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Bee Style:Jan 2011:Bee Technologies

2011年の展開

セミナー情報SPICEの活用方法(2011年1月) ワークショップ(2011年2月) 誘導負荷シミュレーションで安全動作 領域を検証 コンセプトキットアベレージモデルで位相余裕度をシミュレート

[第1回]LTspice入門 任意パラメータを活用する

道具箱 slideshare

株式会社ビー・テクノロジー

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2011年の展開⇒「3つの充実」 製品のラインナップの充実 実務に役立つ技術情報の充実 スパイス・パークの充実

 2011年もスタートしました。2011年の展開を述べたいと思います。2011年は3つの充実を実行し、お客様の問題解決、更なる提案を行い、各種サービスの確度を向上させていきます。2010年は、日本国内対象にスパイス・パークをスタートさせる事が出来ました。また、デバイスモデリングの対象も増え、お客様専用(カスタム版)デザインキットのご提供も安定的に出来ました。2011年の3つの充実について解説していきます。

(1)製品のラインナップの充実 デバイスモデリングサービスの対象は57種類のデバイスに増えました。2010年は特にバッテリーモデルが充実しました。トレンドは、引き続き、環境分野及びパワー・エレクトロニクスであり、この分野についてのデバイスについては、更に充実させていきます。デザインキット分野も電源回路及びインバータ回路を中心に準備を進めています。現在、準備中のデザインキットの回路方式の種類は27種類です。デザインキットにつきましては、回路解析シミュレータのプラットフォーム対応を増やします。2010年現在は、PSpice中心ですが、LTspice、MultiSimにも展開していきます。 そして、これから力を入れていく製品のラインナップが2つあります。シンプルモデルとコンセプトキットです。シンプルモデルは、回路解析シミュレータにあったら便利な汎用性のあるデバイスモデルです。パラメータのみの設定で任意のスパイスモデルになります。 

現在、ご提供していますのが、DCDCコンバータモデルとDCACインバータモデルです。これらのモデルは標準で準備されていないため、ユーザーが等価回路モデルを作らなければなりません。時間とコスト、専門的な回路技術を必要とします。これらを低価格でご提供するものです。 コンセプトキットは、MATLABのシムリンクみたいなもので、SPICEでブロックベースのシミュレーションが出来るキット(シミュレーションデータ一式)です。具体的な型名を決める前のデザインに活用出来ます。名前の通り、概念設計に使える回路解析シミュレーションのテンプレートとお考え下さい。この2つの製品のラインナップは啓蒙も含め、お求め安い価格帯でのご提供を行い、ご購入されたお客様に対してもテクニカルサポートを充実させていきます。 (2)実務に役立つ技術情報の充実 お客様への営業訪問、スパイス・パークの登録ユーザーに対するアンケートを通じて、1つの強い要望が、技術情報の充実です。単なる技術情報ではなく、現場で役立つ技術情報の提供でした。今までも本誌であります「Bee Style:」やBLOG、WEBサイト、メールマガジンの媒体を通じて情報提供を行ってきました。今後は技術解説のプレゼン資料、シミュレーションの様子の写真、動画情報、事例のデータのご提供も増やし、可能な限り、お客様の方で体験しやすい方法、理解しやすい方法でIT技術を駆使し、お伝えしていきます。

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コンセプトキットの背景:特に制御系の用途で回路解析シミュレータを使用する場合、任意の回路方式にて影響度合いの強いパラメータにて、現象を検証したいと言うニーズがあります。あくまでもコンセプトのデザインですので、ブロック図ベースでのシミュレーションで要求を満たす事が出来ます。MATLABライクにSPICEシミュレータで回路解析シミュレーションをしたい方対象に開発を進めております。

