式 34

    章末問題 40

    第3章 物質の変化Ⅱ

    7 酸と塩基 42

    8 中和反応 48

    9 中和滴定 54

    10 酸化と還元 62

    11 金属のイオン化傾向と電池 70

    章末問題 74

    化学基礎のまとめ

    12 総合問題 76

  • 2

    第1章 物質の構成と化学結合

    物質の構成

    ・ 物質 混合物 …二種類以上の物質が混ざりあったもの(海水,空気,岩石など)

    純物質 …他の物質が混ざっていない物質(純水,食塩,酸素,窒素など)

    化合物 …二種類以上の元素からなる(H2O,CO2など)

    単体 …ただ一種類の元素からなる(Cl2,O2,Arなど)

    ⑴ ろ過 …水などの液体に溶けるものと溶けないものを分離。

    例)塩化ナトリウムと砂の混合物から砂を分離

    ⑵ 蒸留 …液体を加熱して気化した後再び液化し,蒸発しやすい成分としにくい成分を分離。

    例)食塩水から純水を分離

    ⑶ 分留(分別蒸留) …沸点の違いを利用して液体成分を分離。

    例)石油からガソリン(ナフサ)を分離

    ⑷ 昇華 …固体が直接気体になる状態変化を利用し,純粋な物質を分離。

    例)不純物として塩化ナトリウムを含むヨウ素を加熱し,ヨウ素だけ昇華させて分離

    ⑸ 抽出 …混合物に特定の溶媒を加えて目的物質のみを溶かし出すことにより分離。

    例)ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液にヘキサンを加えることにより水に溶けやすいヨウ素が

    ヘキサンに移り分離

    例)乾燥させた紅茶の葉から香りと味などの成分を熱湯に抽出したものが紅茶

    ⑹ 再結晶…温度による物質の溶解度の違いを利用し、固体に含まれる不純物を除去。

    例)不純物として塩化ナトリウムを含む硝酸カリウムから硝酸カリウムを分離

    ⑺ クロマトグラフィー…ろ紙や吸着剤に吸着される強さ(移動速度)の差を利用し各成分に分離

    例)色素の混合物をろ紙につけ,ろ紙の下端をアルコールなどの溶媒(展開液)に浸すと,

    溶媒が上昇するのに伴って色素が異なる位置に分離。

    1 物質の分類

    2 混合物の分離

  • 1 物質の構成 3

    ⑴ 原子 …物質を構成している基本的な粒子。

    ⑵ 元素 …原子の種類であり,化合物や単体を構成する基本的成分。 元素記号 で表される。

    ⑶ 同素体…同じ元素からできているが性質の異なる単体。同素体をもつ代表的な元素は SCOPス コ ッ プ

    ◆同素体の例

    S(硫黄)…斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄 など, C(炭素)…黒鉛,ダイヤモンド,フラーレン など

    O(酸素)…酸素,オゾン など, P(リン)…黄リン,赤リン など

    ⑴ 沈澱反応

    ・ 炭素 C…二酸化炭素 CO2に変えた後,水酸化カルシウム水溶液(石灰水)に通じると 白濁

    ・ 塩素 Cl…硝酸銀水溶液を加えると 白色沈殿

    ⑵ 炎色反応 …白金線の先に金属元素の水溶液をつけバーナーの外炎に入れると,炎の中でその

    元素特有の色を示す。

    ◆炎色反応の覚え方

    Li(赤) Na(黄) K(赤紫) Cu(青緑) Ca(橙赤) Sr(紅) Ba(黄緑)

    ⑴ 物質の三態…温度や圧力によって,物質の気体・液体・固体の状態が変化すること

    ⑵ 状態変化 …物質の三態間の変化をいい,分子の集合状態や運動状態が変化するために起こる

    ⑶ 物理変化 …物質の三態間の変化のように,物質そのものは変化せず,状態だけが変わる変化

    ⑷ 化学変化 …物質の種類が変わる変化。化学反応ともいう。

    例)水素が燃焼して水ができる( 化合 )

    水に電圧を加えることにより,水素と酸素が生じる( 分解 )。

    ⑴ 熱運動 …物質の状態に関係なく,物質を構成する粒子が常に行っている不規則な運動。

    温度が高くなると熱運動はより激しくなる。

    ⑵ 拡散 …粒子が熱運動により自然に散らばり,広がっていく現象。

    ⑶ 絶対温度…粒子の熱運動が停止する下限の温度( 絶対零度 ,-273℃)を原点とする温度。単

    位にはK(ケルビン)を用い,絶対温度 T〔K〕とセルシウス温度 t〔℃〕の間には次の関係がある。

    T=t+273

    3 原子と元素

    4 成分元素の検出

    5 物質の三態

    6 熱運動と絶対温度

    気体 分子間の距離:大 分子間の引力: ほとんどはたらかない 分子の運動:熱運動によって飛びまわる

    固体 分子間の距離:小 分子間の引力:

    はたらく 分子の運動:熱運動により振動(相互の位置は変わらず)

    液体 分子間の距離:小 分子間の引力:

    はたらく 分子の運動:熱運動により相互の位置が変化

  • 4 第1章 物質の構成と化学結合

    ( 1 ) (ア: 塩酸 ・ 水酸化ナトリウム ) は混合物である。

    ( 2 ) (イ: 塩酸 ・ 水酸化ナトリウム ) は純物質である。

    ( 3 ) (ウ: 酸素 ・ 二酸化炭素 ) は化合物である。

    ( 4 ) (エ: 酸素 ・ 二酸化炭素 ) は単体である。

    ( 5 ) 砂糖と砂の混合物から砂を分離する方法は( オ )である。

    ( 6 ) (オ) の際に用いられる,溶液を流し入れる逆三角形の実験器具を( カ )という。

    ( 7 ) 液体空気から窒素を分離する方法は( キ )である。

    ( 8 ) 塩化ナトリウムと硝酸カリウムの混合物から硝酸カリウムを分離する方法は( ク )である。

    ( 9 ) 食塩水から純水を分離する方法は( ケ )である。

    (10) ( ケ ) の際に冷却に用いられる実験器具の名前は( コ )である。

    (11) (コ)において,水を流す向きは(サ: 上から下 ・ 下から上 )である。

    (12) 化合物や単体を構成する基本成分を( シ )といい,(シ)を表すには,( ス )を用いる。

    (13) 同じ元素からできているが性質の異なる単体を( セ )という。

    (14) 硫黄の(セ)には( ソ )硫黄や( タ )硫黄や( チ )硫黄などがある。

    (15) 酸素の(セ)には( ツ )や( テ )などがある。

    (16) リンの(セ)には( ト )リンや( ナ )リンなどがある。

    (17) 炭素の(セ)には,物質の中で最も硬いとされる( ニ ),鉛筆の芯に使われる( ヌ ),サッ

    カーボールのような形をした( ネ )などがある。

    (18) ( ノ ) を含む物質を燃焼したのち,燃焼によってできた気体を水酸化カルシウム水溶液に加

    えると,( ハ )色の( ヒ )を生じる。

    (19) 塩素を含む物質の水溶液に( フ )水溶液を加えると,白色の沈殿を生じる。

    (20) 水溶液を白金線につけ,ガスバーナーの外炎に入れると,炎の色が変化する場合がある。この

    反応を( ヘ )反応という。

    (21) 銅の(ヘ)反応の色は( ホ )色である。

    (22) ナトリウムの(ヘ)反応の色は( マ )色である。

    (23) リチウムの(ヘ)反応の色は( ミ )色である。

    (24) (ヘ)反応の色が紅(深赤)色を示したとき,溶液中には( ム )が含まれている。

    (25) 液体の水が氷になるとき,この変化を( メ )という。

    (26) 固体の物質が直接気体になる現象を( モ )という。

    (27) 水が氷になる変化は(ヤ: 物理変化 ・ 化学変化 )である。

    (28) 水素を燃焼させると水ができる。このような化学変化を( ユ )という。

    (29) 純物質では,融点と( ヨ )は同じ温度である。

    (30) 絶対温度 T[K]とセルシウス温度 t[℃]との間には,T = t +( ラ ) の関係がある。

  • 1 物質の構成 5

    実 戦 問 題 演 習

    1. 混合物であるものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 硫酸マグネシウム ② 塩酸 ③ 水 ④ ショ糖(スクロース) ⑤ メタン

    2. 純物質であるものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① ショ糖(スクロース) ② 空気 ③ 石油 ④ 海水 ⑤ 食酢

    3. 純物質であるものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 天然ガス ② ドライアイス ③ 食塩水 ④ 血液 ⑤ 灯油

    4. 純物質の組合せとして正しいものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 塩化ナトリウムと空気 ② 塩化ナトリウムとナトリウム ③ 海水と空気

    ④ 海水と炭酸水 ⑤ 二酸化炭素と炭酸水

    5. 化合物であるものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① オゾン ② 黒鉛(グラファイト) ③ ヨウ素 ④ 水 ⑤ 金

    6. 単体であるものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 硫酸 ② エタン ③ アンモニア ④ ダイヤモンド ⑤ ベンゼン

