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2012. 06. 07

TIGAR Project DepartmentEnergy Operations

※ TIGAR® is under development.

二塔式ガス化炉（ＴＩＧＡＲ®）

インドネシアでの実証プロジェクトへ向けて

CCTワークショップ2012

～エネルギー基本計画の見直しとクリーンコールフロンティアの実現～

株式会社ＩＨＩ渡辺修三

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目次

１．二塔式ガス化炉の概要

２．6TPDパイロット試験結果

３．実証機プロジェクト概要

４．二塔式ガス化システム紹介

５．ＣＣＴ技術の海外展開

６．まとめ



• ガス化炉

気泡流動層、水蒸気ガス化

燃焼炉からの循環媒体の熱を利用

未反応チャーは燃焼炉へ循環

高発熱量ガス化ガス生成

• 燃焼炉

循環流動層

チャーを空気で燃焼

石炭、バイオマス、廃棄物も燃焼可能

高温循環媒体をガス化炉へ循環

特許：国内、アジア、欧米に出願

二塔式ガス化炉（TIGAR® ）は、技術的/経済的に利用困難であった低品位エネルギー（褐炭、バイオマス）をガス化し、化学原料あるいは燃料用に有効利用する技術

（TIGAR ® : Twin Ihi GAsifieR）

燃焼炉ガス化炉

空気

水蒸気

燃料

燃焼排ガス

ガス化ガス

1. 二塔式ガス化炉の概要～原理～



二塔式ガス化炉を利用して、低品位燃料（褐炭・バイオマス）をガス化して水素、

メタン、ＤＭＥなど化学原料あるいは燃料に転換

合成ガス

CO、H2

シフト反応水素

合成メタンガス

合成

（触媒

反応）化学原料

輸送用燃料

化学原料

製品適用先

気体

液体

GT、GE燃料

直接還元製鉄

改質メタン

燃料電池

アンモニア（肥料原料）

直接石炭液化原料

CTL

DME

メタノール

輸送用燃料

化学原料

原料

低品位炭（褐炭）

バイオマス

廃棄物

H251%

CO18%

CO219%

CH49%

Other HC3%

TIGARガス化ガス組成

H2リッチな高発熱量ガスである。

1. 二塔式ガス化炉の概要～用途先～

二塔式ガス化炉



Gasification Process TIGAR Type A Type B Type C

Gasifier Type Fluidized bed

Entrained bed

Entrained bed

Moving bed

Operation Press. 0.1-0.5MPa >3MPa >3MPa 1-3MPa

Operation Temp. 800-1,000 >1,400 >1,500 1,200

Gasification Agent Steam Oxygen Oxygen Oxygen

Fuel Feeding Bulk Slurry Powder Bulk

Fuel Availability High Low Low Medium

Residue Dry ash Slag Slag Dry ashEfficiency(for lignite) High Very low Moderate Low

TIGAR® is suitable technology to use low rank coal（LRC).

1. 二塔式ガス化炉の概要～ガス化炉の比較～



LPG tank

Cooling water pump

Cooling Tower

Control Room

TIGARR

Bag filter

Gas cooler

Incinerator

Ash and Sand storage yard

Coal storage yard

Settling pond

Buffer tank

Gasif ier

Combustor

G-IDF

FDF

HRA for Gasifier

GAH

HRA for CombustorCoal conveyer

3D view of TIGARR (Prototype Plant 50t/day)

