お肌とアレルギーのこと❸
口腔アレルギー症候群のおはなし
学んで得する!
監修:島根大学医学部 皮膚科 教授 森田栄伸 先生
口腔アレルギー症候群とは
口腔アレルギー症候群の症状は
口腔アレルギー症候群は、果物や野菜など特定の食物の摂取時に口腔・咽頭粘膜の過敏症状をきたすもので、食物アレルギーの一種です。
最近では、花粉症の人が特定の果物や野菜を食べた時に『口の中がかゆくなる』といったアレルギー症状を訴えることが多くなってきており、花粉―食物アレルギー症候群と呼ばれています。
原因となる食物を食べると15分以内に口の中やのどにかゆみやヒリヒリ感を感じたり、口腔内が腫れてきます。
同時に鼻水などの鼻炎症状、眼や皮膚のかゆみ、腹痛、下痢などの胃腸障害などが現れることもあります。
また重症の場合、血圧が低下して呼吸困難を起こしたり、意識がなくなるなどのアナフィラキシーショックを起こすケースも稀にあるので、注意が必要です。
鼻症状◦くしゃみ◦鼻水◦鼻づまり
胃腸症状◦腹痛◦吐き気◦下痢
眼症状◦�かゆみ◦まぶたの腫れ
顔面、皮膚症状◦�かゆみ◦発赤◦じんましん など
全身症状◦喘息発作 ◦アナフィラキシー
口唇、口腔、 咽喉頭症状◦�かゆみ◦ヒリヒリ感◦腫れ など
原因となる食べ物は
花粉―食物アレルギー症候群
原因となる食べ物はリンゴ、モモ、サクランボ、キウイフルーツ、パイナップル、メロン、バナナ、スイカ、イチゴ、ブドウなどの果物が多く、そのほかにナス、ニンジン、トマト、セロリなどの野菜やエビ、カニなどの甲殻類でも起こります。
花粉に含まれるアレルギーの原因物質と構造がよく似ている物質が含まれている食物を食べた時に、口腔アレルギーが起こることがあります。花粉の種類によって原因となる食物が変わってきます。発症年齢は学童期から成人にかけて多いとされています。
リンゴ、モモ、サクランボ、キウイフルーツ、パイナップル、メロン、バナナ、スイカ、イチゴ、�ブドウなど
果物
花粉
ナス、ニンジン、トマト、セロリなど
リンゴ モモ イチゴ 大豆 ピーナッツサクランボ
野菜
果物・野菜
ヒノキスギ
シラカンバ
イネ科
ヨモギブタクサ
スイカ セロリメロン
トマト
トマト スイカ オレンジ ジャガイモメロン
治療については、花粉症の基本的な治療をしっかり行い、併せて口腔アレルギーの治療を行います。アトピー性皮膚炎がある場合は、その治療も重要です。
抗原となる原因食物の摂取を避けると症状はみられません。
また対症療法ですが薬物治療として、抗ヒスタミン薬を定期的に、あるいは食品を食べる前に内服することで、原因食物を摂取できたり、症状の軽減が期待できます。
疑わしい症状があれば、皮膚科医へ相談しましょう。
L.JP.MKT.CH.10.2017.0546
資材記号 CLA1808012018年2月作成(201802)CLA-20.0(RM/HH)
どうやって診断するの?口腔アレルギー症候群の診断は問診がとても大切です。どのような食物を食べた時にどのようなアレルギー症状が出たかをしっかり確認して、どの食物が関係しているかをきちんと診断することが重要です。確認のためのプリックテストや血液検査を行います。その際、花粉アレルギーやラテックスアレルギーも合わせて検査します。
口腔アレルギー症候群の治療法
口腔アレルギーを引き起こす抗原の大部分は熱に不安定といわれており、生の状態で食べると症状が出やすいことがわかっています。従って、多くの原因食品は加熱処理によって摂取が可能ですので、缶詰などの加工品を利用するのもよいでしょう。
発症予防対策として