ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 url right...hitotsubashi university...

24
- - ( 81 ) J +

Upload: others

Post on 20-Aug-2020

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

サン

-マ

-

( 8 1 ) ル ネ サ ン ス の 影

年九

月二

十三

日、

ツェ

去っ

た。

は、

ディ

家の

専制君

主ア

に、

自由都市の

名を

失っ

故郷フ

の、

彼の

永別

なっ

た。

彼を

待ちか

えて

が、

礼拝堂

聖壇正

面の

大壁

画の

仕事で

る。

自分を

家と

刻家

考え

た。

更に

彼は

権力

者を

カと

富の

暴を

憎ん

た。

幼い

時か

ら、

家の

騎慢を

体験

し、

長じて

法王

庁の

腐敗堕

落を

見聞

して

た。

ダン

篇を

愛読し

た、

は、

世の

終末を

言して

まない

鉄血の

僧サ

ブァ

ナロ

火の

うな

警鐘の

ばが

焼きつ

離れ

かっ

た。

農民が

土地の

縛か

逃れ

貨と

威力

ジョ

民に

富と

化の

蓄積を

能に

した

うなれ

ば、

商人

して

間の

出発に

よっ

て、

間の

間と

して

復権

能と

なっ

代の

夜明け

は、

輝か

しい

とい

うよ

りは

しい

時代で

あっ

た。

富を

り、

り、

陰謀が

渦巻き

暗殺が

茶飯の

りさ

あっ

た。

堰を

切っ

間の

カは

方の

向っ

解き

る。

徳は

極度に

顧廃

た。

しか

し、

、、

仕事を

けれ

ない

ウJ

欲と

悪、

矛盾と

合理に

くれ

る、

精神界の

+

Page 2: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第六 十 一 巻 第 二 号 ( 8 2 )

\′

物質界の

貴族社

会の

中で

貧窮の

父を

抱え

弟に

て、

自分の

領域で

ない

信ずる

筆を

もっ

て、

法皇パ

世と

契約を

果さ

ない

私は

人の

法王

た、

しか

(

1)

は、

まっ

むを

待ずし

なの

す。

+

自分

白身の

盾、

時代の

歴史の

盾、

嵐を

胸の

ちに

て、

礼拝堂の

壁面に

ジェ

脳裡に

は、

どの

ヴィ

り、

うに

聖壇の

壁画

して

像を

結ん

か。

ほ、

怒れ

神+

して

り、

タ+

ト、

復活+

く、

神の

ら人

間を

救い

出して

愛+

の、

救世+

く、

太い

手を

頭上

る、

しい

怒れ

神+

して

と、

騎慢

畜・

妬・

裏切

望そ

りと

悪の

者と

して

の、

神の

怒り

審判に

怖れ

なし

身を

身を

寄せ

い、

獄に

落下

して

間の

群で

あっ

た。

壁画

後の

審判』

は、

四一

年の

除幕さ

た。

驚愕さ

伝え

る、

怒れ

神+

優形と

間の

裸形の

渦は

美術史上

劃期

的な

創造で

あっ

とは

家の

指摘す

とこ

る。

朗りル

h

すべ

きこ

は、

的「

美+

約束を

破る

激しい

調で

ある

点で

とい

える

画を

更に

-

主の

直下に

漂う

雲に

使徒バ

し、

自ら

殉教を

して

枚の

間の

皮を

(

使徒は

迫害さ

皮を

剥が

る。

)

間の

皮に

個の

顔が

描か

が、

聖人の

顔で

く、

自身の

顔で

る。

気味で

嘲弄的な

自画

像(

りに

立た

う描

きこ

為に

とが

発見さ

代に

なっ

らの

る)

中に

芸術家は

自ら

罪と

存在が

恥ずべ

もの

告白を

(

2)

る。

+

(

1)

年五

月二

付】

LO

寛PO

∈)

nP

ヨOt

-

翌日○

宛の

紙。

梨が

個+

入っ

確か

受け

取っ

た、

十三

個+

送っ

喜ば

れた

人が

途中

まっ

しい

とい

た、

匠ミ

ダニ

めて

心の

使い

方の

書き

出し

紙。

中で

次の

うに

-「

刻師ミ

ジェ

とい

宛名で

紙を

よこ

Page 3: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 8 3 ) ノレ ネ サ ン ス の 影

祭に

下さ

い、

私は

ジェ

ティ

とい

なの

すか

ら。

祭壇に

絵を

描か

たい

とい

御仁

した

師を

探せ

ばい

す、

は一

皮だ

師で

あっ

めし

すし

店屋

して

刻師で

ない

すか

ら。

私の

父と

弟た

誉の

めに

らぬ

常に

めて

私で

す、

確か

私は

人の

王に

まし

た、

は、

まっ

むを

得ずし

なの

す。

+

(H

∽t

O

ロe

幕・

訳の

書簡

集ト

§Q

訂訂さq内

訂-

幹ぎ

官Q

る。

)

(

2)

H.

弓.

甘口

冒n‥

加計叶

Ql

宗-

-きま

b′

最後の

判』

的『

美』

約束を

あら

る+

激しい

鬱積した

精神の

暴発で

る、

記した

ク+

る、

とさ

記し

た。

的美+

何か

?

を、

紀中

葉の

術理

論を

表し

自身

幾つ

建築作品を

残し

る、

タ・

次の

言葉に

知る

とが

きる

…い

も、

美と

は、

すべ

分が

何か

加え

り、

減ら

また

更し

する

と、

けか

えっ

悪くな

ど、

(

1)

ぴっ

釣合い

取れ

た一

調

和で

る。

調

和あ

各パ

有機的な

係、

とい

実の

は、

術は

想を

る、

想は

自然の

内に

出さ

る、

ら、

自然と

神の

造っ

調

和あ

大い

物で

る、

とい

想に

基い

る。

自然を

範と

し、

自然に

模う

精神で

る。

しか

し、

素朴な

完全

精神

ない

神の

被造

物と

然を

間の

性が

自ら

尺度と

して

計量し

し、

法則化

する

ば、

間の

知性に

合理

化さ

れ、

精神化さ

自然

る。

自然界の

物象か

ら、

事実は

私が

述べ

と(

註・

きに

した

美+

調

和+

義と

調

和+

体の

構成

要素に

り、

数+

飾+

う一

列+

が、

他に

第四

要素と

+

Page 4: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋 論叢 第 六 十一 巻 第 二 号 ( 8 4 )

