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Page 1: Smart Lighting Market Research Report

田中優祐 02/05/2016

@Yu_sher (twitter)

Smart Lighting Market

Page 2: Smart Lighting Market Research Report

1. Smart Lighting Marketの市場概要 A. グローバルにおける市場規模と今後の成長率

B. エリア別分析

C. 市場全体のプレーヤーマップと概観

2. 構成するキーファクター A. 顧客別分析

B. ライトの種類別分析

C. Connectivity (コネクティビティ)

3. 現在のコネクティビティの概要 A. 技術比較

B. プレーヤー比較

C. コネクティビティ周辺の各社の競争

D. 世の中の新しい動き

4. 結論

調査項目

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Smart Lighting とは

Smart Lightingとはネットに繋がることでインテリジェンスが追加されたライトのこと。つまりセンサーを通して行動パターンを認識したり、クラウドで機械学習することで最適なライティングを実現し、消費電力を減らすことができる次世代の電球である。

またユーザーはアプリなどを通してライトのオン・オフや光量などを調節したり、自動でシーン設定をすることもできる。

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Smart Lightingのリサーチの背景

全世界の消費電力のうち、1/5は照明によって消費されていると言われている。LED照明はその省電力性と低い製造コストにより、消費電力削減のキーとなりつつある。日本でも急速に普及し普及率も30%を超えている。

更にSmart Lightingと呼ばれるセンサーとネットと連携したライトの出現によりさらなる消費電力削減が可能となり、Smart Lighting は大きな成長市場として見込まれている。

本レポートにおいて、Smart Lightingを構成する要素と、今後の発展に向け重要な項目について調査を実施した。

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Smart Lighting の市場概要

A. グローバルにおける市場規模と今後の成長率

B. エリア別分析

C. 市場全体のプレーヤーマップと概観

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1-A.グローバルにおける市場規模と今後の成長率 

• グローバルで2014年よりCAGR22%で成長し2020年にはSmart Lighting全体の市場規模は$8.14 Billionに到達する見込み。

Source: “Market Research Reports.” Smart Lighting Market is Expected to Reach USD8.14 Billion in 2020.

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1-B. エリア別分析

2015年の市場規模順位 2020年の市場規模順位

1位ヨーロッパ 2位北アメリカ 3位アジア

1位ヨーロッパ 2位アジア 3位北アメリカ

2020年までにヨーロッパは、市場規模で1位をキープ($3.5B) するが現在第3位のアジアは中国・インドのインフラ開発 などにより、最も高い成長率が予測される。

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Sources:Smart lighting: The gateway to the connected home and IoT markets - MaRS

1-C. Smart Lighting Marketのプレーヤーマップ

• ライト製造メーカー(GE, Philips) などSmart Lighting を自社で製造する一方で、スタートアップを買収することで、サービス、プラットフォーム分野へも参入を画策している。

• 事業会社もこの分野への参入を狙っており、インフラ向け製品を提供するナスダック上場企業のCommScopeはSmart Lighting Controlを提供していたRedwood Systemsの買収を通じて市場参入を果たした。

• Startupに関してはSmart Lighting controlの分野で数多くの会社が創業、上流のプラットフォームプレイヤーとして新規参入を目指している

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2.構成するキーファクター

A. 顧客セグメント

B. ライトの種類別分類

C. Connectivity Technology

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2-A.顧客セグメント

Smart Lighting

“Gov&Public” ストリートライト

など

“Residential” アパートメント 家など

“Commercial” オフィスや 小売店など

“Industrial” 工場など

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顧客別分析

Residential分野が今後最も高い成長率となると予測される。主な要因はアジアを中心とする一般層への普及。全世界の住宅エネルギーコストのうち電気が40%を占めている。

