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GFPグローバル産地連携かんしょ部会

かんしょの輸出概要及び米国市場クイック調査結果報告

GFP事務局

2020年10月16日

©Accenture 2020. All Rights Reserved. 1

かんしょの輸出額は香港・シンガポール向けを中心に順調に成長を続けており、2012年から2019年までの年平均成長率は+39%と非常に高い。

かんしょ輸出額推移

出所：財務省貿易統計よりアクセンチュアにて集計

輸出規模(億円)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

香港

シンガポール

タイ

台湾マレーシアその他

1.69

3.133.76

5.88

8.669.71

13.79

16.95

8.03(前年比+11%)

年平均成長率+39%


輸出額の大きい香港・シンガポール・タイ向けにおいて高い増加率を維持しており、カナダ向けも成長率が高く、北米向けに更なる輸出拡大が期待される。

かんしょ輸出先国別成長率

※2019年輸出実績国中国・アラブ首長国連邦・マカオ・韓国は2016-17年輸出実績ゼロのため増加率ゼロで掲載出所：財務省貿易統計よりアクセンチュアにて集計


輸出額の増加率

(過去2年平均)

2019年輸出額

16.95億円香港

シンガポール

タイ

台湾

マレーシアカナダ

中華人民共和国

アラブ首長国連邦

アメリカ合衆国

マカオ

大韓民国

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3


0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

香港シンガポールタイマレーシア台湾カナダ中国アメリカマカオ韓国

2019年前期(1-6月) 2020年前期(1-6月)

コロナ影響下でも香港・タイ・マレーシア向けの輸出額が伸びている一方、近年輸出が伸びていたシンガポール向け輸出が停滞している。

直近のかんしょ輸出動向（2020年1月-6月期）

※2019年前期(1-6月)輸出実績国出所:財務省貿易統計よりアクセンチュアにて集計

+24%

-29%

+61%

+34%-11% +4.6% -100% +25% -100% -100%



糖度の高い日本産かんしょは、砂糖無添加でも甘い「健康的スイーツ」のイメージを訴求した上で、素材の良さを生かしやすい一次加工品を含めてデザート・おやつ向けの多様なメニュー提案を進めることが有望ではないか。

かんしょの北米輸出に向けた方向性（弊社案）

北米市場

• フライドサツマイモ等のメジャーな食べ方は「塩っぽい味」×「食事・おかず(付け合わせ)」が中心であり、甘さ控えめの現地産かんしょの特徴を生かしている

• 伝統家庭料理や一部のスイーツ店では甘さのあるデザート系料理も普及しているが、砂糖・シロップ等を加えることで甘さを出していることが一般的

加工度低高

小売

外食

• 高価格帯スーパーで「本物のかんしょ」として訴求

➢ 「オーガニック」は付加価値となりうる

• 現地伝統食(ロースト、洋風大学いも等)をベースにローカライズ/日本風味(抹茶等)の生芋を使用するデザート・付け合わせメニューの提案

• 「冷凍焼き芋」や「干し芋」を無糖スイーツとして訴求

➢焼芋は冷凍状態でアイス風、温めればローストポテト風に

➢焼芋は少量にする工夫も要

（初期展開での優先度低）

• 日本風味を加えたデザートとしてのかんしょ加工品

➢抹茶、黒蜜、黒ゴマ、きなこ等と合わせたケーキ、パイ、クッキー、アイスクリーム等

• 「かんしょペースト」・「冷凍焼き芋」等の一次加工品を活用したデザート・付け合わせメニューの提案


米国では「甘さ控えめ」×「食事・おかず」としての消費が中心であり、「甘さ重視」×「おやつ」としての消費が中心である日本とはかんしょの位置づけが異なっている。

日米のかんしょの食べ方の違い

出所：日本・米国双方に居住経験のある弊社社員による現地ヒアリング調査結果

甘さ

食事

塩っぽさ

おやつ

焼き芋

チップス

マッシュ

サラダの具

芋けんぴ

干しいも

チップス

パンケーキ

タルト大学芋

みそ汁の具ポタージュ

天ぷら

炒める

フライドサツマイモ塩バター

日本米国

※図の大きさは見かける頻度

スイートポテト


Japanese sweet potato

Sweet potato/Sweet yam

• 色味、味、食感は日本産に近いが、多くは米国産

• オーガニックも多いが、通常のSweet potatoと価格差は少ない

Safeway米国/カナダ

$1.99

Trader Joe's

米国 Sweet Potato$0.89

米国 Murasaki SweetPotato,他1種

$3.99(袋入り)

Whole Foods 米国

Organic Purple Stokes sweet potato,他2種

$1.99

米国Organic garnet red yam$2.69

米国Organic Beauregard sweet potato$2.69

Tokyo Fish(アジア系食品店)

