dig-it 'zine oct.-nov. 2000

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Rider: MAT HOFFMAN Photo: KURI-BOW for riders with soul october - November 2000 York 2K jam/ Hiroshima bikes/ Core X Game /Oita / Nagoya/ Kyoto/ Sendai

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The First BMX magazine in Japan.

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Page 1: dig-it 'zine Oct.-Nov. 2000

Rid

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I-BO

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for riders with souloctober -

November 2000

York 2K jam/ Hiroshima bikes/ Core X Game /Oita / Nagoya/ Kyoto/ Sendai

Page 2: dig-it 'zine Oct.-Nov. 2000

ばたばたしていた。いつもどこかに出かける時はこうだ。ぎりぎりでないと何も動き出さない。我が家に宿泊していた太郎とヒロとディギットを後にし、充分余裕を持って電車に乗りこんだつもりが、実際には予約していた成田エキスプレスに間に合わないと慌てて、乗り換えの特急列車の発車を無理矢理遅らせて乗りこんだり、エノヤンも待ち合わせの新宿駅にぎりぎりに現れる始末。やっと成田に着いたと思ったら、今回利用したデルタ航空は、自転車は一台あたり 75 ドル別料金を取ると言ってきた。その上「ハンドルバーを外して欲しい」なんて言ってきた。そこで引き下がりたくないのが僕の性分だ。冷静を装って交渉するが、デルタの仕事をしているのが委託された日本航空の人間で絶対に規則は崩せないと言い張るばかり。時間も当然浪費してご飯を食べている余裕もないほどになってしまい、結局僕が折れて 3 台分の送料を払うことになった。それでも気持ちが収まらない僕はデルタの看板にちょっと悪戯してしまった。この規則には帰るまで悩まされることになった。自転車を持って海外に行くのならデルタは止めた方が良いとアドバイスしておこう。このごたごたでゆっくりお昼を食べる時間もなくなって

しまい、お弁当を持ったまま飛行機に乗りこむ羽目になってしまった。太郎以外の連中は飛行機に乗りこむ前に大切な人に暫くお別れの電話を .....。

York Jam をご存じだろうか? York Jam がいつから始まったのかは僕も良く知らないが、アメリカのペンシルベニア州にある YorK と言う街で毎年行われていたフラットランドのジャムである。過去には Mark Eaton が作成する Plywood Hoods の Dorkin' シリーズの最新ビデオのプレミアが行われ、York に住んでいる Kevin Jones のライディングを見たり、Chase や Edgar, Chris Young 等の伝説のライダーが多数参加して、ライダーが技を披露して、交流をはかる世界一有名なジャムだった。しかし、1994 年、Graveyard Products のオーナー、Richard Zabzdyer が York Jam の帰りに交通事故で帰らぬ人になって以来、それが原因なのかどうか知らないが、僕が知っている限りでは開催されていなかった . しかし今も残る過去のビデオの映像等で一部のライダーにとっては York は憧れの聖地なのだ。ところが、今年の 6 月に、2000 年 9

月に York Jam が復活すると Chris Young からメールをもらった。Kevin も来るし、Dorkin' の新作Dorkn' 10 のプレミアもあるらしかった。僕はすぐに思った。 エノヤンと太郎を連れて YORK に行こう。彼らはきっとこのイベントに最適の人材。今年海外遠征で頑張ったヒロも連れて行き、York に来るライダー達と楽しくジャム出来たら最高だ。思っただけでもわくわくする。メールをもらったその日に、4 人でアメリカに行こうと決めた僕であった。チームディギット今年最大の祭りだ。

○ 東京〜ボルチモア 2000 年 9 月 7 日午後 5 時アトランタ行きのデルタ航空機は飛び立ち、僕たちの旅は始まった。飛行機の席は僕と太郎が隣同士、エノヤンとヒロは前の列だった。飛行機が大好きな僕は、太郎と飛行機に乗るのを心待ちにしていた。太郎の恐怖に引きる顔が見たかったのだ。ところが以外と大騒ぎしなかったので残念だった。それでも着陸と離陸の時は必ず無口になって視線が定まっていない太郎の情けない姿だけは、楽しめた。ヒロはいつも、隣に困った人が座るのが彼の運命なのだ。今回も隣に体格の凄いワイルドな外人の女の人が当たってしまい、その女から身体を触られたり性的な嫌がらせを機内で受けたらしい。僕の隣は福岡の久留米から来たという姉妹で太郎と四人で九州弁で世間話に花が咲いた。 太郎は女の隣に座りたくて僕に席を替われとしつこく迫ったが当然丁寧にお断りした僕であった。暇を最も嫌う太郎は、用意周到にクロスワードパズルの本を持ち込んで、普段は見せないまじめな顔してパズルを解読していたのが、笑えた。

12 〜 13 時間で Atlanta に到着。ここで本日第2のお楽しみであるアメリカの入国審査を受ける。アメリカで最初の英会話が試される時が来たのだ。 まずは一番危なそうな太郎を行かせ、彼がどんなパフォーマンスをこの異国の地の第一歩として見せてくれるのか楽しみに、先ずは太郎を送り込む。当の太郎は「まかせんですかい!」と余裕のセリフ。しかし顔がこわばっていたのを見逃さなかった。強気で入国審査官と対面した太郎だったが、30 秒もしないないうちに、「スキップさん!スキップさん!」と半べそ顔で僕を呼びつけた。ヒロも多少おろおろしていたが全員第一の関門入国審査も通って、Atlantaから飛行機を乗り継いで今日の最終目的地ボルモチアじゃなくて、ボルチモアに向かう。この飛行機で太郎の隣はジェニファーというアメリカ人女性だった。生の英会話レッスンと言う事で、張り切ってジャパニーズギャグを飛ばす太郎だった。約 2 時間後にはボルチモア空港に到着して彼女とはあっさりとお別れになった。レンタカーに乗りこんだ時には、すでに午後九時をまわっていた。日本との時差が 13 時間もあり、飛行機で移動した 9 月 7 日という 長い一日にさすがの僕らも疲れ果てていたので今さら安いホテルを探し回る気もおきず、今晩は空港の側のちょっとリッチなモーテルにチェックインした。部屋に入ってほっとしたら急にお腹がすいてきた。いつものように眠りに冒されているヒロを見捨てて3人

で食事に出かけた。急に元気が戻ってきたので、思い切って夜のボルチモアのダウンタウンに行ってみることにした。車で市内を流したのだが、夜の街にたたずむ人達はみんな薬の売人か売春婦といった風情で悪そうであった。怖いので早く帰りたい僕を無視して悪そうな雰囲気が大好きな太郎とエノヤンは大興奮で夜のドライブを楽しんでいた。ちなみにこの 2 人はアメリカ本土は初体験。僕に言わせればこの 2 人はアメリカの悪い雰囲気が本物であると言う事を分かっていないのだ。後日ヨークに来ていたライダーに聞いたところ、やはりボルチモアは全米指屈の犯罪都市だそうだ。

◎ ボルチモア〜ヨーク 今日はヨークまで車で移動するだけの予定なのでチェックアウトギリギリまで眠り、昼間のボルチモアのダウンタウンでタコベルを食って一気にフリーウェーでヨークに到着。言い忘れたが運転はやっぱり太郎が担当である。最初は右側通行に慣れなくて怖い思いもしたりしたけど、太郎の運転が一番安全で確実。他の二人は悪いけど危険極まりない。

TOUR Text & Photos by SKIP☆ Team Dig-it US tour 2000 ☆ September 7.- October 1. 2000

Tony: York jam に参加するために日本からやって来

た本物の自転車バカ

1 dig-it'zine 2000

Hiro: 体脂肪率 4%のスーパーライダー。脳天

気で要領がいい。

Taro: 体脂肪率 40%自由自在な変身を得意とする

本物の仮面ライダー。

Eno Yang: 体脂肪率 5%のソウルライダー。靴を履いたま

ま寝ることが出来る。

☆ Story 1: YORK JAM 2000

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ボルチモアとヨークは意外に近く 1 時間弱でヨークに到着。その間、車窓から見える景色は、褐色の大地が続くアメリカ西海岸とは全く違い、樹が多く緑溢れるものだった。ヨークの街は東海岸の田舎町らしく小さな可愛い家が点在し上品で美しくヨーロッパ風だと思った。先ずは明日ヨークジャムが開かれる会場に行って下見をし、誰かライダーに安いホテルなど、町の情報を入手する事にした。ところが仲々会場が見つからない。ヨークのモールの上の駐車場を探してうろうろしていると、太郎が、このあたりビデオで見たことがある風景じゃないですか?と言いだした。確かに、見覚えがある風景だった。そしてやっと会場の駐車場を発見した。それは映画館もあるモールの裏手の丘の途中にあった。駐車場の奥の方には何人かのライダーが座って話をしているのが見えた。僕らはそれに近づきながら「まさか Kevin はおらんよね。」なんて話していた。ところがその 5、6 人のライダーの中に神様Kevin Jones がいたのだ。舞い上がってしまった僕らは慌てて車を停め外に出て Kevin と握手。Kevin は噂どうリ、不愛想な感じだったが一応は笑って僕らと握手をしてくれた。太郎とエノヤンは生 Kevin をみて緊張した面もちだったが、ヒロはいつも通りノホホンとしていた。早速、自転車を降ろしてライディングを開始。人前では練習しないと言う噂の Kevin も軽く練習をしていた。余り多くのトリックはやってくれなかったけど右側のペダルに乗ってのクリフハンガーはビデオ以上に凄かった。これが見れただけでも良いかなっと思ってしまった。会場である駐車場はビデオで見たのと大違い。全てに傾斜がついており平らなところなど全くない。その上路面はコンクリートに砂が浮いているという最悪の場所だった。毎年こんなところでジャムをやっていたのは信じられない悪コンディション。だから太郎もヒロもエノヤンも全く技が決まらない。まわっているとどんどん坂を下っていってしまうし、タイヤを蹴ると砂利で前に進まないと言った具合なのだ。悪戦苦闘しながらも、日が暮れるころにはそれなりに乗れるようになっているところはさすがに我がチームライダー。Kevin は早めに引き上げてしまったけど、この日数名のライダーと仲良くなることが出来た。外人の名前を覚えるのは大変なものだが、ニックネームを付けるのがうまい太郎は彼らにあだ名を付けた。Infinity に乗っている Pad。彼は自分で自転車屋を経営している。彼に付けた名前は「メガネデブ」。テネシーから飛行機とレンタカーを使って来ていたScott には「素早いデブ」。地元ヨークローカルのぼけぼけしていたヤツには「チビデブ」などと勝手に名前を付けていた。

デブと言えば、最近太ってきた太郎と僕はこの旅で食事をケチってダイエットをしようと約束していた。ところがいざアメリカに来てみると会う人会う人みんなデブなことに驚いた太郎は、すっかり自分はやせていると勘違いしてしまったのだ。ちなみに太郎のダイエット計画は見事に失敗に終わった。何故なら彼のダイエットとは食べるだけ食べて飲み物だけダイエットペプシというまぬけなものだったからだ。

とにかく一番面倒見が良さそうだった「メガネデブ」にホテルを紹介してもらい、今晩、彼らと一緒に遊びに行く約束をして一旦彼らと別れてホテルにチェックインする。お腹が減ったので手っ取り早く済ませることが出来るマクドナルドに行った。ここでまた事件は起こった。事前に太

郎に注文仕方をレッスンしておいたのだが、いざレジの前に来ると英語が通じず、また僕を呼びつけた。僕がかわりに注文していると調子に乗った太郎は、やれピクルスは要らないだの、トマトも入れないだのと店員に英語らしき言語で横から口を出した。太郎が注文したものが先に来て僕が後から席に座ると太郎が半分泣きそうな顔で、「スキップさん、俺のチーズバーガー、ピクルスだけでなくチーズも入っていないっすよぉ。」と言った。すでに、すっかり英語恐怖症に陥って半べそ状態の太郎は「もうこれでいいっすよ。」とやけになっていた。僕が「太郎、言いたいことは言ってこんね。それとも負け犬になる気ね?」とけしかけると「俺、負け犬って言葉、好かんちゃんね。言ってきますよ。」っと突然前向きに変った太郎。チーズの入っていないチーズバーガーを手にカウンターに行った。そしてカウンターの店員に「ノーチーズ!」とか何とか言っていたが、やっぱり予想どうリ十秒もしないのに「スキップさん!スキップさん!」とお呼びがかかった。太郎を見るとやっぱり半べそをかいていた。ちゃんと新しいチーズバーガーを手に入れた太郎に僕は言

った。「泣き寝入りして、負け犬にならんかっただけ太

郎は偉いよ。」実はこれ以降も、太郎のファーストフードの店員との戦いは延々と続くのであった。

夜は「メガネデブ」と「素早いデブ」、それから LINKT にも出ている Terry Adams という 17 歳のライダー達と十人くらいでHooters というレストランに行った。このレストランはテレビでスポーツ中継が映ってい

るアメリカでよくあるレストランなのだけど、ウェートレスのユニフォームが凄い、ピチピチのホットパンツに、胸の大きく開いたタイトなTシャツすがた。そして全員スタイルが良くて顔も可愛いい。これで興奮しないのは日本男児名折れとばかりに、盛り上がった僕たちはエイミーが可愛いとかジェニファーの方が可愛いだのと大騒ぎ。一緒に来た素早いデブもメガネデブも全員が僕らの馬鹿さ加減に笑いながらビデオなんかを回していた。こうゆう場で活躍するのはやっぱり太郎。アメリカに来て、まだ活躍の場がない太郎は、ビールや食べ物を持ってくるエイミーや他のウェートレスに「君のために日本の歌を歌ってあげるよ」といって、見事に北島三郎の「祭り」を歌い上げ大喝采を浴びていた?!。調子に乗って遊んでいた僕らだったが、あまりのセクハラに腹を立てたエイミーが言いつけたらしく、強面の店の店員に注意されてしまった。それでも騒ぎは収まらなかった。 誰かがピチピチのジャージのパンツ

を持ってきていた。太郎はゴムを胸の辺りまで上げて見事にそれをはきこなし、客席を横切ってそのまま便所に向かったのだが、その時他の客からも喝采を浴びていた。 散々遊んだ後、店の外に出たのだけど、メガネデブがこれからストリップに行こうと言いだした。僕は以前一度 だけハリウッドでストリップに連れて行ってもらったことがあって、それがとても良かったのでヒロにその事を話したことがあった。その時ヒロは「アメリカに行ったら俺も連れてってくださいよ」とすっかりその気になっていた。その後有明の Core-X で 25 万円を手にしたヒロは「俺アメリカでストリップおごりますよ。」と言った。しかしこの日行ったストリップには失望させられた。閉館の 30 分前に入ったので客は僕らの他には 2、3人しかおらず、ストリッパーもやっと脱いだかと思ったら乳首が見えないように大きな乳首隠しを貼っていたのだ。アメリカではひとしきり踊った後、踊り子さんがプライベートダンスと言って客席に来て、何ドルかチップを払うと膝の上に乗って身体をこすりつけて踊ってくれるのだが、この時、僕は「こっちに来るな!」と思ってしまっていた。太郎も帰りましょうと言っている。結局プライベートダンスをしてもらったのはエノヤンだけだった。彼のエロパワーは最強だった。

◎ York Jam 2000 12 時過ぎに会場に着いた。どのくらいライダーが来てるのか楽しみにしていたのだが、意外と少なく拍子抜けした。しかし午後からは沢山ライダーが集まってきて終了間際には数え切れないくらいのライダーが集まっていた。やっぱりライダーはどこでも朝が弱いらしい。沢山のライダーに混じって大阪からやって来た浜田真輝ことトニーと寺師と再会した。僕は彼らから出発前に空港から連絡をもらっていた。寺師は言った「スキップさん、YORK ってどこにあるんですか?」。実のところ彼らはYORK を New York と勘違いして、New York までの航空券を買ってしまったのだ。だから当日は New York からレンタカーで四時間掛けてここまで来ていた。トニーは

フラットライダーだから理解できるとして、正太郎ばりのストリートライダーの寺師に

は York Jam は何の活躍の場所もないのではと思っていたのだが、誰かがご丁寧に移動式のボックスジャンプを持ってきていたので寺師も PP ミリガンらに混じって大活躍を見せてくれた。トニーは相変わらずアメリカでも心を閉ざしたように薄ら笑いを浮かべながら乗っていた。この二人のコンビも不思議な取り合わせだ。Mark Eaton がクラッシクカーに乗って颯爽と現れ、自然と会場の至る所で思い思いにジャムが始まっていた。僕らは会場についてすぐにいつも Dorkn’ ビデオに出てくるライダーが” I was Dorkin’ in York at the YORK 2K Jam” とプリントしてある今回の記念 T シャツを売りに来たので買い、それをもって Mark と Kevin にサインをもらいに行くというミーハーそのものの行動をした。Mark とは仕事上の付き合いもあるので楽しく世間話などをしながらサイ

ンしてもらい写真も撮ったのだけど、Kevin の方は仕方なくと言った感じでサインをしてくれた。そして写真をもう一枚撮らしてくれ、と僕が言うと「一枚で充分だろう」と言われてしまった。普通の人なら、なんだこいつと思ってしまう僕だったが他ならぬ Kevin だから、こんな所もカリスマなんだなと納得してしまった。Kevin はこのジャムの間ほとんどライディングせずにうろうろしているだけなのだが、彼の乗る Infinity は誰にでも貸し出ししていたようで、色んなヤツが乗り回していた。太郎達も乗らせてもらっていたけど、乗りやすかったのだろうか?太郎はこの日のために星条旗柄のタンクトップを用意していた。それを着てライディングを始めた彼はみんなの視線を釘付けにする事に成功していた。ライディング以外ではKevin を笑わせることに精力を傾けていた。そして「Kevinが笑ったよ」と嬉しそうにしていた。会場には沢山のプレスが来ていたのだがその中で一番の注目はやっぱりヒロと

2 dig-it'zine 2000

Terry Adams: 彼はこの状態でペダリングスピンする。

才能豊か!

Unknown rider: ヨークジャムには無名の凄

いライダーが集う。

Scott: 体脂肪率 ?%。York を楽しめたのも

彼のお蔭です。

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エノヤンだったようだ。特に Props と思われるビデオカメラの前では、最悪の路面にも関わらずガンガン乗り込んで良いところを見せまくってくれた。気が付くと彼らの周りは沢山のライダーが観戦していた。他にも個別にカメラマン達から頼まれていつも以上にライディングを披露していた。Hoffman bike の Brian Tunney。Leif Valinも来ていた。Brian は優しそうな感じのいい人で、僕ら全員彼のことが好きになった。それから 17 歳の Terry Adams は本当に格好良かった。彼はペダリングのスピンや、フロント Pegのグライドから直接エフトラックにはいったり、ハンドルバーに両足をのせて前輪だけでグライドするトリックなんかを簡単にやっていた。彼は擦れていなくて本当に爽やかな好青年だ。彼は Quamen に乗りたいらしいので、ビデオを送るように言っておいたけど、さてどうなることやら。とにかく彼はヒロもお薦めのグッドライダー。若いと言えばもう一人、ゲーブと言うライダーが良かった。話をしてみると彼は CFB でヒロとも知り合いで、竹生君ともメール友達なのだそうだ。何と年齢は 15 才。ゲーブは11月のKOGに来日するのでお楽しみに。可愛いので日本の女の娘にモテモテなのは間違いない。フランスからプレスの仕事も兼ねて来ていたのが最新の Quamen に乗るエーミンというライダー。世界戦の時に取材の依頼を受けたことがあるので彼のことは覚えていた。彼はノーフットのデストラックでバイクを入れ替えるトリックをやっていた。ものすごく身長が高いライダーがいた。彼はスタンダードのシャーマンに乗っていたのだけど、とにかく大きい。技はゆったりとした感じでメーク率が高く思ったよりも上手かった。あとで身長を聞いてびっくり。彼の身長は 2m5cm もあるそうだ。しかも足のサイズも 34cm !。メガネを掛けて長身なので、どことなくグリーンジャイアントと呼ばれている横浜の竹生君に似ていたので僕らは「ホワイトジャイアント」と名付けた。New York からきていたあるライダーは話し方からしてヒップホッパーでかなりチェキっていたが、技は地味だった。とにかくここに来ている沢山のライダーが思い思いに、訳の分からないトリックを繰り広げて会場は盛り上がっているのか、もり下がっているのか分からない状況だったけど僕は相当楽しんでいたのだ。アメリカまできてただ乗ってみんなでジャムろうという企画は悪くないと思った。ノンビリと本当にノンビリと世界一のフラットランドジャムが進んでいた。ただあてもなく乗る。それだけで良いじゃないか。それがフリースタイルじゃないかと言う気分に僕はなった。過去には Chase も Edgar もRichard もここで自分の技を見てくれとばかりに乗ったんじゃないかと思ったら今ここにいる自分は幸せだなと感傷的な僕がいた。 今年の York Jam のことを僕に知らせてくれた Chris Young とも会うことが出来た。彼はとっても大きな男で193cm 近くあるそうだ。彼も往年の Dorkin' ビデオの大スター。今は Kevin を要する Infinity を経営しているのだ。僕はまず日本の Infinity Rider であるエノヤンを紹介した。彼は僕たちにフィアンセを紹介してくれたのだけど、それがとっても可愛いいひとなのだ。僕らがクリスを見る目は羨望の眼差しに変っていた。辺りがだんだん暗くなりかけたころ、突然みんなが 会場の横を走る急坂の道路のあたりに集まりだした。Kevin のショータイムが遂に始まったのだった。Kevin はその急な下り坂をウィプラッシュでフレームをぐるぐる回しながら一番下まで下って見せた。それは格好良かったのだけど、Kevin が終わってからの方が凄かった。車がこないの時を見計らって色々なライダーが我先にと色々なトリックを代わる代わる見せながら下り始めたのだった。ハングファイブで下りようとするもの、サーフスタンドで下りようとするヤツ、色々出てきたが結局下りきったのはトップチューブに乗って超高速で下りきったライダーだけだった。寺師も転び、Terry はバーライドで転び、かなりのライダーが坂の途中で転んで止まりきれずに何回転も転がっていた。この後少しづつライダーは帰り初めて流れ的に解散になった。しかしこの後、午後 11 時から会場の坂の下のモール内の映画館で本日もう一つのお楽しみ Mark Eaton の新作” Dorkin' 10” の試写会が開かれとあって、その時間にはジャムに来たほぼ全員が映画館に来ていた。 本物の