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その1つの情報伝達手段として、Fig.1のslide-shareのサイト(http://www.slideshare.net/TsuyoshiHorigome)とFig.2のYoutubeのサイト(http://www.youtube.com/user/beetech)があります。 slideshareのサイトでは2011年1月9日現在でプレゼンテーション資料を46タイトル、ドキュメントを16タイトルご提供しております。参照及びダウンロードが出来るサービスです。Youtubeサイトでは、シミュレーションの動作動画を多く提供し、使用感、解析精度を動画で参照して頂く機会を増やしていきます。また、スパイス・パーク内にも情報を集約し、ここにくれば、必要な情報が入手出来、問題解決にも役立つ情報提供の場を形成していきます。また、ソーシャルネットワークも活用し、試行錯誤

Fig.1 slideshareのサイト

Fig.2 Youtubeのサイト

をしながら最適な方法を考えていきます。また、2011年3月までにWEBサイトのリニューアルを計画しております。こちらも楽しみにしてください。また、従来どおり、市場調査及びお客様の声から得られたテーマ性のある技術的内容は従来どおり、セミナー及びワークショップの場を通じて、お伝えしていきます。特にワークショップは体験型ですので、イメージがつかみやすくなると思います。

(3)スパイス・パークの充実 2010年に日本国内対象にスパイス・パークのサービスをスタートしました。2010年12月31日現在で3,585個のスパイスモデルを配信しております。現在はPSpiceモデル中心ですが、LTspiceモデル版も順次、アップデートしていきます。スパイスモデルのネットリストはSPICE系シミュレータであれば殆ど活用出来ますが、回路図シンボルだけはそれぞれのツール依存性がありますので、PSpice用回路図シンボルデータ(.olb)ファイルをLTspiceにもっていってもLTspice側で読み込んでくれません。またその逆も同様です。回路図シンボル作成のオペレーションは容易な内容ですが、工数だけが非常にかかる単純作業です。各ツールにあわせた回路図シンボル作成も代行しますので、お問い合わせ下さい。 2011年は現在のスパイス・パークをグローバル版にし、世界市場に向け展開し、更にモデルのコンテンツ量を増やしていきます。グローバル版の場合、米国エリア、欧州エリア、韓国、台湾、インド、それぞれのエリアにてニーズの高いデバイスを対象にスパイスモデルを充実させていきます。

情報の伝達の手段として、文章、写真、動画があります。順番に情報量が多くなります。ここ数年で写真、動画関連の情報技術が飛躍的に向上し、更に、利便性も良くなりました。2010年はソーシャルネットワークも先進国、発展途上国の区別なく、普及しております。2011年は更に普及していくと予測できます。特に海外展開に対して、このメディアをいかに活用し、サービスを向上させるか。模索する2011年になりそうです。

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セミナー情報(1) SPICEの活用方法 無料セミナー(東京) 2011年1月28日開催

SPICEの活用方法は、2005年に東京で講演しております。その時のプレゼン資料は下記のURLからご参照及びダウンロードできます。http://www.slideshare.net/TsuyoshiHorigome/how-to-p-spice-2005-summerまた、2011年の開催では、さらに活用する方法論を特定のテーマに絞ってご紹介します。

 ビー・テクノロジーの新しい製品のラインナップです。回路方式のコンセプトをデザインする回路解析シミュレーションのテンプレート集です。デザインキットは実在する電子部品で構成されている各回路方式の回路解析シミュレーションのテンプレート集です。 多くのお客様からの要請で生まれた製品です。MATLABのSimlinkみたいな感覚で、回路解析シミュレーションをしたい。そして、出来るだけ、汎用性を保持しながら、パラメータベースにして欲しい。と言う要望です。 現在、説明会で準備出来るのは3種類です。PWM Buck Converter Average Modelです。Average Modelを採用しているため、フィードバック系のシミュレーションにて、GainとPhaseのシミュレーションが出来ます。そのあたりを、設計の手順のプロセスで解説していきます。これは、実務に役立つ回路解析シミュレータの活用方法でもあります。ゼロからアベレージモデルを作成するのはハードルが高いためその為のテンプレートを提供致します。今日現在(2011年1月8日)ではプロトタイプの状況です。2011年1月21日に発売予定です。 後の2つは、ユニポーラ・ステッピングモーター制御回路とバイポーラ・ステッピングモーター制御回路のコンセプトキットです。この2つの回路には制御回路をモデリング化しなければなりません。汎用性を持ったパラメータでシミュレーション出来るようになっています。回路解析シミュレーションのポイントも解説していきます。是非、ご参加下さい。コンセプトキットにつきましては、BLOG、メールマガジン等