Whole Foods

米国Organic Japanese Sweet Potato$1.99

TokyoFish(アジア系食品店)

米国Japanese Sweet Potato$2.69

米国Organic Japanese Sweet Potato$2.99

Potato/Yam Sweet Red/ White/Golden

• 中はオレンジ色でカロテンを多く含み日本産より水分・食物繊維が多く、甘みが少ない

• 米国で一般的に食される種類

米国で一般的に食されるサツマイモと日本品種は異なるため「Japanese SweetPotato」と区別され一部店舗で販売されているが、米国産でオーガニックが多い。

米国におけるかんしょの小売状況

販売店特徴原産地名称価格/1ポンド

販売例


最も定番なのは、「サツマイモフライ(sweet potato fries)」であり、バーガー等の付け合わせとして人気も高い。家庭用として冷凍食品も販売されている。

米国におけるかんしょの主な消費シーン ~サツマイモフライ

*1 目安としてバーガー単品で$10以上

サイドメニューのfriesはレギュラー、スイートポテト、ズッキーニ＆玉ねぎの3種:各$3.99（Roam Artisan Burgers）

バーガーやタコスのサイドメニューはフレンチフライ、オニオンリング、サツマイモフライ:各$3.99（Gott's Roadside）

一部の小売店ではALEXIAの様々な形状の冷凍サツマイモフライを販売全てアメリカ国内産を使用（566g入り Whole Foods4.79ドル、Safeway会員価格3.69ドル）

• ハイエンドハンバーガー店*1やタコス店、カフェのランチメニューやステーキハウスでフライドポテトの選択肢の一つとして広く普及

• ハーブやチリペッパーでの味付けや、ディップやチーズと提供されることが多い

• 低価格なチェーン店では、2012年まではバーガーキングが全土で、2015年にマクドナルドが一部店舗で試験販売をしていたが現在は取扱なし

サツマイモフライ(sweet potato

fries)


小売では、「サツマイモチップス」がおやつとして多くの小売店舗で陳列されている。取扱は限定的だが、「むしいもパック」も販売されている。

米国におけるかんしょの主な消費シーン ~サツマイモチップス

• スーパーで数点陳列されていることがあり、オーガニック、輸入食品を扱う店や高価格帯スーパーでは複数種陳列されることも

• 「Vegetable Chips」や「Vegetable Root Chips」の名称で掲示されているケースも存在（Whole Foods、Trader Joe’s）

• 小売店舗での取扱は限定的

• レンジで簡単にむしいもが作れるパック

レンジで10分あたためるだけ中はオレンジ色をしているアメリカで一般的なスイートポテト米国カリフォルニア州 680g（Safeway ＄2.99）

最も店舗で見かけた「TERRA」。産地は商品によって様々（ホンジュラス等）170g入り。スーパーでは多数のポテト/タコスチップスの間に陳列されあまり目立たず（Safe way$3.49、Whole Foods 2個で$6）

Trader Joe’sではVegetable Roots Chipsとしてサツマイモチップスをまとめて陳列

カリフォルニア州産、値札なし（TJ）

ペルー産、$2.99ドル(TJ)

インドネシア産、2.49ドル(Tokyo Fish)

クラッカー産地不明、$1.99 (TJ)

サツマイモチップス（sweet potato chips）むしいもパック（sweet potatoes steamer bag)


最もよく見受けられたTERRAの製品はフレーバーや他の健康的な野菜との組み合わせで全10種類のラインナップとなっており、小売店ではこのうちいくつかが陳列されていた。

（参考）TERRAのスイートポテトチップス

① Sea Salt（塩味）

② Sweet & Beets（ビーツ入り、無塩）

③ No Salt Added（無塩）

④ Sweets & Blues（Naturally Blue Potato入り、塩味）

⑤ BBQ Sweets（バーベキュー味）

⑥ Sweets & Carrots（にんじん入り、無塩）

⑦ Sweet Chipotle（スモーク味、アボカドオイル使用）

⑧ Sweets Medley（紫イモ、バタタ入り、アボカドオイル使用）

⑨ Sweets & Apples（リンゴとシナモン入り、無塩）

⑩ Red, White & Blues（Yukon Goldポテト、Ruby Dipped Vegetables、Naturally Blue Potato入り、塩味)


フライドサツマイモ程の定番感は無いが、トレンドを意識した一部のカフェ等での付け合わせやサラダのトッピングで「ローストサツマイモ」が提供されている事例もある。

米国におけるかんしょの主な消費シーン ~ローストサツマイモ

「Potato Medley」には他のイモと合わせてSweet Yamが入り、オムレツ等($16～)の付け合わせとして必ず付く他、単品注文可（ブランチ店Sweet Maple）