ヨーロッパを中心にスマートシティー実現に向け、市や政府主導で街や高速道路の街灯などに導入される予定。

CO2の排出規制や環境保持が大きな課題となっている工場の環境整備に向け、消費電力削減の効果の高いLED照明の導入が進んでいる

Commercial 層が最も大きな顧客層であり、マーケットを牽引するキードライバーである。欧州だけを見ても2020年に$3.5Bの市場が見込まれる。電気代削減に向けて強いニーズ

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B.ライトの種類別の分析

Smart Lighting by Lighting Type

LEDランプ 蛍光灯 HIDランプ その他

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LED Lighting市場の成長

• 蛍光灯型(Compact Fluorescent Lighting)のLEDライトが2014年時点で一番のシェアを持ち、約$9.5Bの市場規模

• LED Lightingは2020年までに最も高い成長率(CAGR17.2%)で成長し、市場規模$22Bにまでなると予測される。

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LED Lighting の主要プレーヤー

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LEDライトの成長要因

技術要因: • 中村修二氏による青色LEDにおける発明

• 製造コストの低下 • 省エネ性能の向上

市場要因: • 電力消費やCO2の削減等の省エネ、環境保全へのニーズの高まり

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LED Lighting のSmart化

• 2020年までに、成長著しいLED Lightingの多くがコネクティビティを持った”Smart” なライトなると予測される。

• それに伴い、LED向けの通信モジュールなどの周辺市場が2019年までに$1Bを超えると予測される。(New NanoMakers Report)

• ライトメーカー大手PhilipsによるとLED Lightingを”Smart”化することで、現状の蛍光灯や白熱球よりも、最大80%の節電が可能と推定。

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Connectivity Technology 別の分析

Smart Lighting by Connectivity Technology

WirelessWired

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2.C.1 HEMS/ DLNA等ホームネットワーキングへの標準化

• HEMS(Home Energy Management System)やDLNA(Digital Living Network Alliance) 等のホームネットワーキングへの標準化が進み、Smart Homeへの技術的な素地ができてきた。Smart Lightingもその流れの一つとなる。

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• 2014年時点ではWired Lightingの方が通信の安定性・信頼性に優れ、ユーザーの利便性が高い。

• 近年のセットアップの容易さ、導入コストの低さ、通信の安定性の向上により、2020年までにWireless Lightingは毎年31%の高い成長率で伸び市場の大部分を取ると予測される。

例:3部屋にSmart Lighting Systemを導入する際、wiredの場合初期コストが$15,000-$25,000かかるのに対して、Wirelessの場合は、$3,000-$4,000で導入可能。 (Weighing Wired Against Wireless Lighting)

Wireless Lightingの成長

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3.現在のコネクティビティの概要

A. 主要な通信規格

B. コネクティビティの技術・スペック比較

C. コネクティビティ周辺の各社の競争

D. 世の中の新しい流れ

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3-A. Wireless Connectivityにおける主要な通信規格

smart lightingを含め、家電向けに利用される無線通信規格だけでも多くの規格が林立しており、現時点でデファクトとなった規格はまだ存在していない。

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3-B.Wireless通信規格の比較

動作範囲 最大デバイス接続数

ネットワークスピード 周波数

ゲートウェアデバイス必要

省エネ スマホとの直接接続 チップ価格

Z-wave 100 feet 232 9.6-100kpbs 908/916Mhz

必要 ◯ × $10-$20

Zigbee 35 feet 65000 40-250kpbs 915MHz/2.4GHz 必要 ◯ × $5-$15

Wifi 150 feet 300 11-250Mpbs 2.4GHz 無し △ ◯ $10-$20

Bluetooth 100 feet 7 2.1-25Mpbs 2.4GHz 無し ◯ ◯ $2.5-$5

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主要メーカーの商品比較

社名 通信規格 商品 ターゲット 遠隔操作

GE Z-waveIndoor lighting solution

オフィス向け ソフトウェア

Philips ZigBee Hueオフィス 一般家庭 小売店向け

ソフトウェア・アプリ

Osram ZigBee LIGHTFYI オフィス 家庭向け

ソフトウェア・アプリ

Lutron ZigBeeResidential commercial

Solutions

オフィス 家庭向け

ソフトウェア

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ホームゲートウェイの覇権争い

• ネット企業大手アップルやAmazonもApple TV (Homekit)や Amazon echoなどを持って市場へ参入しホームゲートウェイ獲得を狙っている。