    7. 単体でないものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 鉄 ② 水銀 ③ アルゴン ④ 黒鉛(グラファイト) ⑤ メタン

    8. 海水から水を得るための操作として適切なものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 電気分解 ② 昇華 ③ 再結晶 ④ 抽出 ⑤ 蒸留

    9. 液体の混合物を各成分に分けるのに最も適切な操作を,次の①~④のうちから一つ選べ。

    ① 分留(蒸留) ② 昇華 ③ 再結晶 ④ ろ過

    10. 物質の分離に関する記述として誤りを含むものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

    ① 大だ い

    豆ず

    中の油脂は,ヘキサンを用いて抽出することができる。

    ② 窒素と酸素は,沸点の違いにより分離することができる。

    ③ 油性フェルトペン(サインペンなど)の色素成分は,シリカゲルに対する吸着力の違いにより

    相互に分けることができる。

    ④ ヨウ化カリウムは,塩化ナトリウムとの混合物から昇華によって分離することができる。

  • 6 第1章 物質の構成と化学結合

    11. 物質の分離・精製法に関する記述として不適切なものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① ヨウ素とヨウ化カリウムの混合物から,昇華を利用してヨウ素を取り出す。

    ② 食塩水を電気分解して,塩化ナトリウムを取り出す。

    ③ 液体空気を分留して,酸素と窒素をそれぞれ取り出す。

    ④ インクに含まれる複数の色素を,クロマトグラフィーによりそれぞれ分離する。

    ⑤ 大豆中の油脂を,ヘキサンなどの有機溶媒で抽出して取り出す。

    12. 少量の塩化カリウムKClと酸化アルミニウム Al2O3が混入したミョウバン AlK(SO4)2・12H2O

    を,次の操作ア・イによって精製した。この操作に関する以下の問いA・Bに答えよ。

    操作ア

    不純物を含むミョウバンを熱水に溶解し,不溶性の酸化アルミニウムをろ過して除いた。

    操作イ

    操作アで得られたろ液を冷却し,析出したミョウバンの結晶をとり出した。

    A 操作アのろ過の方法として最も適当なものを,次の図①~⑤のうちから一つ選べ。ただし,

    図ではろうと台などを省略している。

    B 前の操作イで得られた結晶に塩化カリウムが含まれていないことを確かめるために,この結

    晶の一部を水に溶解した水溶液を用いて実験を行った。塩化カリウムが含まれていないことを

    示しているものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 水溶液の炎色反応が赤紫色を示した。

    ② 水溶液は赤色リトマス紙を青色に変えなかった。

    ③ 水溶液に塩化バリウム水溶液を加えると,沈殿が生じた。

    ④ 水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えると,沈殿が生じた。

    ⑤ 水溶液に硝酸銀水溶液を数滴加えても,沈殿が生じなかった。

    13. 互いに同素体でないものを選び,番号で答えよ。

    ① 黒鉛(グラファイト)とダイヤモンド ② 酸素とオゾン ③ 鉛と亜鉛

    ④ 黄リンと赤リン ⑤ 斜方硫黄と単斜硫黄

  • 1 物質の構成 7

    14. 次の操作ア~ウによって海水から食塩を取り出す。それぞれの操作法の名称の組合せとして,

    最も適当なものを,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ア 汲んできた海水から固形物を取り除く。

    イ 海水を天日にさらし,乾かして粗塩を取り出す。

    ウ 粗塩を水に溶かし,濃縮し,純度の高い食塩を取り出す。

    15. 身の回りに見られる現象に関する記述a~cについて,それぞれと関係の深い語の組合せを一

    つ選び,番号で答えよ。

    a 紅茶の葉を熱湯に浸すと,葉に含まれる成分がお湯に溶けだしてくる。

    b タンスの中の防虫剤が自然に小さくなる。

    c 夏に氷水を入れたコップの外側に水滴がつく。

    16. 物質の三態に関する記述として不適切なものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 固体・液体・気体のうち,粒子の熱運動エネルギーの最も大きいのは気体である。