でご案内していきます。

プログラム:

1.PWM Buck Converter Average Model フィードバック制御におけるアベレージモデルを活用したシミュレーションの活用方法を解説していきます。

2.ステッピングモータのコンセプトキット 主に制御回路のモデリングについて解説していきます。2.1 ユニポーラ・ステッピングモーター  制御回路2.2 バイポーラ・ステッピングモーター  制御回路

開催日:2011年1月28日(金曜日)13:30-15:30場所:IAIJ会議室 住所:〒105-0012 東京都港区芝大門二丁目2番7号 7セントラルビル4階 電話:03-5401-3851定員:6名受講料:無料お申し込み先(メールアドレス): [email protected] 

[お問い合わせ先]株式会社ビー・テクノロジー電話番号:03-5401-3851メールアドレス:[email protected]

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回路解析シミュレーションの有効活用分野として、色々あります。マインドマップに纏めました。下記のURLをご参照下さい。http://www.slideshare.net/TsuyoshiHorigome/spice-6455436今回のワークショップではスナバ回路を付加した時についての安全動作領域の検証がシミュレーションで出来ます。

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 2011年2月4日にワークショップ形式にて「LTspiceを活用した誘導負荷シミュレーション 」の体験学習型セミナーを開催致します。

LTspiceを活用した誘導負荷スイッチングシミュレーションです。この事例では、トランジスタですが、パワーMOSFET、IGBTをスイッチング素子に採用しても同様の事が出来ます。解析の種類は、過渡解析を行い、軸変換を行えば安全動作領域が表示できます。

この誘導負荷のシミュレーションではスナバ回路を追加する事で、安全動作領域を確保している事例です。スナバ回路の種類により、安全動作領域が変わります。そのあたりも体感して頂ければと存じます。

コイルが負荷の場合、動作は実機では難しいですが、シミュレーションの場合、1回テンプレートを作成してしまえば、定数を変えるだけで、様々なケースが解析できますので、非常に便利なツールです。

LTspiceは無償のSPICE回路解析シミュレータですが、性能は市販品と変わりません。また、PSpiceユーザーの方も製品版をセットアップし、ご参加下さい。PSpiceの場合、評価版では機能制限(ノード数)を超えますので、動作しません。

このセミナー(ワークショップ)の対象者は次の通りです。

(1)誘導負荷シミュレーションに関心のある方(2)回路における安全動作領域のシミュレーションに関心のある方(3)回路解析シミュレータの導入を検討している方(4)LTspiceの習得をしたい方

1.シミュレーションに採用したスパイスモデルの説明

2.誘導負荷シミュレーションと安全動作領域検証2.1 スナバ回路無しの場合2.2 スナバ回路を2素子で構成した場合2.3 スナバ回路を4素子で構成した場合

3.質疑応答スパイスモデル、回路解析シミュレーション全般に対して

開催日:2011年2月4日(金曜日)13:30-15:30場所:IAIJ会議室 住所:〒105-0012 東京都港区芝大門二丁目2番7号 7セントラルビル4階(地図) 電話:03-5401-3851定員:3名-5名持参:ノートPCにLTspiceをセットアップしてきて下さい。また、PSpiceでの受講を希望の方は、製品版をセットアップしてきて下さい。PSpiceの評価版ではノード数を超えるため、シミュレーションが出来ませせん。受講料:5,250円(消費税込み)お申し込み先(メールアドレス):[email protected] 

[お問い合わせ先]株式会社ビー・テクノロジー電話番号:03-5401-3851メールアドレス:[email protected]