映画館でプレミアをするなんて素敵じゃないか、自分でもビデオを作っている太郎は格好いいねと感動していた。この分では次回の塾ビデオは映画館か公民館でプレミアをしそうだ。

映画館の表で時間待ちをする間、

僕は思いがけない人と会うことが出来た。彼の方から声を掛けてきたのだが、最初は彼が誰か思い出せずに、ヒロばりにただ笑っていたのだけど、途中で突然思い出して思わず大声で”Are you Kieran!” と叫んだ。彼は Kieran Chapman といって、Wire 'zine と言う 'zine をつくっているアメリカでも有名な 'zine Maker なのである。僕がこのディギット'zine を始めたのは七年前くらいに彼の 'zine を手に入れたからなのだ。だから初めての彼と会うことが出来てこのとき最高に嬉しくて何度も彼の顔をのぞき込んでしまった。ぼくの師匠である彼は想像していたよりも、断然若く見た感じ二十代前半の若者だった。ということは 15、16 才から 'zine をや作っていたのかもしれない。凄いことだ。彼は今雑誌としての 'zine を作るのは止めてインターネットで 'zine を展開している。もし興味があったら www.ewirezine.com にアクセスしてみよう。今回は時間がなくてこのくらいしか会話できなかったが今度はゆっくりと彼を訪ねて師匠の言葉を聞いてみたいものだ。 それからもう一人僕たちに話しかけてきてくれたヤツがいた。彼の名はフレディーといって、ニューヨーク在住で彼も FLOW'zine という 'zine を作っている。彼には今年になって名古屋のグァバの電話番号をメールしてあげたことがあった。彼はグァバがニューヨークに住んでいたときに義兄弟の契りを結んでいた。のだ。それにしてもニューヨークかぁ。行ったことないし行ってみたいなぁと僕らは言ったのだけど、彼は来たいなら来ればいいじゃないか。大歓迎だよ。僕の家に泊まればいい。と言ってくれた。そう言えば寺師達も 4 時間くらいでニューヨークから来たと言っていたし、簡単に行けそうな気がしてきた。でも Chris Young に明日は一緒に彼の家

に行くって伝えてあった。だから、この時即答はしなかったけど、ほとんど僕らは行く気になっていた。

予定よりだいぶ遅れて 11 時半くらいから試写会が始まった。ところが始まったのは期待の新作ではなく、Mark Eaton と彼の友達が Video Music Award にテレビのレポーターとカメラマンに変装して潜り込み、U2 のボノを始めロックスター達にインタビューして回るという映像だった。英語が分かれば楽しいらしく、本物のロックスターに嘘のインタビューをする彼らがおかしくて館内は爆笑の渦に。しかし英語が分からない僕らにはただの退屈な時間でしかなく半分居眠りしてしまった。そしてそれが終わっていよいよ Mark Eaton の舞台挨拶があり、ビデオが始まった。そしてその内容は?前半は過去のシリーズの名場面集と行った感じで涙ものの懐かしさ。そして後半は Kevin, Chase らの新しいフッテージが繰り広げられる。特に Chase のところは最高! 誰もが感嘆の声を上げていた。30 分ほどの試写時間だったが、実はまだ完成しておらず、この日プレミアされた内容に後 15 分ほど新しいフッテージを入れて完成するそうだ。それには当然 Kevin の新しいトリックも入ってくるはずだろう? さすがは Mark が久しぶりに作ったビデオだけあって、音楽も映像も素晴らしくて、もう欲し〜いというできばえだ。試写が終わってから Mark はみんなから握手責めにあっていた。当然僕たちもその輪の中にいた。

ビデオ の感動を胸に秘めて、ホテルに帰った僕らは明日からの予定を話し合った。そしてやっぱり予定を変更してニューヨークに行くことに決定。さらに地図を見ていると、ニューヨークのそばにフィラデルフィアと言う地名を発見!。フィラデルフィアと言えば映画ロッキーでロッキーが階段を駆け上がってガッツポーズをするあの場所があるはず。最近タ・ロッキとして一部地域で有名な太郎は、それを知って「フィラデルフィアに寄りましょうよ!」と熱望した。翌日は Kevin の練習場所であるYork 郊外のテニスコートで一緒に乗らないかと誘われていたから、先ずはそこで練習して、その後フィラデルフ

ィア経由でニューヨークに行くことに決めた。

◎ ヨークの休日 翌朝、太郎とヒロが、「飯を買っていきましょうよ」というので、運転手の太郎に、英語の勉強のためにもドライブスルーに挑戦してみることを提案した。太郎がちょっと不安げな態度をとったので、すかさず「負け犬になる気ね?」とけしかけると急に強気になって

「何が負け犬ですか!ドライブスルーしてやりましょうよ!」とその気になったので、早速隣のバーガーショップでトライ。 太郎は注文のマイクの所に来ると早速彼なりのやり方で自分とヒロの分を注文した。マイクの向こうから何事か聞き返されていたが、強気の太郎は何の返答もせず前に進もうとした。不安に思ったヒロは、横から自分の分を言い直してオーダーした。そして前に回って受け取

ったものは、ヒロが注文したものだけだった。太郎の分は入っていなかったのだ。彼の注文は何一つ理解されていなかった様だ。愕然として「これじゃ、俺飯もたのめんやん ......」と本気で落ちこみ半べその彼を哀れに思った僕は、車を駐車場に止め、太郎と二人で店内で太郎の分を注文したのだった。太郎は負け犬と言う言葉に敏感に反応する。

Kevin の練習場であるテニスコートは、緩やかな丘を利用した広大な公園の中にあった。日曜日とあって公園の中のアメリカンフットボールのグランドでは子供達による試合が行われていた。小さなチアガールもいて子供好きの太郎と二人でアメリカだなぁととみとれていた。全部で四面あるテニスコートではすでに十人ほどのライダーが練習していた。その中には Terry, Scott, Pad, エーミンらの顔もあった。そして昨日 kevin にまとわりついている追っかけ風の女が、実は彼のガールフレンドだと知って僕は驚いた。Kevinは予想どうリライディングせずに、みんなのライディングを見ながらインタビューを受けた

TOUR

3 dig-it'zine 2000

Kevin Jones: 一枚だけ撮らせてくれた貴重な写真。

ハンドルバーは水色。

Mark Eaton: 最高のビデオエディター。嫁さ

んも良い人だ。

Brian Tunney: Nice Guy だ。右のライダーはGabeと言って16才。

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りお茶を飲んだりノンビリと過ごしていた。みんなが乗ってる間、僕は Scott にフラデルフィアの例の場所は街のどこにあるのか、教えてもらった。彼は自分の地図まで僕にくれて、事細かに説明してくれた。それによるとロッキーが階段を駆け上がたあの建物はアートミュージアムというらしい。Chris Young は言いにくかったけど、実は今日ニューヨークに行くことになった。オハイオには明日絶対に行くよと告げた。彼は別にかまわないと言ってくれたのだけど、エノヤンから後で聞いたところによると、実はChris 足を怪我していて York から Ohio まで 6 時間以上かかるから、帰りは僕らの車と二台で運転を交代しながらノンビリ帰るつもりだったらしい。本当に Chris には悪いことをしてしまった。それを僕には見せなかった彼は本当に良いヤツだ。太郎は Chirs と別れるとき Chris の彼女にこういった「Oh! Nice body!」彼女は笑ってくれたけど、僕は殴られるんじゃないかと太郎の国際的なセクハラぶりに冷や汗をかいた。

◎ タ・ロッキーショー 途中道を大幅に間違えたこともあって 3 時間ほどかかってフィラデルフィアに到着。目的のアートミュージムはいとも簡単に見つかった。車の中からここを発見したときには大盛り上がりしてしまい、みんなで車内で大爆笑してしまった。映画で見たそのままの場所だったからだ。太郎もヒロもエノヤンもきっと頭の中ではロッキーが走ってくる場面を思い浮かべたのだろう。とにかく車を停めて行ってみることにした。太郎が「準備があるけんちょっと待ってくださいよ」といった。彼はタ・ロッキーの衣装に着替え

たばかりか、ボクシンググローブも

用意していた。出発前に太郎が衣装は取りそろえてあります

と言っていた訳が分かった。着替えが終わってシャードーボクシングをしながら道路を横切って進んでいく太郎を見たらおかしくておかしくて笑いが止まらなくなった。そして例の階段を太郎は駆け上がっていった。そこにいた人たちも笑いながら太郎に注目。すっかりロッキーを演じきった太郎は凄かった。階段の途中でシャドーボクシング、腕立て伏せ、そして恋人達の前では階段を踏み外して転んでみせる芸の細かさ。

この場所はとっても眺めが良くダウンタウンを一望できる。エノヤンはその素晴らしい風景をバックに博物館前の広場でライディングした。どこからともなく沢山の子供達が集まってきて一躍エノヤンはヒーローになった。僕たちは、暗くなるまで 2 時間近くもそこにいた。薄暗くなって街の灯りがきらめき出す。ここから見るフィラデルフィアの景色は美しく、刻々と変化していくその風景に僕たちは柄にもなくただ黙って眺めていた。

ここから立ち去るときに黒人のホームレスのおっちゃんが太郎に近づいてきて” ロッキーはここだ!” と階段の上を指さした。そこを見てみるとそこには確かに” Rocky”と書かれた足形があった。おおこれは!と感動する太郎にオッチャンは自らがロッキーに扮してその場所でガッツポーズまで見せてくれる大サービスぶり。これによろこんだ僕と太郎は彼に 25¢づつを手渡した。

階段の下にとっても可愛い白人の女の娘二人組のインラインスケーターを発見。熱いビームを送ると向こうの方から話しかけてきた。太郎が珍しかったのだろうか、彼と一緒に写真を撮りたいらしい。太郎は喜んで二人の肩に手を回し写真を撮った。ところが二人は背が高く、スケートまで履いているので間に挟まれた太郎はたまったもんじゃない。異常に背が低く見えた。肩に回した太郎の腕が”M“字型になっていて滑稽だった。太郎は盛んに日本語で「ちょっとかがんでよ」、と言っていたのがまた、おかしくてたまらなかった。ヒロはヒロで見事な日本語で「カワイー」を連発していた。その見事なボディーを見てヒロは言った

「アメリカって感じ〜!」。

それからが大変だった、フィラデルフィアから地図上では近いと思われたニューヨークは、実際には遠いということを改めて思い知らされた。それでもニューヨークが近づいて来るにつれてだんだんそれらしさ感じ取ることは出来た。アメリカには珍しく日本並みに有料道路が多くなってきたからだ。とにかく細かくお金を取られ全く日本と変らない。不機嫌な気分に陥ってしまったが、マンハッタンにわたるときに渡った有料の橋の名前が George Washington ブリッジと言う名前で感激したから許してやることにした。結局ニューヨークについて Flow’ zineの Fredy と会えたのは午前一時近かった。

◎ ニューヨークではフレッシュエアー 長旅で僕らは相当まいっていた。一刻も早くフレディーの家で休みたかった。しかしフレディーは「これからどうする?何でも出来るぜ。酒か女か?どこか遊びにいこうや。何しろニューヨークは眠らない街だぜ。何かしたいと思ったらいつでも出来てしまうのがこの街なんだ。」 そんな風に言われたら受けてたつのが馬鹿日本人というもの。カラ元気を出して悪そうなニューヨークの街に繰り出した。彼の案内で着いたところはコレまた悪のたまり場らしきクラブ。店の前の路地に車を停めようと彼は言うのだけど、どう見ても止められるスペースはない。フレディーは俺が停めてあげるよと言って運転を代わり前後の車にバンパーに押しあてて無理矢理スペースを作り停めてしまった。どうやらこれがニューヨーク風の正しい車の留め方らしい。店の中にはいると世界中の悪いヤツが揃っているんじゃなかと思えるほど売れない芸術家風のやからが沢山いた。最初は大人しかった僕らだったが、途中で疲れもあって ブチ切れてしまい、フレディーがおごってくれた高いウィスキーを一気飲みして、ゆっくり味わって飲めと言わる始末だった。それでもこれがサムライの酒の飲み方だと一気を止めない僕らに、フレディーもあきれ顔。クラブの奥の部屋には以前ドリカムの女と四年間つきあっていたという、チェキラ風の男がいて、ここのボス風の感じだった。ここで何故か分からないがその男が 太郎に絡みだして倹悪なムードとなり途中で営業時間は終わりだと言われ全員外に出されてしまった。恐らくその男は太郎に主役の座を奪われてしまったので急に怒り出したのだろう。「ドリカムか何か知らないが、あの女ブスやん。あんな女と付き合ってたからって、それがどうした?。」

外に出たらもう午前五時近くになっていた。近くのレストランで食事を取りながらフレディーの考えなどを聞き色々意見交換をした。この時太郎は突然「フレッシュエアー」と叫んで一時行方不明になりかけた。レストランから表に出てみると、ニューヨークの街角では早朝にゴミの回収をするらしく清掃局の人が働いていた。車の所まで歩いていると、太郎が落ちてましたよと、黒いバックパックを手にしていた。すると後ろから凄い剣幕で清掃局のおっちゃんがやってきて、「俺のバッグを取りやがってー!」ピストルでも出しそうな勢いで太郎にくってかかった。日本語で

「落ちていたから持ってきただけやん」と言う太郎。オッチャンは「俺はこんなに朝早くからまじめに働いているのにバッグを盗むなんてけしからん」とかんかん。この場はフレディーが丸く収めてくれて何事もなかったが太郎とオッチャンの真剣ファイトを期待していた僕には残念でならなかった。ここからフレディーが僕らのレンタカーを運転してくれて、彼のニューヨーク風の超危ないドライブでガンガン車を追い越し Bronx の彼のアパートに到着。彼の広々した部屋には彼の商売道具のコンピューターが何十台も転がっていた。彼の本職はアメリカの東海銀行のコンピューター関係の仕事をしているのだそうだ。寝る体制が整ったのは午前七時を回って外は明るかった。

4 dig-it'zine 2000

☆ Story 2: TaRocky in NYC

Hiro: York Jamで最高のパフォーマン

スを見せつける。

Philadelphia: 気分はスタローン

American Girls: 美女にぶら下がる太郎

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◎ 自由の女神は小指のサイズ 朝 11 時頃無理矢理目を覚ました僕は太郎達をたたき起こし、1 時過ぎにはフレディーのアパートを出発することにした。先を急いでいるのは今日中には Ohio の Chris Young の所に行かなくてはならないからだ。フレディーにニューヨークからどの位かかるか聞いてみると彼の話では 5 時間くらいで着くとのことだった。彼の運転を差し引いても6,7時間位余裕を持ったら行けそうだ。それを考慮してニューヨークを旅立つのは午後 4 時に決めた。アパートの外に停めた車のフロントウィンドに手紙のようなものを発見した。駐禁のチケットだった。やられた .......。気分を取り直してどうしても見たかった自由の女神を見に行った。僕らが見た公園からは自由の女神は小指くらいの大きさに見えた。そしてブロードウェーと世界経済の中心ウォールストリートを散歩して一時だけのニューヨーカー気取り。ここで思いも掛けないお店を発見して早速店内へ。ブロードウェーには弁当屋があった。僕はここで唐揚げ弁当を買った。$4.50 だった。昼間のニューヨークは思ったより小綺麗な感じで予想とは違っていた。高橋真梨子の大ファンの太郎はさっきから盛んに「スキップさん。5 番街はどこなんですかね?」と聞いてくる。「近いちゃない。」と気のない返事をすると「5 番街のマリーいますかね?」ときた。

 午後 4 時、予定どうリに名ドライバー太郎の運転でOhio に向けて出発。海底トンネルをくぐる。トンネルから地上に出ると案の定ニューヨーク名物有料道路の料金ゲートがあった。一番右側のゲートに行って料金を払おうとするが、誰も居ない! ばたばたしていると後続車が迷惑そうにしているのが目にはいった。後部座席に座っていた僕は 3 ドル 50 セントの料金を払おうと外に出て、ゲート係がいるところに走っていこうとした。すると向こうから凄い剣幕で何事か怒鳴りながら制服を着た係官がやってきた。彼は「お前らはどこにいるんだ。ここは現金で払うところじゃないぞ。トットと金を払って行きやがれ。」みたいなことを言っているようだった。僕は手にした 10 ドル紙幣を彼に渡し釣りをくれないか言った。ところが彼は金を手にすると「馬鹿野郎!とっとと行け!」それを繰り返すばかりだった。結局僕は、彼に 10ドルまんまと巻き上げられてしまったのだ。僕らが入ったゲートはプリペイドカード専用ゲートだったらしい。こ

の信じられないゲートの係官のお蔭で僕の気分は収まらず、出来ることなら引き返してお

金を取り返したいと怒りの炎は燃えたぎった。都会には英語が分からないからとか外国人だというだけで、こんなはした金まで巻き上げるこすい人間がいる。それはとても寂しい事で、許せない事だろう。

OHIO のクリーブランドは予想以上に遠かった。インターステーツ 80 号線のフリーウエーをひたすら西に向かって走り続けた。こんな時、車で聞く音楽はとても大切な暇つぶしに違いない。僕らはみんな音楽の好みが違ので、とても面白かった。まず僕は基本的にはラジオを聴くのが大好きだ。アメリカのFMは有りとあらゆるジャンルの放送局が山ほどあって音質も最高だ。最新ヒットから懐かしの名曲等など、時々日本語もあったりと飽きることがない。ヒロはヒップホップを中心にしたクラブ系の音楽が好

きみたいだ。僕も嫌いではないのだけど、リズムが単調なので眠くなってしまうから好んで聞きたいとは思わない。太郎はヒロの持ってきたテープはお気に入りのようだった。太郎もテープを持ってきていた。それが凄かった。テープは2本あって一本は高橋真梨子のベスト盤。これで”5 番街のマリー” とか、” ジョニーへの伝言” などを聞きまくった。もう一本は、太田裕美にカメンライダー V3、ドリフターズ、レインボーマン、将軍、左ボクゼンとひまわりシスターズという読者のほとんどが知らないと思われる超懐メロのテープ。僕と太郎は「懐メロファン倶楽部」を結成しているほど懐メロが大好きなので、このテープで僕たち二人は大盛り上がりで歌いまくった。ただしこれはヒロとエノヤンには辛かったようだ。エノヤンはいつもライディングの時にカセットを聴いているけど、どんな曲を聴いているのか最後まで聞き出せなかった。

クリーブランドに着いたのはもう午前 2 時を回っていた。しかも Chris に書いてもらった彼の家の場所が全く分からない。どうやら Chris の家があるあたりはかなりの田舎のようで、通りは真っ暗。何が何だか分からない。それで仕方なく近いと思われるガソリンスタンドから彼に電話を掛けて迎えに来てもらう。この時クリスには本当

に悪いことをした。なのに彼は笑顔で僕らを暖かく迎えてくれて、疲れただろう?ゆっくり今日は休んだ方がいい、と優しい言葉を掛けてくれた。本当に彼の優しさには涙が出る程嬉しかった。結局 Chris の家にたどり着いたのはニューヨークを旅立ってから 11 時間以上も経過しての事だった。

◎ Ohio Chenga World にて Chris Young の家は Avon と言う小さな街に作られた新しい分譲住宅のようだ。分譲と言っても日本とは違ってゆったりとした造りで車も三台以上も停めることが可能なものだ。Chris はここでフィアンセと一緒に生活している。もちろん Infinity Cycleのオフィスもここにある。家のそばには彼がいつも練習しているという素晴らしい路面の教会の駐車場や新

しくて綺麗な建物が沢山作られている。今日は有名な Chenga World Skate park に Chirs が連れて行ってくれたのだ。四時からの営業と言う事でそれまでクリーブランドのダウンタウンに出かけてみた。クリーブランドの街を流して、車は海岸に出た。そこには立派な沿岸警備艇の船が何隻も止めてあり、海は天気が悪かったこともあって灰色に染まっていた。Chris に海が灰色だねっと言うと「Skip。これは海じゃないよ。エリー湖と言う湖なんだ。向こうはカナダ。あっちはシカゴだよ。」と彼。そうなのだ、有名な五大湖の一つエリー湖だったのだ。でもカナダとかシカゴとか言ったて向こう岸なんて見えないよ。 と思った。クリーブランドにはロックミュージアムがあった。この日は僕のアイドルである Jimi Hendrix のイベントをやっていた。表には Jimi の絵が描いてあるサイケ柄の大きなトレーラーが止めてあり、それだけで感激した。入場料が高くて結局中には入らなかったけど、僕はあのトラッ