    ② 同じ純粋な物質では,融点と凝固点は等しい。

    ③ 液体が気体に変化するとき,熱を発生する。

    ④ 純物質が状態変化をしている間,温度は一定である。

    ⑤ 気体には,分子間力はほとんどはたらかない。

    ア イ ウ

    ① 蒸 留 再結晶 蒸 発

    ② 蒸 発 蒸 留 再結晶

    ③ ろ 過 蒸 発 蒸 留

    ④ 蒸 発 再結晶 蒸 留

    ⑤ ろ 過 蒸 発 再結晶

    a b c

    ① 蒸 留 昇 華 凝 固

    ② 蒸 留 昇 華 凝 縮

    ③ 蒸 留 融 解 凝 固

    ④ 蒸 留 融 解 凝 縮

    ⑤ 抽 出 昇 華 凝 固

    ⑥ 抽 出 昇 華 凝 縮

    ⑦ 抽 出 融 解 凝 固

    ⑧ 抽 出 融 解 凝 縮

  • 8

    第1章 物質の構成と化学結合

    原子の構造と元素の周期律

    ⑴ ドルトンの 原子説 …「物質を構成する最小の粒子が原子である」

    ⑵ 原子の構成

    原子 原子核 陽 子 …正の電荷をもつ

    中性子 …電荷をもたない

    電 子 …負の電荷をもつ

    陽子と中性子はほぼ同じ質量をもち,電子の質量は

    これらよりはるかに小さい(陽子の質量の約 1840 分の

    1)。また,原子は全体的に電荷をもたず,陽子の数と

    電子の数が等しい。

    ⑶ 原子番号と質量数…電子の質量は陽子や中性子に比べて非常に小さいので,原子の質量は陽子

    の質量と中性子の質量の和と考えてよい。

    ・ 質量数 =陽子数+中性子数

    ・ 原子番号 =陽子数=電子数

    ⑷ 同位体(アイソトープ) …原子番号が同じ

    で質量数の異なる原子。陽子数は同じだが,

    中性子数が異なる。化学的性質はほぼ同じ。

    ⑸ 放射性同位体(ラジオアイソトープ) …

    原子核が不安定で,放射線を放出して異なる

    原子核に変化する同位体。放射性同位体がも

    との半分の量まで減少するのに要する時間を

    半減期 という。

    ⑹ 電子配置 …電子殻への電子の配分のしか

    た。原子のもつ化学的性質は,おもに原子の

    電子配置によって決まる。

    ⑺ 電子殻 …原子核をとりまくいくつかの同

    心円状の軌道で,内側から順に K殻 ,

    L殻 , M殻 , N殻 ,…とよばれる。内

    側から順に電子がうまっていき,内側から n

    番目の電子殻には最大 2n2個の電子が入る。

    ⑻ 閉殻 …最大数の電子が収容され,安定な

    電子配置となった電子殻。

    ⑼ 最外殻電子 …最も外側の電子殻に存在する電子。

    ⑽ 価電子 …原子の最外殻にある電子のうち,他の原子との結合や化学的性質を決めるのに重要

    な役割をする電子。

    1 原子の構造

    K殻

    L殻

    M殻

    N殻

    電子殻

    2×12=2

    2×22=8

    2×32=18

    2×42=32

    最大の収容電子数

  • 2 原子の構造と元素の周期律 9

    ⑾ 希ガス …ヘリウムHe,ネオンNe,アルゴン Arなどの 18族の元素。きわめて安定で,他の

    物質と反応しにくいため,価電子数は 0とする。希ガスは単原子分子として存在する。

    ⑴ 元素の周期律 …元素を原子番号順に配列したとき,原子の大きさ,化合物の組成など,性質

    の似た元素が周期的にあらわれる規則性。 メンデレーエフ らが発見。元素の周期律は,価電子

    数が周期的に変化するために起こる。

    ⑵ 周期表 …元素の周期律に基づいて元素を原子番号順に並べ,性質の似たものが縦の列にそろ

    うように配列した表。周期表の横の行を 周期 ,縦の列を 族 といい,同じ族に属する元素

    を 同族元素 という。

    ⑶ 典型元素と遷移元素

    ・ 典型元素 …1族,2族,および 12~18族の元素。原子番号の増加とともに価電子の数が周期

    的に変化し,同族原子はたがいに価電子の数が等しく,化学的性質が似ている。

    ◆同族元素の名称

    アルカリ金属 …水素Hを除く 1族の元素

    アルカリ土類金属 …ベリリウム BeとマグネシウムMgを除く 2族の元素

    ハロゲン …17族の元素

    希 ガ ス …18族の元素

    ・ 遷移元素 …3~11 族の元素。典型元素と違い,価電子の数は周期的に変化せず,1 または 2

    のものが多い。となり合う元素は比較的よく似た化学的性質をもつ。遷移元素はすべて金属元

    素である。

    ⑷ 金属元素と非金属元素

    ・ 金属元素 …単体は金属光沢をもち,電気をよく導く。また,一般に価電子数が少なく,電子

    を放出して陽イオンになりやすい(= 陽性 が強い)。金属元素には典型元素と遷移元素の両

    方がある。

    ・非金属元素…希ガスを除き,一般に価電子数が多く,他の原子から電子を取り入れて陰イオン

    になりやすい(= 陰性 が強い)。非金属元素はすべて典型元素である。

    周期 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18

    1 H He

    2 Li Be B C N O F Ne

    3 Na Mg Al Si P S Cl Ar

    4 K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr

    5 Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe

    6 Cs Ba ランタ ノイド Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn

    非金属元素

    金 属 元 素

    2 元素の周期律

  • 10 第1章 物質の構成と化学結合

    ⑴ イオン …原子や原子の集まり(原子団)が電荷をもったもの。

    陽イオン …電子を放出して正の電荷をもったイオン

    陰イオン …電子を受けとって負の電荷をもったイオン

    ⑵ イオンの電子配置…原子がイオンになるときは,近い原子番号の希ガスと同じ原子配置になろ

    うとする傾向がある。

    価電子が 1~3の原子は,電子を放出して陽イオンになりやすい。

    例)Li+→Heと同じ電子配置,Na+・Mg2+・Al3+→Neと同じ電子配置

    価電子が 6・7の原子は,電子を受けとって陰イオンになりやすい。

    例)O2-・F-→Neと同じ電子配置,S2-・Cl-→Arと同じ電子配置

    ⑶ イオンの価数…イオンができるときにやりとりした電子の数。

    ⑷ イオン式 …元素記号の右上に,イオンの価数(1は省略)と正負の符号を添えて表す。

    ⑸ 単原子イオンと多原子イオン

    単原子イオン …Na や Cl のように,1つの原子からなるイオン

    多原子イオン …NH4+やOH-のように,2つ以上の原子からなるイオン

    ⑹ イオンの大きさ

    ① Ne と同じ電子配置をもつイオンについて…原子番号が大きくなるほど原子核の正電荷が増

    し,電子がそれに強く引きつけられるため,イオン半径は小さくなる。

    O2-<F-<Na+<Mg2+<Al3+

    ② アルカリ金属(同族元素)について…原子番号が大きくなるほど原子半径が大きくなるため,

    イオン半径も大きくなる。

    Li+<Na+<K+<Rb+<Cs+

    ⑺ イオン化エネルギー(第 1イオン化エネルギー) …原子から電子 1個を取り去って 1価の陽イ

    オンにするために必要なエネルギー。イオン化エネルギーが小さいほど,陽イオンになりやすい。

    同じ周期では原子番号が小さいほど,同じ族では原子番号が大きいほど,イオン化エネルギーが

    小さい。

    ⑻ 電子親和力 …原子が電子 1個を受け取って 1価の陰イオンになるときに放出するエネルギー。

    これは,1 価の陰イオンから電子を取り去るのに必要なエネルギーに等しい。電子親和力が大き

    いほど,陰イオンになりやすい。同じ周期では原子番号が大きいほど,同じ族では原子番号が小

    さいほど,電子親和力が大きい。

    3 イオン

  • 2 原子の構造と元素の周期律 11

    ( 1 ) ( ア ) は,物質を構成する最小の粒子が( イ )であるという(イ)説を提唱した。

    ( 2 ) 原子は( ウ )と( エ )からなり,( ウ )は負の電荷をもっている。また,( エ )は正の

    電荷をもつ( オ )と電荷をもたない( カ )からなる。

    ( 3 ) (オ) 数と(カ)数の和を( キ )といい,また(オ)数は( ク )と等しい。

    ( 4 ) (ク) が同じで(キ)の異なる原子を( ケ )といい,これらの化学的性質はほぼ等しい。また,

    ( ケ )の中で放射線を放っているものを( コ )という。

    ( 5 ) 電子の配分のしかたのことを( サ )という。電子は,原子核を中心として何重かの同心円状

    に広がる( シ )とよばれる軌道に内側から順にうまっていく。この軌道は内側から順に( ス ),

    ( セ ),( ソ ),( タ ),…といい,内側から n番目の軌道には最大( チ )個の電子が入る。

    ( 6 ) (シ) に最大数の電子が入っている状態を( ツ )という。

    ( 7 ) 最も外側の電子殻に存在する電子のことを( テ )という。

    ( 8 ) 原子どうしが結合するとき,とくに重要な働きをする電子を( ト )という。おもに(テ)を

    指す。

    ( 9 ) 希ガスの(テ)数は,ヘリウムでは( ナ ),それ以外では( ニ )であるが,安定で他の物質

    と反応しないため,(ト)数は( ヌ )とする。

    (10) 19世紀の後半,( ネ )らは,元素を原子番号の順に配列して価電子の数を比較すると,価電

    子数が周期的に変化することを発見した。このような周期性は原子の大きさや化合物の組成など

    にもみられた。これを元素の( ノ )という。

    (11) 元素の(ノ)に基づいて元素を原子番号順に並べ,性質の似たものを縦に配置した表のことを

    ( ハ ) という。

    (12) 水素を除く 1族の元素群を( ヒ ),ベリリウムとマグネシウムを除く 2族の元素群を( フ ),

    17族の元素群を( ヘ ),18族の元素群を( ホ )という。

    (13) 1・2族および 12~18族の元素をまとめて( マ ),3~11族の元素をまとめて( ミ )という。

    (14) ( ム ) 元素の単体は光沢をもち,電気をよく導く。(ミ)はすべて( ム )元素である。これ

    らは一般に価電子数が少なく,電子を放出しやすい。この性質を,「( メ )が強い」という。

    (15) 非金属元素はすべて(マ)であり,一般に価電子数が多く,希ガス以外は他の原子から電子を

    取り入れやすい。この性質を「( モ )が強い」という。

    (16) 電荷をもつ粒子を( ヤ )という。(ヤ)には,正の電荷をもつ( ユ )と,負の電荷をもつ

    ( ヨ ) がある。

    (17) イオンができるときにやりとりした電子の数を( ラ )という。

    (18) Arと同じ電子配置をもつイオンについて,もとの元素の原子番号が大きいものほど,イオン半

    径は(リ: 大きく ・ 小さく )なる。

    (19) 2族の元素からできたイオンについて,原子番号が大きくなるほどイオン半径は(ル:大きく ・

    小さく ) なる。

    (20) 原子から電子 1つを取り去るのに必要なエネルギーを第一( レ )という。(レ)が小さいほど,

    陽イオンに(ロ: なりやすい ・ なりにくい )。

    (21) (レ) は,周期表の(ワ: 右上 ・ 右下 ・ 左上 ・ 左下 )の原子ほど大きい。

    (22) 原子が電子を取り入れて陰イオンになるとき放出するエネルギーを( ヲ )という。(ヲ)が大

    きい元素ほど,陰イオンに(ン:なりやすい・なりにくい)

  • 12 第1章 物質の構成と化学結合

    実 戦 問 題 演 習

    1. 陽子を ,中性子を○,電子を●で表すとき,質量数 6のリチウム原子の構造を示す模式図と

    して最も適当なものを,図の①~⑥のうちから一つ選べ。ただし,破線の円内は原子核とし,そ

    の外側にある実線の同心円は内側から順にK殻,L殻を表す。

    2. 窒素原子がもつ電子数を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 4 ② 5 ③ 6 ④ 7 ⑤ 8

    3. 陽子の数と中性子の数が同じ原子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① H31 ② C146 ③ S

    3216 ④ Cl

    3717 ⑤ K

    3919

    4. 中性子の数が 9である原子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 14N ② 15N ③ 17O ④ 18O ⑤ 37Cl

    5. 原子 C146 と O168 の間で等しいものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 質量数 ② 陽子の数 ③ 中性子の数 ④ 電子の数 ⑤ 原子番号

    6. 中性の原子 Cl3517 と Cl3717 に関する次の記述a~eについて,正しいものの組合せを,次の①~⑤

    のうちから一つ選べ。

    a 原子番号が異なる。 b 陽子の数が異なる。 c 中性子の数が異なる。

    d 質量数が異なる。 e 電子の数が異なる。

    ① a・b ② a・d ③ b・e ④ c・d ⑤ c・e

    ① ② ③ ④ ⑤ ⑥

  • 2 原子の構造と元素の周期律 13

    7. 酸素原子について,最も大きな数値を与える式を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。 ① (原子核の質量)÷(陽子の質量の総和)

    ② (中性子の質量の総和)÷(電子の質量の総和)

    ③ (陽子の総数)÷(電子の総数)

    ④ (18Oの質量)÷(16Oの質量)

    ⑤ (18Oの陽子の総数)÷(16Oの陽子の総数)

    8. 二つの原子が互いに同位体であることを示す記述として正しいものを,次の①~⑤のうちから

    一つ選べ。

    ① 陽子の数は等しいが,質量数が異なる。

    ② 陽子の数は異なるが,質量数が等しい。

    ③ 陽子の数と中性子の数の和が等しい。

    ④ 中性子の数は異なるが,質量数が等しい。

    ⑤ 中性子の数は等しいが,質量数が異なる。

    9. 電子配置に関する記述として正しいものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 原子の電子殻は,原子核に最も近い内側から順に,M殻,L殻,K殻とよばれる。