[追記事項] ワークショップ形式は少人数形式で行います。質疑応答の時間には今回のテーマに限らず、シミュレーション全般及びデバイスモデリングに関するご質問も承ります。

セミナー情報(2) ワークショップ(LTspice) 誘導負荷シミュレーションで安全動作領域を検証する 有料セミナー(東京) 2011年2月4日開催

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1つ1つのPWM IC,DCDCコンバータについて位相余裕度のシミュレーションをする場合、それぞれのICのアベレージモデルを準備する必要があり、入手性も悪く、アベレージモデルのデバイスモデル開発には多くの工数とコストを必要とします。このコンセプトキットでは、それらのICに関して汎用性を持たせ、1つのシミュレーションのテンプレートにて位相余裕度のシミュレーションが出来るように致しました。

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実務に応用する事が出来ます。Fig.3に「PWM Buck Converter using Average Model」のコンセプトキットのブロック図及び取り扱うモデルを示します。詳しい解説は、2010年1月28日に開催される無料セミナー、「SPICEの活用方法 2011」にご参加下さい。デモを行いながら、ポイントを解説していきます。Fig.4に Buck Converterの回路図を示します。モデルの主な構成は3つです。Power Switches、ここには通常、BJT,MOSFET等のスイッチング素子に相当します。概念設計ですので、ここでは、スイッチに特化した簡易モデル(コンパクトモデル)を

コンセプトキット[新製品情報] PWM Buck Converter using Average Model⇒84,000円(消費税込み)

(PSpice Version)

 コンセプトキットの第三弾として、Averege Modelを採用したPWM Buck Converterです。位相余裕度シミュレーションの場合、過渡解析にさいようされるモデルとは異なりますので、注意が必要です。それらの用途のシミュレーションに必要なスパイスモデルは「アベレージモデル」になります。1つ、自分でアベレージモデル用の回路解析シミュレーションのテンプレート(雛形)のデータがあれば、理解が早く、

採用します。フィルタ部分はLC回路であり、C(コンデンサ)については、ESR(寄生素子)の影響も考慮できるように回路図上に設置します。このコンセプトキットの主役は、PWMコントローラのモデルです。ユーザーが設定できるモデルパラメータは、VP及びVREFになります。後は、購入時に付属するマニュアルに沿って定数を設定していけば、目的のゲインと位相のシミュレーションが出来、最適解を決定する事が

Fig.3 コンセプトキットの概念図

Power Switches

Averaged Buck Switch Model

Filter & Load

Parameter:•L•C•ESR•Rload

PWM Controller (Voltage Mode Control)

Parameter:•VP

•VREF

Models:

Block Diagram:

VREF

VOUT

D

U?BUCK_SW

REF

PWM

1/Vp

-

+

U?PWM_CTRL

VP = 2.5VREF = 1.23

L1 2

C

Rload

Vo

ESR

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2011年1月9日現在では今回のご紹介のコンセプトキットはPSpice用です。現在、LTspiceに移殖可能かどうかを検討中です。PSpiceユーザーで「アベレージモデル」の活用にご関心のある方は是非、このコンセプトキットをご活用下さい。

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Fig.4 Buck Converterの回路図

出来ます。今回のコンセプトキットには定数を決定するためのEXCELシートを準備しました。そのEXCELシートに必要な項目を入力し、EXCELで計算された値をPSpiceに入力すれば目的のシミュレーションが出来ます。Fig.5に最適化された定数を使用したPSpiceによるシミュレーション結果を示します。

Fig.5 位相余裕度シミュレーション

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[第1回]LTspice入門フリーSPCIEシミュレータを使いこなそう

任意パラメータを活用する

スパイスモデルの入手性の悪さがビーテクノロジーの設立の機会になっております。1つ目のハードルを越えても、自分に必要なスパイスモデルが材料表ベースで全てそろえなくてはなりません。最低でもキーデバイスに関しては、スパイスモデルを入手するか自分でデバイスモデリングを行い、スパイスモデルを作成しなければなりません。ビー・テクノロジーは、デバイスモデリングサービス及びスパイス・パークによるスパイスモデル配信サービスを通じて、2つ目のハードルを下げていきます。