クを見ただけで大満足。

潰れたスーパーマーケット風の建物、その中が Chenga World Skate park。中に入ってみるとすでに沢山のライダーがライディングをしていた。僕らもビデオで見たそのままのたたずまいにスゲースゲーを連発していた。ストリートも上手い太郎は楽しげにセクションを軽く攻めていたがノーヘルだったので怒られた。太郎を怒った人はここの経営者であり、フラットライダーでもある Scott Powell だった。Infinity のライダーである BrIan Rybakにもあった。彼はフラットをせずにストリートフレームでストリートライディングをしていたが、来ていたライダーの中でダントツに上手だった。何で Brian はストリート乗ってるの? と太郎が疑問を口にした。彼の大きな手とフレンドリーな態度に好感を覚えた。フラットランドのスペースはビデオの中で Chase が乗っていたときそのままの床の柄模様でヒロも太郎もエノヤンも気分は Chase Gouin。Scott Powell も乗り出して彼のノーブレーキのディケードやノーブレーキのスミスディケード等に驚いていると Scott は気軽にエノヤンとヒロにノーブレーキのディケードをアドバイスしてくれた。この様子を遠くから見ていた僕と太郎はヒロとエノヤンが学校で先生からおこられているように見えて大笑いしてしまった。とにかく Scott Powell はとっても気さくでいい人だった。 ここのセクションを使って 色々と遊んだのだけど、中でもボックスジャンプをハーフパッカーで越えてみせたヒロを見て Chris は” Hiro has no brain” といった。クリスの家に戻ってからは彼の出演している昔の Dorkin’ 4 1/2 を見た。本人と一緒に見るビデオはおつなものですねとエノヤンはしみじみ言った。

次の日の朝エノヤンをおいて僕たち3人はロサンジェルスに向けて旅立った。エノヤンは Infinity Rider として

TOUR

5 dig-it'zine 2000

Freddy: ブロンクスで。エノヤンが手にしているのは

駐禁チケットだ。

Liberty: ヒロとエノヤンの間の小さな突起物が

自由の女神。

Chris Young: インフィニティのガレージにて。

Chenga World: チェイス気分のヒロ。

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chris Young と交流を深めてもらうためにもう暫くクリスの家に居候してもらうことになっていたのだ。空港までクリスが先導してくれたのだが、彼はかなりのノンビリ屋さんらしく彼が言った通りに行動した僕らがレンタカーを返して空港に着いたときには、すでに飛行機の出発時刻が 15 分後に迫っていた。後日エノヤンが日本に帰るときは本当に飛行機に遅れてしまい、一日遅れて帰ってきたと言う事実もあるのだ。別れ際にクリスは来年是非Kevin Jones と一緒に日本に来たいと言ってくれた。Kevin もアメリカでは乗りたくないが日本でならみんなと一緒に乗りたいと言っているそうだ。その言葉をかみしめながら僕らは大慌てで走って搭乗口を目指した。

◎ ロサンジェルス到着 時差がオハイオと LA では3時間もあるので、午後 2 時過ぎに無事に LAX(ロサンジェルス国際空港の略称)に着陸。 緑一杯のオハイオから褐色の大地が続くサザンカリフォルニアのフリーウェーをレンタカーで1時間ほど走り、オレンジカウンティーのスタントンという町にあるUS ディギットにたどり着いた。先に York から LA に移動していた寺師とトニーとも再会し、今日からの宿であるアギ(アギバーを開発したことでも有名な US ディギットのライダー兼チームマネージャー)の家でもある US ディギット所有のライダーハウスに腰を落ち着けて、この日から辛く楽しいカリフォルニアでの生活がスタートした。 僕らが到着したのは水曜日だったのだけど翌週の週末の土曜日から Las Vegas で開催される世界一の自転車ショー、インターバイクに今年は Quamen も出展するとあって、ディギットの工場ではみんながその準備に追われ殺気

だった雰囲気が漂っていた。当然僕らも関係者でもあるし居候の身としては加勢するのが筋というもの。到着したその日から出来る範囲で仕事のお手伝いをする事になった。それで僕らに与えられた任務というのがインターバイクショーのブースをデザインするというもの。色々考えるのだが仲々良い考えが浮かばない。、浮かんでも非現実的な物ばかりだった。

◎ トニーは歌が好き。 太郎は親友、広島の石井こうじの結婚式に参列するためにどうしても月曜日に帰らなくてはならなかった。だから太郎のカリフォルニアはたった 5 日間しかなかった。だから、僕は太郎の遊び相手としてあの男を呼んでおこうと思った。あの男とは、福岡からカリフォルニアにモトクロス留学している仲矢と言う男。彼とは二年前から仲良くなっていたし、太郎とも顔見知りと言う事で 、早速電話して今すぐ来いと仲矢をアパートに呼びつけた。彼は和田アキコの歌が大好きで懐メロ好きであることが発覚し、太郎と僕と仲矢で” カリフォルニア懐メロファンクラブ” を結成した。ある晩みんなが寝静まった午前 2 時頃、僕たち懐メロファンクラブの面々は、普段から余り口を開かないトニーに質問した。「トニーもカラオケとか行くん?」「行きますよ。」

「どんな歌、歌うとね?」「え〜ミスチルとか。」ここで太郎が「ミスチルってどんな曲歌ってたっけ?トニー歌ってみてくれん?」「エッ .............................。」「じゃ全部歌わんで良いから一節だけ歌ってみてん。」「............................ う、歌えんっす。」「じゃ歌わんで良いからどんな歌詞だったか知りたいけん、歌詞をちょっと教えてくれんね。」

「.......................... そ、それもできんす。」「そんなことも出来んのなら、分かった、それじゃチン立てするか、水戸黄門するか歌うかのどれかを選ばんね。」「チン立てって何ですか?」「それは、ち○こを立てて見せること。」「じゃぁ。水戸黄門は?」「それはお前の肛門に綿棒を一本づつ全員で 3 本刺してみせること。どいがよかね?」「.................. どれもだめっす。」「それじゃあこの場の収まりがつかんやろもん。とにかく三つのうちどれかを選べよ。俺なら間違いなく歌うよ。」

「................ でもだめっす。」.................. という会話が延々1時間以上も交わされ、収拾がつかなくなった。太郎は「お前が出来ないなら、連れの寺師にやらせるとか ...........。」トニーはグッドアイデアとばかりにそばで寝ている寺師を起こしにかかったが、微動だししないので諦め、一度は「歌います。」と言った。ところがいざとなると「やっぱりおれできないっす。」と弱音を吐いた。もう時計も午前 3 時半近いし、とにかくこの場を納めなくてはと思った我々は新しい提案をした。「それなら、チン立てか水戸黄門か歌うか、フルチンでアパートの前の道路を横断するかのどれかにしろよ。」と。トニーは「俺フルチンで道路横断するっす。」といった。横断と言ってもアパートの前の通りは片側四車線、全部で八車線もある大通り。横断して帰ってくるのには時間がたっぷりかかるのは間違いなかった。表に出てみると深夜というのにぼちぼちと車も走っている。観念して服を脱ぎだしたトニーに太郎は「俺だったら、絶対に歌うけんね。」と信じられ顔で笑っていた。素っ裸で靴だけ履いたトニーは夜の闇の中、大通りを横断し向こう側の電柱にタッチしてちゃんと戻ってきた。トニーのこの訳の分からない選択とキャラクターが気に入った僕は飛行機での移動でフレームのトップチューブを凹まされてしまっていた彼に新しい Infinity をサポートして、彼をチームに迎え入れようと決めた。翌日、仲矢は言った。アメリカではストリーキングの罰は重くて逮捕された上に留置場に 2、3 日入れられて保釈金と罰金で $6000 位掛かるのだそうだ。トニーって運がいいのか悪いのか全く分からない。

◎ヒロは見かけによらず要領がいい。 アパートに常時住んでいるのはアギなので彼だけが自分専用の個室を持っている。あとの大部屋に来た人たちは全員そこで雑魚寝をするのだが、Nathan Penonzek の立派なマットだけは大部屋の角をカーテンで仕切って用意されていた。この時、彼は日本に行っていて不在だったので彼のマットレスベッドと彼の間仕切りされた空間は空いていた。さて、ここにはいったい誰が寝るのだろうか?それは、ヒロ。このアパートにいる間、僕と太郎は毎日床で寝ていた。毎朝おきると身体が痛かった。これまでのことをよくよく考えてみるといつも太郎と僕はセット扱いで、いつも

ひどいところで寝ていた気がする。ヒロは何の遠慮もなくいつの間にか一番良いところを占領するという特技を持っている。だからこのここでも彼は Nathan が帰ってくるまで、マットレスベッドで快適なナイトライフを送っていたのだ。それがごく自然なのでヒロを憎めないでいる僕と太郎であった。

◎ ヒロの激怒。ショーを前にしてとにかくディギットは忙しかった。僕らも色々と買い出しやお使いに行った。カリフォルニアに来て 2 日目の午後、僕は太郎と寺師を連れだってスッテカーを注文しに出かけた。データを渡しステッカーをオーダーし、突然 S&M に行ってみようと思った。太郎と寺師も行ってみたいと大賛成。S&M に行ってみるとお昼休みでみんな出払っていたが、ロビーで UGP のオーナーRonne B. と再会した。もう嬉しくて話が弾んだのだけど、彼はカリフォルニアにいる間に一緒に遊びに行こうと誘ってくれたのだが、僕はこの日は遊んでいたが、忙しくてそれも出来そうになかった。食事をして S&M に戻ってみると、S&M の海外部門担当である Chris Stevenson は太郎を見るなり「お前ディギジンでよく裸になっている奴だ!」と大喜び。太郎はどこでも有名人であった。それから僕らはハンティントンに行ってみることにした。途中のミリタリーショップで太郎と寺師はイカしたサングラスとアメリカ軍のヘルメットを手に入れた。有名な Black Fly のお店で寺師はもろ見えシーンがあるビデオを僕の薦めに応じて買った。そこの店員のイカしたねーちゃんは、やる気なさそうにしていけど、僕と太郎はそのねーちゃんが紐の T バックを履いているのをちゃんとチェックした。その近くにはエロショップもあってそこにも日本人の僕らが信じられないサイズのおもちゃなんかを見てただただ驚いた。ハンティントンのピアで写真を撮ってディギットに帰った頃にはすっかり暗くなっていた。帰ってきた僕らを見て見捨てられていたヒロは本気で中指を立てて見せた。

◎ オレンジカウンティーの子供達 こちらに来てから余り自転車に乗る機会がない太郎達は、すっかり欲求不満になっていた。それで時々ディギットのそばにある小学校の駐車場で乗ることにした。そこはとてものりやすくて最高だと太郎もヒロもお気に入りなの場所だった。ただしここに来る子供が異常に元気なことを除いては。このあたりはメキシコ系の子供が多く、彼らの多くは普段スペイン語を話し、学校では英語を使っている。彼らは日本の昔の子供はそうだったように大きい兄ちゃんからとっても小さな子まで年齢がばらばらで遊んでいる。そしてとっても好奇心が旺盛だ。何のためらいもなく質問を浴びせてくる。だから太郎達が練習していると、どこから来たのかと言う質問から始まって、あれやって!っと技のリクエストまでしてくれる。そして凄い技が決まるとみんな大喜び。ヒロと太郎は彼らにとってまるでヒーロ。とても裕福とは思えない彼らだが、わざわざ家に帰ってジュースを持って来てくれたりするのだから、多少気が散るとは言え我慢我慢である。みんな天真爛漫な子なのだ。彼らを見ていると日本の子供達は色々と規制されて元気を失っているなと思った。 ヒロがこの駐車場で一人で練習している時、ここの学校の先生が近づいてきて「Day Smith を知ってるか?俺も昔やってたんだ。」と話しかけられたらしい。

6 dig-it'zine 2000

☆ Story 3: Orange County's Style

Chenga World: チェイス気分のエノヤン。

Chenga World: Joe Rich 気分の太郎。

HERO: 2人は子供達のアイドル。

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◎ Jesse rules! 僕にはこの旅でカリフォルニアに長く滞在したい理由があった。それは大好きな Jesse Puente にどうしても会いたかったからだ。ヒロと太郎を彼に紹介したかったのだ。彼と最後に会ったのは二年程前デラウマにゲストで来たときが最後だった。あれから彼はどちらかというとアンダーグランドに入ってしまい、年に一回僕にクリスマスカードなんかを送ってくれるのだが、ちゃんとライディングをしているのかどうか不安だった。僕は毎年彼に「お前は僕が知っている中で最高のライダーだ。」なんて年賀状を送り彼が変らず凄いライディングを見せてくれることを心から願っていた。実はこのディギジンも毎号彼の家に送っている。元 Jesse の子分だったアギに Jesse に電話を掛けてもらい、その晩、僕たちは彼の練習場所にでかけた。僕は、そこに行くのが三年ぶりとあってわくわくしながらフリーウェを飛ばした。そしてやっと Jesse と会えた!! 僕はもうとにかく嬉しくて Jesse に抱きついて再会を喜び合った。そして太郎とヒロ、トニーと寺師を紹介した。三年前はほとんど一人で練習していた Jesse だったが、最近は彼を師と仰いで付いてくる奴もいるみたいで、おそらくは十代後半のライダーを四人も連れてきていた。Jesse は全く変っていなかった。以前のようにヨーメン英語で気軽に話しかけて、色々技をやったら、それを解説してくれたりする。俺はこうしたいのだ!っと。ライディングの方は、ノーブレーキの自転車に乗っていた。彼はしばらくみない間に、凹むどころか、十倍くらい進化を遂げて凄さは、増していたのだ。ここで技を解説するのは難しいが例えて言うなら、『自転車に乗って空中遊泳している』、そんな感じなのだ。とにかく。全くためらいもなく次から次へ技をつなげていく。ヒロが言うにはきっと彼はその場その場で技を変化させているのだと言う。決まったカタチはなくて Jesse は創作しながら乗っているのだと。そうかもしれないと僕も思った。そんな Jesse に初対面で初めて彼のライディングや人間性に触れた太郎は、柄にもなく感動した様子で、「凄い!上手すぎる!Jesse 格好よすぎる!」と僕に言って「俺恥ずかしくて一緒に乗れないです。」と彼のライディングを見つめるだけであった。それはトニーも一緒で彼も同じことをいって絶対に Jesse と一緒に乗ろうとしなかった。ただ一人ヒロは Jesse と一緒にライディングして彼の弟子達にトリックを披露した。交代で技を見せ合うこの二人に、そこにいた全員が魅惑されていた。僕らは Jesse のトリックに度肝をぬかされ、Jesse の弟子達はヒロの技に” Sick!” と最大限の賞賛を送ってくれた。Jesse はヒロのトリックをオリジナリティーがあってとってもスムースで良いと褒めてくれた。Jesse によると Hiro と Martti はお気に入りのライダーなのだそうだ。

感動的なこの夜が終わって Jesseとお別れするときに彼は僕にいった

「スキップたちは最高だよ。ヒロもまたいつでも来たいときにここに来てくれよ。そしてまた一緒に乗ろう。」「大会に出るとか、メークすることを目標に乗るとか俺にはそれは出来ないよ。俺はただ自転車に乗るのが楽しいんだよ。もっともっと練習がしたいんだ。練習して練習してただ自転車が上手くなりたいだけなんだ。」と。

◎ あぁモトクロス。 仲矢は僕と太郎がモトクロスをやっていたことを知っていて、次に土曜日に走りに行かないかと誘ってくれた。全米選手権も開催されている「グレンヘレン」というモトクロスマニアにはよだれ物のコースに連れて行ってくれるらしい。これは願ってもない話とばかりに太郎と僕は二つ返事で行く行くと答えていた。ところがディギットはショー前の追い込みとばかりに土曜日も仕事をするとのことだった。僕もこれを休んでモトクロスに行く訳にはいかなくなってしまった。そこで太郎に、僕が捨てゴマで頑張るから太郎は走りに行って来いよと、今思い起こしても感動的なセリフを言ったのだった。当日の朝珍しく太郎は早起きして仲矢と走りに出かけた。とっても楽しかったらしく太郎は、「アメリカのコースは最高ですね」と感激していた。走り終わった後は近くであったフリースタイルモトクロスも観戦して「Seth Enslow を見ましたよ」と興奮して僕に話してくれた。太郎が走りに行ったその日はいよいよショーのブースの骨格が完成する日であった。僕がその鉄骨を組み上げていたころ太郎と仲矢は帰ってきた。雰囲気がやばいと思ったのだろうか、彼らはすぐにどこかにでかけて、しばらくして帰ってきた太郎と仲矢は事務用品屋でショーの看板作成用の材料を買ってきた。それから太郎は一人でこつこつと器用に看板を作り始めた。仲矢はと言うと彼はブースの鉄骨にナットを溶接するお手伝いをしていたのだった。太郎の看板作りが終わったのはすでに十一時近かった。それが終わってから僕らは元気にパーティーに行ったのだけど ...。

◎ ヒロ拉致される!? インターバイクショーのブースも Nathan と Martti の大きな写真を飾りたいということで僕は暇そうにしてい

た太郎、ヒロ、寺師にトニーを連れてレンタカーでモールの一角にある写真屋に向かった。ヒロは便所に行って来るとモールの中のスーパーマーケット風の店に向かった。用事はすぐに終わったから僕たちはエアコンが効い

た車内でヒロが戻ってくるのを待っていた。しかし彼は仲々戻ってこない。ぼくはヒロがお風呂も便所もついでにセックスも長いのを知っているからノンビリと待っていた。ところが、30 分経ち、1時間しても彼は戻ってこなかった。僕はだんだんこれはやばいのではないかと思い出した。ここはアメリカだ、拉致されても何の違和感もない。そこでみんなで手分けしてこの近所をくまなく捜索し、ヒロを探し回った。だが彼の姿は全く発見できなかった。さらに 30 分程経った頃、僕が車の所に戻っていると、何とヒロが最初消えていったスーパーの方から歩いてくるではないか! 駆け寄って「何してたんだよ」と言うと、ヒロは手に持った袋の中の物を取り出してこう言った。「スキップさん見てくださいよ。このカルバンクラインのパンツ安かったんですよ。普通$14.00 位するのが、$7.00 でした。お買い得でしょ?」

◎ パーティー編 その 1: 太郎オンステージの巻 ところでこのアパートにいる間僕たちが毎日どんな日課を過ごしていたかというと、ちゃんと仕事に出かけていくアギを除いては大体昼前に起き出してシャワーを浴びてから車でディギットに行き、ある者は仕事の加勢をしまたある者はライディングに出かけていったり、思い思いに過ごしていたのだが実は一番大変なのは仕事が終わってアパートに帰ってからなのである。我らが宴会大将アギは仕事が終わると仕事中よりももっとパワーアップして、飲めない僕にも毎日ビールが回ってくるのだった。僕も雰囲気に乗り切れないのは嫌なので結局飲んで大騒ぎになる。そしてアギはみんながペースダウンしてくると「俺は眠くないぞ!」と必ず叫ぶのだった。僕と太郎の似ているところはいくら眠くても人より先に眠るのが嫌なことである。だから毎晩、アギは突然自分の部屋に雲隠れするので僕と太郎だけが部屋に残されてしまい、今日も床で寝る羽目になるのであった。毎晩がパーティーであった。 太郎がモトクロスに行った日の晩、夜も十二時近くからアギが「沢山女の娘が来るよ」と言うので彼の女友達のレズリーアパートであったパーティーに出かけた。ところが着いてみるともうすでにパーティーは終わりかけており、食べ物も何も残っていないような状況だった。ここに来ている連中はほとんどが大学生らしかったが、感じの良いヤツもいれば感じ悪い奴もいた。一番気持ち悪かったのは訳の分からない質問を僕にしてくる、どう見てもホモみたいなヤツだった。奴はとにかく家に遊びに来いとしつこいくらいに言ってくるので、気持ちが悪くなって無視していると耳元で” I love you” と言ったのだ。鳥肌が立った。それからは彼を完全に無視して離れたところに移った。彼はその後標的を寺師に切り替えて彼に迫っていた。太郎はいつの間にかエリザベスというテニスのマルチナヒンギス似の可愛い娘に気に入られ、腰に手を回して「エリザベスちゃん可愛いね。」とばりばり日本語で褒めまくっていた。褒め言葉というのは、万国共通らしく意味が分からなくても言葉の雰囲気で分かってしまうようで、エリザベスも太郎の褒め殺し攻撃に撃沈寸前に見えた。しかも腰に回した太郎の手と腕には、太郎の神経回路の全てを集中させているのがばればれの太郎であった。 とこ

ろが友達が帰るからエリザベスちゃんも帰ると言いだしたからもう大変。太郎は無口になってしまい 呆然としていた。ぼくもヒロも仲矢も彼に「彼女帰っちゃうよ。太郎、引き留めて一緒に帰ろうとか言ってくればいいやん。」と言ったのだが、「いいですよ。」といつもとは大きく違って消極的な太郎だった。 僕は切り札のセリフを使った。「太郎ここで引き下がってしまったら負け犬やん。」「負け犬って言わんでくださいよ。」結局、太郎は彼女をアパートの外まで見送ってから、強がった顔で何事もなかったように戻ってきた。しかし目元は泣いていた。 突然、寺師がどこかで手に入れたハートのパンツに上半身裸、いかれたサングラス姿で例えようがない彼独自の舞を見せ始め場内騒然となった。だが、これは長続きはしなかった。気が付いたら気絶したように床に横たわっていたからだ。寺師の盛り上がり方は、まるで男性のセックスの様に突然

盛り上がって急激に冷めるといった物のようだ。こんな寺師を太郎はたいそう気に入り、彼の新チーム「バカ一家」のメンバーに迎え入れる決定を下した。バカ一家は太郎塾とは別の組織で、現在のメンバーは太郎本人と寺師、そ

TOUR

7 dig-it'zine 2000

Jesse: What's up Men!