    ② 内側から n番目の電子殻は,最大で n2個の電子を収容することができる。

    ③ ネオンとフッ化物イオンは,ともに最外殻が完全に満たされた電子配置をもつ。

    ④ 最外殻にある電子の数は,ヘリウム<ネオン<アルゴンの順に大きくなる。

    ⑤ ヘリウムがもつ電子の数は,水素分子の電子の数の 2倍である。

    10. 最外殻電子数が最も大きい原子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① F ② O ③ S ④ C ⑤ Be

    11. 最外殻に電子を 7個もつ原子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① B ② Cl ③ Mg ④ N ⑤ Ne

    12. 価電子の数が水素と同じである元素を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① Mg ② N ③ Ca ④ C ⑤ Li

    13. 同族元素の組合せを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① LiとMg ② Bと Al ③ Cと P ④ Oと Si ⑤ HとHe

    14. 次の元素の中で同じ族に属さないものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① Br ② Cl ③ F ④ S ⑤ I

    15. 炭素と同じ周期に属する元素を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① H ② N ③ Ar ④ Na ⑤ Si

  • 14 第1章 物質の構成と化学結合

    16. 周期表第 3周期の元素を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① B ② Be ③ Ca ④ Cl ⑤ Cu

    17. アルカリ金属の元素を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① Al ② Cu ③ K ④ Mg ⑤ Si

    18. アルカリ金属元素とハロゲンからなる物質を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① CaF2 ② Na2O ③ KBr ④ AgCl ⑤ AlCl3

    19. 次の文章中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを,以下

    の①~⑥のうちから一つ選べ。

    メンデレーエフは,元素の( ア )と化学的性質との関連性を発見し,( イ )をつくった。現

    在では,( イ )は原子の電子配置によって理解されている。

    20. 塩化物イオン Cl-と同じ電子配置をもつ原子を,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① F ② Ne ③ Na ④ S ⑤ Ar

    21. 電子配置が同じものの組合せを,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① Li+とNa+ ② HeとNe ③ Mg2+と Al3+

    ④ CとN ⑤ Oと F-

    22. それぞれの数が等しいものの組合せを,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① Naの陽子数とNa+の陽子数 ② F-の陽子数とNa+の陽子数

    ③ Fの陽子数とNaの陽子数 ④ Naの電子数とNa+の電子数

    ⑤ Fの電子数とNaの電子数

    23. 電子 1個を失って陽イオンになりやすい原子と,電子 1個を受け取って陰イオンになりやすい

    原子の組合せを,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① Naと Cl ② Brと I ③ LiとK ④ Mgと Ca ⑤ NとO

    ア イ

    ① 原子量 周期表

    ② 原子量 元素記号

    ③ 酸化数 周期表

    ④ 酸化数 元素記号

    ⑤ 同位体の存在比 周期表

    ⑥ 同位体の存在比 元素記号

  • 2 原子の構造と元素の周期律 15

    24. 第一イオン化エネルギーが最も大きい原子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① P ② S ③ Cl ④ Ar ⑤ K

    25. イオン化エネルギーの大きい順に並べたものを,以下の①~⑥のうちから一つ選べ。

    ① He>H>Li ② He>Li>H ③ H>Li>He

    ④ H>He>Li ⑤ Li>H>He ⑥ Li>He>H

    26. 結合している陽イオンと陰イオンの数が異なる化合物を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 硫酸銅(Ⅱ) ② 硝酸銀 ③ 炭酸カリウム

    ④ 水酸化ナトリウム ⑤ 塩化アンモニウム

    27. イオンに関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① イオン化エネルギー(第一イオン化エネルギー)は,原子から電子を 1個取り去って陽イオ

    ンにするのに必要な最小のエネルギーである。

    ② イオン結晶に含まれる陽イオンの数と陰イオンの数は,必ず等しい。

    ③ 塩素原子は,電子を受け取って 1価の陰イオンになりやすい。

    ④ ナトリウムイオンは,ネオン原子と同じ電子配置をもつ。

    ⑤ イオン結合は,陽イオンと陰イオンの静電気的な引力による結合である。

    28. イオンに関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 原子がイオンになるとき放出したり受け取ったりする電子の数を,イオンの価数という。

    ② 原子から電子を取り去って,1価の陽イオンにするのに必要なエネルギーを,イオン化エネル

    ギー(第一イオン化エネルギー)という。

    ③ イオン化エネルギー(第一イオン化エネルギー)の小さい原子ほど陽イオンになりやすい。

    ④ 原子が電子を受け取って,1価の陰イオンになるときに放出するエネルギーを,電子親和力と

    いう。

    ⑤ 電子親和力の小さい原子ほど陰イオンになりやすい。

    29. Co5927 2+に関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。 ① 原子番号は 27 ② 陽子の数は 27 ③ 質量数は 59

    ④ 電子の数は 27 ⑤ 中性子の数は 32 ⑥ イオンの価数は+2

  • 16

    第1章 物質の構成と化学結合

    粒子の結合

    ⑴ イオン結合 …陽イオンと陰イオンが 静電気力(クーロン力) で引き合ってできる結合

    ⑵ イオン結晶 …イオン結合でできた結晶(構成粒子が規則正しく配列した固体)。イオン間の結

    合力が大きいので,融点の高いものが多い。結晶は電気を通さないが,結晶を融解した液体や水

    溶液は電気をよく導く。硬くてもろく,水に溶けるものが多い。

    ⑶ 組成式 …イオンからなる物質の構成元素の種類と割合を最も簡単な整数比で示した式。

    例)塩化ナトリウムNaCl,水酸化カルシウムCa(OH)2 など

    ⑴ 分 子 …いくつかの原子が結合したもので,物質を構成する基本粒子の一つ。

    ⑵ 分子式 …構成元素を元素記号で示し,その原子数を書き添えた式。組成式と似ているが意味

    が異なる。

    例)窒素N2,酸素O2,二酸化炭素 CO2,水H2O,アンモニアNH3など

    ⑶ 分子の種類

    単原子分子 …He,Ne,Arなど,他の原子と結合しにくく単独で存在している分子

    二原子分子 …H2,N2など,2個の原子からなる分子

    多原子分子 …H2O,エタノール C2H5COOHなど,3個以上の原子からなる分子

    ⑷ 共有結合

    ・ 電子式 …元素記号の周囲に,最外殻電子を点で表した

    もの。このとき,2個の電子が対になったものを電子対

    といい,対をなしていない電子を 不対電子 という。

    ・ 共有結合 …原子どうしが不対電子を出しあい,共有し

    てできる結合。原子間の共有結合に使われている電子対

    を共有電子対,原子間で共有されていない電子対を非共

    有電子対という。

    ・ 構造式 …原子間の共有電子対を価標(2 個の電子を 1

    本の線で示す)で表したもの。

    単結合 …それぞれの原子が電子を 1 つずつ出し

    合って 2個の電子を共有する結合

    二重結合 …4個の電子を共有する結合

    三重結合 …6個の電子を共有する結合

    ・ 化学式 …分子式,電子式,構造式,イオン式などの総称。

    ⑸ 配位結合 …一方の原子の共有電子対を,2個の原子で共有してできる共有結合。

    1 イオン結合とイオン結晶

    2 分子と共有結合

  • 3 粒子の結合 17

    ⑹ おもな分子の電子式・構造式・形状

    ⑴ 電気陰性度 …原子が共有電子対を引きつける強さを数値化したもの。希ガスを除き,電気陰

    性度は周期表の右上の元素ほど大きく,左下の元素ほど小さい。

    ⑵ 極性

    ・ 結合の極性 …共有結合している原子間の電荷の偏り。2 原子間の電気陰性度の差が大きく,

    電荷の偏りが非常に大きいときは,イオン結合に近い性質を示す。

    ・ 分子の極性

    極性分子 …結合の極性により,分子全体の電荷にかたよりのある分子。

    例)塩化水素HCl,アンモニアNH3,水H2Oなど

    無極性分子 …分子全体の電荷にかたよりのない分子。

    例)水素H2,塩素 Cl2,二酸化炭素 CO2,メタン CH4など

    ⑶ 共有結合の物質

    ・ 分子間力 …分子間にはたらく比較的弱い力。

    ・ 分子結晶 …分子が分子間力で規則正しく配列してできた結晶。一般にやわらかくて融点が低

    く,昇華しやすいものが多い。また,結晶,融解した液体のいずれも電気を通さない。

    例)ヨウ素 I2,二酸化炭素(ドライアイス)CO2など

    ・ 共有結合の結晶 …多数の非金属元素の原子が共有結合によって規則正しく配列し,強くつな

    がってできた結晶。一般に非常にかたく,融点がきわめて高いものが多い。また,水に溶けに

    くく,電気を通さない(ただし,黒鉛は例外)。

    例)ダイヤモンド,黒鉛(ともに炭素 Cの同素体),二酸化ケイ素 SiO2など

    ⑴ 自由電子 …金属の中を自由に移動できる金属原子の価電子。自由電子によって光が反射されるた

    め,金属には光沢があり,自由電子の移動によって熱伝導性や電気伝導性が大きい。

    ⑵ 金属結合 …自由電子がすべての金属原子に共有されることによる結合。

    ⑶ 金属の結晶 …構成する金属原子が金属結合によって規則正しく配列している。分子が存在せず,

    組成式で表される。また,金属は 展性 (箔状に広げることができる性質)や 延性 (線状に延ばす

    ことができる性質)に富む。

    3 分子の極性と分子間の結合

    4 金属結合と金属

  • 18 第1章 物質の構成と化学結合

    ( 1 ) 陽イオンと陰イオンの間に,( ア )によって生じる結合を( イ )という。

    ( 2 ) 構成元素の種類と割合を最も簡単な整数比で示した式を( ウ )という。

    ( 3 ) 構成粒子が規則正しく配列した固体を( エ )といい,陽イオンと陰イオンからなる(エ)を

    ( オ ) という。

    ( 4 ) いくつかの原子が( カ )によって結びついたものを( キ )といい,N2,O2などの( ク )