• 家での行動データをベースにアマゾンでの商品の購入を促すなど、既存のネットサービスへの導線としての位置付けとなる。

• ライト製造会社の大手は現在はコネクティビティはZigBeeやZwaveを使用

• スマホと家電を通信するにあたり、ゲートウェイを必要とするZigBeeなどを使用することで、ホームゲートウェイとなることを狙っている。

• 自社製品により家庭内に埋め尽くす囲い込み戦略。

製造会社 ネット企業

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世の中の新しい動き

Bluetooth Smart Meshなどによる新しい通信技術により、IoT機器同士又はスマホをダイレクトに接続、中心を個人とそのスマホに取り戻す動き。(Decentralizationの動き)

ネット企業

製造会社

ホームゲートウェイを中心としたアプローチ(Centralization)

スマホを中心としたアプローチ(Decentralization)

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Decentralize化のカギを握る古くて新しい無線通信技術

• ゲートウェイを必要とせずSmart Homeの中心を個人に取り戻すことを可能にするコネクティビティとして注目が集まるBluetooth Mesh

• 現在のBluetoothの欠点の改善→Mesh networkによりライト間の通信も安全で安定。通信範囲も100ftから300ft(100m)まで拡大し、同時接続可能なデバイス数も大幅に増加。

• 同じくスマホへの直接接続が可能なWifiよりも遥かに高い省電力性。

• カリフォルニア大学の実験ではBluetoothはWifiの消費電力のわずか3%しか消費しかしないことが明らかにされた。(Bluetooth VS Wifi Power Consumption)

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結論

1. Smart Lighting Marketの勝ちパターン

2. Dumb Manufacturer化の回避に向けて

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1. 日々使うユーザーと接点を持つ企業:Google/Appleなどデバイス・アプリ・クラウドサービスを垂直統合しHardware as a Service(HaaS)として提供できるネット企業や、SORAAのような新興で全て自前で提供しようとしているスタートアップ

例:SORAA→ノーベル賞を受賞した中村修二氏によるLED Lightingのスタートアップ。

2. Enabler提供型企業:HaaS実現に向けたenabling technology/プラットフォームの提供会社。

例:Silvair →ライト製造メーカー向けにBluetooth モジュールチップとアプリ/SDKを提供し、HaaS提供の上で必要なplatformを提供。

1.Smart Lightingにおける勝ちパターン

HaaS時代において製造メーカーは、スマートフォン時代の携帯電話会社が陥った Dumb Pipe化(Dumb Manufacturer化)と同じ道を辿る可能性が高い

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2.Dumb Manufacturer化の回避

ネットに繋がったデバイスを通してデータをいかに集積していくか、がIoTにおいて核になる。データを集積させることで次なるビジネスが生まれたり、既存ビジネスを強化していくことになるからである。HaaSとしてサービス・プラットフォームがその主戦場となる。ライトのみの販売では、単なる下請け会社になってしまい、肝心のデータを集積させていくことができない。

1. 垂直統合モデルへの転換:機器製造販売、アプリ提供、クラウド提供と一気通貫で提供する。大手製造メーカーであれば、ソフトウェア会社を買収することで、総合的なサービス提供が可能となる(GEなど)。

2. 協業モデル:特定領域で強みを持つ同士が複数社協業することでよりユーザーのとって利便性の高い総合的なサービスを提供するモデル。

例:LEDマニュファクチャーのSORAA, Enabler 提供企業Silvair, 家電販売に強いソフトウェア企業など


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