Party time: 精一杯洒落る男達。

祭だ!祭だ!

Page 9: dig-it 'zine Oct.-Nov. 2000

れから京都在住のシムケン(ガチャケン)の3人らしい。ただこの時の寺師の行動に 100% 満足した訳ではなかった太郎は、これからは自分がお手本を示し、彼を教育して立派なバカに育てるのだと今後の豊富を語った。そんな寺師がまだ元気だった時、太郎がそれとなく僕らの前にやって来た。それを見てアギと一緒にいたレズリーは悲鳴を上げた。太郎を見ると、驚いた事に彼は女物のパンツを身につけていた。どうやらそれはレズリーの物らしく、彼女の部屋の洗濯物の中からチョイスしてきたものらしい。太郎はその姿で寺師とペアで舞を見せた後、半泣きのレズリーを見て「着替えてくる。」と言って奥の部屋に消えて行った。着替えてきた太郎をみて、今度もレズリーは悲鳴を上げた。着替えというのは彼女の他のパンツに履き替えてくることだったのだ。嫌がるレズリーのそばに来て

「このパンツ穴が空いていよ。」と穴の間から指を出してみせる太郎。レズリーは発狂寸前。そしてまた着替えに消えた。結局五回か六回着替は続き、毎回、彼女のパンツを全てはいて見せてくれた。どれも壮絶な凄さだったけど、最後の一枚は強烈だった。太郎が最後にはいてきたのは、Tバックのパンツ。しかもそれを後前にはいてきたもんだから、前側がT、その両側にタマタマを振り分けてぶらぶらさせながら歩き回っていた。太郎はこの格好が相当気に入った様子で、1時間近くその格好のままで堂々とソファーに座ってテレビを見ていた。負け犬になった太郎の反動はすざましい。

◎ パーティー編 その 2: 写るんですの巻 アメリカではストリップやバー、クラブなど酒と女が絡むところには必ず一人か二人プロレスラーみたいな体格をした強面の強そうな大男がいる。彼らは自分のそんなルックスを売りにしていて、用心棒と言うか、暴力やトラブルの抑止的な役割を果たしている。 僕らはアギの先導で LA の怪しげなパーティーに行った。入る前に用心棒役の男にボディーチェックをされて中にはいると、中では映画のジザーハンズみたいな格好をした男女が鏡に自分の姿を映しながら踊っていた。その姿は自分に陶酔しきっているように見えた。このパーティーに僕らはお門違いだった。何しろ T シャツに短パン姿の奴なんて自分たちだけだったからだ。それでも来る前に酒をあおってきた僕らは、彼らの自己満ダンサーを挑発するように下らない舞を披露していた。ところが奴らも強者とあって、僕らを見ても微動だにもしていないようだった。アンディーウォーホールみたいな男がカメラを手にそんな連中を撮影していた。それを見て僕もここで写真を撮りたいと思った。車にカメラを取りに戻り中に入ろうとすると用心棒の大男に「カメラは持ち込めない」と制止されてしまった。じゃ写真を撮っているあいつは何なんだ! と言ったけど全くとりあってくれなかった。諦めて中に戻り、踊っていると突然、寺師が持っていた” 写るんです” でフラッシュを点滅させた。すると用心棒が今度は二人も現れて、寺師のカメラを取り上げ、僕ら全員帰ってくれと言った。何事か最初は理解できなかったが、やっぱりフラッシュがまずかったらしい。ただ寺師の” 写るんです” はここに来る前にすでに撮りきっていたので寺師はただフラッシュで遊んでいただけだったから、ここで写真は一枚も写していないと抗議する寺師だったが結局” 写るんです” は没収。僕らは強制退場と言う訳だ。僕らに有無を言わせないこの用心棒達。立派な働きをしていた。ただ、僕らと一緒に全く無関係の、東洋系のカップルも退

場させられていたのには憤りを感じた。彼らは立派なアメリカ人だというのに僕らと同じ肌の色をしていただけで追い出されたのだから。

◎ LAX 行きシャトルドライバー 毎日寝るのが朝の四時とか五時といった生活が続いていた。それに追い打ちを掛けるような仕事が僕を待っていた。それは LAX までの四日連続の送迎バスの運転手という仕事。急激に人口が増え続けている南カリフォルニアのラッシュは尋常ではなく、普段は 30 〜 40 分しかかからないはずのこのアパートから LAX までの道のりが、朝晩のラッシュ時は 2 時間以上かかることもざらである。だから最低でもチェックインの時間に一時間半位は余裕を持って行かないと飛行機に間に合わない可能性がある。LAX から日本行きの国際線の飛行機の出発時間は必ず午前中で国際線のチェックインタイムは出発の2時間前と決まっていから、朝は格別に早起きをする必要があるというわけだ。 最初は太郎が帰る日から始まった。その日は、クラブから強制退場させられた翌日(翌日といっても本当は同じ日)の朝だった。眠りについたのはもう午前四時近かったが、朝は七時に起きる必要があった。僕は太郎に叩き起こされて、空港へ向かった。ヒロも寺師とトニーも太郎への義理を果すべく無理して起きて太郎を見送りに付いてきた。太郎が「スキップさん、俺一人じゃ飛行機の手続きしきらんすよ。付いて来てくださいよ。」と泣きつくので仕方なくパーキングに入れて全員でぞろぞろとカウンターまで行き太郎のチェックインをしてやって、飛行機の乗り込み時間まで搭乗口で別れを惜しんでやった。やがて太郎は元気に大嫌いな飛行機に消えていった。それにしてもここでもヒロはとっても要領がいい。無理矢理起きて車に乗り込み付いては来たが、行きも帰りも車内でぐっすり寝ていたくせに、太郎と待合室にいるときだけは「太郎君帰るとさびしいなぁ」などと心にもないセリフで太郎を感激させていた。 翌日はしらじらしく「空港までの足がない」と、さも僕に行ってくれと訴えていた寺師とトニーを人の良い僕が結局送っていく羽目になった。この時も要領のいいヒロは無理矢理起き出して車に乗り込みお見送りに付き合った。でもやっぱり空港でお別れするときだけ名残惜しそうに別れを言って、行き帰りはぐっすりと熟睡していた。 お馬鹿な寺師とトニーの名コンビが帰ったらますます寂しくなった。だがその翌日には Nathan が日本から帰ってきたからまたアパートは賑やかになった。その Nathan を空港までお迎えに行ったのも僕であった。彼を迎えに行くついでに、この日二年ぶりに福岡の実家に帰ることになっていた仲矢を空港まで見送りに行くことになった。これが大きな間違いだった。七時に約束したのに、彼がアパートにやってきたのは朝の六時!。無視しようと思ったが何しろ朝から彼は元気いっぱいで「♪ Let’s sing a song! 歌いましょう!♪♪」と和田アキコの歌を大声で歌いながらアパートに突入してきたのだ。仕方なく起きたのだが最悪の目覚めとなってしまった。ヒロは後日こう言った。「俺は朝からあのノリにには付いていけないと思って、目が覚めたんですけど、ここで起きてはならぬと自分に言い聞かせましたよ。」 行きの車の中でも仲矢と二人懐メロファンクラブの最後の集いというわけで懐メロを歌いながら空港に到着。仲矢と涙の別れをした。それから今度は Nathan を待った。暫くして Nathan が現れた。彼の自転車を見て驚いた。彼はカバーもせずにむき出しのままで自転車を押してきたのだ。僕らが利用したデルタでは考えられない行動だ。帰りの車の中で Nathanは日本でガールフレンドが出来たと言って写真を見せてくれた。確かに可愛い娘だった。また名古屋の野田雄二がNathan に日本名を付けてくれた、と行ってハンコまで買って帰っていた。その名前は天野ケイタ。つまり天Heaven と野(ground) に名古屋では自転車のことをケッタというのでそれを全部会わせてこの名前なのである。とにかくふだんの Nathan はいつも子供みたいに天真爛漫である。良いのか悪いのかは分からないけど ......。まぁとにかくこの空港バスのお役目はヒジョーにきつかった。

☆旅の後記。 こんな風にカリフォルニアではカリフォルニアの怠惰な生活を送り、この後は毎年恒例の Las Vegas にインターバイクショーに行ってちょっとだけ仕事をして僕の 3 週間に渡るアメリカの旅は終わった。今回一緒にアメリカを旅したヒロとエノヤンと太郎。本当に彼らは知らない土地でも大活躍をしてくれ、また遊びも全力でこなしていた。タフな彼らに付いりていくのは大変

だったけど、僕は誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝て(しかも床で!)チームマネージャとしての仕事を全うした、かな?でも彼ら3人は余り手が掛からないので楽だった。もしかしたら僕の方が面倒見てもらっていたのかも!どの土地でも新しい友達が出来た。それが最高のおみやげだ。

 今回お世話を掛けた皆さんにここでお礼を言わせていただきます。 Scott@south riders, Pad@Pad’ s bike shop, Mark Eaton, Kevin Jones, Chris Young!!!, Jesse Puente, 仲矢一朗 。それから Zenta と Augie には大、大感謝!

 ところで York Jam だけど、思っていた通りのイベントだった。もし来年もあったらみんなも行かんですかんた?来年 York のパーキングロットで会いましょう!当然僕は行きますよ。もちろんエクスタシーにもね。

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Riders House: アパートでもてあそば

れるヒロ。 Miss you: 沈む夕日に旅の終わりを物想う

リビエラ太郎。

West Coast!: バカ2人。

背伸びするヒロ

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広島のカリスマフラットライダー、ゴリさんが主宰する広島バイクスも今年で 8 年目。一昨年から協賛と取材にも来ているのだ。僕を毎年広島に向かわせるのは、MC も務めるゴリさんのものすごい MC ぶりが見たい、聞きたいからなのである。 また、このコンテスト参加するライダーは他と一味違うライダーが多く、毎年前夜祭で市内のアーケードで朝までみんな遊んで、本番ではヘロヘロといった、前夜祭を主体としたイベント?なのである。

10 月 5 日木曜日にアメリカから帰ってきたヒロをピックアップした翌、金曜日、鳥取で大地震があった。ぼくとヒロはニュースを見ながら広島はどうなのだろうと心配になった。ニュースでは広島もかなりの震度である。 山陽新幹線も止まっていた。ヒロの実家の徳島も震度 4 の表示で、慌てて実家に電話を掛けていたが、回線が混雑してつながりにくくなっているみたいだった。 あとでヒロの実家も広島も大丈夫らしいと言う事が分かって安心した。 土曜日の午後にヒロと二人で広島に向けて出発した。 毎度のコトながら、今回もバタバタ大慌てであった。原因はヒロの自転車を組み立てるのに時間が掛かったからだ。アメリカでスペシャルフレームを作ってもらったヒロは、テストのため未塗装のフレームに組み替えて帰ってきた。しかし塗装の為、元のフレームにパーツを組み戻す。ところがアメリカに沢山パーツを置き忘れて来ていたから、元に戻すのが容易では無かった。 僕は午後3 時頃には出発しようと思っていたのだが、結局自転車が組み上がったのは午後 5 時を回っていた。大急ぎで電車を乗り継いで、新横浜駅からヒロの憧れ新幹線のぞみ号にやっとの事で乗ることが出来た。結局広島に着いたのは午後 11 時。 広島では超有名なタムタムこと田村 6 段に駅まで迎えに来てもらった。 タムタムは見かけによらず中学校の臨時教員をしていると言うインテリだ。6 段というのは彼の書道の腕前のことである。到着してすぐに今日の宿、ゴリさんが専務を務めるホテルニュー菊水にチェックイン。荷物だけを降ろして広島焼きで腹ごしらえ。強烈にお腹が減っていたぼくとヒロはとにかく無口に食べまくった。

余談だが広島駅について驚いたのがヤンキーがとても多いこと。土曜日の夜とはいえ、サンダル履

きで、ちんけなヒップホッパー風の格好に、暗いのにサングラスを鼻にひっかけたようなやからがうようよ。街でもそんなのばかりが目立った。そのせいなのか、街一番のナンパ通りは夜間通行禁止になっている始末。 広島イコール平和を願う街といったイメージをぶち壊しの悪っぷりである。見てる分にはおもろいけど、奴らはとってもいけていない。

広島焼きで空腹を満たしたら、いよいよ、お待ちかねの前夜祭である。前夜祭は毎年恒例の金座街アーケードですでに始まり掛けていた。ここでは活躍の場がないストリート、ダートライダー達は最初から飲んでいる。 フラットライダーは真剣に技を披露する。特にヒロは久しぶりに日本に帰ってみんなと乗れるのを楽しみ、笑顔でガンガン技を披露していた。そして広島のカメンライダー中古部長のカッパも、綺麗に仕上げた彼のバイクで、いつものように妖怪にしかできない人間ばなれしたトリックを連発。タムタムも発育の良い最近の女子中学生にみだらな妄想を抱きながら、中学生受けを狙ったトリックを繰り広げていた。僕はロボ、新婚さんの石井こうじ、スーパーダートジャンパーのター坊達とビールを飲みながらアメリカの土産話や、太郎の悪口で(今回太郎はショーで不参加)盛り上がった。そうしている間にも、各地から続々とライダーが到着し始めた。 大阪からトシゴン、ビーバー、モグラ( 残念ながら尾西兄弟は天気が怪しいと言う事で、不参加) 。大分からも一般道をひた走ってモンキー、シホ、牧兄弟、加藤プロ、塩月ファックマン、山脇くんそれに我がディギット新聞社九州支社長に昇格したペニピーもやってきた。また大久保博らの岡山ライダー、京都ライダー等など続々広島入りして、夜は更けていくというのにこの日の金座アーケードだけは、賑やかになっていった。ビーバーが酒の席にやって来たので、僕はアメリカで仕入れたとっておきのネタを話した。「ビーバー、アメリカでは女性器のことをビーバーって言うらしいよ。」と言うと、ビーバーは「実は知ってたよ。だからいつも日本に来た外人に名前を聞かれたら” ビーバー” ではなくて” ビバー” って答えてるんだ。」と言っていた。

ビールに加えてサムライウォーターまで飲まされた僕はへべれけになってしまい、一旦ホテルに帰って寝ることにした。この時すでに時計の針は午前 6 時を回っていた。広島の天気は悪方向に向かっており、朝方から雨が降り出すとの予報だった。朝起きて雨だったら少し朝寝坊できるな、とすでに中止を見越してくつろいでいたのだが ....。

翌朝一応、9 時に起きて天候を確認してみた。すると路面は濡れているものの、雨は降っていないようだった。これはどうしたものか?と思ったが、睡魔が僕を誘うのでまた布団に入った。 ゴリさんに電話で状況を確認してみると、「今は雨は上がっているので出来るところまでやります。なるべく早めに会場に来てください」との事であった。仕方なく電話でヒロを叩き起こして、ヒロと共に市電を使って会場に向かった。車内はがらがらだったので、自転車をそのまま車内に持ち込むのもごくごく自然であった。 だが途中で「本当は自転車ごと乗るのは禁止なのですが、もう乗ってしまわれているし、今更降りてくれとも言えませんので次回から宜しくお願いします。」とやんわりと注意されたが言い方がとても丁寧だったから、広島の人は優しいねとこちらの方が恐縮してしまった。 ただし、問題提起として、こうして裸で自転車を運搬すると自転車として扱われ、ちょっと袋に入れて車体を隠しただけで、自転車ではなくて荷物として扱われたりするのだから、そのあたり本音と建て前みたいですっきりしないところではある。読者の中にも自転車の運搬で嫌な思いをされた人も多いのではないだろうか?公

共機関もヨーロッパ並にもっと柔らかな頭を持ってエコロジー溢れる自転車の扱いを考えて欲しいものだ。

大会は去年までサンフレッチェ広島のホームグランドがある公園で開催されていたが、今年は広島市南区宇品の漁港のそばの公園で行われた。瀬戸内海の景色が仲々素晴らしいところであった。今にも降り出しそうな灰色の空の下、駅から会場を見渡すと、大勢のライダーがいて驚いた。街中ではないので冷やかしではないく純粋に BMX に関わっている人間だけでこんなに沢山人間がいるのだから素晴らしい。ざっと見たところ 200 人近くはいるように思われた。去年からはぐ〜んとパワーアップされたストリート用のセクションが用意してあったのにもビックリした。何しろ去年までは分解寸前のボックスジャンプと小さなクォーターしかなかった。この会場にはちゃんとしたクォーターもあったし、スパインも用意してあったのだからこの一年間の広島の頑張りが感じられた。セクションでは今朝方到着したらしいジック Japan の招待ライダー、つながり眉毛で有名な、ドイツの Alex Bender とデンマーク人の Niels Thanild が練習していた。名古屋の No Trick しょー太郎にグァバ、名古屋の若手ナンバーワンのライダーのサミュエル、大阪からはカメンライダーゾマフォンこととしごん、ま○こ君ことビーバー、もぐら。地元広島の石井こうじにバボちゃん、と言ったところが自分の技を確かめるように、乗り込んでいた。対してフラットの方も朝方降った雨で多少濡れているものの、競技には支障がない状況まで回復していた。路面自体も悪くはない。とにかく広々していて素晴らしい会場だ。フラットもジックJapan の招待ライダー、おなじみの Michael Steingraber と僕の親友 Alexis D.。岡村アキラ、ヤンマー、カッパ、ヒロ、Robo と言った豪華メンバーに、若手ライダーもこんな広い場所なのにうじゃうじゃと何故か固まって練習していた。中でも目立っていたのが最近増えているギャルライダーの姿だった。沢山のギャルライダーが練習していた。 彼女たちは目立つから見た感じではここにいる 4 人に 1 人はギャルライダーと言う感じ。ここ広島は特に多いのかもしれない。彼女たちの中に有望なライダーがいることを期待して観察した。決して嫌らしい目で見ているわけではないのだ。

大会は開催されたのだけど雨いつ降り出してくるかが心配と言う事で、主催者ゴリさんの決断で競技はジャムに変更。どんどん順番に乗りまくるて行けるところまでやってしまおうと言う事になっ

COMPETITION Text by & Photos by SKIP☆広島バイクス 2000 ☆ October 8, 2000 / 広島市南区宇品

9 dig-it'zine 2000

Alexis D.

