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チリ料理

チリ料理の歴史・・・味覚の背景

海の恵みと社交に必須のアサード

深刻な肥満の問題

米国発が多いフランチャイズ

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サンティアゴ・スタイル


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チリ料理の歴史・・・味覚の背景

チリ料理は、植民地時代におけるチリの先住民の伝統とスペイン人の食習慣との融合でユニークなジャンルを形作っています。

代表的な料理としては、カスエラ（肉・野菜鍋）、エンパナーダ（ペストリーにひき肉やチーズを詰めたもの）などが有名ですが、チャンチョ・ア・ラ・チレナ(チリ風豚肉）、チュペ・デ・ウアティータ（牛の胃のグラタン）、アロリャド（豚肉ロール）なども有名です。

17世紀、修道女たちが植民地料理を大々的に推進し、伝統的な菓子作りの大部分を遺産として残しました。彼女達の手から、アルファフォーレ（コンデンスミルクなどを挟んだクッキー）、ススタンシア（マシュマロ）、ドゥルセ・デ・メンブリーリョ（カリンを原料とする羊羹のようなもの）、トルタ・デ・ミルオハス（ミルフィーユケーキ）、マンハール・ブランコ（ブラマンジェ）、など多くの美味しい菓子が生まれました。美味しくて、献身的に作られた料理を「修道女の手」と表現するのはそのためです。

1９世紀には既にチリワインは有名になり、輸出もされていましたが、人々はブドウのチチャ酒を好んでいました。トウモロコシの粉でとろみをつけた唐辛子入りの牛肉スープもチリ中央盆地の伝統的な料理になりました。

20世紀にフランス料理がチリに入って来て、色々な煮込み料理やグラタン、デザート、オムレツ、そしてもっと複雑な料理がチリ料理に加わり、チリの料理方法に急激な変化をもたらしました。

平行して、鉄板焼きにした肉と溶けたチーズが入っているサンドイッチ「バロス・ルコ」などが流行るなどチリのファストフードも発展しました。

現在、サンティアゴには、色々な国の専門レストランがあります。ただし、日本人をはじめ、チリに住むアジア人の味覚からすると味付けが極端に塩辛いか逆に甘すぎると感じるものが多いようです。

日本食も増えており、人気です。特にチリ産のアボカドを外に巻いたロール寿しなどチリの食文化と融合されたものも多くみられます。一般的にチリ人は濃い味が好みで、醤油も寿司にたっぷりつけて食べます。また、いろいろな料理に接する機会が増えてきたとはいえ、チリ人の食習慣はまだ保守的です。ジェトロの調査によると、見慣れた食材を使った料理であれば初めての料理でも口にするが、そうでない場合は敬遠する傾向があります。ただし、酒類についての嗜好は食品と異なり、新しい酒を試すことには非常に意欲的です。

チュレタ・デ・セルド（ポークチョップ）

ソパイピーリャ

アロリャド

チャンチョ・エン・ピエドゥラ（トマト、ニンニク、パセリなどを石で細かく砕いたもの）

パステル・デ・ハイバ（カニグラタン）

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豊富な魚貝類マチャ貝は楕円形の貝殻の二枚貝です。この貝の最も特徴的な料理法はチーズと一緒にオーブンで焼く方法。この美味しい料理は「マチャス・ア・ラ・パルメサーナ(パルメザンチーズ風マチャ貝）」と呼ばれています。

海の恵みチリは寒流であるフンボルト海流のおかげで海産物に恵まれています。国内で多く消費されるものとしてはキングクリップ、タコ、ヒラメ、ビンナガマグロ、コチャユーヨ（海藻の一種）、メルルーサ、ニベ、マグロがあります。

魚以外のシーフードも豊富です。ロコ貝（チリアワビ）、車エビ、ホタテ、マチャ貝、大アサリ、ケアシガニ、牡蠣、フェルナンデス島のロブスターがメジャーです。

チリ人は一般的に肉の方を好みますが、イースター（謝肉祭）の週は、宗教の関係上、ほとんどの国民がシーフードを食べる習慣があり、スーパーの売り場もその週だけは魚や貝尽くしとなります。

代表的な料理

カスエラ (鍋料理)

牛肉あるいは鶏肉と、カボチャ、トウモロコシ、ジャガイモおよび野菜類（サヤインゲンなど）を使って作るチリの典型的な料理。米、トウモロコシの粉を加えることもあります。

エンパナダ (ひき肉料理やチーズを使ったペストリー)

美味しくてジューシーな詰め物がチリのエンパナーダの特色であり、細かく刻んだ肉あるいはひき肉、卵、オリーブの実、干しぶどう、タマネギ、そして味蕾を目覚ませ、その独特の調合によりチリ料理のルーツを私たちに思い出させる色々な香辛料を薄い生地で包んだペストリーです。