/

〆ル

イテ

合+

り、

右の

上に

立つ

とい

うア

自説)

知っ

で、

作品

造る

自然の

模倣を

むね

…こ

為に

彼等は

力の

及ぶ

り、

自然が

ずか

らの

作品を

造り

出すさ

基準

なっ

則を

発見

し、

建築の

仕事に

応用

すよ

努力

した

数に

関して

彼等が

ず最初に

発見した

は、

偶数

奇数の

種類あ

る、

とい

うこ

とで

る。

彼等は

合に

じて

使い

けた

ち、

自然の

模倣

り、

彼等は

建築の

組み

ち、

柱や

稜を

数に

ょっ

構成

する

決して

なか

た、

奇数の

足で

ち、

動きま

動物が

ない

同じ

とい

うわ

けで

いh

くち

る。

方、

彼等は

形に

関して

常に

奇数を

もっ

した

自然に

らっ

る。

とい

うの

は、

自然は

目、

耳、

鼻孔は

側に一

ずつ

形し

が、

大い

形た

だ一

設けて

ない

(

2)

らだ

間の

知性が

物の

尺度で

美学者と

して

瞭に

言し

もこ

1

グル

イチ

…こ

合は

見い

出さ

象物か

じる

も、

構成

素か

ない

生の

もの

り、

自然か

もの

ら、

(

3)

真の

りか

精神で

性で

人に

とっ

て、

自然+

間の

働きか

ける

象と

自然で

あっ

た。

然が

性を

包み

むの

く、

性が

自然を

包み

る。

の、

間の

力が

くこ

ない

躍動を

げ、

英国十

紀末の

劇作家マ

に、

無限に

自我

大して

間(

限の

知識を

求める

神の

逆者フ

博士

無尽

蔵の

富を

して

ず、

為に

流すこ

常茶飯事で

るユ

人な

ど)

描か

せ、

間に

無限の+

とか

神々

い+

とい

形容詞を

好ん

冠せ

能に

た、

の、

性を

座標軸と

した

界図

は、

しか

なが

永続き

なか

た。

(

4)

に一

枚の

絵が

る。

降架』

り、

字架か

きお

す、

劇的な

㍊∂

Page 5: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 8 5 ) ル ネ サ ン ス の 影

2 2 7

Page 6: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

橋 論 叢 第 六 十一

巻 第 二 号 ( 8 6 )

間を

た、

イル

γ

ソ・

が一

年に

作製した

絵で

る。

東金

期の

絵画の

性と

比べ

なが

ら、

絵の

徴を

検討した

い。

U焦点

関心の

裂(

多様

性)

-ル

絵画

場合は

描か

物の

観賞者の

関心

は、

視線は

げて

まる

反し

場合

見つ

めて

物は

傷口

を、

異様に

大ぶ

りの

指し

男一

る。

絵画

空間は

めて

非構築的な

る。

焦点が

ない

だ。

各人

物の

視線は

らに

死せ

くる

む、

或は

背後に

間に

らぬ

角に

けら

る。

ば、

の、

社会の

史の

最も

暗黒の

とい

瞬間とい

意味で

劇的と

筆者の

ける

瞬間に

て、

何の

機能も

果して

ない

第二

特性と

して

点を

とが

きる

すな

ち、

榊非機能性

-で

る。

川反

力の

法則

-人

物が

きさ

見合

量、

体重

もっ

描か

ない

人の

物は

大き

な、

従っ

重た

筈の

屍を

片腕

で、

今に

梯子か

落ち

うな

腰の

らぬ

持ち

支え

受けと

る。

各人

物が

ば、

折紙細

感じで

幾何

的線画

(

㈲の

+

.の

頃を

参照

)

輩た

ちの

絵と

比べ

異常に

長く

-九

頭身で

る。

ダイシ

さ+

は、

後期の

殆ど

すべ

作品に

して

える

で、

期ル

との

する

最も

早い

分け

方の

で、

ル、

,

首の

長い

ナ』

やエ

作品は

典型で

(

㈲B

美の

作為性+

2

参照

)

帥反

1ロ

降架』

は、

風景

描写の

きこ

僅か

で、

抽象的に

点じ

で、

自然空

間の

中で

字架と

物群の

占め

置は

自然に

則さ

ず、

人工

的で

る。

右端前面の

悲嘆に

くれ

聖ヨ

像は

他の

物群と

自然空

間で

位置関

係は

平面に

立っ

筈で

に、

釣合に

大きい

様の

性+

は、

トレ

聖母

祭』

段右端の

婦人

像、

家の

聖マ

遺体』

描か

た、

騒駈の

綱を

る、

釣合に

女、

等に

もそ

Page 7: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 8 7 ) ル ネ サ ン ス の 影

典型

見られ

る。

特に

後者の

場合

側か

面の

奥の

向っ

描か

背景

神の

天の

異変

慌て

群衆と

らの

物が

逃げこ

建物が

淡く

霊の

うに

次元

的、

的、

抽象的な

ケッ

処理

る。

また

反空間的+

ば、

物の

数が

整理

し、

リ・ス

架』

同じ

絵な

は、

限ら

間に

し々

しゃ

物をつ

め、

特に

後者で

は、

自然空

間なら

考え

られ

ない

間の

詰めこ

した

めに

反空

間的と

なが

ら、

首だ

あっ

胴体

をお

間が

ない

とい

う、

結果が

じて

る。

物群の

密集と

同時に

U

指摘した

非機能的な

無意味

従っ

気味な

間は

,

最後の

審判』

はっ

形を

とっ

特性で

後の

画家た

ちは

構図に

大き

響を

受け

伝え

られ

る。

川反時間性

-そ

自な

人工

的色彩の

に、

降架』

時間を

示し

ない

朝か

昼か

夕方

なの

か。

り、

時間

的に

作為性が

濃厚で

真空

管の

中の

時間

とい

る。

むろ

ん、

性+

も、

伝統的な

常的な

自然の

秩序の

側か

規定し

言葉で

性と

考か

ば、

然そ

もの

る。

降誕+

紀詩人

時間は

る一

定の

雪の

夜とい

自然の

時間に

降誕の

去の

時点が

れ、

よっ

去・

在・

未来

すべ

夜が

呼び

れ、

最後の

審判の

時点

まで

膨脹

し、

膨放し

なが

絶え

ず現

前の

時間的

点との

絆は

断た

ない

反時間性+

は、

学の

界で

は、

ス、

後、

間存在の

自然に

則し

とい

意味で

常識的に

なっ

る。

代の

とい

(

与)