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た。 先ずは 4 クラスあるフラットのビギナークラスから。ほとんどのギャルライダーがこのクラスに大挙してエントリー。僕が見たところこのクラスの半分の7,8人はギャルライダーと言うフェロモンの激戦区。飢えた男共の雄叫びを受けて上手い娘は格好良く、上手くない娘は可愛く乗ってくれた。その中で目立っていた娘は、名前は忘れたけど以前ヒロから聞いたことがる岡村アキラ似の娘をチェックできた。一目見てすぐにあれだと分かってしまうくらいアキラに雰囲気が似ていた。ただアキラより断然可愛いけどね。ライディングもアキラに似ていた?! 大分のサザエさんことシホ。彼女は今年 5 月にタロッキーと対戦して以来、野球ケン狂いになっているらしい。相変わらずの脳天気さで嘘か本当かディギットに就職を希望しているらしい。ライディングも上達していたのには感心した。 広島の弘子ちゃんは 18 才。同じく広島のあつ子ちゃんは森口博子に似ているとの評判。彼女たちは雨が降りそうな暗い会場を明るくしてくれたのだけど、それ以上に燃えていたのが他ならぬ主催者兼 MC のゴリさんだ。毎年ゴリさんのMC は広島名物となってるほど有名なので、今年も楽しみにしている人も多いと思うのだけど、今年はギャルライダーが多いと言う事もあって弾けんばかり!! これは実際に体験しないと分からないと思うので、彼の MC を聞いてみたいという珍しい人は是非来年の広島バイクスにエントリーしよう。彼の選曲も普通と違うし、今年はギャルライダーの時に、「只今ライディングしているのは大分のシホちゃん。只今、生で挿入中です。」と言う具合。但し彼のM C を地元広島ライダーは聞いてはいない。

続いては 16 人がエントリーしたノービスクラス。11 月 12 日に開かれる今年の大分の大会の委員長に任命された塩月ファックマン。僕が思うに彼はエキスパートクラスの実力を持っているはずなのだが、本番に弱いというか、切れが悪くなる傾向にある。体が大きくて動きも大きいのでライディングスタイルはかなり格好いいのだから本当にもったいないと僕は思う。ここではスティックBを ×、クリフハンガーを ×、クリフハンガータービンも ×、最後にやっとヒッチハイカーをメークした。 石川ヨシヒロくんはカッパお薦めのライダー。まだライディング歴は短いらしいがカブースのコンボを決めて見せた。 地元広島の広野信五君。

彼は郵便局に勤めているのではないだろうか? まぁそれはいいとして彼はそのメタリックなルックスからかアイアンと呼ばれている。ライディングもメーク率が高く、やるなって感じだ。 日本で一番最初にカメンを買ってくれた元祖カメンライダーの大分の加藤プロ。度重なるアクシデントを乗り越えてこの日は仲々良いライディングをしていたから、ちゃんと練習しているんだなと感心した。 ディギットと同じ神奈川県から来ていた

(神奈川のどこかは不明だが)西やん。フロントのグライド系トリックがグッドだ。岡山の漆谷君。実は僕は彼の「ウルシダニ」

と言う名前が響きが良いなあと以前から気になっているのだ。とにかく彼はカブースマスターだった。 川尻タカユキ君のカールクルーザーからピンキー、ファンキーチキン、スチームローラーの長いコンボ素晴らしかった。彼はもう一つ上のクラスにエントリーした方がいいね。上手いライダーが沢山飛び出したこのクラスだが、何といっても一番目立って、無理矢理会場を盛り上げた彼を最後に紹介しよう。彼の名前は松浦正慈。通称シムケン、もしくはガチャケン。山口県出身。21 才。実家はお寺。現在は立派な坊さんになるべくお寺の息子であれば誰でも入れるという噂の京都の仏教大学(しかも二部)に通い、京都市内で一人暮らし、すっかり京都ライダーを気取っている。活動費は托鉢と押し売りの法事で。BMX を初めて 1 年 4 ヶ月。始めた動機は友達のお寺に修行に言ったとき夢枕に BMX がたっていたから。尊敬するライダーは倉谷太郎。所属する組織は 太郎の新組織” バカ一家”。得意技は皮かぶり。最高戦歴は 7 月のデラウマカップで見事2位。ライバルはコンソメ(彼も同類だから)。 彼女あり .......... という慈悲の心に溢れた素晴らしいライダーがシムケンである。この日彼がどんなライディングを見せたのか? 太郎が参加しなかったこの大会で彼の仕事はただひとつ。それはやらかすこと。シムケンの名前が呼ばれ、” あれどうしたんだ。いないのかな?” とみんなが思った瞬間、遠くから青い覆面のライダーが全裸で Quamenに乗って悠々と登場。みんなの輪の中に入ったところで自分が出来る限りのトリックを披露し喝采を浴びた。ここまでは彼の親分である太郎と同じなのだが、この後みんなの視線が彼の立派に縮み上がった超包茎の逸物に集まっているのを感じ取った彼、ラードヤードしながら、その余りきった皮をたくし上げたり戻したりした。僕もあまりのくだらなさに不覚にも笑ってしまった。後で太郎からも「皮のたくしあげは物理的にお前しかできん!」と褒められたのだそうだ。こんなにみんなを楽しませたシムケンだったが、何故か本人は落ち込んでいた。それは最愛の彼女が、彼のこのパフォーマンスを見て呆れて帰ってしまったからなのだった。後日、彼は性懲りもなく彼女に「俺がやらなく誰がやる。これぞ俺のスタイル!」と開き直ったらしい。その後彼と彼女がどうなっているのか僕は聞けないでいる。

続いて 10 人がエントリーしたエキスパートクラス。 今やエキスパートクラスと言ったら忘れてならないのが「上原洋」である。全国的に「上原プロ」として有名な彼である。実はこの場で言っておかないといけないことがある。僕とヒロシは 8 月末の KOG の時、ある事から固い約束を交わすことになった。それは 9 月始めに名古屋で行われたKOG 第三戦で、もしヒロシが優勝できなかったらヒロシはたばこを止めるというものだった。 彼は自分からこの件を約束したのだった。そして結果、ヒロシは優勝することが出来なかった。アメリカに行く前にこのことを知ったのだけど、僕はわざと彼に連絡しなかった。それは彼が自分で約束を

守るだろうと信じていたからだった。しかし .... である。彼は未だに約束を守っていないようである。彼の健康の為にも僕はヒロシを信じている。去年の大分のコンテストで CamAcura の一年限定スポンサーをゲットした徳島のミノ。いよいよ約束の一年は過ぎようとしていた。彼は来年のことを心配していたらしく、「来年はどうなるんですか?」と切り出した。実はその事は僕も考えていたので、同じ徳島であるヒロに探りを入れていた。 その時は「今のミノなら、ちょっとお薦めできないですね。」と言うものだったが、実際にミノを見て決めようと思っていたのだ。正しくは、ミノにやる気があるのかどうかを確かめたかっただけなのだが、前夜祭の時、彼が本気なのが分かったから継続してサポートするって決めた。だが、酒の入った僕は軽い気持ちでミノに「明日のライディングを見て決めようかな?」と言った。そして彼のライディングは仲々良かったのだけど、ペニピーによると自分の番が来るまでかなりナーバスになっていたらしい。 教え子の女子中学生を狙っているタムタムの技は、クリフハンガーで片手を頭の後ろに、もう片方の手を股間に置いてのセクシークリフハンガーだった。 最近このクラスを荒らしまくっている岡部くん。カールクルーザーでバースピンしてスイッチまたバースピンしてスイッチのコンボが格好よかった。 岡山ライダーの冨田君は技が豊富だった。先ずはバックワーズのヒッチハイカー、カールクルーザーでバースピンしてスイッチしてまたカールクルーザー。ヒッチハイカーからエフトラック。クリフハンガーのタービンと言った感じである。 いつの間にこんなに上手なったんだ。前畑悠樹。とにかく奴はガンガン乗る。攻撃的なライディングが持ち味だ。負けず嫌いを表情に出す彼はこれからも壁にうちあたりながら伸びていきそうだ。但し酒は弱いらしい。 広島の北谷君も古いライダーだと思う。彼とはお話ししたことがないので、いつかお話しできる日が来ることを僕は願っている。 430 のボスである小谷明生。神戸にあるスペ

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Kappa

a Quamen Rider from Kagawa

TamTam

MC GTO "Gori-san"

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ースアークと言う店の店長として日夜頑張っている。忙しいだろうにちゃんとこういう大会に出てくる彼は偉い! しかも上手くなっているのはどうして?仕事さぼって練習してるのだろうか?今回カメンライダーとしてデビューが決まった、大分在住のモンキー香村幸宣。沖縄出身で現在ロボ塾で男を磨いている最中である。沖縄出身といえばトシゴンがいるが、トシゴンと同じく大学を中退したところも似ている。彼のトリックはとにかくあやしい。自転車はロボ同様男を磨く仕様としてノーブレーキとなっており、どんな展開を見せるのか読めない。 ロボの推薦もあったのだけど、それ以上に初めてみたときから、彼が気になって仕方がなかった。太郎とヒロに聞いてみても「あれはいいですよ」と二人とも賞賛していた。ただ、もう少し泳がしておいて見極めようということになっていた。そして先日のアメリカツアーの最中に誰からともなく「モンキーもう良いんじゃないですか。入れましょうよ。」と言う話が持ち上がった。特に太郎は「奴はもう大丈夫ですよ」と大推薦。と言う訳で3人満場一致でモンキーの加入が決定したというわけである。ここ広島ではカメンに乗る前の最後の姿としてノーブレーキディケードなんかを軽く決めて見せて僕らの目が節穴でないと納得させてくれた。ちなみにキャラも良くないと加入できない掟なのでその辺も期待かな?

いよいよ天候も怪しくなってきた頃、プロライダーのオープンクラスのジャムが始まった。このクラスはライダーがランダムにジャムるというショー形式で行われた。参加したライダーはヒロ、アキラ、ヤンマー、Alexis、Mike、カッ

パにロボと言う豪華メンバーである。Alexis は今回の来日にあわせて彼の夢であった”Neko Bike” のプロトタイプを持ち込んでいた。しかし見たところなんか変である。どう見てもストリートバイクに見えてしまうのだ。彼はこのプロトタイプは工場で作り間違えてたのだと言った。トップチューブが彼の指示より一インチ長く、しかも何故が楕円のチューブを使用してしまっていた。このコンテストの数日後に正しいフレームが届くのだと彼は言った。だけどこんな計算違いのフレームでもちゃんと乗れてしまうのが彼の凄いところ。お得意のトリックはますます冴えていた。それから彼の大ニュースがある。来年の 4 月に彼は大分在住のゆうきさんというの女と結婚するのだ。新しいフレームは出来るは、結婚するはでこういうのを公私ともに充実してるというのだろう。月並みだけどお幸せに。また来年もパリに行く予定だから宜しくね。今年の X-Game で2位に輝く Michael Steingraber(Mike) は、有明の Core-X の時まではビートルズ見たいな爽やかな可愛いヘアースタイルをしていたのだが、イメージを一新してスキンヘッドにして坊さんみたいになっていた。ライディングの方は相変わらずミスが少ない貫禄のライディングを披露。 アキラはこう言ったジャムは大得意。見ているものを熱狂させるビームを持っている。とにかく乗っている本人が楽しそうなのを誰もが感じ取れる。このビームを持っているライダーは少ないと僕は思う。 広島の大会になくてはならないライダーの一人である、大分のロボ

こと石井ユウジ。大分ライダーの目標としてますます近くて遠い存在である彼は元々広島のライダーである。まるで年に一回の里帰りのようなこのコンテストで彼の目標の一つである見せるライディングにも更にみがきをかけていたようだ。現在二人の子持ちである彼だが、もうすぐ子供がもう一人増える予定だ。ますます男を磨くロボであった。 ヒロとヤンマーこの二人はお互

いに刺激しながら頂点を目指している。ここ広島でも2人は無茶苦茶上手くなっているてやばい、と大評判だった。 さて広島名物カッパ。彼ほど、提供した Quamen を嬉しそうに乗っていてくれるライダーはいないなと思った。お得意のすり足ライディングは、前のりライディングに変化していた。彼のように味のあるライダーが僕の好みだ。 彼らのライディングを誰もが楽しんでいたとき予想どうリ空から雨が降り出した。残念ながらここで大会は終了と言う事になった。結局ストリートの競技なくなってしまった。でも天気には逆らえません。天気予報よりも雨の降り始めるのが大分遅くなったのはまったく不幸中の幸いだった。

イベントが終わってから Alexis が僕の所に来てヒロのインタビューをここでもう一度やりたいから、通訳をしてくれと言った。はっきり言って、僕の英語はひどすぎる。 世界選手権でヨーロッパに行ったときは、「僕の英語も多少は通じるな」っと、かすかなに自信を持った。がっ ! これはドイツでは英語が第2外国語だったからだった。 この前のアメリカツアーでまたかすかな自信を取り戻すつもりであった。しかし、そこでは容赦なくスラングやヒップホップ英語を使ってくるの

で、余計理解出来ず、ますます自信を喪失してしまっていた。話はそれてしまったが、とにかく通訳が僕なんかで、ヒロのインタビューなんか出来るかと言うのが正直な気持ちだった。もう一点ヒロの日本語の方も心配だったのだけれどね。インタビューでは、Alexis は僕に対してとっても理解しやすい簡単な言葉でヒロへの質問を言ってくれたので、その面での心配は全くなかった。問題があったのはやっぱりヒロの方で、彼は質問の答をとっても抽象的に答えるのでそれを英語に直す方が苦労してしまった。だから今度フランスのソウルマガジンに載るはずのヒロのインタビューは実はスキップインタビューかもしれない。でも。それもいいかもね。インタビューが終わった後Alexis が「これが本当のインタビューだよ。有り難う。」って言ってくれたのがホント嬉しかった。

会場の目の前には漁師さん御用達と言った風情の広島焼きのお店があった。お腹もすいていたので大分の連中と一緒に 10 人ぐらいでお好み焼きを食べに行った。ところが、このお店、老夫婦が経営していて 10 人も入ったら超満員。僕たちが大挙していったので老夫婦はパニック寸前。喧嘩までする始末。きっと開店以来初の満員御礼だったに違いなかった。お好み焼きが出てくるまでちょっと時間は掛かったけど味はグーだった。

毎年、僕を楽しませてくれる広島バイクスコンテスト。広島の熱い人間とライダー達の楽しめるイベントだ。広島のゴリさん、お手伝いした皆さん本当にお疲れさま。21 世紀も宜しくね。広島のこの味失わないでください。

 終了後、有志一同はカラオケに行った。実は僕もおつきあい。僕がカラオケに行ったのは京都のぶーやンの結婚式以来だった。ここでは遅れて広島にやってきた福岡の吉永大ちゃんが大騒ぎ、最後には素っ裸でカラオケ屋の廊下に放り出されていた。実は寂しがりやの大阪のモグラもマイク片手に歌いまくる、何しろ彼は地声が大きいので大変だ。僕が一番気に入ったのはトシゴンの「ハイスクールララバイ」だった。僕は一曲だけ得意の懐メロを披露してやった。おつかれさん

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11 dig-it'zine 2000

Shimuken@Baka-ikka

ROBO Ishii

Mino@CamAcuraP.

Quamen Rider Meeting in Hiroshima

本 能と理性の狭間

に Love とBMX

Page 13: dig-it 'zine Oct.-Nov. 2000

今回の SHOe-G 英会話講座はやめて、小説を載せることにした。よかったら呼んでみてくれ。

本能と理性の狭間に LOVEと BMX  #1

いつものように目が覚めると、そこはアメリカ Woodward の Pro Rider が泊まる Bud’ s Barn だった。起きて朝食を食べ、いつものようにビリヤードをし、プールに入り、夜は自転車に乗り、新しい技を覚えていた。そんな 2 週間後には東京での X-game に出場していた。会場には数え切れない観客が押し寄せていた。今までアメリカでしか見

たことのない光景を東京で見れて、カズヤとショウゾウは感動していた。会場内のストリートコースではケンゴが独占するかのように自転車に乗っていた。いっしょにモンゾウは自転車に乗り 得意の LookDown を BoxJumpでかましては、その姿を彼女がカメラで撮っていた。練習日が終わりケンゴが近くのホテルに帰り自分の部屋のドアを開けると、見知らぬ女性がベットに座ってケンゴを待っていた。驚きを隠せないケンゴは” おっ、お前誰だよ”” ごめんなさい勝手に入って 私はナミよ、ホテルの人に妹だって言って部屋を開けてもらったの”” そうなんだ〜”” ねぇ〜 私 おなかすいちゃったの、ケンゴ君はどうなの?”” 俺はこれから、カズヤさんたちとご飯食べようと思ってんだけどさ、じゃあいっしょに食べる” ” ケンゴ君がお腹空いていると思って、私ルームサービスで 2 人分の夕食を頼んじゃったの、私と食べよう?” ” うんん、、分かったよ、じゃぁ カズヤさんにとりあえず言うからさ ちょっと待ってて”” だめ、” そのとき ナミはケンゴの唇を自分のものを重ねた、ケンゴの体は そのままナミの唇にゆだねられるように、動かなくなっていた。そのままケンゴとナミの体はベットへと吸い込まれるように近づき倒れ込んでいった。ケンゴの指先はナミの髪の毛をなでながら 耳をくすぐった。ケンゴの指先の奏でる音楽をナミは一つ一つ全ての音符を感じていた。ケンゴのワルツは耳から首、首から胸へと移っていった。ケンゴの手はナミの胸を大きく包み込み、ナミの胸をまさぐり始めた” あっ ”” ここが感じるの?  右の胸と左だとどっちが気持ちいいの?”” う〜 右かなぁ?”ケンゴは中指でナミの乳首をこまめに刺激し、ナミはそれに同期するように体をのけぞっていった。ケンゴは左人差し指でナミの背中を優しくなで始めた、次第にケンゴの唇は首から胸、お腹、腰骨の順に吸い付きナミの頭の中を真っ白にしていった。耐えられなくなったナミは右手でケンゴの左手をナミの花園へと誘い込んだが、ケンゴはじらすかのように優しく拒否をし、ナミの気持ちをさらに高めていく。 ケンゴは車にカバンに入れてた手錠を取り出しナミの両手をベットに縛り付け、ナミをケンゴの奴隷にし、両手、舌、全身を使ってさらに激しい愛撫を始めた。ナミは千手観音に愛撫されているかのような感覚に襲われ、潤いをもっていた花びらからさらに愛の蜜があふれるのを感じでいた。たまりかねたケンゴはナミの秘密の花園をじっくり見ては舌でクリトリスの回りから丁寧になめ始めた、右手では左の乳首をいじりつづけ、右手では腰を優しくなでていた。ナミは求めていたものを待っていたかのように体をくねらせ始めた。ケンゴは右手でもめしべをくすぐり始めた。そのうちまた、クリトリスを中指で高速になで始め、ナミを黄泉の国へとたどり着かせた。ぼ〜っとしたナミから手錠をはずしたとたん、ナミは男らしいケンゴが欲しくなり、ケンゴのものをナミの細い指でつまみ始め、刺激し始めた。ケンゴはすっかり固くなっていたからナミの小さい口の中にくわえこんでしまった、舌で頭から根元までを丁寧に味わい始めた、ケンゴは背骨に電気が走るのを感じ、思わず声を出していた。しだいにケンゴは自分の物が掃除機に吸われているかのような吸引と柔らかい愛撫を同時に感じ、眼をつむって感じていた。” いい〜” ケンゴは言った。ナミは静かに いやらしい音をたてながらケンゴを吸っていた。ケンゴもとても気持ちよくなったから、ナミの吸引を止めさせたが ナミは右手でケンゴを愛撫し続け、そんまま 2 人は1つとなっていった。ナミはケンゴの上で腰を激しく動かし 激しくケンゴの上で踊り始めた。

ケンゴの唇も欲しくなったナミはケンゴに倒れ込み唇も吸い始め、ケンゴとナミの舌も激しく絡み始めた。” もっと激しくぅ〜” ナミは叫んだ。ケンゴの頭の中はぼ〜っとして、とてもいい気持ちになっていた。” こんなにキスのうまい人初めてだぁ” と思い、腰をさらに激しく動き始め、ナミをより狂わせていった。 部屋の電話がなった 2 人は電話の音も聞こえないぐらいお互いに陶酔していた。下の階でカズヤはケンゴの部屋に電話をしていたが誰も出ないから、カズヤの彼女のハッコとショウゾウ、タカオたちと食事をしにいこうとしていた。ケンゴとナミは激しく 2 人でくねりあいながら動いていた。ナミは” ケンゴ あっ うぐぅ〜、いっちゃぅ〜” ケンゴは右手でナミの胸を激しくこねくり回すようにもんでいた。左手ではクリトリスを刺激し、ナミを 3 度目の約束の地へと誘い込もうとしていた。そんなタフなケンゴもナミの愛情に吸い込まれるようにして快感の極地へとじょじょにたどり着こうとしていた。その後 2 人は力付きベットに横たわっていた。ケンゴは Street 決勝での自分の Riding にも満足し、その後も満足していた。

Shoe-G の官能小説

本 能と理性の狭間

に Love とBMX

如何でしたか? この小説の御意見、ご感想は直接 Shoe-G までお寄せ下さい。

HERLEQUIN ROMANCE Written by ジューシー ココナツ

最近俺は大将、けんじ、ネモチンの 4 人で Woodward Camp に行ってきたんだ。10 日間の滞在で毎日毎日自転車に乗っては超〜ハードに練習していたよ。毎晩寝る前にミラクルクリームという筋肉痛などの痛みを和らげるクリームを塗ったりしていたよ。いや〜けんじなんか たくさん技を習得していたね。LookDown360、TailWhip,Truck to Xup などなどだね。ネモチンは逆 360、BackFlip などたくさん練習してたよ。大将も驚く技をたくさん練習してたね。俺も BackFlip Xup, BackFlip TurnDown, 逆 360LookDown、WallTap Xup などなどを学んだよ。あと Woodward にあるたくさんの機材でたくさん乗ったのが最高だったね。Woodward の現地には有名な Rider JamieBestwick, Kevin Robinson, Ruben Alakantra などいてみんなとセッションしたり、Ruben とはビリヤード対決をして 4 人とも敗れたりしたね。あと、無名なんだけど超〜うまい Rider もいるんだよ。今回はイギリス人のアレスタ ウィルソンと会って友達になったね。彼は僕のことを知っていたからすぐに友達になったよ。そして彼と俺はエアー同じ逆時計回り&グーフィ フットって共通点があり さらに仲良くなったね。まあそれはさておき俺とかけんじ、大将がかなりマニアックで渋い Riding とか技を習得して日本に帰ってきて大会でやってもそれを理解してくれる人が 10 人ぐらいしかいないってことが最近の自分の中での悩みというか” もやもや” になっている。まあ、逆に日本では誰も理解できないような Riding をしちゃおうって言う目標も作れるんだけどね。例えば俺は逆回りの 360LookDown をしたところで、逆回りの 360 で技を入れることの難しさ、渋さが分かる人はちょっとしかいないだろう、分かる人は BMXを真剣にやってて常に向上しようと頑張ってシーンの先端にいる人たちだと思うけどね。だからそういう人たちは大会にいっしょに出場しているから。Riding 同士でのリスペクトで終わってしまう。まあ、それで充分いいんだけどね。逆にそれは大会の順位には出てこないから、自分の中でのジレンマになってきてしまうね。かといって自分が” 大会に出ない” とか言っていたらただも負け犬で終わっちゃうからね。まあ難しいね。とりあえずアメリカの大会ではマニアックな技とかしたら、それはちゃんと理解してくれるね、MC