    で表す。

    ( 5 ) 2つの電子を共有する共有結合を( ケ )結合,4つの場合を( コ )結合,6つの場合を( サ )

    結合という。それぞれ,1本,2本,3本の( シ )で示す。(シ)を用いて表した式を( ス )と

    いう。

    ( 6 ) 希ガスのように,他の原子と結合しにくく単独で存在している分子を( セ )分子,2つの原

    子からなる分子を( ソ )分子,3つ以上の原子からなる分子を( タ )分子という。プラスチッ

    クなど,非常に多数の原子からなる分子を( チ )化合物,もしくは単に(チ)という。

    ( 7 ) 分子からなる物質は,一般に融点や沸点が(ツ:高く・低く),常温で液体や気体のものが多

    い。分子はそれぞれ固有の形をもっており,窒素や二酸化炭素は( テ )形,水は( ト )形,ア

    ンモニアは( ナ )形,メタンは( ニ )形となっている。

    ( 8 ) 金属の固体は,構成する原子が規則正しく配列しており,これを( ヌ )といい,( ネ )式で

    表される。( ノ )とよばれる金属原子の価電子が固体内を自由に動き回り,金属原子を互いに結

    びつけており,この結合を( ハ )という。

    ( 9 ) 金属は,たたいて箔状に広げることができる。この性質を金属の( ヒ )という。また,引き

    延ばして細い線にすることもできる。この性質を金属の( フ )という。

    (10) ダイヤモンドや二酸化ケイ素は,多数の原子が互いに( ヘ )によってつながっている。いず

    れも(ホ:硬く・軟らかく),融点がきわめて(マ:高い・低い)。また,電気伝導性が(ミ:大き

    い・小さい)。これらはいずれも( ム )式で表される。

    (11) 塩化ナトリウムは( メ )結晶,ナトリウムや鉄は( モ )の結晶,ケイ素やダイヤモンドは

    ( ヤ )の結晶である。

    (12) イオン結晶の物質は,融点の(ユ:高い・低い)ものが多い。結晶を融解した液体や水溶液は

    電気を(ヨ:よく導く・導かない)。

    (13) ( ラ ) 結合は,結合する原子間で,電子対が一方の原子だけから提供されてできる共有結合

    の一つである。

    (14) 原子が共有電子対を引きつける強さを数値化したものを( リ )という。

    (15) アンモニアNH3や水H2Oのように,分子全体として電荷にかたよりのある分子を( ル )分

    子といい,塩素 Cl2,二酸化炭素 CO2のように電荷のかたよりのない分子を( レ )分子という。

    (16) 分子が分子間力で規則正しく配列した結晶を( ロ )という。一般に融点は(ワ:高く・

    低く),ヨウ素や二酸化炭素のように( ヲ )しやすいものが多い。

  • 3 粒子の結合 19

    実 戦 問 題 演 習

    1. 2個の水素原子から水素分子ができるときのしくみに最も関係の深いものを,以下の①~⑥の

    うちから一つ選べ。

    ① 陽子の共有 ② 電子の共有

    ③ 中性子の共有 ④ 陽子と中性子の反発

    ⑤ 陽子と電子の反発 ⑥ 中性子と電子の反発

    2. 分子からなる物質を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 亜鉛 ② 塩化水素 ③ 塩化ナトリウム

    ④ 炭酸水素ナトリウム ⑤ ミョウバン

    3. 共有結合をもたない物質を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 塩化ナトリウム ② ケイ素 ③ 塩素

    ④ 二酸化炭素 ⑤ アセチレン

    4. 原子間の結合が単結合のみからなる分子を,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 窒素 ② 二酸化炭素 ③ 水

    ④ エチレン ⑤ アセチレン

    5. 二重結合をもたない分子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 二酸化炭素 ② 酢酸 ③ アセトアルデヒド

    ④ エタノール ⑤ プロペン(プロピレン)

    6. どちらも二重結合を含む分子の組合せを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 酢酸とメタノール ② 水と硫化水素 ③ アセチレンと窒素

    ④ 酸素とエタン ⑤ 二酸化炭素とエチレン

    7. 三重結合をもつ分子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① N2 ② O2 ③ Cl2 ④ C2H4 ⑤ H2O2

  • 20 第1章 物質の構成と化学結合

    8. 4個の原子からできている分子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① アンモニア ② 塩化水素 ③ メタン ④ 酢酸 ⑤ 水

    9. 分子中のすべての原子が同一平面上にあるものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① アンモニア ② エタノール ③ エチレン

    ④ メタン ⑤ 乳酸

    10. 直線状でない分子を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 硫化水素 ② 一酸化窒素 ③ アセチレン

    ④ 二酸化炭素 ⑤ 塩化水素

    11. 結晶が分子結晶であるものの組合せを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 銀と亜鉛 ② ヨウ素と二酸化炭素 ③ 塩化ナトリウムとアルミニウム

    ④ 二酸化ケイ素と黒鉛 ⑤ ヨウ化カリウムとケイ素

    12. 次の元素のうち,電気陰性度が最も大きいものはどれか。①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① P ② S ③ B ④ N ⑤ O

    13. 次の物質のうち,極性分子はどれか。①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① Cl2 ② CH4 ③ HCl ④ CO2 ⑤ N2

    14. 次の分子のうち,形が折れ線型直線形であるものはどれか。①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① アンモニア ② 窒素 ③ 二酸化炭素

    ④ 水 ⑤ メタン

    15. 分子の形に関する記述として正しいものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① H2Oは直線構造をとる。

    ② C6H12(シクロヘキサン)は直鎖状構造をとる。

    ③ CH4は平面構造をとる。

    ④ NH3は正四面体構造をとる。

    ⑤ C60(フラーレン)は球状構造をとる。

  • 3 粒子の結合 21

    16. 次の文章中の空欄( ア )・( イ )に当てはまる語の組合せとして最も適当なものを,以下の

    ①~⑥のうちから一つ選べ。

    ドライアイスや氷は,それぞれ二酸化炭素や水の( ア )が集合してできた固体であり,

    CO2やH2Oのような( ア )式で表す。一方,塩である塩化ナトリウムや炭酸カルシウムも,

    NaClや CaCO3のように表すが,これらは物質の( イ )を表現している( イ )式である。

    17. 化学結合に関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① アンモニウムイオンの 4個のN-H結合の性質は,互いに区別できない。

    ② ナフタレン分子の原子間の結合は共有結合である。

    ③ 塩化ナトリウムの結晶はイオン結合からなる。

    ④ ダイヤモンドでは,炭素原子が共有結合でつながっている。

    ⑤ 金属ナトリウムでは,ナトリウム原子の価電子は,金属全体を自由に動くことができない。

    18. 固体に関する次の記述a~cに当てはまる物質の組合せとして最も適当なものを,以下の①~

    ⑧のうちから一つ選べ。

    a 分子が整然と配列してできている。

    b 陽イオンと陰イオンが規則正しく配列してできている。

    c 単一元素の原子が規則正しく結合してできている。

    ア イ

    ① 原子 組成

    ② 原子 構造

    ③ 分子 組成

    ④ 分子 構造

    ⑤ イオン 組成

    ⑥ イオン 構造

    a b c

    ① 氷 アルミニウム サファイア

    ② 氷 アルミニウム ダイヤモンド

    ③ 氷 塩化ナトリウム サファイア

    ④ 氷 塩化ナトリウム ダイヤモンド

    ⑤ ソーダガラス(ソーダ石灰ガラス) アルミニウム サファイア

    ⑥ ソーダガラス(ソーダ石灰ガラス) アルミニウム ダイヤモンド

    ⑦ ソーダガラス(ソーダ石灰ガラス) 塩化ナトリウム サファイア

    ⑧ ソーダガラス(ソーダ石灰ガラス) 塩化ナトリウム ダイヤモンド

  • 22 第1章 物質の構成と化学結合

    章 末 問 題

    1. 次の文中の下線部が「元素」でなく「単体」を指しているものを,次の①~⑤のうちから一つ

    選べ。

    ① 地殻全体の質量の約半分は酸素である。

    ② 牛乳には,カルシウムが多く含まれている。

    ③ 水を電気分解すると,酸素と水素が体積比で 1:2の割合で生じる。

    ④ メタンは,炭素と水素だけを含む化合物である。

    ⑤ 12Cと 13Cは,炭素の同位体である。

    2. 天然の酸素には,3種類の同位体が存在する。質量数の異なる酸素分子は何種類存在するか。最

    も適切なものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 3種類 ② 4種類 ③ 5種類 ④ 6種類 ⑤ 7種類

