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五洋建設の海外におけるBIMの状況と国内BIM/CIMとの連携

五洋建設株式会社

技術研究所土木技術開発部

琴浦毅

■ シンガポール政府・ BCA(建築建設庁)のBIM化の動き

2013年：意匠設計（20,000ｍ2越），確認申請でBIM義務化

2014年：構造・設備設計，対象範囲を拡大

2015年：意匠・構造・設備設計（5,000ｍ2越），確認申請でBIM義務化

buildingSMART International Summit, Tokyo, 2018年10月19日

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■ チャンギ総合病院の発注者BIMの要求事項

1. 施工用BIMモデル計画書作製

2. BIMマネージャーとBIMコーディネーターの配置

3. 施工BIM モデル（意匠、構造、設備）の作製

4. 施工BIM モデルの継続的なアップデート

5. 適宜、BIMミーティング、BIMによるコーディネーション

6. 竣工BIMモデルの提出

7. FMに使用する情報の入力（竣工BIMモデルへ）

五洋建設(株)HPより完成イメージ竣工写真


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※FM : Facility Management

■ チャンギ総合病院の現場BIMチーム

現場工務グループの中に社内BIMチームを構成（16名）

工務医療計画事務電気設備工程管理工事見積調達品質管理安全

BIMチーム (１６名)

１名 BIMマネージャー２名アシスタントBIMマネージャー２名設備BIMコーディネーター３名構造BIMモデラー７名意匠BIMモデラー１名設備BIMモデラー


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現場組織図

■ 建築，設備工事における施工納まり調整にBIM活用

設計者，五洋建設，設備サブコンが同席

3次元モデルを活用して施工納まりを調整

打合せ時にモデルを修正して確認


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■ シンガポール内の病院建設

7件の大型病院を受注．2012年以降の４件にBIMを適用，ノウハウを蓄積

マウントエリザベスノベナ病院


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チャンギ総合病院

センカン総合病院

ウッドランド総合病院 (基礎工事)

（施工中）

シンガポール総合病院

アウトラム・コミュニティ･ホスピタル

(施工中)

ジュロン総合病院（基礎工事）

国立大学病院メディカルセンター

■ シンガポールのBIM Award

BIM取組みの評価，BCA（建築・建設庁）からBIM Awardを受賞

2014年 GOLD PLUS AWARD

（工事分野）

チャンギ総合病院


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センカン総合病院 2014-2018

2016年 PLATINUM AWARD

（組織分野）

五洋建設株式会社

チャンギ総合病院 2012-2014

■ シンガポール内での土木関連のBIM取組み

海底ケーブル立坑モデル，地盤の3D可視化，地下鉄駅舎・トンネルなど

海外では建築・土木の区別がなく，発注者要求が無くても幅広い工種で対応

自社内でBIMモデラーの育成，BIMマネージャーへの成長

地盤の3D可視化

海底ケーブル立坑モデル


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■ シンガポール内での土木関連のBIM取組み事例

海底ケーブル用立坑と後施工のケーブルの3次元モデル

ケーブルの曲率を考慮しながら立坑躯体との干渉を確認

海底ケーブル立坑モデル

海底ケーブル3Dモデル


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■ 国内でのBIMの取組み（前橋地方合同庁舎工事）

2012年建築BIMチームを国内に構成

1. 建築、設備の3次元の施工モデル上で、躯体、設備配管の干渉や納まりを調整

2. 図面要素を３次元モデル上で入力して２次元施工図、総合図を生成

3. 竣工時に、施工モデルの簡略化や属性情報の入力方法等を検討

完成イメージ竣工写真五洋建設(株)HPより


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■ 国内でのCIMの取組み（相馬LNG桟橋工事）

2016年国内で初めて港湾工事に本格的なCIMを導入

1. 時系列的な施工手順の検討

2. 海底地盤の可視化による出来形管理

3. 施工前および施工中の干渉チェック

4. 打設記録等の施工情報のCIMモデルへの付与

完成イメージ竣工写真五洋建設(株)HPより


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■ シンガポールにBIM/CIM連携グループを発足

BIM/CIMマネージャー

モデラー：6人

(兼)CIMコーディネーター BIMコーディネーター

CIMリーダー BIMリーダー

2018年：国内外連携のBIM/CIM連携グループを発足

シンガポール（10人）

日本

CIMマネージャー

CIMコーディネーター

モデラー

BIMマネージャー

BIMコーディネーター

モデラー


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■ BIM/CIM連携グループによる海外土木連携業務

2018年：シンガポール外へのBIM/CIM連携グループによるモデル化


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■ BIM/CIM連携グループによる国内土木連携業務

2018年：日本国内に向けたBIM/CIM連携グループによるモデル化土木，建築が融合する臨海部から連携を開始

ジャケット式桟橋

組杭式桟橋高架橋構築

鋼管矢板式岸壁


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■ BIM/CIM連携グループの現状について

土木と建築との違いについて

シンガポールでは土木建築の区別がなく，日本からの土木の依頼についても自然に受け入れられている．

国内の土木，建築の部門間連携会議で意思疎通を図る

ソフトの違いについて

シンガポールは建築系ソフト (Revit) を用いることが多いが，統合ソフトを用いる場合は問題にならない．土木系ソフト（Civil3D）も対応可能である．

言語の違いについて

図面に用いられる単語が限られていることや，翻訳機能の向上により，日本語の図面で大部分は対応可能．細かい部分はサポートが必要．


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■ まとめ

BIM先進国のシンガポールでは土木，建築の区別なく幅広い経験を有している

BIMが共通のプラットフォームとして，言語やソフトの違いを超えた相互理解を可能としている

今後も幅広い工種について国内外連携強化を進め，国内土木BIM/CIMへ活用を拡大し、生産性向上に繋げる


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