もジャッジも、もちろんRider たちは一番よく分かって Ridier 間では” あの技渋い!” とか” あのRider いいねぇ!” ってことになるよ。日本ではそれが多くて 10 人ぐらいのRider での間だけの話になっちゃうから、ちょっと悲しいね。僕はこれからもっと練習して、ほとんどの人が理解不能な Riding ができるようになったら最高だなと思うね。まあ、そんなうんちくはどうでもいいとして俺は自転車が好きでうまくなりたいんだ。それだけだよ。大会は楽しめばいいし、自分の Riding ができて正当に評価されれば満足だなぁ。まあ、しょうもないことを書いちゃったね。

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9 月3日(晴れ)KOG第3戦名古屋

KOG 3 戦が行われた場所は、名古屋の繁華街一角にあるロフトが入っている大きなビル。その中の二階が会場だったが、とにかく狭い。最近の技の主流であるヒッチハイカー系やグライド系トリックをやるには狭くて辛そうだ。 でも一番の利点は冷房が効いている事。有明の「コアエックスゲーム」では暑さにやられ苦労したので 、 今回の大会は暑さを気にせず一日快適に取材が出来た 。

NOVICE CLASS

毎回 、 満員御礼なノービスクラスは 10 人づつABCの3グループに別け予選を行う。その狭き門を通過し決勝に進めた10人の模様をレポート。まず一番目は堀君。富山ローカル 、 最近 、 日本海側のライダーが頑張っている。 それに旧型GTにノーブレーキがイカしている。 ラストトリックのヒッチハイカースピンは惜しかった 。 岩木君はノービスクラスと思えないトリック 、 トマホークから高速回転する内回りサークルKに入りメイクし会場を沸かす 。 予選で唯一残った関東ライダー所沢ローカル「社長」こと原田君。 予選は自分自身ビビってしまう程 、安定したライディングで決勝へ進出。 着々とレベ

ルを上げている様だ 。 その調子でガンバレ 。 大阪のカメンライダー 、「深海コンソメ」自家製カメンステッカーが渋い。 練習の時技が決まらず沈んでいたが、本番ではいつもの安定したフロント技をキメてアピール。 植田君は逆側でトリックをやるライダー?前半はフロントのスイッチ技を中心に後半は内回りカブースで回りフレームを跨ぐルーティンをメイクし皆ビックリ 。 高速回転カブースから始まった高木君は、高度なフロント技を 3 回目の挑戦でようやくメイク。 予選 、 決勝と目立っていた片山君はスムーズなフロントルーティンを約 30 秒間 、 延々とやり他のライダーとのレベルの違いを見せつけノービスクラス 3 位。 8 番目のライダーはシャーリー。予選ではかつてない位 、 技が決まり嬉しさのあまり大暴れ 、 MCでは曲に合わせ「サザエさん」のテーマソングを口笛で吹きそれが妙にハモっていたので皆 、 大爆笑。 最初から最後までハイテンションでぶっ飛ばしていたシャーリー 、 今日一番場を盛り上げた立役者になった。予選 2 位で通過した田辺君。 決勝戦も攻撃モードのライディング。 まずはリア技アップサイドダウンメガスピンをメイク、 後半にやったフロント技はフルメイクに近く圧倒的な強さを見せノービスクラスを制す。 予選 1 位の山本君はノービスクラスの主流トリック 、 カールクルーザーでハンドルをスイッチし展開していくトリックを次々に決め 、1位の座をキープしようと頑張るが、田辺君に逆転され決勝は 2 位。 どちらが優勝してもおかしくないハイレベルの戦いだった。

EXPERT CLASS

このクラスもAとBそれぞれ 10 人位づつに別け予選を行い上位 10 名が決勝進出。 トップバッターの上原ヒロシは練習の時に技が決まらず苦戦。本番では必殺トリック 、 メガスピンからリケイドを軽々とメイクし勢いを付けたと思ったが後半では技が決まらず撃沈した。 地方の大会に初出場?新宿中央公園の二宮君。最近「ゲンさん」とあだ名がついたらしい。今回はグライド系の技を中心に狭い会場を一杯に使いゆっくりトリックを見せる。ラストトリックではクロスフットヒッチハイカーから体を回しバックパッカーに入り再び体を回しクロスフットヒッチハイカーという難しいルーティンをメイク。 本人も会場もあまりの完璧さに驚きと歓声の嵐。 この技がジャッジに評価されエキスパート優勝。 KOG 3 戦とも参加している京都の仲辻君。マックサークルから始まるフロントトリックは高いメイク率と安定感で他のライダーを寄せ付けず 3 位入賞。 河端君もフロントトリック中心だが決勝では良い所を見せられず沈む。 エキスパートクラス注目のライダー野田君。 彼のライディングを見るのは凄く久しぶり。 フレームスタンド内回りサークルKなど 、 高度なつなぎ技をテキパキとこなしレベル高さを見せる 。 名古屋の鈴木陽介君はノーブレーキでこなすトリックはエノヤンに負けない程の安定感で、ハング5から前にスカッフをしながらスピンやお得意のアナザーワールドを次から次へメイク。 ラストのペダルスピンはギリギリの所でメイクし 2 位。 表彰式の時 、 名古屋の「ドン」正太郎から 「 お前は 2 位以上取れないのか 」 とキツイ一言。 次は優勝を目指して頑張れ 。2 戦の大阪でかなりレベルの高い動きをしていた岡部君。 フロントトリックをノーミスでこなし前半を折り返し後半はリア技 、 カブースバリアルをメイクしたが一歩及ばず表彰台を逃してしまった。 チーム430リーダー 、 小谷アキ。以前見た動きとは全く違っていて驚かされる。フロント技にグライドを織り交ぜたスイッチトリックだがその流れを文章で書き表すのが難しい。とにかくオリジナルルーティンだった 。 田辺君はメガスピンからディケイドをメイク 、 流行り技のトマホークを組み込んだフロントルーティンがカッコ良く 、 ラストはアップサイドダウンメガス

CONTEST Text & Photos by Kuri-Bow☆ King Of Ground Round 3 ☆ Sep, 3. 2000 / 名古屋

ENOYAN

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HIRO

Yanmer

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ピンから内回りカブースで締めてくれた。 エキスパートクラス最後のライダーは玉木君。 大半のライダーがフロント技を取り入れる中であくまでもリア技にこだわりスイッチフットメガスピンから内回りカブースやカブースからダイレクトに跳んで入る右側のラードヤードはオリジナルの入り方だった 。

PRO CLASS QUALIFY GROUP A

プロクラスにエントリーしたのは合計 16 人。 決勝に進めるのは10人。 他のクラスと違い大量エントリーでは無いので比較的「広き門」といった感じか?まずはトップバッターいきなり真打登場 、 ネイサン。 安定したクロスフットヒッチハイカーから始まり、後はいつも通りエンドレスにフロントルーティンをつなげて後に控える 15 人の日本人ライダーにプレッシャーをかける。 このプレッシャーをもろに受けてしまった新出君は新技を披露しつつもいつも通りの動きが出来ず、予選通過ならず。 コア X ゲームにも出場していた UFO は前半を不思議なルーティンでまとめ折り返すが後半はミスが目立つ 。 この KOG 出場をキッカケにプロライダーとして本格的に動き出す大槻シンノスケ君。 人がやらない 、 思いつかなそうな難しいトリックやルーティンをモノにしてしまう彼のセンスは本当に凄いと思う。もっと場数を踏めば表彰台に立てるのもそう遠いないと思う。 長野からエントリーの渡辺英一郎君は、長い手足を生かしノーブレーキでフロント 、 リア技をこなしていく。 途中で見せたノーブレーキローリーポーリーは勢いがあり過ぎて前後輪浮いていたのにビックリした。 最近 、 不調が続く原君。 要所でやはりミスが目立ち調子上がらずに苦戦を強いられた。 堀川リーは、お得意技内回りサークルKを絡めたルーティンやヒッチハイカースピン 、 後半は長いフロントルーティンを完璧にキメて決勝進出。 久しぶりに姿を表した中島和磨。 昆虫の目の様な形をしたやたらデカイサングラスが怪しい。 技も何が何だか分かりにくい動きでペダルにのったり前に進んだり下がったりするグライド系のリア技ルーティンだったが思う様に点数に結びつかった為 、 決勝進出ならず。

PRO CLASS QUALIFY GROUP B

Bグループの1番目ライダーは地元名古屋のエノヤン。 先月号の zine の中で紹介されていた写真を思い出す度に笑ってしまう。 太郎君に聞いた話だが昔 、 某テレビ番組内で「ダンス甲子園」というのがありそれにエノヤンがBMX に乗って出場していたらしい。 話がそれたが予選でエノヤンは低速で進むアナザーワールドを余裕でメイク。 そして滑る路面を巧みに使い高速回転トマホークを炸裂させて予選を5位で通過。 コア X ゲームで3位を獲得したヒロは、勢い衰えずフロント 、 リア関係なくハイレベルトリックをガンガンにキメて会場を沸かし予選2位で決勝進出 、 最新号のライドに写真が掲載された宇野君 、 掴み技の一つヒッチハイカーから始まり一つずつ確実に技を決めて次に進む作戦だったが後半折り返したあたりからミスが目立ち不調の様だが予選7位に入り決勝へ進む。 進化し続ける光太郎君。 狭い場所を

上手く使い豪快な動きをするリア技を展開していくが滑る路面を上手く使いこなせずまさかの予選敗退。 この次にライドした T,I も会場設置と運営で疲れてしまったのか、いつも何気なくやっている技が決まらず苦戦。ヤンマーも同様にミスが目立ったライディグ。決勝でどう取り戻すか見ものである。 KOG の前までインドへ行っていた岡村旭。 遊び技と本気技を混ぜつつ 、 楽しみながらライディング 、前半は乗れてなかったが後半からグングン巻き返して決勝へ進む 。佐久間君は予選の最中 、 技に夢中になり過ぎて DJ ブースへ突っ込んでいってしまう程 、 キレのあるクイックなオリジナルルーティンを次から次へとメイクし予選突破 。

PRO CLASS FINAL

KOG名物 、 シャーリーのダミ声MCと共に始まったプロクラス決勝 、 まずは長野ローカル渡辺英一郎君 、 技を決める上で必要な部品

(前後ブレーキ 、 クランク一式)を外したのは軽量化の為か?それとも彼の持ち技 、 今後 、 挑戦する技の為に外しているのか?どちらにしてもかなりハイレベルなバイクコントロールが要求される中で得意なトリックをまとめてくれた。第1戦 、 浅草以来久々のエントリー 、UFO。玄人受けする彼のルーティン「UFOワールド」の凄さは実際に見ないと分からない。予選好調だった堀川リー 、 決勝も流れていく様

Koji Mitsuyuki Yousuke Suzuki

Sharley 69

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なフロントのルーティンで勝負を掛ける。宇野君。決勝では調子が悪かった予選の借りを返すかの様にノーミスでライディングしたが上位入賞には今一歩及ばなかった。アキラは、予選で遊んでしまったので決勝戦をどう巻き返すか注目される中でライディグ。さすが大きな大会を数多く経験しているので回復も早く 、 予選とはうって変わり豪快なフロント 、リアトリックを見せ会場を盛り上げる。滑る路面に苦労したヤンマー。 決勝は絶好調と言わんばかりに技をキメまくり KOG 名古屋場所を3位という成績を残してくれた。エノヤ

ンは予選で路面の感覚を掴んだつもりだったが決勝でてこずってしまい、借りを残してしまったが「この分はキッチリと最終戦の浅草で返させてもらう」と本人談。この後に控えるアメリカ武者修行でレベルアップを果たし次回に望んで貰いたいと思います。 T,I も他のライダーと同じく予選で路面の攻略にてこずっていたが、決勝は盛り返し得意技をキメてライディングキャリアの違いを見せる。予選2位で通過したヒロの勢いが付いたライディングは留まる所を見せず決勝もガンガンにライディング。 途中 、 危ない所もあったが持ち前の怪力で耐える 、 僕が今まで見た中で最高のライディング。 今年 、 前半はどうなる事かと思ったが、この調子を持続させ後半につなげて貰いたい、 おめでとう2位。ラストのライダー 、 ネイサンは、足を付きつつもハイレベルなルーティンで会場を盛り上げ当然の如く優勝。 カメンライダーヒロとネイサンが 1、2 フィニッシュを飾る最高の大会だった。

クリ坊

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KOG ROUND 3 PRO CLASS優勝 Nathan Penonzek

2 位 森崎弘也 3 位 山本亮二 4 位 岡村旭 5 位 伊東高志 6 位 堀川賢治POINT RANKING

1 位 岡村旭 (275) 2 位 伊東高志 (270) 3 位 山本亮二 (255) 4 位 森崎弘也 (255)5 位 榎貴広 (215) 6 位 宇野陽介 (205) 7 位 田中光太郎 (204) 8 位 堀川賢治 (161)

KOG ROUND 3 EXPERT CLASS優勝 二宮玄洋 2 位 鈴木陽介 3 位 中辻智昭 4 位 小谷明生 5 位 田辺泰志

POINT RANKING1 位 中辻智昭 (260) 2 位 鈴木陽介 (214) 3 位 小谷明生 (180) 4 位 岡部幹人 (175)5 位 上原洋 (161) 6 位 由利賢太 (152) 7 位 前畑悠樹 (144) 8 位 二宮玄洋 (109)

KOG ROUND 3 NOVICE CLASS優勝 田辺彩 2 位 山本正隆 3 位 片山順 4 位 植田真輔 5 位 深海幸平

POINT RANKING1 位 山本正隆 (270) 2 位 田辺彩 (255) 3 位 深見幸平 (191) 4 位 植田真輔 (185)

5 位 片山順 (185) 6 位 鈴木孝生 (100)

Yuji Noda

Nathan Penonzek

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フラットが盛り上がっているなか、ブーヤン、骨折君、ビーバー、トシゴン、ジンジン達でリアルストリートするためにパトロールに出かけた。私鉄の某駅付近を物色する。まずはトシゴンとジンジンが縁石にトライ。しかしみんな物足りなさそうな顔ぶり。次の場所又次の場所でもナイスなセクションがない。鉄フェチの B-BAR も好みのレールがないみたいで機嫌が悪そうだ。広い京都市街を1時間ほどパトロールしたが、良いセクションに恵まれなかった。暗い表情で仕方がなく梅小路公園に戻ることにした。トシゴンや骨折君達は暇をもて遊んでいて、高さ 3CM の花壇にタイヤスライドをして遊んでいる。ストリートライダーのジンジンは僕に今回初めてダートタイヤでの

メガスピンを見せてくれた。あまり回っていなかったが僕は感動してしまった。トシゴンもジンジンに負けじとファンチキで始めたばかりのライダーに威圧を与えていたのが妙に気になった。 程良い時間が過ぎたところで、本日の京都ジャムの成功と慰労を兼ねた酒盛りが始まった。乾杯の音頭はナッツだ。汗を流した後のビールは最高に上手い。1本目をすぐに飲み干した僕は2本目を飲もうとしたとき、ロケット花火を発見した。僕はムラムラとしてトシゴンに向けてロケット花火を発射した。するとトシゴンは負けじとロケット花火に火を付ける。僕とトシゴンはお構いなしにロケット花火に火を付けた。もちろん僕たちはみんなから非難を浴びてしまったが、まぁ良っかと思い更にロケット花火に火を付けてはしゃいでしまった。

今回のジャムは他のジャムと違い、始めたばかりのライダーの交流とレベルアップが目的で盛り上がることができて良かったと思った。僕的には今回三重県上野市ライダー達に初めて会うことが出来たりして収穫はありました。みなさんも各地のジャムなどに足を運んでみてはいかがでしょうか?上手い下手など関係なく、乗って、飲んで、楽しく遊ぶことができれば自然とみんなのレベルがもっと上がるはずです。それに上原プロみたいにお姉ちゃん引っ掛けに各地に行くのもOKだと思う今日この頃でした。

京都のフラットライダーと言えば、安定したフロントのルーティーンが売りのナッツだ。僕はまたまたナッツのライディングが数段パワーアップしているのに驚いた。ナッツの最近の著しい活躍で、いつも最下位争いをしている僕とカッパ君はHANGOUTのメンバーの中で非常に肩身が狭い思いだ。僕はナッツが今後京都のフラットライダー達を引っ張っていくのか楽しみな今日この頃だ。

Jam Text by & Photos by ペニ山ペニピ☆京都 JAM ☆ August , 2000 / 京都・梅小路公園

まいどペニピーどす。みなさん、楽しく乗ってますか?今回は芸者で有名な京都の「梅小路公園」で8月吉日(火)に開催されたジャムどす。このジャムは京都のカリクビショツプ「Hangout」の百君達が、始めたばかりのライダーの交流とレベルアップを目的としたジャムだ。今回もレポートの苦情は、先日京都でギャルをゲットして美味しい思いをした、人間魚雷「ザ・ウンコマン」にお願いします。 さてここで毎回お馴染みの各地の BMX 事情を簡単に説明してみましょう。京都はライダー数が約 70 人以上いるらしく、地元のライダーでも知らないライダーが沢山いるらしい。噂によると 100 人以上ライダーがいるとの未確認な情報もある。フラットが 7 割でストリートが 3 割と言ったところ。フレームは今では日本各地どこに行っても沢山ある ARES がアメ玉に群がる蟻ん子みたいに多く、その他は Dragon Fly や S&M などがパラパラと言った感じだ。パーツなどは、お隣大阪の服部緑地公園が秘密基地の MagicFruits と Graveyard が圧倒的に多く、他のメーカーは影が非常に薄い。

梅小路公園の端っこに , 心そこ楽しくライディングしている3人組を発見した。京都の城陽市で頑張っている山本君、松田君、安井君の3人組だ。その中でも山本君は去年大阪天保山でのコンテストでビギナークラスで見事優勝した経歴を持っている。あこがれの人は大阪のスーパーMC トカちゃんらしい。そして今年の目標で KOG のビギナークラスで年間ポイントランキングでトップを狙っているらしいナイスなライダーだ。小さい体にヘビーウエイトの赤色サバスはチョツときついかな?と僕は

思ったが以外や以外スムースかつ身軽な動きで見ている方もワクワクする。特にフロントのスイッチはグットだ。僕は山本君なら年間ポイントランキングでトップを狙えると心に思ったのであった。

FROM 三重県上野市エコマニアンスタイルの田邊君はライダー歴4年の三重県上野市のライダーだ。 技の構成が大きくてカッコイイし技数も豊富みたいだ。特にクロスフットのトマホークが渋すぎる。今後メキメキと各地の大会に頭角を現すに違いないと僕は思う。スティツクBが安定して回っていた植田君は元々は熊本人らしく、こだわりのフレームTAOに乗っている。彼も三重県上野市から田邊君達と一緒に今回参加しているグットなライダーだ。僕は運良く植田君から三重県上野市のライダー事情を聞くことが出来たので簡単に紹介しましょう。ライダー数は15人ぐらいで、練習場所は大内ドライブインらしく、夜の8時から10時まで練習しているらしい。三重県にお越しの際は気軽にどうぞとの話だった。

From 城陽市・山本正隆

From 京都市・中辻

From 沖縄・大阪在住としごん From 大阪・ジンジン

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コアXゲームレポートそろそろ日本でもライダー以外の人間が本格的なコンテストをやってもいい頃じゃないのか?そう思い始めていたところにグッドタイミングで東京有明で優勝賞金 ¥1,000,000 のビッグマネーを争うコアXゲームという大会が開催される運びとなった。これにはスポーツI ESPN の関連会社にお勤めの Shoe-G らのメディアでの活躍と最近のエクストリームスポーツに魅力を感じている吉本興業、スポーツIらの先進的企業の力の結果だろう。

この大会は BMX フリースタイル、スケートボード、インラインスケートを中心に開催された。さて大金が動くこの大会は任意による選抜形式でフラットランド、ストリート、バート各ジャンルにそれぞれ 16 名がエントリーされていた。第一回目だというのに大金目当てなのか海外からもたくさんの選手がやってくる国際的な大会となった。

特にストリートは日本初見参のミラクルボーイ Dave Mirra を始め 16 人中 11

人が外国人という豪華さだった。我がディギットチームも Nathan Penonzekと Stephen Cerra に日本からもエノヤンとヒロが選抜され 16 人中 4 人という 100 万円の確率が 25%と言う美味しさに応援のトシゴンとカメラマンクリ坊と僕も金に目がくらんでいた。