    3. ヘリウム原子に関する記述として正しいものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① ヘリウム原子核の質量は,ヘリウム原子の質量の約半分である。

    ② ヘリウム原子核の構成は,水素原子( H11

    )の原子核 2個分と同じである。

    ③ ヘリウム原子の電子はM殻に入っている。

    ④ ヘリウム原子の電子が入っている電子殻は,電子 2個で満たされている。

    ⑤ ヘリウム原子の大きさは,ネオン原子に比べて大きい。

    4. 元素の性質を,周期表にもとづいて比較した記述として下線部に誤りを含むものを,次の①~

    ⑤のうちから一つ選べ。

    ① 第 3周期に属する元素では,原子番号が大きくなるにつれてイオン化エネルギー(第一イオ

    ン化エネルギー)が小さくなる。

    ② 第 3周期に属する元素では,18族を除き,原子番号が大きくなるにつれて陰性が強くなる。

    ③ 同じ族に属する典型元素では,原子番号が大きくなるにつれて陽性が強くなる。

    ④ 同じ族に属する元素では,原子番号が大きくなるにつれて原子量が大きくなる。

    ⑤ 遷移元素では,同族元素だけでなく,同じ周期で隣り合う元素とも性質が似ている場合が多

    い。

  • 章末問題 23

    5. 元素に関する記述として正しいものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。

    ① 典型元素はすべて非金属元素である。

    ② アルカリ土類金属は遷移元素である。

    ③ アルカリ金属は 2価の陽イオンになりやすい。

    ④ 17族の元素は 1価の陽イオンになりやすい。

    ⑤ 遷移元素には,同じ元素でもいろいろな酸化数をとるものが多い。

    6. 次の図に示す電子配置をもつ原子a~cに関する記述として誤りを含むものを,以下の①~⑤

    のうちから一つ選べ。ただし,図の中心の丸は原子核を,その中の数字は陽子の数を表す。また,

    外側の同心円は電子殻を,黒丸は電子を表す。

    ① a~cは,すべて周期表の第 2周期に属する。

    ② aとヨウ素は,周期表の同じ族に属する。

    ③ a~cの中でイオン化エネルギーが最も小さいのはcである。

    ④ a~cの中で 1価の陰イオンに最もなりやすいのはaである。

    ⑤ bの電子配置は,Mg2+の電子配置と同じである。

    7. イオンに関する次の記述a~cについて,正誤の組合せとして正しいものを,以下の①~⑧の

    うちから一つ選べ。

    a 水酸化物イオンと塩化物イオンの価数は同じである。

    b 炭酸イオンは,4個の原子からなる 4価の陰イオンである。

    c 塩化カリウムは,水に溶かすと電離してカリウムイオンと塩化物イオンになる。

    a b c

    ① 正 正 正

    ② 正 正 誤

    ③ 正 誤 正

    ④ 正 誤 誤

    ⑤ 誤 正 正

    ⑥ 誤 正 誤

    ⑦ 誤 誤 正

    ⑧ 誤 誤 誤

  • 第1章   物質の構成と化学結合  

     1   物質の構成

      P.4  

    基本確認

    ア:塩酸 イ:水酸化ナトリウム

    ウ:二酸化炭素 エ:酸素 オ:ろ過

    カ:ろうと キ:分留 ク:再結晶

    ケ:蒸留 コ:リービッヒ冷却器

    サ:下から上 シ:元素

    ス:元素記号 セ:同素体

    ソ・タ・チ:単斜,斜方,ゴム状(順不同)

    ツ・テ:酸素,オゾン(順不同)

    ト・ナ:黄,赤(順不同) ニ:ダイヤモンド

    ヌ:黒鉛 ネ:フラーレン ノ:炭素

    ハ:白 ヒ:沈殿 フ:硝酸銀

    ヘ:炎色 ホ:青緑 マ:黄 ミ:赤

    ム:ストロンチウム メ:凝固 モ:昇華

    ヤ:物理変化 ユ:化合 ヨ:凝固点

    ラ:273

      P.5  

    実戦問題演習  

    1. ②

    解説 ①MgSO4のみの純物質,②HCl と H2O の混合物,③H2O のみの純物質,④C12H22O11のみの純物質,⑤CH4のみの純物質。 2. ①

    解説 ①C12H22O11のみの純物質,②N2,O2などの混合物,③アルカン,シクロアルカンなどの混

    合物,④H2O,NaCl などの混合物,⑤CH3COOH,H2O などの混合物。 3. ②

    解説 ①CH4,C2H6 などの混合物,②CO2 のみの純物質,③H2O,NaCl の混合物,④H2O,タンパク質などの混合物,⑤炭素数9~15の炭化水

    素を主成分とする混合物。

    4. ②

    解説   塩化ナトリウムは NaCl のみの純物質,空気は N2,O2などの混合物,ナトリウムは Na のみの純物質,海水は H2O,NaCl などの混合物,炭酸水はH2OとCO2の混合物,二酸化炭素はCO2のみの純物質。

    5. ④

    解説   ①O3で単体,②C で単体,③I2で単体,④H2O で化合物,⑤Au で単体。 6. ④

    解説   ①H2SO4 で化合物,②C2H6 で化合物,③NH3で化合物,④C で単体,⑤C6H6で化合物。 7. ⑤

    解説 ①Fe で単体,②Hg で単体,③Ar で単体,④C で単体,⑤CH4で化合物。 8. ⑤

    解説 ①化学反応を起こすため不適,②ヨウ素な

    ど昇華性を持つものの分離操作,③固体を水に溶

    かして不純物を取り除くための操作,④固体もし

    くは液体の混合物から溶媒を用いて特定の物質

    を分離するための操作。

    9. ①

    解説 ②昇華性をもつ物質の分離操作,③固体を

    水に溶かして不純物を取り除くための操作,④固

    体と液体の混合物を固体と液体に分離する操作。

    10. ④

    解説 ①油脂は水に溶けないがヘキサンには溶

    けるため,ヘキサンで抽出することができる。②

    窒素は沸点-196℃,酸素は-183℃であるため,

    液体空気の温度を上げていくとまず窒素を多く

    含む気体が得られる。③シリカゲルをガラス管に

    詰め,上から試験溶液と展開液をゆっくり入れる

    と,溶液中の成分が帯状に吸着して分離される。

    これをカラムクロマトグラフィーという。④ヨウ

    化カリウムも塩化ナトリウムも昇華性がないた

    め,昇華により分離することができない。

      P.6    

    11. ②

    解説 ①ヨウ素は昇華性があるがヨウ化カリウ

    ムはないため,昇華により分離することができる。

    ②食塩水を電気分解すると,陽極から塩素,陰極

    から水素が発生するため,塩化ナトリウムを分離

    することはできない。塩化ナトリウムを取り出す

    には,食塩水を蒸留する必要がある。③窒素は沸

    点-196℃,酸素は-183℃であるため,液体空気

    の温度を上げていくとまず窒素を多く含む気体

    が得られる。④インクを細長いろ紙の下端のほう

    につけて乾燥させ,下端を展開液に浸すと,イン

    ク中の成分が帯状に広がる。⑤油脂は水に溶けな

    いがヘキサンには溶けるため,ヘキサンで抽出す

    ることができる。

  • 12. A:① B:⑤

    解説 Aについて,ろ過する際,溶液はガラス棒

    を伝わらせてゆっくりろうとに注ぐ。ガラス棒の

    先端はろ紙の端に触れさせる。また,ろうとの足

    の部分は,とがったほうをビーカーの内側の壁面

    に添わせる。Bについて,カリウムはミョウバン

    中に含まれているため,塩素が含まれていないよ

    うに考える。Cl を含む溶液中に硝酸銀水溶液を加えると,白色の沈殿を生じる。生じないというこ

    とは,Cl-は含まれていないことになる。 13. ③

    解説 ①黒鉛とダイヤモンドはともに炭素 C の同素体。②酸素 O2 とオゾン O3 はともに酸素 Oの同素体。③鉛は Pb,亜鉛は Zn で,互いに同素体ではない。④黄リン P4と赤リン Pnはともにリン Pの同素体。⑤斜方硫黄と単斜硫黄はともに硫黄 S の同素体。   P.7  

    14. ⑤

    解説 まず,海水をろ過して固体の不純物を取り

    除く。次に,ろ液を天日にさらして水を蒸発させ

    て,粗塩を取り出す。これを水に溶かし,濃縮し

    て再結晶させ,純度の高い食塩を得る。

    15. ⑥

    解説 aについて,溶媒である熱湯で紅茶の成分

    を溶かし出しているので抽出である。bについて,

    ナフタレン(固体)が液体になることなく直接気

    体になる現象で昇華である。cについて,空気中

    の水蒸気が冷たいコップの表面に触れて液体と

    なる変化なので凝縮である。

    16. ③

    解説 ①熱運動エネルギーは,固体<液体<気体

    である。③液体から気体への変化は熱を吸収する。

    ⑤分子間力は温度が低い状態で強く,温度が高く

    なると熱運動が激しくなり,ほとんどはたらかな

    くなる。

     2   原子の構造と元素の周期律

      P.11  

    基本確認

    ア:ドルトン イ:原子 ウ:電子

    エ:原子核 オ:陽子 カ:中性子

    キ:質量数 ク:原子番号

    ケ:同位体(アイソトープ)