チリアワビと呼ばれるロコ貝。チリ人はマヨネーズをたっぷりつけます。

パステル・デ・チョクロ　　　　 (ひき肉料理とトウモロコシを使った料理)

肉とタマネギ、香辛料（塩、クミン、チリペッパー）を使った、エンパナーダのひき肉料理に似たものが入っています。この調理物の上に、バジルで香りづけしたトウモロコシのペースト状のものをのせますが、このすりつぶしたトウモロコシはオーブンに入れる前にあらかじめ牛乳と一緒に調理されています。普通、追加材料としてゆで卵、オリーブの実、砂糖あるいは鶏肉がこの混合物に加えられます。土鍋は保温性があり、より美味しく見せます。

カスエラ

エンパナーダ

パス

テル・デ・チョクロ

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チリパタゴニアの代表的な羊料理です。

スーパーマーケットのパン売り場

社交に必須のアサードチリ人で最もポピュラーな料理はアサードと呼ばれる焼き肉です。これは料理の枠を超え、週末などに家族や友達を招待し、楽しい時を共有するための憩いの場になっています。自宅にアサードセットを持っている家庭が多く、自宅のベランダやマンションのバーベキュースペースで週末に楽しむ光景がよく見られます。

チリ版アサードの付け合わせは、ペブレ・クチャレアド（トマトやタマネギ、唐辛子などで作ったディップのようなもの）をつけたチョリパン（パンに腸詰めを挟んだもの）やソーセージ、ピーマンを串に刺した串焼き、エンパナーダ、お米やマヨネーズ付きのジャガイモ、そしてサラダが一般的です。もちろんワインあるいはビール、コカコーラは必須です。

デザートには「モテ・コン・ウエシーリョ」を食すことが最も典型的です。これは茹でた麦と、ウエシーリョとして知られている乾燥桃をシロップと一緒にコップに入れたノンアルコール飲料です。

独立記念日祭の間（9月中旬）はこれらの食品の消費量がかなり増えます。

パンの消費量はラ米トップパンはチリ人の主食とも呼べるものです。

2012年にユーロモニターが実施した調査によれば、チリ人は一年間に約90.8キログラムのパンを消費し、この数字はラテンアメリカでは第１位です。

チリ人が消費するパン全体では、普通の種類（マラケタとアリューリャ）が好まれ、次いでバゲットとクロワッサン、全粒粉パンの順となっています。

ウミータ (トウモロコシのすりおろしを皮に包んでゆでた料理)

最も美味しい伝統的な食べ物の一つがウミータです。この美味しい料理はトウモロコシをみじん切りのタマネギとバジルと一緒に均質のペースト状になるまですりつぶし、それをトウモロコシの皮で包み、塩を入れたお湯で茹でて作ります。砂糖と一緒に食べることもあります。ウミータを食べる時に絶好なつけ合せは、トマトとタマネギ、青唐辛子のチリサラダです。

コンプレト (ホットドッグ)

チリ人に最も好まれるファストフードの一つです。その特徴は味の組み合わせにあります。代表的なものとしては、ソーセージとザワークラフト、トマト、マヨネーズのホットドッグであり、またイタリア風はソーセージとトマト、アボガド、マヨネーズです。

　　

ウミータ

　　

コンプレト

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マラケタアリューリャ


深刻な肥満の問題

世界保健機構（WHO）のデータによるとチリのBMI（ボディマス指数）は中南米トップクラスです。BMI30以上の肥満の割合が、女性約3割、男性約2割となっています。また、身体非活動指数つまり運動不足の割合も中南米トップクラスとなっており、全体的に健康意識の低いことが分かります。

国民の食習慣については以下のとおり様々な問題点が指摘されています。

１）脂肪と砂糖が豊富な食品の過剰摂取

２）運動不足

３）朝食をとらない

４）間食が多い

５）水をあまり飲まない、あるいは炭酸飲料水の過剰摂取

６）時間的余裕をもって食事をとらない

肥満の問題は、特に子供に関してのものが多く、さらに貧困層で問題が深刻化していることから、政府も一連のイニシアチブを推進しています。全製品に表示を義務づけることにより、栄養情報をより良く管理し、人々の健康にとって良くないものを摂取させないようにしようとしています。さらにパンの塩分を減らすような政策も実施されています。