ボー

ニマ

との

新小

説の

旗頭で

迷路に

て』

次の

出だ

しで

じま

--「

とり

で、

まっ

安全

とこ

ろに

る。

外は

降っ

る。

+

とこ

が、

数行さ

照っ

陽が

兵向

うか

りつ

け+

る。

更に

(

実の

黙読の

時間で

ない)

外で

雪が

降っ

塙。

+

雪も

雪が

降っ

0)

る。

降っ

た、

降っ

た、

卜.

Page 8: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第 六 十 一 巻 第 二 号 ( 8 8 )

(

6)

る+

る。

時間を

繰り

ら、

繰り

する

分が

逆に

繰り

るぺ

時間の

中へ

吸い

しま

うっ

時に

確実なこ

とは

瞬間に

立っ

動か

ない

とい

うこ

る。

同時

代の

家、

及び

後の

十六

-

紀の

美術に

冷や

も、

うな

説に

基因して

る。

屡々

見られ

る、

可解な

像、

間に

焦点

結ば

ず、

構築を

壊し

て、

観賞者の

面か

睨み

すえ

る、

自然空

間に

向っ

顔を

向け

物の

限。

に、

絵画

間に

展開さ

る一

情熱に

巻きこ

うと

して

額縁の

中へ

足を

踏み

観賞者は

冷水

浴び

られ

うに

まっ

う。

術の

人工

界と

断絶

自分の

立っ

時間的

間的世

界を

否応な

意識さ

る。

㈲反リ

自然主

-同

じ「

降架+

とい

も、

死せ

顔が

礫の

苦痛の

跡び

とつ

留め

ない

楽しい

夢を

見て

うな

表情に

描か

る、

家ペ

作品と

気味に

歪めて

描い

作品

を、

(

7)

-

較し

る。

人は

自然

想的に

処理

し、

美化し

が、

初め

描か

た、

様の

事件を

扱っ

たバ

家た

ちの

品、

プァ

ーベ

顔に

じこ

う。

後者の

合は

美な

死+

安らか

死の

表情なが

ら、

肉体の

描写は

能的な

感を

ち、

関心の

すべ

集中さ

れ、

激しい

動を

呼び

す、

律動感に

富む

構図と

暗の

使い

して

が、

前者

の、

打っ

うな

静か

平面

性と

異なる

とこ

る。

は、

苦痛+

苦痛と

然に

則し

描く

とい

うよ

り、

極端に

て、

気味悪い

陰惨な

表情を

描き

出し

果的に

反リ

走っ

る。

は、

ブイ

うに

体や

物体の

像の

剖学的研

究が

盛ん

あっ

た。

間へ

関心の

高ま

り、

間中心

義と

意味で

典的ヒ

結び

る。

なっ

て、

画の

偏平な

物像

が、

輝か

愛ら

しい

美しい

肉体を

もっ

像に

変っ

た。

後期の

家の

多くは

端に

Page 9: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 8 9 ) ル ネサ ン ス の 影

すす

た。

解剖

析に

急で

綜合性

調

和、

衡な

ソJ

イチ

意に

介さ

なか

た。

統合

性+

如し

まの

偏頗な

追求

性・

徹底性は

悪く

する

と、

達成

した

技巧の

模倣

繰返し

う結果を

じる

前期

(

後期の)

作家

群に

+

が、

うし

貼ら

うに

なっ

る。

+

ら、

十六

-七

紀の

新しい

術の

動向と

て、

次の

性(

項目で

数え

特性)

る。

拘-A

キュ

㈲-B

美の

作為性

オソ

1

雅の

追求

1

イシ

蛇行

性(

点)

2

病的な

官能性

リコ

く、

紀に

とい

呼称を

用い

は、

躊蹄する

むき

考え

が、

カ・

体の

群像+

デュ

数多い

式は

らに

模う

含め

て、

キュ

沢を

成し

た。

イジ

さ+

既に

簡単に

述べ

省略す

イシ

る。

形+

は、

さ+

並ん

で、

後期

後の

美術

期ル

大ざっ

準と

なる

実の

間で

あっ

とて

長時間続け

ない

うな

無理

な、

筋肉や

体の

線を

際立た

物に

らせ

る。

胴・

腰・

腕・

手の

が、

像の

場合

我々

う「

なを

くる+

うか

ガソ

意味で

優雅+

追求の

段で

が、

男の

場合は

例外と

て、

筋肉の

誇張

性、

内なる

存在の

誇張で

う。

美の

自然的

求で

る。

様式ほ

ジェ

像、

隷』

勝利』

見せ

もの

る。

像は

壁面に

ぴっ

背を

けて

設置し

鑑賞さ

るぺ

が、

形の

性を

持つ

像は

出来

ない

像を

する

為に

は、

観賞

者は

像を

ぐる

りと

廻り

ない

後期の

像を

する

は、

蛮求

る。

視点+

関し

は、

Page 10: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第六 十一 巻 第 二 号 ( 9 0 )

(

8)

強調

して

る。

復讐に

踏み

考える

人ハ

と、

勇猛果敢に

策を

謀り

行動する

が、

物像で

く一

個の

間で

全に

把え

も、

視点で

る。

うい

視点か

すれ

ば、

復讐の

遅延+

可解

前に

ト』

解釈が

きづ

る、

とい

得ない

けで

る。

上、

・ツ

降架』

特性を

ぐっ

て、

同時代

及び

後の

美術の

特性を

時に

学の

場合

照応さ

なが

列挙し

が、

らの

徴を

もつ

もの

して

盛期ル

と、

や、

もの

立し

大き

肩を

並べ

実の

果を

競い

う、

新し

界と

定立さ

が、

(

9)