    コ:放射性同位体(ラジオアイソトープ)

    サ:電子配置 シ:電子殻 ス:K 殻 セ:L 殻 ソ:M 殻 タ:N 殻 チ:2n2 ツ:閉殻 テ:最外殻電子 ト:価電子

    ナ:2 ニ:8 ヌ:0 ネ:メンデレーエフ

    ノ:周期律 ハ:周期表 ヒ:アルカリ金属

    フ:アルカリ土類金属 ヘ:ハロゲン

    ホ:希ガス マ:典型元素 ミ:遷移元素

    ム:金属 メ:陽性 モ:陰性 ヤ:イオン

    ユ:陽イオン ヨ:陰イオン ラ:価数

    リ:小さく ル:大きく

    レ:イオン化エネルギー ロ:なりやすい

    ワ:右上 ヲ:電子親和力 ン:なりやすい

      P.12  

    実戦問題演習  

    1. ⑥

    解説 リチウムは原子番号が3であるため,陽子

    数と電子数は 3。また中性子数は(6-3=)3 であ

    る。また,3つの電子は K 殻に2つ,L 殻に1つの配置となるため,⑥が正解となる。

    2. ④

    解説 窒素原子の原子番号は 7。よって,電子数

    も7である。

    3. ③

    解説 ①陽子数は原子番号と等しいから陽子数

    は 1,中性子数は(3-1=)1。同様に,②6 と 8,

    ③16と 16,④17と 20,⑤19と 20。

    4. ③

    解説 原子番号は N が 7,O が 8,Cl が 17。よって,中性子数は①14-7=7,②15-7=8,③17

    -8=9,④18-8=10,⑤37-17=20。

    5. ③

    解説 ①質量数は C146 , O168 の順に14と 16,②陽子の数は6と8,③中性子の数は(14-6=)8と(16

    -8=)8,④電子の数は6と 8,⑤原子番号は6と

  • 8。

    6. ④

    解説 a原子番号はともに 17 で等しいため,誤

    り。b陽子の数はともに17で等しいため,誤り。

    c中性子数は35-17=18と37-17=20で異なっ

    ているため,正しい。d質量数は35と 37で異な

    っているため,正しい。e電子の数はともに 17

    で等しいため,誤り。したがって,正しいのはc

    とd。

      P.13  

    7. ②

    解説 この問題では,酸素原子の中性子や電子の

    質量が与えられていないので,質量数を 16 とす

    る。電子の質量は,陽子や中性子の1

    1840である。

    ①16÷8=2,②8÷8

    1840=1840,③8÷8=1,④18

    ÷16=1.125,⑤8÷8=1 よって,最も大きな値

    を与える式は②。

    8. ①

    解説 ②陽子数と質量数が逆になっている。③同

    位体は中性子数が異なるものであるため,陽子数

    と中性子数の和は等しくならないので,誤り。ま

    た,④,⑤についても,中性子数が異なるため質

    量数も異なるので,誤り。

    9. ③

    解説 ①電子殻は,内側から順に K 殻,L 殻,M殻であるため,誤り。②内側から n 番目の電子殻には最大で2n2個の電子を収容できるため,誤り。③ネオンもフッ化物イオンもともに最外殻であ

    る L 殻に電子8個を有するため,最外殻が完全に満たされているので,正しい。④最外殻電子の数

    は,ヘリウム 2,ネオン 8,アルゴン 8 なので,

    誤り。⑤ヘリウム He がもつ電子数は 2,水素分子 H2がもつ電子数は(1×2=)2なので,誤り。 10. ①

    解説 最外殻電子数は,①7,②6,③6,④4,⑤

    2。よって,最も大きいものは①。

    11. ②

    解説 最外殻電子数は,①3,②7,③2,④5,⑤

    8。よって,7となるのは②。

    12. ⑤

    解説 水素の価電子数は 1。それぞれの価電子数

    は,①2,②5,③2,④4,⑤1。よって水素と等

    しくなるものは⑤である。

    13. ②

    解説 ①Li は 1 族,Mg は 2 族。②B は 13 族,Al は13族。③C は14族,P は15族。④O は16族,Si は14族。⑤H は1族,He は18族。 14. ④

    解説 ④は 16族,他はすべて17族。

    15. ②

    解説 炭素は第2周期で,①は第1周期,②は第

    2 周期,③は第 3 周期,④は第 3 周期,⑤は第 3

    周期。

      P.14  

    16. ④

    解説 ①は第2周期,②は第2周期,③は第4周

    期,④は第3周期,⑤は第4周期。

    17. ③

    解説 アルカリ金属は,Hを除く1族元素である。①は13族,②は11族,③は1族,④は2族,⑤

    は14族。

    18. ③

    解説 アルカリ金属は H を除く1族元素,ハロゲンは17族元素である。①Ca は2族,F は17族。②Na は1族,O は16族。③K は1族,Br は17族。④Ag は 11 族,Cl は 17 族。⑤Al は 13 族,Cl は17族。 19. ①

    解説 メンデレーエフは,元素を原子量(…ア)

    の順に並べると,価電子や原子の大きさが周期的

    に変化することを発見した。この周期性に基づい

    て,似た性質を縦にならべて周期表(…イ)を作

    った。

    20. ⑤

    解説 Cl-は,Cl 原子が電子1つをとりこんだ陰イオンで,希ガスの Ar と同じ電子配置をとる。 21. ③

    解説 ①Li+は He 型,Na+は Ne 型となり,電子配置は異なる。②He と Ne は異なる原子であるから電子配置は異なる。③Mg2+は Ne 型,Al3+はNe 型だから,電子配置は同じ。④C と N は異なる原子であるから電子配置は異なる。⑤F-は Ne型であるから,O 原子とは電子配置は異なる。 22. ①

    解説 ①Na の陽子数は 11,Na+の陽子数も 11。②F-の陽子数は9,Na+の陽子数は11。③F の陽

  • 子数は 9,Na の陽子数は 11。④Na の電子数は11,Na+の電子数は 10。⑤F の電子数は 9,Naの電子数は11。

    23. ①

    解説 電子1個を失って陽イオンになりやすい原

    子はアルカリ金属,電子1個を受け取って陰イオ

    ンになりやすい原子はハロゲン。よって,アルカ

    リ金属とハロゲンの組み合わせを選べばよい。

      P.15  

    24. ④

    解説 周期表の右ほど,また上ほどイオン化エネ

    ルギーは大きくなる(陽イオンになりにくい)。よ

    って,最も右上の原子を選べばよい。

    25. ①

    解説 周期表の右上の原子ほどイオン化エネル

    ギーは大きい。よって,最大となるのは He。また,H と Li では H のほうが上にあるので,H の方が大きい。したがって,He>H>Li となる。 26. ③

    解説 ①硫酸銅(Ⅱ)の組成式は CuSO4,よって,Cu2+:SO42-=1:1。②硝酸銀の組成式はAgNO3,よって,Ag+:NO3-=1:1。③炭酸カリウムの組成式は K2CO3,よって,K+:CO32-=2:1。④水酸化ナトリウムの組成式は NaOH,よって,Na+:OH-=1:1。⑤塩化アンモニウムの組成式は NH4Cl,よって,NH4+:Cl-=1:1。 27. ②

    解説 ②イオン結晶に含まれる陽イオンと陰イ

    オンの数は,イオンの価数の関係によって変化す

    るので,必ずしも等しいとはいえない。

    28. ⑤

    解説 ⑤電子親和力の小さい原子は,電子をとり

    こみにくいので,陰イオンになりにくい。

    29. ④

    解説 ④電子の数は(27-2=)25。

     3   粒子の結合

      P.18  

    基本確認

    ア:クーロン力 イ:イオン結合 ウ:組成式

    エ:結晶 オ:イオン結晶 カ:共有結合

    キ:分子 ク:分子式 ケ:単 コ:二重

    サ:三重 シ:価標 ス:構造式

    セ:単原子 ソ:二原子 タ:多原子

    チ:高分子 ツ:低く テ:直線

    ト:折れ線 ナ:三角錐 ニ:正四面体

    ヌ:金属の結晶 ネ:組成 ノ:自由電子

    ハ:金属結合 ヒ:展性 フ:延性

    ヘ:共有結合 ホ:硬く マ:高い

    ミ:小さい ム:組成 メ:イオン

    モ:金属 ヤ:共有結合 ユ:高い

    ヨ:よく導く ラ:配位 リ:電気陰性度

    ル:極性 レ:無極性 ロ:分子結晶

    ワ:低く ヲ:昇華

      P.19  

    実戦問題演習  

    1. ②

    解説 水素分子は,水素原子2つがお互いにひと

    つずつ電子を共有し,単結合でつながっている。

    2. ②

    解説 ①亜鉛 Zn は金属の結晶。②塩化水素はHCl 分子からなる。③塩化ナトリウム NaCl はイオン結晶。④炭酸水素ナトリウム NaHCO3 はイオン結晶。⑤ミョウバン KAl(SO4)2・12H2O は,K2SO4と Al2(SO4)3の複塩であり,イオン結晶。 3. ①