PRELIMINARY

CONFIDENTIAL

FL 36m

FL 23m

FL 13m

FL 0m

BFP

基礎試験

シミュレーション

ベンチ

試験6TPDパイロット炉

商用機

基礎試験装置

300~1000t/d

現在

0.1t /d

6t/d IHI横浜

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014FY

実証機

50t/d

商用展開

2015年頃

→褐炭保有国への

展開を図る

インドネシア肥料工場へ導入

3000TPD商用機イメージ

1. 二塔式ガス化炉の概要～開発スケジュール～



2. 6TPDパイロット試験結果～装置概要～

燃焼炉

改質炉

タールデカンタ

フレアスタック

押込通風機

ガス冷バグフィルタ

排気筒

ガス化炉

O2

石炭

IDF

サイクロン

IDF

水蒸気

石炭フィーダ

砂フィーダ

ボイラ

石炭バンカ

ガス化（燃焼炉含む）

コンベヤ

ボトムアッシュクーラ

空気

ガス精製

排水処理

燃焼炉

改質炉

タールデカンタ

フレアスタック

押込通風機

ガス冷バグフィルタ

排気筒

ガス化炉

O2

石炭

IDF

サイクロン

IDF

水蒸気

石炭フィーダ

砂フィーダ

ボイラ

石炭バンカ

ガス化（燃焼炉含む）

コンベヤ

ボトムアッシュクーラ

空気

ガス精製

排水処理

パイロット炉試験内容

・計画性能の確認

・連続運転による安定性確認

・実証機に向けた設計データ採取

～H20 褐炭を原料に二塔式ガス化炉としての原理実証と特性把握実施

→ ガス精製・排水処理プロセスも付加した連続運転可能な設備に改造

H22～運転試験

6TPDパイロット炉での運転試験により技術検証 → 次の実証ステップへ

改造後のパイロット炉フロー

（ガス化・ガス精製・排水処理一貫プロセス）



2. 6TPDパイロット試験結果～結果概要～

RUN 日程運転時間試験概要結果概要

総合

試運転H22.7～8 -

各機器の試運転

耐火材乾燥

褐炭ガス化試運転

各機器の不具合など対処。

ガス化の起動，停止要領を確認し，連続運転のメドを立てた。

RUN1 H22.10 110hr連続運転目標100hr超の連続運転を達成

RUN2 H22.11 114hr連続運転

褐炭粒径変更

褐炭粒径のガス化への影響を把握し，適な粒径を決定。

RUN3 H23.1～2 123hr

連続運転

炭種変更

触媒（石灰石）投入

高水分褐炭でのガス化性能を確認。

石灰石のバッチ投入によるガス化性能向上効果確認。

RUN4 H23.10 202hr連続運転

触媒（石灰石）連続投入

石灰石の連続投入によるガス化性能向上効果確認。

連続ガス化運転は長となる202hr達成。

RUN5 H24.3 167hr

連続運転

S/C変化試験

バイオマス試験（木質ペレット）

S/C変化時のガス化性能への影響を把握。

褐炭からバイオマスへ連続運転中に切替え，バイオマスでのガス化性能確認。

不具合事項は対策・反映して，毎回100hr以上のガス化運転を行った。

プロセスの安定性を検証し，計画値を満足するデータを得た。

実証機以降の設計・

運転条件に反映した

S/C＝Steam/褐炭中炭素分



・小型炉バッチ試験結果等で構築した予測ツールにより，6t/dパイロット炉の性能を予測できることを確認した。⇒実証機へ展開

【小型炉バッチ試験結果】

（温度数点の試験によりガス化速度を算出）

・ガス化炉構造

・流動化条件

↓・石炭滞留時間

【6t/d 炉試験結果と予測値の比較】

0

25

50

75

100

0 5 10 15 20

反応時間 (min)

炭素

転換

率 (%)

RUN1 ECO炭

RUN3 ECO炭

RUN3 PKN炭

瀝青炭１

瀝青炭２

2．6t/dパイロット炉試験結果～小型炉試験からの性能推定～

炭素転換率生成ガス中の炭素量

投入燃料中の炭素量

20

30

40

50

60

70

20 30 40 50 60 70

炭素

転換

率実

測

炭素転換率予測

RUN1

RUN2

RUN3(2炭種目)

RUN3

総合試運転RUN4

A炭

A炭

B炭



・ 50t/d規模へのスケールアップ、設計妥当性の確認。

・長時間の運転を通し保守耐久性を確認。

・将来の導入先である肥料工場でのデモンストレーション

インドネシア国営肥料会社PUSRI Kujang工場

【サイト】

【実証目的】

ジャカルタからの近隣工場であり

デモンストレーションに適

7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 10-12

2016

Month

50ｔ/ｄPrototype Plant

Year 2011 2012 2013 2014 2015

Design Procurment/Constrction Operation/Test

Procurment/Fabrication

Civil/Erection

Test/Arrangement

Now

3. 実証機プロジェクト概要



【プロセス】実証機にて長期運転を通じて全体システムを検証していく。

【Specification】

石炭使用量 50t/d（到着、43%水分）

ガス化ガス発生量 1,500m3N/h-dry

蒸気発生量 3.0t/h

3. 実証機プロジェクト概要～プロセス～

Proto-type plant bird’s eye viewIndonesian Partners: Pupuk Kujang & tekMIRA


4. 二塔式ガス化システム紹介褐炭ガス化にあたって

～運用性、メンテナンス性および安全性～


◆二塔式ガス化炉は、褐炭ガス化に対して、運用性、メンテナンス性および安全性に優れた設備

関連設備(EQUIPMENT)

ＴＩＧＡＲの特長(FEATURE OF TIGAR)

比較的低温運転Lower OperationTemp

ガス化炉Gasif ier

・850-950℃での運転(Lower Temp Operation)・高級材不要⇒安価(Low CAPEX)・容易な運転(Easy Operation)

常圧運転Under AtmosphericPress.