ム+

なの

る。

最後に

とこ

する

ば、

+

は、

観賞者の

側に

象的な

次の

類の

象を

著しい

性椿と

して

与え

は、

糾~

㈲か

易に

納得

とで

る。

性の

のと

して

仮り

-

の知的・

遊戯性

曖昧

-

くと

象的に

は、

流行の

プ・

ト、

ボ1

ダラ

2

説、

前衛映画

劇が

のの

格を

もっ

と一

般に

とは

代に

ける

(

性)

+

(

性)

+

考察する

際の

糸口

る、

注目

すべ

符合とい

う。

(

1)

Pe

O

βe

出Pt-

t-

A-

訂ユi

3

bQQ

ぎQ

ゝ→

Q

誉Q

ぎ→

Q

(t

旨β

P

i

已○

出βg-

-

s

F

♂叫

「e

0

2 .

-

諾ぃ

符○

t

Fe

O

コ.

g-

b缶

莞乱

忌昌ざ1一

ぎー

畠山

)

田0

0

くⅠ

-

CFP

p.

1

H.

(

2)

宍舟l

H一

CF

く.

(

3)

(

4)

八五

頁の

真参照

(

5)

CF

ユm

已βe

]

腎00

村・

河○払

e

駕O

q

仁O

日Pg

-

ロPti

O

Of

声○

b

?G

ユ】-

et

∴ロ

旨計3←

勺叫

Q

㌻q

邑叫

n

票仇

-

p

.

Ou

-N

い.

(

6)

A-

巴口

河○

ヴbe・

G

ユ〓et

b

Sし

こ恥

乱写訂註Q

こ況り

}

「e

Ed

+

巨O

nS

n

呂-

已t

.

C汁

-

ロe

FO

r∽

見e

\‥

二n

訂FO

i-

f

巴t

才○-

…ロe

ど記

P

Fs

O-

2i-

\‥

(

y一

口e・

ど諾仁

ロe

打e

(

ニ)

)

De-

諾-

-

ロe-

的e

.

ロe

5

諾i

-

p

ロei

乳ニ

ロ2

打e

已t

}

de

FO

諾亡

ロe

打2.

∴やー

用に

現代

説13

集+

版の

翻訳を

参照

た。

(

7)

Up

岩.

-

声○

弓-

甲n

P‥

恕打声

莞→

哲ミQ

§乱

撃Q

-

¢

ヰ.

(

8)

弓.

晋り

Fe

蔓→

無芸琵

見知Q

已設

§Q也

転思♪-

芝山

Page 11: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 9 1 ) ル ネ サ ン ス の 影

(

9)

橋論叢』

第五

巻2

号の

文「

究史に

ける

A・

ザー

位置

-近

ぐつ

て+

参照さ

い。

専門的

術語

(

ない

しマ

)

+

葉そ

もの

味と

その

変遷に

右の

文に

譲る

誤解

避ける

英語の

(

ちマ

)+

用い

ない

とに

た。

自己の

盾と

界の

盾の

交叉

する

激流の

立っ

た。

盾+

義+

と「

実+

背反で

る。

神の

絶対

を、

義を

説い

ず、

宗教画で

うと

聖者の

像で

うと

偶像崇拝

真の

教信仰で

ない

弾し

各戸か

徴発し

壊した

あの

鉄血の

師サ

ブァ

ナロ

え、

異端と

教会に

捕わ

れ、

火刑

運命

前に

して

自己の

信仰の

ちで

告白した

義+

名の

に、

国が

自由都市

ツェ

争奪に

遣し

乱れ

戦闘と

陰謀

に、

牽か

誇る

ツェ

戦乱の

巷と

化し

た。

ブァ

ナロ

耳傾け

は、

師の

逮捕そ

刑の

報に

接し

ら、

固い

沈黙を

守っ

た。

危機の

時に

防衛の

任に

ら、

突如

敵前逃亡

裏切

た。

うな

実に

あっ

は、

義+

ばろ

幻+

る。

義+

をい

く。

界+

恐し

実+

衝突し

粉微塵に

砕ける

直前の

安と

緊張

緊張は

界の

裂を

何と

防ぎ

幻の

世界+

しい

実+

結び

あわ

うと

死の

努力で

が、

1

F

学全

覆う

気分で

る。

幻の

義+

決して

単純で

い。

弁舌の

表現さ

愛情が

真の

幻の

義。

+

第一

第二

幻を

-弁

舌さ

父王へ

愛を

表現し

(

見せ)

姉二

を、

国王

父で

自分

最も

愛する

もの

て、

言葉少

ない

末娘コ

アへ

滅(

第一

る)

よっ

て、

義+

る。

義+

実+

えな

砕か

る。

劇ほ

盾の

識、

幻へ

覚め

滅を

経て

間そ

もの

絶望し

神に

絶望

する

道程に

他な

ない

庶子

ある

自分の

子エ

ドマ

粁計に

て、

Page 12: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第六 十 一 巻 第 二 号 ( 9 2 )

抜か

悲惨な

目に

あっ

伯の

次の

-

神々

とっ

間ほ

ずら小

僧に

とっ

蚊や

蛸蛤同

然だ

神々

ぐさ

半分に

す(

王』

幕一

幕。

)

して

終幕の

愛を

知り

彼女に

ぐり

逢え

が一

なっ

き、

裂か

くる

聞い

苦し

超える

利が

人の

じめ

る、

終幕の

締め

殺さ

屍を

抱き

えて

最後の

直前

りふ

-

可表そ

うに

大事な

馬鹿めは

締め

殺さ

た、

は一

滴も

ない

!

犬や

届や

鼠で

命が

前ほ

息一

ない

?

度と

起り

ない

ヴァ

ヴァ

ヴァ

ネヴァ

ヴァ

度と

度と

度と

度と

度と!