出所：2010 年首都圏州の規準価格をもとに独自作成

詳述サンティアゴ

中部サンティアゴ

東部

ホットドッグ（一個) 0.7 2.4

フライドポテト（一人分） 0.6 1.8

チーズハンバーガー 1.1 7.6

揚げエンパナーダ

(ひき肉/チーズ)0.8 2

ソパイピーリャ（一個) 0.12 0.24

チリでのジャンクフードの価格帯（米ドル）

公園にある無料のアスレチックマシン

学校の近くにあるキオスク。高カロリーのものが多く売られている

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マラケタ



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チョコレート市場 1年に8リットルのアイスを食べる甘党

パンとともにチリ人はアイスクリームをよく消費します。国際乳製品協会によれば、チリ人は一年間に一人当たり8リットルのアイスクリームを消費し、ラテンアメリカでは第１位、世界では第 11 位にランクされています。

ABC１とC２の家庭が多く消費しています。これらの層は世帯あたり支出額はD およびE 層の二倍でした。アイスクリームの購入が多い層は９歳から19歳のグループです。

チリでは、デザートは食事の後のリラックスタイムにはなくてはならないものとなっています。週末のランチは、特に長い時間をとります。

また、ショッピングモールではアイスクリームを食べながら、ウインドウショッピングを楽しむチリ人をよく見かけます。

一方で、最近の健康志向から、ヨーグルト専門店も増えています。

チリ人の甘党ぶりを示すもう一つのトピックとしてはチョコレートが挙げられます。一人当たりのチョコレート消費量は2〜2.5キログラムで、甘いものが好きな国が多いラテンアメリカの中でもトップに立っています。

最近のトレンドとしては、ビターチョコレートとファインチョコレートの種類が増えたことがあります。消費者である市民は、味や品質に関してさまざまな情報に通じており、その評価も厳しくなっています。今後は、健康志向の高まりを受け、有機チョコ、砂糖なしチョコ、抗酸化物質の含有量が高いチョコなど特別の効用を持った製品の投入が期待されています。

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ベリャビスタ地区のパブ

ラテンアメリカ一の酒飲み？チリはラテンアメリカの中で一人当たりのアルコール消費が一番多い国です。

ビールとワインがメジャーであることに変わりませんが、その次に飲まれていたピスコに替わり、ラム酒の人気が上がっています。飲み方としては「ロン・コーラ」（ラム酒とコーラを混ぜた酒）と「ピスコーラ」（ピスコとコーラ）が代表的です。これは老若男女、全ての階層に受け入れられています。

ウイスキーの消費者は一般に35歳以上で、社会経済的に高いグループの成人です。ただし、最近は、若者もそれを飲み始めています。女性による消費の増加も見られます。

飲みながら、ゆったりとした時間を過　ごす・・・　ベジャビスタ地区私にとっての楽しみは、サンティアゴで最も古く、かつボヘミアン的な地区の一つであるベリャビスタ地区の中心のピオノノ通りにあるたくさんの店の一つで友達と集まってビールを飲むことです。

仕事の後、多くの若者、サラリーマンがこの通りの歩道に沿って設置されたテーブルを埋め尽くし、友達あるいは仕事の同僚と息抜きのゆったりとした時を共有します。私は土曜日によく行きます。パパフリッタ(ポテトフライ）やホットドッグを食べながら一日中友人と過ごします。

(ファビアーノ・ケイロロ　会社員　43歳）

ピスコサワーを作るのは男性の仕事

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スーパーマーケットで販売される冷凍魚ピザの配達

米国発が多いフランチャイズ

1985年以降フランチャイズは段階的に成長しました。約7割が外国のフランチャイズで残りが国内のものとみられています。特に米国のフランチャイズが多く進出しているのが特徴です。

ファスト・フード店が大幅に増加ユーロモニターによれば、2013年のチリにおけるファスト・フードの売り上げは8億2,820万ドルで、過去5年間で66％増加し、店舗数は3,004店舗となっています。チリでは、ハンバーガー、ピザをはじめとする米国の外食産業が浸透しています。マクドナルドは2013年にチリ進出23年を迎え80号店目をオープンしました。スターバックスは、2003年からの10年間で店舗数を58店に拡大しています。

私は時間があまりかからない冷凍食品をよく買います。便利だし、多忙な生活のリズムを乱さずにすむ効果もあると思っています。最近は、おいしくて質の高いものも増えてきたと感じます。

(ロドリゴ・カナレス　エンジニア　男性　30歳）

冷凍食品チリのスーパーマーケットには、シーフード、野菜、果物などの冷凍食品が豊富です。また、調理済みのイタリア料理や中華料理などの商品も販売されています

宅配宅配サービスは非常に重宝されています。特に製品の品質がよく、人々が調理する時間が少ないのが人気です。宅配で代表的なのはピザですが、寿司、メキシコ料理、中華料理など色々な料理が宅配サービスで楽しめます。

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チリでも人気のあるスターバックス

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