ガス化炉全体TIGAR

・循環流動層ボイラ運転方法を流用 (Use of CFB operation know-how)・運転の習熟が容易(Easy Train ing for Operation)・肉厚な圧力容器不要(No Required Pressure Vessel)・汎用機器の適用(Conventional Equipments)・メンテナンス容易(Easy Maintenance)

自然発火しやすいEasy ign ition

貯炭・搬送設備Coal Handling

・微粉砕が不要⇒自然発火の可能性低減（比表面積小）(Feeding of Coarse Partic le Lign ite)

高水分High Moisture

乾燥設備Pre-Dry

・流動層ガス化炉より基本的に乾燥設備不要・効率考慮して、30-40％水分まで乾燥(Easy Pre-Dry to 30-40% Moisure in Lignite)・固有水分まで乾燥しないことから、乾燥褐炭　のハンドリング容易(Easy Handling of Pre-Dry Lign ite)

項　　目(ITEM)

システム(SYSTEM)

褐炭(LIGNITE)


13

◆二塔式ガス化炉は、常圧、低温での容易な運転⇒運転員の運転方法習得が容易

◆普及技術である循環流動層（ＣＦＢ）を適用しており、汎用品を採用⇒メンテナンス性に優れる

循環流動層ボイラ（ＣＦＢ）システム二塔式ガス化炉（ＴＩＧＡＲ）システム

［ガス化炉・燃焼炉］Gasifier/Combuster・850-950℃・常圧(Atmospheric Press.)

・運転が容易

・通常のCFBと同様の運転・操作

・運転員の習熟も容易・ハード構成類似。⇒汎用品適用可能

4. 二塔式ガス化システム紹介ＣＦＢ類似の機器構成

～運用性、メンテナンス性および安全性～

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4. 二塔式ガス化システム紹介褐炭貯蔵・搬送設備

～安全性の確保～

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褐炭搬送設備における考慮

粉砕装置：破砕機の適用

・粗粉砕（<10mm）でよく、発火しにくい

状態でハンドリング可能

褐炭貯蔵バンカ

・粗粒径（<10mm）で貯留

⇒自然発火しにくい

（乾燥しすぎると発火しやすくなる）

褐炭乾燥設備

・高水分褐炭は、予備乾燥してハンドリング性

およびガス化効率考慮

・乾燥後水分は、安全な範囲で維持

世界の褐炭性状

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4. 二塔式ガス化システム紹介運用性（1/2）

～容易な炭種の変更～

石炭性状の変化に対して安定して運転可能 6TPD Pilot Test result

シンガス流量

石炭供給量

ガス化炉温度

燃焼炉温度

A褐炭（水分42.8%） B褐炭（水分34.3%）

炭種変更

・炭種変更時も数時間で安定

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A褐炭（水分42.8%）

燃料変更

バイオマス（水分7.5%）

シンガス流量

燃料供給量

ガス化炉温度

燃焼炉温度

バイオマス単味でのガス化運転可能(Lignite⇒Biomass)

4. 二塔式ガス化システム紹介運用性（2/2）

～容易な燃料種の変更～

6TPD Pilot Test result



Natural Gas

Fertilizer

Coal

Lignite58.7%Bituminous

14.3%

Sub bituminous

26.7%

Anthracite0.3%

Policy of Indonesia energy supply

■ Indonesia is resourceful country of Low Rank Coal (LRC).■ Indonesia is resourceful of Natural gas also. ■ Indonesia allocates Natural Gas resources for Fertilizer industry.

For Indonesia, Gasification of LRC contributes to Natural Gas consumption as Export.

Indonesia Coal ResourcesNatural gas consumption in Indonesia

(Total：8,095.5MMSCF, 2006)

PGN

Export

Shift!

5. ＣＣＴ技術の海外展開～インドネシアのエネルギー事情～



ＣＣＴ技術の海外展開（褐炭ガス化炉）

海外普及における課題：海外展開先ニーズにマッチした技術

経済面：天然ガス価格と合成ガス価格フィジブルか？

技術面：運転習熟のしやすさ、安全性確保

環境面：各国の環境基準に沿った設備（過剰でない）

◆二塔式ガス化炉は、上記課題をクリアできるシステム

◆差別化された技術高水分/高灰分の褐炭に適

5. ＣＣＴ技術の海外展開～海外展開の難しさ～


6. まとめ


◆ＣＣＴ技術の海外実証の意義

◆ＣＣＴ技術の海外展開要件

将来の顧客の面前で実証項目の検証

将来の顧客に、運転のしやすさ、メンテナンスしやすさを実感

産炭国内で実証⇒多種類褐炭での実証試験

海外実証先ニーズを商用機に反映

運転・保守消耗品、予備品の入手が容易

ハイエンドでなく、

必要な品質を確保し受け入れやすい価格設定

オペレータの技術レベルに合った運転方法

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