(

同五

幕三

場)

らの

葉は

ど、

ザベ

朝の

演劇が

産業社

会と

繁栄

成長を

げつ

あっ

裏腹

に、

驚くほ

暗い

とい

事実を

伝え

まい

激烈で

る、

情熱的で

る。

が、

身を

ろが

暗い

底深い

情熱で

る。

最後の

絶叫

少し

前、

がコ

骸を

抱い

舞台に

とこ

で、

姿を

目に

約束の

世の

終り

う。

公の

約束さ

終り+

は、

即ち

ジュ

礼拝堂の

面に

描い

見せ

最後の

審判+

ない

うして

学の

典型

的な

劇+

とい

る。

裂・

盾の

深淵に

賭し

架橋す

間の

姿を

描くの

劇の

質だ

ば、

納得さ

うが

し、

悲劇は

時代に

る、

β3 4

Page 13: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 9 3 ) ′レ ネ サ ン ス の 影

とい

反論が

想さ

る。

しか

し、

張りい

なる

時代に

ず、

秀れ

悲劇作品の

まれ

時代と

なか

時代が

る。

も、

典型

様式

悲劇だ+

とい

うこ

断的

規定に

違い

ない

とい

うの

は、

裂を

辛じて

閉じ

ジー

もの

ほ、

死+

他に

もあ

る。

隠喩が

だ。

-七

紀の

詩的想

像力

濃く

色づ

けて

る、

とい

うの

は、

美術

史で

うマ

びバ

する

代の

は、

恰もメ

体を

包み

とい

式を

持っ

と、

しか

も、

詩人に

よっ

区々

なが

ら、

背景に

促す

思想

的な

胎が

あっ

推論で

る。

美術の

野と

異な

り、

文学の

隆盛を

見た

とい

も、

時は

陸か

ば、

新参者で

り、

逆に

えば

青年の

意気

燃え

精力旺

盛な

若い

国で

あっ

けだ

が、

時代

風潮を

する

場合

陸よ

少な

年の

る。

英文

学で

紀+

とい

時、

陸の

紀+

ない

紀後半+

する

が、

式の

面で

多い

が、

間も

追い

越して

う。

特に

代思

潮の

は、

イコ

ーホ

路線

面に

押した

て、

会の

歴史の

大き

角に

頭を

切っ

進ん

とい

感じが

強い

逆に

伝統の

咲き

開花と

急テ

産業社会の

長、

歩調を

しい

もの

考え

方、

ずれ

断層の

ずれ

と、

穣な

紀文

学の

生は

根深い

りが

考え

る。

で、

的恕

像力を

的要素に

触れ

なが

ら、

論じ

1

つ0

十七

紀の

詩的想

像力+

とい

も、

た、

国に

定して

も、

詩人に

像力の

表出と

して

詩の

様式は

ちで

も、

彼等の

多く

は、

十七

紀の

詩的

力+

概ね

もの

だ、

とい

る、

した

何か

イル

持っ

る。

彼等の

詩の

式が

上、

極め

彩を

放っ

間違い

ない

23 5

Page 14: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第 六 十一 巻 第 二 号 ( 9 4 )

も、

単に

史+

ない

ろに

た、

彼等の

特色が

る。

無論

学は

化の

巽で

り、

学の

歴史を通

間像の

変化

発展は

間社

会の

史とい

言で

ない

F

ほ、

史上

どの

時期を

取り

げて

もい

える

で、

日、

界の

説で

あっ

て、

文学と

離れ

会諸

学の

徒とい

えど

無視し

得ない

とい

うこ

が、

イジ

ガ、

や、

的に

下っ

て、

等の

著作をの

見る

で、

少な

くと

学の

資料と

して

絶大

有効性は

明ら

う。

が、

して

も、

十七

紀文学に

ほ、

特に

る。

ず、

詩を

りあ

げよ

う。

第一

詩は

ド・

(

六一

-一

九)

が、

礫刑を

嘆き

悲し

娼婦マ

涙を

えて

歌っ

詩の一

部分

-

涙する

■なこ

見よ

傷つ

たる

と血

す脹の

女は

燃え

呼水か

はて

する

炎か

細ウ~

讃え

聖な

銀が

足も

川の

絶え

泡立つ

もの

溶け

解けの

尽き

との

ない

もの

らぬ

美わ

しの

なの

きマ

美わ

しの

眼は

降る

星の

絶え

ない

蒔の

季節

蒔き

天の

額を

らめ

すほ

どに

輝くと

思い

むは

涙の

星が

まこ

とい

落ちる

見え

落ち

ない

とこ

Page 15: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 95 ) ′レ ネ サ ン ス の 影

空に

銀の

箔と

まさ

同じ

なの

上の

らの

為で

ない

高貴な

石に

光る

天に

けて

涙を

天の

胸が

優しい

流れ

飲み

天の

白々

流れ

とこ

ろタロ7

-

そこ

涙が

漂い

河の

精髄を

天上の

水の

もの

らは

学ぶ

なた

自身に

(

中略)

泉を

堀っ

涙を

絞っ

すまさ

傷つ

涙なが

脹に

遣を

教えた

去れ

なる

愛よ

控え

邪ま

キ川

y

芋が

まこ

白き

足を

浸さ

まこ

イエ

ずこ

とさ

迷い

歩か

また

更に

道を

進ま

うと

忠節な二

泉が

どこ

伴する

歩く

浴槽

涙の

動き

携帯

用の

簡便な二

海原が

(

後略…)

上で

宗教詩で

なが

ら、

極め

感覚的で

り、

ぎつ

い、

輪郭の

はっ

多く

喩が

奇想天

外で

る。

部分

的に

用し

拙訳以

も、

燕に

月+

節な

花を

咲か

月は

ない

か、

眠に

宿る

月+

どに

しい

雨を

降ら

ない+

とい

表現が

り、

また

頗よ

1

純愛

咲か

床(

註・

花壇の

イメ

か)

/時よ

雨の

/眠よ

!