大会前日我が家に泊まっていたヒロを大会のオフィッシャルホテルに指定されている有明ワシントンホテルに送っていった。ロビーで前日から泊まっていた Nathan と Stephenに会った。Nathan は本命と目されたXGame で惜しくも 5 位に甘んじたから、元気がないのかなと思ったけど、取り越し苦労だった。もう本気で日本を楽しんでいるみたいで、秋葉原に行きたいとか、名古屋の大会に行くんだとか、やれ金沢だ福岡だと気力抜群。約一か月日本に滞在するそうだ。フラットランドが開催される大会初日の 8月 25 日。ディギットから 2 時間半もかかってようやく大会会場に到着。有明周辺は全てが人工的なに作ってあり、自然が全くない。アスファルトは熱を含んで今にも溶け出しそうに暑い。風はスモッグを満載でべとべとと、暑さも吹く風も全てが人の手によって作られているみたいで、僕を不快にさせた。カリ首カメラマンのクリ坊と合流して、プレ

スパスをもらう。クリ坊はパスをもらうのは始めてらしく鼻息を粗くして興奮していた。僕はそんなことよりも、ミニスカ姿のキャンギャルに大興奮していた。

この大会の審査方法を説明しておこう。ジャッジは選抜された人間が五人で、ライダーはそれぞれ二回のランを行い、その内ポイントの高い方のランで争う、つまり良いとこ取りで争われた。

午後三時からフラットランドの予選が始まった。競技時間は 2 分を2ヒート。この十六人の中からたった六人しか決勝に行けないのだから、大変な激戦だ。練習を見ている限りでは、やっぱり Nathan, Stephen と Michael Steingraber の異邦人3人は目立っていて、予選通過は確実そうだ。そうすると日本人は残りの3人に入るしかないのかなぁ厳しいなぁヒロとエノヤンは入れるかなっと勝手に色々自分に都合が良い筋書を描いていた僕であった。但し、日本の夏特有のジメジメ湿気に異邦人さん達は大分まいっているようではあった。中でも Nathan は他とちょっと違っていた。その類い希な集中力で、特に第一ヒートでは、一分半の長いコンボを完璧に決めて後の三十秒は、きわどい技に挑んで見せる余裕ぶり。当然トップで予選通過。前日彼は練習中に太股を強打したらしく、僕にこう言っていた。「Skip ごめん、怪我して痛いから明日乗れるかどうか分からないよ。そうなるときっと優勝は Michael S. だね。だって彼は X-Gameで二位になってるんだぜ。」。しかしこのセリフはどうやら大嘘だったようだ。こんな彼だが予選では大分緊張したらしく、本番前にみんなから見えない場所

に行って必死に深呼吸をしていた姿が僕をしびれさせた。 Nathan から本命視された Michael S. は、大金がかかっているからだろうか、とってもナーバースになっていたようで、練習中から放送禁止用語を連発して、バイクを地面に何度も叩きつけていた。これには他の参加者も気分を悪くしていたようで、後日彼はみんなにこの時のことを謝ったそうだ。 このナーバスさが足を引っ張ってしまい、彼は予想外の 9 位に沈んでしまい予選落ちしてしまった。もう一人の US ディギットライダー、オレンジのカメンに乗る Stephen Cerra。実は 2 回目の来日らしい。前回は奥様の仕事についてきただけなのだそうだ。日本ではまだまだなじみの薄い彼だが、アメリカやヨーロッパではとっても人気がある。僕は彼と初めて会ったのだが、とっても意気投合してしまった。それは後で書くとして、彼のライディングはスピン系のトリックを中心にしたもので、特にアップサイドダウンでペダリングしながら後輪を軸に回転する技は会場中がどよめいた。

C o n t e s tText by Kuri Bow & Skip / Photo By Kuri-Bow & Yasu Takeo

☆ Summer Core X Game ☆ August 25,26,27 2000 ☆

19 dig-it'zine 2000Stephen Cerra From US Dig-it

Takashi Ito

SHOE-G

CORE

IN ARIAKE

SUMMERe-players.co.jp presents

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第一ヒートが終わった時点での彼の順位はNathan、高志に次いで三位だったので予選通過は確実と思ったのだが、第ニヒートでみんなが頑張ったせいもあって最終的には7位で予選落ちしてしまった。個人的には通過と確信していたのだが ......。X-Game からそのままやってきた伊東高志は、Nathan に次ぐ集中力でヒートワンではミスも少なくて悠々と予選をパスして見せた。エノヤンはミスも多くて十位という結果だったけど、彼だけが観衆を意識してライディングしていたのを僕は忘れない。彼は会場で一番光っていた。田中光太郎の最近の活躍は凄い。人気者だ。僕の隣では正太郎が「チョコボール!、バラ族!」と大声援。お蔭で彼は新技もメークして見せ、予選通過だ。ヒロには肝を冷やされた。それは緊張の極みにあった彼は第一ヒートで全く技が決まらず極度のスランプに転落していたからだ。第一ヒートの結果は 14 位。百万円なんて夢のまた夢だった。本人の撃沈ぶりも凄かったけど、お前ならイケルとだ

けアドバイス。そして第ニヒートでは偶然の奇跡としか言い様がない戻りを決めて、最終順位を 4 位にまで上げて見せ、逆転で地獄からはい上がってくれた。この結果がアナウンスされて僕はヒロと狂喜乱舞してしまった。本当に嬉しかった。福岡の楠本通称「クスボボ」は、こんな大会は初めてって感じで、こちこちで全く技が決まらない、それでも他の誰よりも嬉しそうだったところが気に入った。最後まで攻め続けた楠本。良い経験になったのでは。アキラが予想外の予選落ちしてしまったのも僕はショックだった。体調が悪かったらしいけど、アキラは絶対に決勝にいるべきライダーだし、光が当たるところでアキラを見たかった。

予選が終わり、決勝で我チームのライバルになりそうなのは、絶好調で優勝に二番めに近い男、伊東高志、本番に強い宇野陽介とバラ族の田中光太郎らだ。だが僕が一番怖いと思ったのは、淡々とこらえる男ヤンマーであった。予選での彼のライディングは誰よりも際だっていたからだ。

カクテルライトにショーアップされた午後 8 時、いよいよ決勝の時間だ。一瞬会場内のメインの照明が落ちて、薄暗い中に照らし出された選び抜かれた六人のライダー達。その誰もが最高に格好いい!再び会場に灯りが戻っていよいよ決勝がスタートした。決勝も 2 ヒートの良い方取り、である。予選6位のヤンマーからスタート。予想どうり彼は自分本来のトリックを見せ好調。特に第ニヒートではこれはヤンマーが百万円持って帰るのではと思った程、きわどいライディングを決めて、ヤンマーは拳を天に突き出してガッツポーズを見せた。同じ徳島ローカルとしてヤンマーには負けたくないヒロだったが最近は、負けが込んでいる。彼は決勝でも同じく一回目のライディングが絶不調で、五位に甘んじていた。どうやら大事に行こうと守りのライディングになってしまっていたようだ。ところが第ニヒートでは、転じて攻めに徹した。それでも前半は思いどうリに身体が反応してくれず、ミスばかりしていたが、中盤から突然切れが良くなり、バシバシ決めだしたのだった。しかも最後にはフランスで思いついたリア系の新技を初めて大会で披露してメークして見せた。僕は喉が潰れるほど大声を上げていた。本人も仲のいいライダーに飛びついて喜びを表現していた。瀬戸際のヒロの底力には感動させられる。でもできるなら次回は最初から決めて欲しい物だな。でもこんな冷や冷やの彼がいいのかもね。優勝したのはやっぱり Nathan だった。ただし、百戦錬磨の彼もプレッシャーを感じていたようで、ライディングの後は激しくせき込んでいたくらいだ。彼にしては珍しく長いコンボの途中でミスをしてみたりと100%のライディングではなかったが、それでも誰が見ても彼が一歩抜きん出ていた。いつでも格好いい Nathan は僕らのチームの宝だ。

決勝終了後、みなそれぞれの思いを胸に、健闘を讃え合っているとオフッシャルから結果が配布された。ヒロが 3 位。ヤンマーが2位、そして優勝は Nathan! Team Dig-it 合計で 125 万円を獲得!外国のメディアにインタビューされているNathan の所に行って、なりふり構わず大声で叫んだ 。「Nathan, you win!!!」 ヒロも大騒ぎ。あそこまで落ちてたのに最終的に三位に成れたのが信じられない様子。ヤンマーのスポンサージックのケンさんも加わってしばらくの間大喜びの構図が展開されたのだった。

表彰式での彼ら3人の格好良かったこと。一生忘れないと思った。

一日目が終了後会場内で簡単なパーティーが開かれた。 主賓の挨拶などがあった後、3人はビールをかけられたり胴上げされたり、みんなのおもちゃになっていた。パーティーが終わった後は会場の外で大騒ぎ。特にひどかったのが宇野陽介。どうやら彼は酒が入ると人が変わるみたいで、普段はどちらかという

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Nathan Penonzek From Quamen Hiro

Yanmar

SHOW-TaLow " No trick"

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と冷静沈着で思慮深い彼が、ベロベロになって手当たり次第に側にいる人間に絡みだした。あんな陽介を見たのは初めてだったので面白かった。陽介と同じく狂ってしまったのが Nathan だった。彼はまず最初に俺が酒をおごってやるとみんなに集合を掛けた。そして近くのコンビニに約四十人が集まって「俺はこれにしょう。」といって各々が店内のレジに思い思いの商品を(ここで酒と言わないのは、中にはパチンコ必勝法何て雑誌や、歯ブラシなんかを持ってきた人がいたからだ。)おいた。総額三万円弱はあったらしいが、いぶかしげに変な外人 Nathan を見る店員を前にして、

Nathan はゆっくりとポケットに手を入れると、中からしわくちゃになった百万円をどさっと、カウンターの上に置いた。これにはさっきまで半分馬鹿にしていた店員もビックリして鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして , Nathan を尊敬の眼差しで見ていたらしい。そして調子よく酔っぱらったNathan は陽介並に色んな人に絡みだした。挙げ句には僕の方にやってきて「スキップさーん」と変な日本語で呼びつけて、植え込みに僕を投げようとした。最初のうち僕は逃げていたのだけど、酔っぱらいの Nathan は若いくせに足が遅かった。そして逆に Nathan を捕まえて植え込みに背負い投げで投げてやった。Nathan は体が大きいのに弱かった。記憶力も低下していたようでトシゴンのことを吉永ダイスケと勘違いして空手の先生だと思っていたらしい。 最後まで Nathan がせからしかったので、そろそろとトシゴンと今日の宿、浜松町のホテルにチェックインした。後から聞いた話ではこの後 Nathanと陽介はホテルの部屋でげろの海で夕方近くまで寝ていたらしい。

大会 2 日目2 日目は Vert の予選決勝が行われた。そしてこの日だけは一流社会人でもあるクリ坊が来れないとあって僕の任務は重大であった。Vert は寂しいことに参加者が 8 人

で決勝は六人で行われた。日本にも ATOM に対向できて彼をけ落とすような若手の Vert ライダーが生まれて欲しいものだ。参加者は少ないと言っても海外からの参加ライダーの3人が凄い。誰もがチャンピオン経験者なのだから超豪華と言わざるを得ない。それに日本チャンピオンの ATOM、最近は Vert にも非凡な才能を発揮して 540 ゜なんかも軽くやってしまうカリスマライダー Shoe-G も加わって予選決勝を通じて鳥人達のエアーショーが開催されたのだった。決勝はやはり暗くなった午後九時前からフラットランドと同じく、ショーアップされた中で行われた。ATOM はやはり世界に通用するライディングを身につけている。とどめにはマックツイストを披露して締めくくった。Shoe-G は得意とするストリートでのライディングと変らぬ見事なテクニックでワンハンド X-UP や高速グラインドなどを繰り出していたが、最後には X-UP の 540 ゜にチャレンジ。もう少しのところでメークできなかったけど、出来ることならばメークできるまでやらせて欲しかった。ビックリさせたのは Mat Hoffman がWバースピンリバース?みたいな技を失敗して頭を強打してしまい、一瞬ヒヤリとさせたことだ。これで彼のライディングは終わってしまったのだけど、その驚異的な跳躍力、技の入り具合全てにおいて凄すぎる。本当のカリスマライダーだろう。Kevin Robinson は競技が終わってからも、「皆に見せたい技があるから」と最後まで乗ってくれた。そのサービス精神に誰もが感動を覚えていた。そしてまさにミラクルボーイなのが Dave Mirra。彼は右回りでも左回りでも技を決めることが出来る。彼にとってマックツイストはただのつなぎ技なのか、片側でマックついつとを決めた後、その間な逆サイドでもマックツイストを連続して決めて、普通はそれだけでも凄いのに、そのまま最後まで他の技をつないで一つのコンボとして完成させてくれた。信じられないライダーとしか言葉が

ない。見ていた誰もが帰り道「Dave Mirra 凄かったね。」と口にしながら帰っていた。先ずは Dave Mirra 最初の百万円獲得である。

大会最終日この日も灼熱地獄が待っていた。青く塗られたストリートの会場はじりじりと焦げていた。正午からストリートの予選が行われた。予選は通過できなかったけど格好良かったのは、山サンと正太郎。山サンはとにかくこんな豪華なライダー達と同じ土俵で乗れることが嬉しかったのだろう。笑顔でライディングしていた。ヘルメットが割れてしまった程転んで後頭部を打ったのに元気そのもの。最高の笑顔だった。正太郎は当然普通のことをやったんじゃ、目立てないのは知っていた。そこで、こんなビッグな大会でも彼は自分なりのオリジナルをやりぬいてみせてくれた。それは高さ3mほどのセクションの上から、観客用の通路を飛び越えて地面に見事ランディングして見せた。第一ヒートでも第ニヒートでもこんなスタント技を決めて観客をわかせ、ライダー正太郎の存在をアピールしてみせた。

ストリートの予選が終わった後、決勝が始まる午後九時半まで時間が開いていたので、暇でしょうがなかった。とにかく暑いのと都会拒絶症におかされ疲れ切っていた僕はビルの谷間日陰の芝生の

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Takashi "Mongo" Yamauchi

Dave Mirra

Ian Morris

Ruben Alcantara

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上で数時間気絶したように眠りについた。時々腕や足が刺されたように痛いので目を覚ますと蟻が僕を巣に運ぼうともがいていた。作られた自然の中でも蟻は元気いっぱい。思わずご苦労様と声を掛けた。

目が覚めた後、暫くの間、Stephen Cerra と色々と話をした。彼は 年齢は 25 歳でとってもハンサムな男だ。自転車に乗り出したのは遅くて 18 の時なのだそうだ。生まれは確かペンシルバニアで現在は嫁さんとカリフォルニアのハリウッドに住んでいる。それからカメンバイクについてとかグレーブヤードについて等、結構突っ込んだ話をしりした。二人で盛り上がって話しているとライダー達がやって来て , Stephen に色々質問をぶつけていた。中には「肉は食うのか?」と、外人ライダー全員がベジタリアンと思っているヤツもいて笑ってしまった。Stephen はこだわりはあるけど結構自然体のリラックスしたヤツで一緒に遊びたいと本気で思える裏表のないストレートなヤツだ。僕は一気に彼の友達になれた気がして一気に元気が回復してしまった。

Stephen 有り難うと思いながらいよいよストリートの決勝の撮影と応援のために急いで会場に向かった。

ストリート決勝は照明に花火迄打ち上げて、更にショーアップして行われた。観客も満員である。決勝に残った 8 人は誰もが超一流のライダー。BMXが心底好きな僕の大親友 MonGo は始まる前から大声で全員に声援を送っていた。彼は本当に興奮して嬉しそうだ。僕も彼を見ていたらいけないことだけど写真撮っているのが馬鹿らしくなってきた。クリ坊も来てるしここは MonGo と一緒に応援をしよう、彼もそれが分かっているように僕にビールを差し出したのだった。アルコールが異常に弱い僕はこれで天下無敵。彼と一緒にただの阿呆になって応援団として頑張らせていただきました。だから誰がこんな技したとか、どうだったかなんて、どうでも良くて、ただ一言全員凄かった、格好良かった、これ以外に何も言えない。詳しいことはクリ坊のレポートを見てね。僕とMonGo はとにかくストリート決勝の時幸せでした。終わった後、大将コト岡田一生の所に行って、格好良かったよ!って伝えたのだけど、彼は「俺ももう歳ですよ。」何て寂しいことを言った。僕は心底思う。全然歳なんかじゃない。大将はこの時本当に格好良かった、とっても攻撃的だった。だからもうそんなこと言わないで!Dave Mirra2 度目の 100 万円、合計 200 万円獲得であった。

表彰式も終わり、うだうだしているとストリートで2位になった Bruce がヒロのところにやってきた。ヒロがコンテストの掴みでやっている、リアペグに乗ってハンドルをバウンドさせるコンボを見せてくれと言ってきた。彼はフラットもちゃんと観戦していた珍しいストリートライダーだが、それでヒロのその技がたいそう気に入ったのだそうだ。ヒロがやってみせると、マイケルジョーダンみたいだ。自転車のバスケットボールだと大喜び。ヒロ最高!と彼は言ってくれた。ぼくは今日の君も最高に格好良かったよって言うと、今までのコンテストで一番良かったよ。良いコンテストだったっと嬉しそうに言った。彼も最高。BMXやってるやつみんな凄い!

色んな人たちにさよならを言って、駐車場に向かった。しかし駐車場は入り口のシャッターが閉まっていて僕らはビルの周りを一周する羽目になった。そこで日本のBMXショップで一番の老舗と僕が尊敬している東京に駒澤にあるエノモトサイ

クルの親父さんと一緒になった。初めてお会いしたのだけど思っていた通り、全く年齢を感じさせない熱い人でほんの短時間だったのだけど僕はまたまた嬉しくなってしまったのだった。しこたまビールを飲んでしまったので、運転はヒロにお願いして駐車場の出口でお金を払う。何とその代金は 12 時間止めて¥6000!!! 分かってはいたけど払う段になったら何だかとってもしゃくに障った。この値段って月極の値段じゃないのかって。こんな空き地だらけのところでこの値段は狂っているぞ。うちの田舎の佐賀なんて1時間¥100だぞ。夜になったら ¥50 なのに。せっかく気分が良かったのに都会の金食い虫は体質は、気分を悪くさせる。よ〜し、こうなったらヒロの獲得した二十五万円でアメリカで遊ばせてもらうぞ。次回のスキップのアメリカ鬱憤晴らしの旅日記もお楽しみに。

Skip

18 dig-it'zine 2000Dave Mirra

Kevin Robinson

Seiji"Atom"Saito

Flatland1 Nathan Penonzek CAN DIG-IT2 Yamamoto Ryoji JPN JYKK JAPAN3 Morisaki Hiroya JPN DIG-IT4 Ito Takashi JPN ARES BIKE5 York uno JPN ARESBIKE6 Tanaka Kotaro JPN トライアングル7 Stephen Cerra USA DIG-IT8 Okamura Akira JPN JYKK JAPAN9 Michael Steingraber GER JYKK JAPAN10 Enoki Takahiro JPN DIG-IT

Vert1 Dave Mirra USA adidas 2 Kevin Robinson USA Hoffman Bikes 3 Mat Hoffman USA Hoffman Bikes 4 Saito Seiji JPN K2 5 Ueyama Shoe-G JPN -6 Yogi James JPN JYKK JAPAN 7 Kojima Yoshimi JPN -8 Kouno Keiji JPN エノモトサイクル

STREET1 Dave Mirra USA adidas2 Bruce Crisman USA Haro Bikes3 Ruben Alcantara SPN Motocross Int'l 4 Alex Bender GER JYKK JAPAN5 Tsuruta Kenji JPN Motocross Int'l6 Markus Wilke GER JYKK JAPAN7 Okada kazuo JPN Motocross Int'l 7 Colin Mackay AUS Specialized bikes9 Teshigahara Showtalow JPN JYKK JAPAN10 Ueyama Shoe-g JPN S&M Bikes

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8 月 6 日仙台恒例の菅生サーキットのサウンドフェスタというオートバイのイベントにBMXのイベントが開催された。そのイベントのショーに我が Team Dig-it の Kow-C とエノヤンが参加すると言う。前日の夜に仙台入りしたぼくは、仙台の街を探索。特派員のカナキョが案内してくれた仙台の街は有名な七夕が開催中で街には人がうようよ。普通ならばせっかくこの時期に仙台に来たのだから七夕見物というのがコースだけど、観光が全くないいつもの僕の行動パターン。仙台ローカルのジミヘン大好きクラブの仲間、桜井がバイトしているというラーメン屋に行って、そのまま仙台ローカルに会いに行く。この日は仙台ローカルのみんなも見事な七夕飾りがしてあるアーケード街でライディングしていた。宿はグリーンカウンティーの大場さんのアパートにお世話になる。梅酒を飲んでいい調子に酔っぱらったら、眠気が全くなくなって、大騒ぎ。いざ寝ようとしたら、先に寝てしまっていた大場さんとモクネンがいびきの 2 連奏。この二人いびきは人殺しとしか言いようがない。 眠い目をこすりながら、翌朝勾当台公園に集合

して隣町にある菅生サーキットに向かう。今年の 4 月に初めて仙台に来たときは、桜が咲く前でまだ肌寒く、杜の都だけあって、杉山に囲まれた菅生は僕にとっては地獄の一丁目であった。でも今は夏も真っ盛り。関東や九州とも違う夏の臭いがした。菅生は本当は良い所なんだと、考えを改めた。前日にローカルの有志によってセッティングされた会場にはジャンプランプとグラインドが出来る様に作られた、セクションがあった。 今回のショーのゲストスターはフラットランドが伊東高志と宇野陽介。ストリートはもうすぐ二児の父、乙幡 “OPJ ” 潤と最近めきめきと上手くなっているディギット生え抜きチームライダー Kow-C。最後に忘れちゃならないのが仙台ローカルの頼れる兄貴、伊東” 416” 真一郎。彼はフラット、ストリート両方に技を見せてくれる。ショーが始まるまでの間、仙台ローカルは思い思いに会場のスペースでライディング。彼らはまだまだ若いので特別飛び抜けたライダーは見あたらないのだが、僕が見た感じでは、大場さんと、モクネンは今後来るかなっと思えた。この二人の良いところは集中力が飛び抜けていることだ。聞けば、大場さんはオートバイのロードレースの国際 A 級で、菅生サーキットの専属ライダーみたいな事をしていたらしい。一瞬たりとも気が抜けないレースで高速バトルしていたのだから、この集中力うなずける。

それに対してモクネンは仏の集中力だろうか? 他にも黒の Infinity X に乗っていたライダーも目立っていた。 時間が来てショーが始まった。先ずはAres bike の二人によるライディング。陽介のノンストップのノーミスライディングはガンガンと観客の心に響いて、伊東高志のコンテストの時とは違うリラックスしたニコニコライディングは周りを和ませていた。みんなのノリが良くなってきたところで、真打ち伊東真一郎が、これがフリースタイルだとジャンルを越えたクロスオーバートリックを見せつける。最高に盛り上がったところで、目立ちたがりやの OPJと Kow-C につなぐ。 OPJは根っからのショーマン。

カブーさん曰く究極のナルシスト。彼のライディングはみんなを本当に楽しませてくれる。フラットも出来るよと、ハングファイブからサーフスタンド。バーライドに失敗して、負けず嫌いの彼は何度でもチャレンジ。久しぶりに見る彼のライディングだけど、確実に進歩を遂げている。かーるくスーパーマンなどを決めた後、バックフリップ

EXHIBITION Text & Photos by SKIP☆菅生サウンドフェスタ☆ August 6, 2000 / 宮城・菅生サーキット

Ohba G.C..R.