ローストサツマイモはスーパーフードを使ったPower Bowlサラダ($13)の中に入る他、各サラダにもトッピング可（KITAVA）

惣菜コーナーにyamを使用したサラダが「Sweet potato& Poblano Salad」がある($8.99/lb)（スーパーWhole Foods）

• 一部のブランチメニューを提供するカフェや健康志向の高い店などの付け合わせでオリーブオイルを使いオーブンでローストしたサツマイモを選べる

• 塩やローズマリー等のハーブで味付けされることが多い

• 他のイモや野菜と一緒のものは「Potato Medley」と称されることもある

• サラダのトッピングとして提供されている例も

ローストサツマイモ(roasted sweet

potato)


ハロウィン・感謝祭の特別料理や米国南部料理の付け合わせとして食される習慣があり、ローストポテト・キャセロール・マッシュ・洋風大学いも等様々な方法で調理される

米国におけるかんしょの主な消費シーン ~付け合わせメニュー

付け合わせメニュー例

マッシュスイートポテト• フライドチキン等肉料理の付け合わせとしてグ

レービーソースやバター、クリーム等と提供• 主に南部で食され、北部では一般的ではない

スイートポテトキャセロール• マッシュしたスイートポテトの上にナッツ、ブラウン

シュガー、マシュマロを乗せる等各家庭でのアレンジを加えつつ広く普及

ベークドスイートポテト• オーブンで1度焼いた後、好みでバターや塩、ブ

ラウンシュガー、シナモン・ナツメグ等各種スパイスなどを加えて再度焼く家庭料理

洋風大学いも（Candied Sweet Potato)• はちみつや砂糖、シナモン等と一緒に一口サイ

ズに切ったスイートポテトをローストし、グレーズした洋風の大学いもも一部家庭で食される

付け合わせとしての提供シーン・場所

家庭

外食

• 元々は10-12月のハロウィン、感謝祭、クリスマス等のイベント時を中心に食べられる

✓11月第4木曜日の感謝祭(Thanksgiving)の特別料理に七面鳥、クランベリー料理と並んでスイートポテトは欠かせない

• 米国南部の方がより消費する文化

• 米国南部料理店、中南米料理店では肉料理の付け合わせとして提供される/選択できるケースもある


一部の店舗のみで限定的ではあるがサツマイモを使用したスイーツの取扱も見られる。甘みが少ない品種を使用しており、シロップ・砂糖・チョコレート等を一緒に使用している。

米国におけるかんしょの主な消費シーン ~スイーツ類

スイートポテトパンケーキ

生地にサツマイモを練りこんだパンケーキ。ストロベリー等フルーツがトッピングされておりシロップをかけて食べる（ブランチ店Sweet Maple $13）

スイートポテトワッフル

ベルギーワッフルの上に洋風大学いも(candied yam)をトッピングし、シロップとバターと一緒に食べる（ワッフル店Keith‘s Chicken N Waffles $8.50）

スイートポテトブラウニー

スイートポテトを使用したグルテンフリーのチョコレートブラウニー（グルテンフリーファストフード店Hot Spud $4.50）

紫イモソフトクリーム

ソフトクリームやかき氷のラインナップに紫イモ(purple sweet potato)があり、フルーツの他、あずきや抹茶等日本式フレーバーを確認（韓国系かき氷・アイスクリーム店Café Bora $4.75）


サツマイモは広く受け入れられており、フライドサツマイモのようなおかずとしての消費が多い。焼く場合は、日本の焼き芋とは異なり、味付けをする消費者が多い。

かんしょ料理に対する意見（米国消費者ヒアリング結果）

【全般的な意見】

• サツマイモは大好きであり、特にフライドサツマイモを好む（20代男女、30代女）

【炒め料理】

• サツマイモの皮をむいて、塩をかけて炒めることで、甘じょっぱくなる（20代女）

【焼き料理】

• 焼いた後に、練乳とイチゴソースをかけて食べる（30代女）

• 米国南部の方では、感謝祭の伝統料理として、芋の中にマシュマロを入れて焼く（20代男）

• 自分で調理する時は皮をむかずにそのまま焼き、塩とバターをつけて食べる（20代男）

• 焼き芋は知っているが、見たことはない（20代男女）

• 皮つきのままブラウンシュガーを中に入れて焼く人も多い（20代男1人）

• 自分で調理する際は蒸して、食べる前に皮をむく（60代（中国系）女1人）

【その他】

• スープの具として、角切りのサツマイモを入れる人もいる（30代女）

• 干芋は見たことないが、食べてみたい（20代男女、30代女）

• 大学芋（candied sweet potato）なら聞いたことがある（20代男1人）米国消費者

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