純白の

鳩(

註・

純愛の

象徴)

巣/あ

泉で

洗い

清め

鳩の+

る。

的で

絵具を

盛り

上げ

うに

肌合い

が、

絵画

的とい

も、

例え

ばこ

属する

代の

代前

代表的なル

▲7

詩人の

人で

ドマ

ド・

時ほ

今、

■B

6ト

Page 16: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第 六 十一 巻 第 二 号 ( 9 6 )

若き

恋人

ちが

装い

新し

/

舞踊

会に

踊り

/…

/大地

草に

森は

線の

実に

/草む

花と

雷に

満ち

/若者は

手に

手を

とっ

子の

枝/は

匂い

秀れ

薔薇を

摘み

/家

路を

ぎ、

けて

くよ

/教

しこ

花で

飾る

/山

子の

菅、

甘き

香りの

/薔薇の

花環

くれな

また

石竹

/こ

聖者に

通わ

楽し

イル

や+

(

牧人の

暦』

歌+

り)

様式

とは

まっ

趣き

異に

して

る。

界は

自然界に

順で

り、

時に

然を

す、

とい

うか

まの

実で

く、

自然

化、

美化し

で、

然ら

描く

界で

ほ、

自然の

息づ

と、

間の

息づ

が、

無理

呼吸

あっ

る。

は、

然の

美に

神の

創造の

御業を

見、

恩寵とい

神の

大い

とい

堵の

中で

被造

物の

物の

中で

長で

と、

神に

定め

られ

間が

間の

最大の

特性で

性の

最大

限に

発揮しっ

つ、

どこ

間の

業が

達し

得る

う、

期待と

希望に

時代思

潮の

中に

青く

まれ

様式で

る。

は、

思い

けぬ

とば+

ば+

結び

き、

い、

背反とい

うこ

ない

ばと

連鎖は

貫し

て、

途切

躍が

ない

静か

い。

ティ

ダイ

生』

思わ

る。

反し

式を

絵と

ら、

然的

的、

時間的な

絵とい

る。

的に

人工

的で

抽象的な

界と

なっ

とい

が、

し、

印象は

強烈な

覚性

官能性に

打ち

消さ

れ、

られ

る。

反自然的

間的とい

定立

も、

意味で

逆に

確、

不正

確どこ

誤り

る、

る。

り、

反自然的+

とい

も、

自然の

秩序を

時的に

撹乱し

白然の

美を

極限に

捕え

精神

美と

呼応さ

つ、

激烈な

覚へ

実の

襲撃に

官能的高揚を

精神の

信仰の

高揚

とい

意味で

ろ、

自然に

徹し

すぎ

る、

剰自然+

剰空

間+

剰時間+

る。

詩は

とっ

も、

絵に

する

ば、

りグ

飾過

多の

絵に

なる

Page 17: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 9 7 ) ル ネ サ ン ス の 影

う。

涙する

女』

題さ

る一

くの

絵に

は、

次の

女の

像が

描か

-そ

顔の

目に

は、

雪を

頂く丘

輝く星

きぬ

泉が

描きこ

まれ

頗に

月の

草花が

ぱい

措か

る。

鼻に

すぴ

きゅ

り、

髪に

うを

もっ

物画

描い

奇想天外

派の

巨人

思わ

る。

が、

し、

注意し

る。

は、

飾過

多で

り、

奇想天

あっ

も、

剰空

間+

反空間的+

あっ

も、

すべ

は一

点に

ちき

味の

まっ

た、

構築物の

体は

構図

に、

ヴィ

に、

収赦して

る、

とい

うこ

る。

点、

ヴィ

は、

ち、

イル

り、

神の

国で

る。

様式こ

そ、

巷間に

誤っ

使わ

との

多い

ク+

なの

る。

番目に

取り

げる

詩は

(

九三

-一

三)

徳』

題す

詩で

-

上ノ

らか

甘美な

涼し

穏や

陽も

空の

婚礼

夕と

なれ

露が

為に

疾しょ

なた

死ぬ

なの

甘美い

薔薇よ

華麗に

燃える

真紅の

色が

慌しい

世の

の目を

見張らせ

しか

常に

自分の

墓に

根を

して

また

死ぬ

上ノ

よノ

美な

美い

日々

薇に

Lワイー

香料を

びっ

詰めた

しか

lノ

詩に

奏で

なた

終曲を

すべ

死ぬ

lノ

とつ

甘美しい

徳高い

魂だ

けは

乾燥さ

木に

似て

潰え

ない

界が

すべ

炭と

化し

命を

ない

(

漢字で

美+

とこ

ろは

語で

種々

味・

法で

使わ

とこ

ろの

¢

司e

et

る。

香料+

語も

弓e

et

-

る。

)

+

Page 18: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋翰叢 第六 十一 巻 第二 号 ( 98 )

変お

な、

静か

で、

澄明

なス

る。

ろ、

的で

ない

か、

考え

知れ

ない

が、

単に

表面

特性に

ない

に、

的に

ちつ

た、

調

和あ

界像に

くる

る。

うい

感性は

徴で

る、

唯一

もの

ない

ーバ

も、

する

もの

は、

者の

作品

較検

討し

とか

らか

とい

る。

欝の

詩の

中で

特に

立つ

次の

う。

第一

ば+

が、

美+

(

語は

.

弓ee

t

J

死+

(へ

巴e

J

対比

る。

各節に

の、

上の

する

まい

ば+

(

美+

生+

え、

生+

象面

して

使わ

る、

すべ

う)

が、

短い

詩に

頻出する

に、

感性が

うか

えヾ

性+

γ

的想

像力+

ない

創造

性+

もの

る。

死+

は、

最後の

節、

最後の

行で

生+

転化

する

き、

生+

美+

死+

転落する

甘美な

生+

死+

魂+

の、

細り~

死+

生+

る。

死+

美な

生+

なる

甘美なる

死+

-こ

間至

願望

面を

もっ

る。

第一

に、

神秘的

信的

者の

死と

神の

国へ

憧れ

歴史の

題と

間性の

問題と

して

考え

ば、

者に

或は

定の

宗教

信仰に

限ら

もの

く、

時間+

中を

漂っ

消え

間存在が

る、

時間性+

何らか

絶対

者+

唯一

者+

憬と

拝で

う。

美な

死+

もつ

第二

局面

能の

陶酔で

る。

ない

情欲の

高点

訪れ

美な

終始

を、

十七

紀の

恋愛詩人

けジ

ダン

(

七二

-一

三一

)