[3つ目のハードル]シミュレーションの技術

3つ目は少し厄介です。良く、実機とシミュレーションによる波形が合わないと言われます。その原因の殆どがモデルにあります。ノイズを解析したいのに普通のモデルを採用していたり、過渡解析用のモデルで位相余裕度のシミュレーションをしたり、と色々あります。一番の原因は回路図上にない寄生素子、つまり見えない素子を考慮していないのが大きな原因です。このあたりは、講演活動、ワークショップ、セミナーで伝えてきました。ビー・テクノロジーではデザインキットとコンセプトキットの製品のラインアップで対応していきます。シミュレーション技術のスキルは、場数を積み体験する事が肝心です。

 本題に戻ります。LTspiceは1つ目のハードルをなくした大きな存在価値である事が理解出来たと思います。いままで、SPICEは、大企業で多く活用されていますが、今後は中小企業及び個人レベルまで普及していくと予想できます。また、世界レベルで考えますと、今までは先進国のツールだったものが、発展途上国にも同一の機会が与えられ、好奇心旺盛な技術者が多いインド、中国においてもSPICEの活用の機会がどんどん増えてくると思います。ビー・テクノロジーにおきましても、2009年より、LTspiceの対応を開始し、今までもノウハウの蓄積に務めてきました。今後、紙面を割いて、LTspiceの活用方法をご紹介していきます。先ずは、 http://www.linear-tech.co.jp/designtools/software/ltspice.jsp をクリックし、LTspiceを入手しましょう。

2011年はビー・テクノロジーにおきましても「LTspice」に関する対応を強化していきます。是非、ご相談下さい。[email protected] まで。

 2009年頃から日本国内におきましてもLTspiceのユーザーが顕在化し、2010年には急激にLTspiceのユーザーが増えています。回路解析シミュレータ導入時には3つのハードルがあると言われています。その3つのハードルを纏めた動画があります。 http://beetech.web.infoseek.co.jp/movie/index.html をご参照下さい。

[1つ目のハードル]回路解析シミュレータが高額であると言うこと。先ずは何らかの回路解析シミュレータが無いと出発できません。ある程度の環境が構築されれば費用対効果はあり、3-5回の試作回数削減で導入効果はあると言われますが、その環境作りが大変なわけです。LTspiceはフリーソフトでありますので、価格は0円です。使用方法につきましては、CQ出版社が、LTspice入門(ISBN-10: 4789836312 )を出版し、提供しておりますので、特に問題になることはありません。また、細かいオペレーション、疑問点も大体、WEBサイトで解決できます。つまり、このLTspiceの存在で最初の1つ目のハードルが無くなったと思って良いと思います。フリーソフトですが、頻繁にアップデートされており、慣れれば他社のEDAベンダーが提供しているSPICE系シミュレータと変わりません。ご参考までに後2つあるハードルを記載します。

[2つ目のハードル]スパイスモデルの入手

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例えば、下記のスパイスモデルは、太陽電池のスパイスモデルのネットリストです。SPCIE記述で書かれています。 I_I1の値は、1.94です。この値は、天候によるものであり、晴れの日は1.94になります。曇り、雨の場合、気象条件によって、この等価回路モデルにおいて、 I_I1の値が変わります。そこで任意のパラメータを自分で設定する事にします。

.SUBCKT SX330 Plus MinusR_RS1 N00A Plus 1.00R_Rsh1 Minus N00A 275.0198D_D1 N00A Minus DIODE_SX330I_I1 Minus N00A DC 1.94.Model DIODE_SX330 D+ IS=2.4076p+ N=29.4616+ RS=73.2380m+ IKF=0.ENDS