    解説 ①塩化ナトリウムはイオン結晶であり,共

    有結合はもたない。②ケイ素は共有結合の結晶で

    ある。③塩素は,塩素原子2つが共有結合でつな

    がって塩素分子を形成している。④二酸化炭素は,

    炭素原子と酸素原子が,共有結合である二重結合

    でつながって二酸化炭素分子を形成している。⑤

    アセチレンは,炭素2つが共有結合である三重結

    合でつながっており,また水素原子と炭素原子間

    も共有結合である。

    4. ③

    解説 ①窒素分子は,2つの窒素原子が三重結合

    でつながっている。②二酸化炭素分子は,炭素原

  • 子と酸素原子が二重結合でつながっている。③水

    分子は,酸素原子と水素原子が単結合でつながっ

    ている。④エチレン分子は,2つの炭素原子が二

    重結合でつながっている。⑤アセチレン分子は,

    2つの炭素原子が三重結合でつながっている。

    5. ④

    解説 ①二酸化炭素分子 CO2は,炭素原子と酸素原子が二重結合でつながっている。②酢酸分子

    CH3COOH は,カルボキシル基 -COOH 内に,炭素原子と酸素原子の二重結合をもつ。③アセト

    アルデヒド CH3CHO は,アルデヒド基 -CHO内に,炭素原子と酸素原子の二重結合をもつ。④

    エタノール CH3CH2OH は,すべての原子が単結合でつながっている。⑤プロペン CH2=CH-CH3は,炭素と炭素の二重結合をもつ。

    6. ⑤

    解説 ①酢酸 CH3COOH はカルボキシル基 -COOH 内に炭素-酸素間の二重結合をもち,メタノールCH3OHはすべての原子が単結合でつながっている。②水 H2O はすべての原子が単結合でつながっており,硫化水素 H2S もすべての原子が単結合でつながっている。③アセチレン

    CH≡CH は炭素-炭素間は三重結合で炭素-水素間は単結合,窒素 N2 は三重結合である。④酸素 O2 は二重結合,エタン C2H6 はすべての原子が単結合でつながっている。⑤二酸化炭素 CO2は,炭素-酸素間が二重結合でつながっており,

    エチレン CH2=CH2は炭素-炭素間に二重結合をもつ。

    7. ①

    解説 ①N2 は窒素原子間が三重結合でつながっている。②O2は酸素原子間が二重結合でつながっている。③Cl2 は塩素原子間が単結合でつながっている。④C2H4は炭素-炭素間が二重結合,炭素―水素間が単結合でつながっている。⑤H2O2はすべての原子が単結合でつながっている。

      P.20  

    8. ①

    解説 ①アンモニア NH3は四原子分子。②塩化水素 HCl は二原子分子。③メタン CH4は五原子分子。④酢酸 CH3COOH は八原子分子。⑤水 H2Oは三原子分子。

    9. ③

    解説 ①アンモニアは三角錐形であるから,すべ

    ての原子が同一平面上にはない。②エタノールは

    すべての原子が単結合でつながっており,炭素原

    子と酸素原子は同一平面上にあるが,水素原子が

    その面上にあるとはいえない。③エチレンは炭素

    間が二重結合であるため,すべての原子が同一平

    面上にあるといえる。④メタンは正四面体構造を

    とるため,すべての原子が同一平面上にあるとは

    いえない。⑤乳酸は光学異性体をもっており,す

    べての原子が同一平面上にはない。

    10. ①

    解説 ①の硫化水素は折れ線形,②~⑤はすべて

    直線形である。

    11. ②

    解説 ①両方とも金属結晶である。②両方とも分

    子結晶である。③塩化ナトリウムはイオン結晶,

    アルミニウムは金属結晶である。④両方ともに共

    有結合の結晶,⑤ヨウ化カリウムはイオン結晶,

    ケイ素は共有結合の結晶である。

    12. ⑤

    解説 電気陰性度は,元素の周期表の 18 族を除

    く,右側・上側の元素ほど大きい。B,N,O は第 2周期の元素で O が最も右にある。P,S は第3周期の元素で S が右側にある。O と S は同族元素で,O の方が上側にあるので,電気陰性度が最も大きい元素は O である。 13. ③

    解説 ①,⑤は単体であるから,無極性分子。②

    は正四面体形,④は直線形であるから,無極性分

    子である。

    14. ④

    解説 ①アンモニアは三角錐形。②,③窒素と二

    酸化炭素は直線形。④水は折れ線形。⑤メタンは

    正四面体形。

    15. ⑤

    解説 ①水 H2O は折れ線形であるから,誤り。②シクロヘキサン C6H12は環状構造であるから,誤り。③メタン CH4は正四面体構造をとるから,誤り。④アンモニア NH3は三角錐形であるから,誤り。⑤フラーレン C60は球状構造をとるので,正しい。

      P.21  

    16. ③

    解説 ドライアイスや氷はそれぞれ二酸化炭素

    や水の分子(…ア)が集合してできた固体である。

  • CO2 や H2O などを分子式という。一方,NaClやCaCO3のようなイオン結晶を表す式は組成(…イ)式という。

    17. ⑤

    解説 ⑤ナトリウムなどの金属結晶では,金属原

    子の価電子は結晶内を自由に動くことができ,こ

    れを自由電子という。

    18. ④

    解説 a氷は H2O 分子が規則正しく配列してできたものであり,ソーダガラスは主成分が SiO2で共有結合結晶,よって,氷があてはまる。bア

    ルミニウムは金属結晶,塩化ナトリウムはイオン

    結晶であるから,塩化ナトリウムがあてはまる。

    cサファイアは主成分の酸化アルミニウムに微

    量の金属元素が混じったものであり,ダイヤモン

    ドは炭素が共有結合によって多数つながったも

    のであるから,ダイヤモンドがあてはまる。

     第1章   章末問題  

      P.22    

    1. ③

    解説 ①地殻を構成する岩石は,「酸素」,ケイ素,

    アルミニウム,鉄などの元素からなる化合物であ

    り,この「酸素」は元素を指している。②牛乳に

    含まれている物質の成分を意味している場合は

    元素である。③水を電気分解してできるのは気体

    の酸素と水素という物質であるから,単体を意味

    している。④メタン CH4は炭素と「水素」を成分元素とする化合物である。この「水素」は元素を

    指している。⑤同位体は原子番号が同じ元素であ

    る。

    2. ③

    解説 考えられる酸素分子 O2 を構成する酸素原子の組合せは 16O16O,16O17O,16O18O,17O17O,17O18O,18O18O の6種類である。このうち,16O18O,17O17Oは質量が等しいので,質量数が異なる酸素原子は

    5種類である。

    3. ④

    解説 ①ヘリウム原子( He42 )は,2 個の陽子と 2個の中性子からなる原子核と,そのまわりの2個

    の電子からできている。陽子と中性子の質量はほ

    ぼ等しいが,電子の質量は陽子や中性子の質量と

    比べ,約 1840 分の 1 程度と小さい。よって,原

    子の質量と原子核の質量はほぼ等しいから誤り。

    ②ヘリウム原子( He42 )は,陽子と 2 個と中性子 2個,水素原子は( H11 )は陽子 1 個と中性子 2 個。よって,ヘリウム原子核の構成は,水素( H11 )の原子核の2個分にはならないから誤り。③ヘリウ

    ム原子の電子は K 殻に 2 個入っており,M 殻には入っていないから誤り。⑤ネオン 10Ne の電子配置は,K 殻に 2個,M殻に 8個であり,ネオン原子の方がヘリウム原子より大きいから誤り。

    4. ①

    解説 ①同一周期において,原子番号が大きくな

    るほどイオン化エネルギーは大きくなる。よって,

    誤り。

      P.23  

    5. ⑤

    解説 ①典型元素には,Na や Al などの金属元素も含まれるから誤り。②遷移元素は3~11族の元

    素を指す。2 族であるアルカリ土類金属は,典型

    元素であるから誤り。③アルカリ金属は価電子 1

    個を放出して1価の陽イオンになりやすいから誤

    り。④ハロゲンとよばれる17族の元素は,電子1

    個を取り込んで1価の陰イオンになりやすいから

    誤り。

    6. ①

    解説 aは F,bは Ne,cは Na である。①aとbは第2周期に属するが,cは第3周期に属す

    る。

    7. ③

    解説 a水酸化物イオンOH-は1価の陰イオン,塩化物イオン Cl-も 1価の陰イオン,よって,価数は等しいので正しい。b炭酸イオン CO32-は,4 つの原子からなるが,2 価の陰イオンだから誤

    り。c塩化カリウム KCl は,水に溶かすと電離してカリウムイオン K+と塩化物イオン Cl-に電離するので正しい。