期に

属する

愛詩

て、

死+

名づ

る。

で、

ジュ

文学と

意』

中で

述べ

次の

用する

味が

ある

-「

とは

死を

臍する

生の

讃歌で

ない

うか

性欲に

すで

死が

前提と

して

まれ

る。

単に

新た

が、

消え

去っ

ちの

けつ

ぎ、

とっ

とい

意味か

く、

性欲

Page 19: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 9 9 ) ル ネ サ ン ス の 影

とは

殖し

うと

もの

生を

危ふ

する

もの

る。

殖する

は、

消滅する

ない

性欲の

根底に

自我の

孤立

性の

香定が

横た

る。

自我が

自己の

外に

出し

自己

超出し

て、

存在の

消滅する

抱擁の

中に

没入

する

時、

(

l)

めて

飽和感を

味わ

うこ

きる

+

て、

ウ、

紀バ

最大の

詩人の

人で

ド●

は、

殉教に

恋い

れ、

人の

単身布

教に

赴き

使が

槍を

臓に

突き

白昼の

想を

見て

法悦の

境地

浸っ

ヴィ

聖テ

え、

次の

うに

甘美な

死+

うた

げる

1

(

2)愛

心に

御手

をお

触れ

見よ

臓は

音高く

脈動し

激しい

熱で

燃え

死を

求める

渇き

冷た

千の

死を

杯に

飲み

すほ

渇きに

燃え

うぺ

息ほ

細い

胸は

食埜な

望み

盛り

らは

求めて

得ら

との

ない

もの

幾度お

求め

甘美な

妙な

痛を

耐えが

悦楽を

死を

死を

死ぬ

もの

死を

うる

再び

死し

更に

永久に

殺致さ

乞い

願うも

幾度か

廼り

幾度か

きる

他な

死ぬ

繰り

返し

続け

優し

き心

臓の

心こ

めて

甘美な

教者

イエ

槍に

ゝカー.

うな

官能的

陶酔の

極致

と、

魂の

彼岸へ

翔、

絶対の

信仰との

表裏

は、

ち、

+

+

真の

意味が

最も

喚ぎ

られ

る、

的体

臭の

強い

詩文ほ

何と

ダン

宗教詩(

初期の

詩と

して

的と

する

筆者の

説で

る)

1

β4 J

Page 20: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第六 十 一 巻 _ 第二 号 ( 1 0 0)

心か

愛し

心か

なた

だの

私は

恋仇と

結ば

離婚さ

離し

下さ

結び

断っ

なた

許へ

連れ

さっ

閉じこ

下さ

ヽ-∨ぁ

なた

りこ

下さ

ない

私は

自由の

ませ

ゝ亡

なた

私を

姦し

下さ

けれ

純廉い

身体に

ない

うま

く、

た+

とは

位一

体の

神+

とで

る。

うい

物の

考え

方、

うい

表現

様式は

詩人の

まっ

くの

創造で

ない

指摘する

ない

信仰と

神との

聖なる

結婚で

り、

教会は

嫁で

り、

ス+

とは

上の

恋い

した

魂の

昇運

動の

とで

とい

うこ

は、

教社会た

西

欧の

愛+

観念の

根本

る。

しか

し、

・美なる

死+

間の

魂の

神へ

愛、

また

神の

間へ

β

愛の

求+

肉の

愛+

同じ

様式

もつ

と、

官能そ

は、

+

ス+

愛が

愛、

自己

中心

室の

信仰で

と、

的で

あっ

て、

中心

信仰形

態に

ける

神の

.

ー愛+

よっ

十六

紀に

はっ

克服すべ

もの

すべ

もの

規定さ

想で

は、

深い

なが

る。

して

と、

るバ

芸に

的なる

官能性

官能的な

性+

とで

もい

うぺ

考と

性ほ

密接な

関係

と、

推論で

る。

て、

ーバ

詩、

徳』

戻ろ

ぅ。

詩の

中で

特に

立つ

点の

第二

は、

最初

りあ

げた

詩と

様、

隈取

鮮や

さ、

グロ

とい

言で

ない

点で

る。

詩を

例に

て、

絵に

換言せ

しめ

易合

像が

して

位置を

占め

う。

腐肉と

骨の

中に

怪し

極彩

色の

線の

茎と

根を

し、

中に

艶めか

しい

真紅の

顔を

■こ

笑い

中に

Page 21: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 1 0 1) ル ネ サ ン ス の 影

示し

る一

本の

寄薇

う一

は、

神の

光を

す、

輝く

真昼の

陽を

背に

措か

た、

本の

乾煉さ

木材

茶褐色

とい

うよ

は、

陽の

光に

染まっ

黄金

色に

彩ら

木材の

央部は

られ

て、

そこ

に、

魂を

表わ

す、

個の

型の

イジ

棋めこ

まれ

る。

美術

史で

ば、

中世

来の

+

式で

り、

ま.

た、

様式の

伝統に

とっ

白の

界を

開拓して

-七

紀の

(

前バ

期)

家、

た、

代の

画家

もバ

もい

る、

ヴァ

絵に

類す

とい

える

の、

感覚の

的そ

逆説的効果を

すあ

りに

知ら

例は

りジ

ダン

詩の

次の

行とい

1

白骨に

る一

本の

髪の

腕輪

で・

S・

行を

ぐっ

述べ

及び

時代の

詩人た

ちの

殊な

様式

烈しい

個性に

語っ

章は

する

気の

ける

多くの

人が

度々

用い

が、

新た

う一

度ふ

返る

価値は

1「

最もよ

功し

特徴的

効果の

幾つ

は、

簡潔な

言葉や

思い

照に

よっ

生み

る。

骨に

まる

本の

髪の

腕輪

最も

強い

効果が

髪+

白骨+

とい

ない

をな

連想に

よっ

る。

…+

(

形而上

詩人

論+

九ニ

年ロ

録誌上に

発表さ

もの

)

更に

は、

ダン

派の

詩人た

ちは

考を

薇の

香り

をか

うに

じか

感じて+

た、

ダン

とっ

考は

生の

験で

あっ

た+

り、

考を

感性で

思考した

ぺ、

続い

て、

もよ

知られ

次の

言葉で

十七

紀の

想像力の

特徴を

巧み

表現

して

が、

述べ

は、

ポエ

1

十七

紀固

有の

とい

うよ

は、

詩+

何た

して

もの

る。

普通の

間ほ

りス

読ん

する

らの

経験は

相互に

何ら

関係を

持た

ない

騒音や

料理の

関係を

持た

ない

詩人の

精神に

はこ

らの

Page 22: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

一 橋論叢 第六 十 一 巻 第 二 号 ( 1 0 2)

験は

新た

体を

形づ

くっ

る。

紀の

詩人

なる

種類の

験で

食る

きる

受性の

カニ

もっ

た。

彼ら

彼らの

輩(

紀の

劇作家)

様、

素朴で

技巧

的で

難解で

ィッ

的で

る。

+

徳』

られ

著しい

性が

十七

紀の

詩的想像力の

特性で.