任意のパラメータをsolとします。そうすると、

.SUBCKT SX330 Plus Minus+ PARAMS: sol=1R_RS1 N00A Plus 1.00R_Rsh1 Minus N00A 275.0198D_D1 N00A Minus DIODE_SX330I_I1 Minus N00A DC {sol*1.94}.Model DIODE_SX330 D+ IS=2.4076p+ N=29.4616+ RS=73.2380m+ IKF=0.ENDS

赤字の通りに記載できます。そこで気象条件のパラメータ、0~1の値の範囲内でsolパラメータが設定出来ます。ちなみに、

晴れの場合、sol=1曇りの場合、sol=0.5雨の場合、sol=0.16

となり、任意の気象条件をsolで設定し、太陽電池システムの構成による出力特性シミュレーションをする事が出来ます。

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PSpiceの評価版を使用したワークショップを幾度か開催して参りましたが、等価回路モデルを採用したシミュレーションの場合、直にノード数を超過してしまい、シミュレーションに制約がありました。今後は、シミュレーションに制約のないLTspiceをプラットフォームにワークショップを開催していきます。お楽しみに。

Fig.6 回路図(LTspice)

回路図シンボルを作成させ、回路図を作成しました。その図をFig.6に示します。また、このままの状態では、スパイスモデルのネットリストにて、solのパラメータを変更しなければなりません。Fig.7のように、 SpiceLineのValueにsol=1を入力。そして、回路図画面に表示させるため、Vis.の欄をダブルクリックにてXで有効にすることで回路図画面上でsolの値を変更する事が出来るようになります。 sol=1と入力しましたので、デフォルト値は1になります。 設定が完了すると、Fig.8のように回路図の画面が変わります。 Solのパラメータが表示され、数値を変えればモデルに反映され、その値でのシミュレーションが出来ます。 ユーザが定義する任意パラメータを活用する事で回路の影響度合いを直に確認出来、パラメトリック解析もすることが出来ます。

Fig.7 設定画面(LTspice)

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道具箱簡易版LCRメーター

先ずは、任意パラメータを活用し、各パラメータが回路にどのように影響するのかの検証に有効活用してください。 また、LTspiceにてこういうテーマについて掲載して欲しいというようなご要望がありましたら、[email protected] までご連絡下さい。

Bee Style: Volume 021 2011年1月1日 発行編 者:株式会社ビー・テクノロジー発行人:堀米 毅郵便番号105-0012 東京都港区芝大門二丁目2番7号 7セントラルビル4階Tel (03)5401-3851 (代表)Fax (03)5401-3852電子メール [email protected]

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直に調べたい時に便利

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ダンスアナライザーです。回路実験、デバイスモデリング、回路解析シミュレーションにおいて、見えない素子(寄生素子)の概算値を知りたい場合、Fig.9のLCRメーターは活躍します。回路実験室にて持ち運びも容易ですから、直に結果を得られます。 特に重宝するのが、インダクタンス値と容量値の測定です。ここにはインダクタンス成分はどのくらいなのか。を直に測定し、回路解析シミュレータに反映させます。そうすると、実機波形に類似してきます。回路解析シミュレータの解析精度に起因するのは2つの要因です。

(1)目的に合ったスパイスモデルを使う。

(2)見えない素子を盛り込む。

 今回ご紹介した簡易型LCRメーターは(2)に役立つツールです。見えない素子(寄生素子)を考えながらシミュレーションをしますと、自然に回路技術のスキルも向上します。ベテラン技術者は見えない素子情報の宝庫ですから、アドバイスをもらうのも1つの手です。

Fig.8 solが表示された回路図 Fig.9 簡易版LCRメーター

 回路実験をする際に、簡易版マルチメーターがあると便利です。テスターは直に測定ピンに充て、測定出来ます。利便性と機動性に優れています。測定に確度が要求される場合にはそれなりの測定機器が必要です。 後、あったら便利なツールが、今回ご紹介する簡易型LCRメーターです。特に受動部品において、しっかりとデバイスモデリングをする場合、ビー・テクノロジーでは、Agilent4294Aを採用しております。高度なインピーダンス


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