らしい

は、

まで

論述で

伝え

得た

うが

.こ

至っ

特性の

第三

点、

紀的

像力の

(

ク)

期及

びバ

期の

学の

核心に

論ず

段階に

とい

う。

十七

紀の

詩が

よっ

ろの

もの

隠喩で

る。

篇の

詩か

隠喰を

去り

けな

照を

連想+

とし

強烈な

除.く

と、

残ら

ない

遠な

生の

智慧

説くロ

も、

美しい

自然描写

ない

-とい

詩が

紀末か

紀前半に

けて

勢を

る. 。

とい

ば、

誰し

ぐさ

ま、

同じ

うな

象を

して.い

う一

学世

界、

詩に

思い

をい

すで

う。

しか

に、

詩の

香は

詩人の

喩の

用の

かっ

ぎで

い。

説の

合と

異り

構成

力は

次に

なる

実際

体の

構築は

秀れ

もの

ない

に、

美しい

行の

憶さ

詩とい

うもの

る。

て、

美し

ない

秀れ

た一

行は

ね一

隠喩そ

る。

喩と

肩を

らべ

との

出来る

は、

けで

る。

だ一

行の

(

して

場合

隠喰で

くイ

が)

記憶さ

好例は

きに

用し

白骨に

まる

本の

髪の

腕輪

第六

行に

もつ

ダン

聖な

遺物』

う。

.■ト

絶賛に

もか

ず、

他の

部分は

魔だ

える

喩は

詩の

命で

る。

し、

殺す

詩に

あっ

は、

喩は

単に

物の

較で

い。

単な

類似性の

指摘で

い。

え、

ない

替物で

は、

い。

詩に

は、

隠喩は

すべ

在で

る。

+

は、

詩の

像力を

解明

試み

蝋燭

煩』

次の

うに

-「

喩は

すべ

Page 23: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

( 1 0 3) ル ネサ ン ス の 影

実在で

り、

実在は

見つ

もの

に、

間的

尊厳の

とつ

隠喩で

る。

とほ

(

3)

実在を

隠喩化し

見つ

める

+

紀の

詩的想

像力

紀の

=

学の

要な

様式の

が、

隠喩そ

る、

とい

うこ

とは

ダン

な一

篇の

詩の

存在に

着目す

解さ

う。

詩は

紀文学

究家に

て、

張さ

喩+

好例と

る。

離を

前に

愛し

う二

(

婦と

も、

ずれ

もよ

い)

幾何

学の

具で

ある

脚に

える

詩の

第七

八、

節が

次に

用する

部分で

-

人の

魂が

して

堅く

結ば

たコ

同じ

魂は

固定し

脚だ

うご

うで

動く

う一

脚の

動きに

固定し

脚は

中心

静止

して

う一

遠く

旅して

くと

傾け

耳を

すま

帰っ

くる

また

まっ

すぐに

立つ

くに

とっ

固定し

片方の

脚の

うに

傾い

走る

きみ

しっ

身を

守っ

き出発点に

また

ちゃ

どる

ダン

詩は

同じ

奇想天

外な

隠喩と

も、

逸か

性的で

窟っ

い。

敬虔な

魂を「

乾塊さ

材木+

して

把え

るハ

場合は

卑近

な、

常的な

の、

的な

もの

対の

聖な

もの

を、

身近か

な、

親し

すい

把える

誓え

誓え

もの

の、

常言

語の

界に

ける

異、

隔絶性が

じょ

うに

大き

い、

離れ

が、

美な

死+

はハ

濃厚で

り、

時に

また

涙する

眼を

携帯用の

簡便な二

海原+

うた

う奇想天外

性は

ダン

特性に

じる

うに

十七

紀的イ

詩文

単に

Page 24: ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 URL Right...Hitotsubashi University Repository Title ルネサンスの影 : マニエリスム=バロック考 Author(s)

橋論叢 第六 十一

巻 第二 号 ( 1 04)

隠喩の

豊か

とい

も、

各人

各様で

が、

見、

異る

もの

志に

の、

複数の

ない

象で

ら、

神の

御業で

大宇宙に

ける

存在の

機能

とい

光に

用し

ば、

照応し

うの

だ、

応、

呼応し

象の

を、

常の

散文世

界で

隠れ

呼応を

ばい

くの

詩人の

業だ

とい

考え

が、

考え+

とか

思想+

か、

庶な

形を

なさ

ずと

潜在的に

等の

背後に

精神

的な

通の

胎と

あっ

い、

とい

うこ

指摘で

きる

十六

-七

紀の

詩人た

呼吸

して

精神風土の

中で

は、

単なる

類似や

較と

表現の

題で

なか

た。

なこ

が、

傷つ

きた

流す

眼の

ま+

見よ+

とい

うと

き、

その

見る+

は、

単に

0′

党生

上の

とが

らで

く、

在+

識す

り、

物理

象と

水が

炎と

燃える

なか

と、

の、

十七

紀の

詩人の

認識に

ほ、

噴水+

燃え+

炎+

涙する+

る。

(

1)

引用

紀伊

書房

版に

る。

+

T

一リ

(

2)

訂eQ

とは

位一

愛。

愛+

よか

う。

(

3)

用ほ

渋沢

輔訳

版に

る。

うな

考と

情は

どの

うな

精神的風

土を

示し

?

うな

時代

潮の

中に

育っ

もの

なの

?

次章で

点に

論点

絞っ

考察し

い。

(

未完)

(

橋大

専任

講師)