21 dig-it'zine 2000

Infinity Rider

Kow-C

Mokunen

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に挑戦。ところがここのジャンランは周りが早いらしく、回りすぎて思い切りお尻を痛打していた。どうやら茂木の大会でバックフリップで OPJ イリュージョンを決めて以来、バックフリップがまともな終わり方をしないようだ。Kow-C は、こ

れがあの Kow-C かと思う程、危なげなく(正確に言うと、転びそうで転ばないウマ下手な感じ。)チキンウイング、フファヌ、ディザスタ フェイキー等を見せた後、最近の彼の看板技、ノーフットWシートグラブを繰り出して締めくくった。最後には五人のライダー全員がランダムに乗りまくって大興奮のうちに一回目のショーは終わった。それからお昼を挟んで 2 回目のショーまでの間、仙台人達は、ショーに出演したプロライダーを囲んで楽しそうに過ごしていた。宇野陽介は仙台初登場で「俺は仙台では人気がないんじゃないか?」と思っていたそうだが、X-Game プレイヤーの陽介が人気がないわけが無い。写真を撮られたりして陽介はとても嬉しそうだった。伊東高志と真一郎は久しぶりにトラックの荷台に腰掛けて二人で話をしていた。途中、菅生レースクイーンが二人やって来て、興奮しきった飢えた男共はレースクイーンを包囲してローアングルから迫っていた。2 回目のショーは、一回目よりも一般の人も沢山集まってくれて、大声援を送ってくれた。出演ライダーも更にパワーアップしたトリックを完璧に決めて、まさにプロフェッショナルだった。最後には伊東兄弟がダブルスでジャンランでのパフォーマンスを演じてくれた。見ている僕たちもだが本人達は久しぶりに二人で乗れて感激していたようだった。こんな兄弟って良いなと僕もちょっとじわっときた。8 月 6 日菅生サーキット、サウンドフェスタ BMX ショー最大のハイライト場面だった。

ショーが終わった後、あまりの暑さに陽介と高志が水浴びを始めた。裸になるのが大好きな仙台ライダーは我先にとこの水浴びに加わって夏を満喫していた。素っ裸の桜井はスチーム洗車機で自分の局部を鍛え上げていた。みんながサーキットから仙台に戻るころ、激しく雨が降ってきた。東北の夕立だ。一気に気温が下がって気持ち良い。大都会仙台は街から一歩外に出ると、昔ながらの自然が待っていてくれるのが嬉しい。

夜七時からは前回太郎がモテモテを味わった、シャフトと言うクラブで陽介、高志、416 がパフォーマンスを披露。途中でエノヤンも参加してヒートアップ、熱

くなるだけ熱くなったところでエノヤンがパンツ一枚になってライディング。場内はパンク寸前になった。エキサイティングで最高なショーだった。僕は新幹線のに遅れそうなので、後ろ髪を引かれる思いでクラブを後にし、仙台駅に向かった。必死に手を振って見送りしてくれた、トシゴンファンのユウコちゃんとかなきょに目もくれず、一目散に僕は新幹線に飛び乗った。失礼なやつであった。ごめんなさい。

後日聞いた話では、クラブでの 2 回目のショーが終わったとき 416 は、高志と過ごせたこともあってか、涙が止まらなくなったそうだ。なんて素敵な男だろうか! 僕は 416 に付いていこうと決めた。

Skip

22 dig-it'zine 2000

O.P.J.

416 ITO

Takashi Ito

Yosuke York Uno

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  第2回 ROBO RIBO CUPが7月23日(日)に別府市的ヶ浜スパビーチでささやかに開催されました。大分県内外のライダー総勢23人が、強い日差しの中熱い戦いを繰り広げました。緊張する大会も結構ですけど、なごやかな雰囲気の大会も結構いけるものです。  B−クラス(11名) 大分県内の始めたばかりのライダー10人と北九州のイリエ君の計11名が出場。さすがに2回目の大会だけあって、各ライダーの技数が増えているのには驚きました。今回僕が注目していた松原君は試験勉強のため練習が満足に出来てなかったらしく、満足する結果じゃなかったようだ。今回21インチのSTA(前後ダートタイヤ)で参加してくれたキズはカブースなどバッチリ決まっていたので僕や瓜生は驚いた。第1回大会で頑張っていたビバ君とピンサロが好きな長尾兄は、今回メイク率が悪く惜しくも表彰台に上がることは出来なかった。今回良かったライダーをピックアップしてみると、酒癖が大変悪い別府のイッコウ君や、フェロモン120%のマキ兄などメイク率が上がれば表彰台圏内だ。

3位 ポニーは水郷の日田市のライダー。今回も生まれたての子馬のように軽やかに舞っていた。今回も単発ブーメランをしつこい位やってました。早く成長馬になるのが楽しみです。

2位 イリエ君 :今回北九州から参加のイリエ君。最初のルーティーンが完璧すぎて瓜生やファックマン達みんな絶叫していた。当の本人も驚いたらしくその後はメイク率は今イチでした。北九州での豊富な

練習量が伺えます。次回が楽しみです。

1位 弟 :第1回大会でフルチンライドして見事ビリだったが、今回は見事汚名返上だ。最近はモンキーたちと一緒に練習しているらし

いので、次回がどれだけパワーアップしているかが楽しみだ。

  A−クラス(12名) 今日は天候が良かったため、昨日の前夜祭で飛ばしていたみなさんには辛そうでした このクラスは大分ライダー4名、福岡ライダー8名の12名が出場。練習ではユウイチロウや柿ピーが調子が良かったのですが、本番では暑さのためかメイク率が上がらず残念でした。本命のROBOとモンキーは2日酔いで共に

撃沈。今回最有力優勝候補の瓜生は、競技中グレートに良かったのだが..............。今回も当然のごとく優勝争いに食込むと思われた期待ファツクマンは、海水浴に来ているギャルの水着に気を取られてダメでした。このクラスは見事表彰台を福岡勢が独占したので、ROBO RIBO CUP IN 別府ではなくPUP CUP IN 別府だったかもしれない。大分勢のみなさん精進しましょう。

3位 クスボボ 現在ノーブレーキ。だけどブレーキがあるかのごとくスムースに乗っている。さすがだ。また得意のエルクグライドから始まるフロントのコンボも磨きが掛かってカッコええ。さすがだ。

2位 プップ :練習中調子が上がらず首を傾げているときが多かったが、本番ではインサイド系トリックをうまくまとめてお見事2位。いゃ、残念2位だったかもしれない。次回は是非表彰台の真ん中の一番高いところにプップが立っているのを見てみたいモノだ。

1位 サカタ精二 :今回見事優勝のセクシーモンキーズのサカタ君。彼もノーブレーキだ。スムースなライディングと力強さ&メイク率が今回うまくかみ合っていた。今後ドンドン突き進んで世界にはばたいて欲しいですね。

 今回の大会だけではなく、最近気になることがある。それは大会のジャツチについてだ。僕たちが楽しんでいるフリースタイルは、最新トリックやオールドトリックだろうがグットだし、わざと転けたりフルチンになってもOKだ。B

MXを使って自己主張が出来ればフリースタイルのハズ。しかしフリースタイルを競技の枠にあてはめると、何らかの形で数字で現さないといけなくってなる。そのためにはジャツチが必要だ。数字で評価するジャツチは大変難しいし、ジャツチの責任は重大だ。極端な例を挙げると、足を着いて全然メイクしなくて優勝したとしても、ジャツチが付けた点数は絶対なのである。太郎塾長みたいにスーパーパホーマンスや誰も考えたことのない、あっと驚くスーパートリックで足がついたりするのだったら別かもしれない。持ち技が豊富なのにメイク率重視でリアポゴだけで終わるのも問題かもしれないけどね。だから考えるべきだと思う今日この頃です。そのためにもジャツチは中途半端な気持ちで引受けてはいけない。引き受けるからにはジャツチとしての知識を上げないといけないはずです。その点を踏まえていただいて、大会においての参考にしてみてはいかがでしょうか?

 ディギット新聞本社及び各支局では、みなさんの企画しているイベントのインフォメーションなどをドシドシ本社及び各支局のアドレスまで送って下さい。大会やジャム、宴会や合コンなどと都合が付けばバンバン行って取材したいと思います。それではまた何処かでお会いしましょう。ペニピーでした。

COMPETITION Text & Photos by Peni-Pee☆ ROBO-RIBO CUP rd.2 ☆ July 23, 2000 / 大分県別府市スパビーチ

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The OITA sign

Akio "Bobo"Kusumoto

Sexmon Kazuki "Fuckman" Shiotsuki

Kaki-Pee

Kazuhiro "Puppu" Ito

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What's Up? 正太郎です。 茨城・大洗海岸の Mega Game へ向けて名古屋から Dragon Fly のライダー僕と GUAVA, サムエルで先ずは横須賀へ向かい、そこで、徳島名物阿波踊りヤンマーと上原洋、そして Juicy Vision にも出演していた林光さんと久々の再会に涙した(ウソ)。 会場へ到着後も寝ることも出来ず、ヤンマーの超つまらないギャグで最悪だった。

*予選*佐々木総番長と挨拶をし、エントリーを済ませバスに戻り寝てしまった。 FLAT LOW, MID の予選を見れなかった。 かなり間抜けだ。Flat Pro クラスは、予選 12 人中決勝に進めるのは 6 人と言う厳しさだった。 Hoffman Bikes より Leife バリンが来日した。 一番目立っていたのは原君で、メイク率も高く、技の切れもあった。 何故か、リープバリンは大会慣れをしていないのかおどおどして今一だった。 疲れていたらしい。 予選結果は、New Wave が逆襲している感じがした。Street High クラスは Hoffman Bikes の最終兵器 17 才、Seth Kinbrough が来日。彼のライディングは身体が柔らかくて技が全てにおいて綺麗だった。 そして、今回僕がトライしたのは、高さ 1.8M 位のミニランプ(バックサイド無し)を地面着地したが、スピードの付けすぎで空中でバイクを離してしまい失敗に終わった。 そして、バイクが落下してきて左腰にぶつかり、少し肉がえぐれた。 足も超激痛だった。予選終了後、会場横で行われた花火大会を見に行った。 勿論、大ナンパ大会も実行された。

*決勝*天気も良く、海の横でコンテストが出来るなんて本当に素晴らしいと思う。 これだけの大会をやろうと思うとかなり大変だなあと感じた。しかし、何故かライダーの数が少なくなっていた。 多分、予選に落ちたライダーが帰ってしまったのだろう。 僕には考えられない! 本当に BMX が好きか?と帰っ

てしまったヤツ等に聞いてみたいもんだ! だったら最初から家でオナニーしてろ!※ Flat Low 優勝した坂井巧はノーブレーキなヤツだった。 ブレーキをつければもっと乗れると思ったね。 2 位の西園寺聡志は本大会のスタッフで有りながら頑張っていた。 3 位の原田もノーブレーキでフロント技が素晴らしかった。※ Flat Mid 優勝は二宮玄洋。 以前新宿で会った時は上手すぎてびっくりした。 ただもう少しオリジナルトリックが欲しい。 2 位は Fire Ball 由利賢太。 彼のトリックは全てハイレベル、でも髪形はLow クラス以下! 3 位 上原洋には、もっと上位を狙って欲しい。 4位の吉江は僕がみた中で一番乗れていた。 同率5位

は金沢の三滝と河端だった。 このクラスは激戦だったが、僕が思うにオリジナルトリックをどう見せるかが勝負だろう。※ Flat Pro 優勝は水戸にちなんでミートボールと呼ばれた田中光太郎。 更にパワーアップしたヤツのリア技は世界一だ。 2 位のアキラは技数も多いし、完成度とオリジナルが凄い。 安定した技を見せる陽介が3位に入った。 リーフバリンは5位だったが、ビデオの方が格好いいと思ったのは僕だけだろうか? 日本の Flat のレベルをみて撃沈された様に見えた。※ STREET LOW 優勝は赤間悠。 駒澤だけあって Box 慣れをしている。 2 位の浅田温朗はまだ中学生だ。 Box での Cancan, X-up 等、次世代のツルケンに成るかも。 3 位地元茨城のライダーだった。※ STREET MID 決勝に残った6人の内3人がリタイヤとなってしまった。 優勝はテクニカルな技を見せたサムエル。 2 位は中村憲司。 ミニランプでの小技も安定していた。 フレンドリーな性格も○。 3 位は最近は鬼こぎ、鬼飛びから脱出しようとしている Guava。 ※ STREET PRO 強風と前日の怪我による一部のライダーの不調で決勝無しで予選の順位がそのまま決勝の結果になってしまった。 その代わりに 20 分の Jam が行われた。 Shoe-G のスーパーマンシートグラブや SetH の Wall to ride to turndown, 小島君の鬼こぎ High Air 等かなり面白いセッションだった。

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*日本各地で BMX に乗っていて、BMX を誰よりも愛していて、SK8、In-Line よりメジャーになって欲しいと思っている人達にこの場をお借りして伝えたい事がある。僕は今年で BMX を乗り始めて23年目を迎えようとしている。 昨年、大怪我をして本当に入院中は BMX にもう乗らないと考えた事もあったが、僕から BMX を取ったら何も残らない事に気付いた。 BMX を通じて色んな友達が出来たり、たくさんの事を学んだ。 今年は一人でフランス、ベルギー、ドイツへ行った。 BMX に乗っていれば言葉なんて必要無いと思ったりもした。 そこで、ヨーロッパの人に言われたことがあった。 「何故、日本には BMX の専門誌が無いのか?素晴らしいパーツメーカーがあるじゃないか、パーツメーカーの様に自分の名前を全世界に残したりしないのか?」と言われた。 僕もそれを言われて納得してしまった。 もし、専門誌が発売されるとしたら今が一番良い時期だと思う。 今大会のレポートをやらせてもらって思ったのは、参加人数の少なさ、予選落ちで帰ってしまう人に本当に考えてみて欲しい。 今大会は今までの日本の大会の中で一番大きくて楽しい大会だった。 参加人数が少ないと、この様な大きな大会がどんどん無くなってしまうし、スポンサーも撤退してしまうと思う。 君が本当に BMX で食って行きたいなら、そう言うことも考えてみたらどうかな? アメリカみたいになるのはあと何年掛かるの

かな? それまで俺は BMX に乗り続けたい。 KEEP RIDE! SHOW-TA-"LOW"" 正太郎へ、我々が専門誌になれるよう頑張ります。皆も応援してね。”ディギット新聞社

☆ MegaGame BMX Gravity Cup ☆ July 29, Aug. 1 2000 / 茨城・大洗海岸Contest Text & Photos by Show-Ta-LOW

Kazuma "Club" Nakajima

Yousuke "York" UnoKenji Tsuruta

Eno-yang

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名古屋リアルストリートジャムレポート

BMX ストリートシーンを代表するジャムの一つ 、名古屋の「クレージストリートジャム」。 今年は思考を凝らし日中はトレールでダートジャンプそして夜はリアルストリートという二段構えで一日楽しませてもらいました 。今回 、 ダートジャンプジャムの会場になったのは愛知県豊田市にあるトレール。 今までまともなトレールを見た事が無い僕は「辺り一面に広がる大小さまざまなコブだらけのトレール」に感動したがそれと同時に「どうやって写真を撮ろう」と不安になった。 だが 、 この日を何ヶ月も前から楽しみにしていたので今更後には引けない。 しばらくトレール内をウロウロして撮影ポイントを探す。ざっと見回したところ小さいコブが続くコースが2 つと中くらいのコブ 、 そして巨大なコブが連続して3つ続く合計4コース 、 ちなみにここのトレールはライダーの息子を持つ父親が所有する土地らしく形成するにあたっては重機を駆り出し造ったらしい。 今回はダートジャンプを得意とするライダーが大集合した。 皆 、 中くらいのコブが7個位続いているコースを中心に攻めていたが、ほとんどのライダー達が、飛んで行く内にだんだんラインがズレ 、 コースアウトしてしい、苦戦していた様だ。 一方 、 僕は正太郎君からのアドバイスで

最後のコブのところでカメラを構え待っていたが 、 皆、 なかなか僕の所まで辿り着かない。口を揃えて「ここのトレールはバックサイドの角度が急過ぎる」と言っていた。それでも走り切る事が出来るライダーもいるので、まだまだ日本のジャンプは全体的に未熟な部分もあるの

だなーと思った。走り切るライダーの中で特に目立っていたのは広島のターボ—と横浜のヤナセ君。この2人は技数が多いのとジャンプにしても技の入れ方にしても無理が無くて「カッコイイ」。カッコイイジャンプを沢山見て興奮しながら写真を撮っていたらあっという間に 、 夕方になりダートジャム終了。 次のジャムの場所である名古屋市街へ移動。

集合場所の高架下に到着したのは夜7時半。夜の部 、 リアルストリートツアーは、去年と同様、 高架下のスケートパークから開始。 ここで体をほぐしてから、 毎年リアルストリートツアーをする上で欠かせないセクションとなった高架下のハンドレール。 昨年と同様 D-jin、 丸屋薫 、 正太郎君らがダブルペグを軽々こなす。 そして最近ハンドレールに凝っているとしごんも余裕でダブルペグをメイク。 ここまでは良かったがノーブレーキライダー 、「アリさん」もダブルペグに挑戦したがアプローチに失敗 、 自分だけ前に飛んでしまい 、 運悪くハンドルが腹に刺さりクラッシュ。辺り人たちは騒然 、 しばらく介抱していたが念の為 、 救急車を呼び病院に

行く事になった。ツアーしょっぱなから怪我人を

出してしまった事で皆 、 重い雰因気になり、そのまま次のセクション 、 ウォールへ移動。そこではさっきまでの重い雰因気を吹き飛ばすかの様に力強いライディングでお互いに競い合い一気に場を盛り上げた。 再び次のセクションへ。 向かった先は地下鉄の入り口前に広がる公園。そこには高さはないが大理石で出来ている長い縁石や 、 ステンレスでベンチにもなる太いハンドレールがあった。 そこにフファニュー ( アブバカ ) やテールタップに挑戦するが、太くて丸みを帯びているハンドレールはタイアを乗せても安定しにくい為 、 苦戦模様。その中で 、 小川大輔君がキメた停止時間の長いテールタップはメチャメチャカッコ良く 、本人も満足そうな笑みを見せていた。その後 、 地下通路の入り口へ伸びるダブルセットのハンドレールを発見。ワンセット約10段の階段が踊り場を挟んで2セット 、 ハンドレール自体は踊り場で一旦切れてまた下へと続いているが 、 なにしろこのハンドレール 、 角度が異常にキツくて半端じゃない。我がチーム DIG-IT のとしごんが男を見せ決死の挑戦。 ビーバーとなにやら話し合っていたので聞きに行くと「まあやってみれば何とかなる

でしょ」というものだった。 そしてついにワンセット長さ約5メートル 、高さは腰下位で角度が異常にキツイ四角形のハンドレールにノーパッド 、ノーグローブのとしごんがアタック。 さすが経験が豊富なだけあって見事 、両ペグともレールに掛かり滑走を開始したが、スピードが付き過ぎて2メーター位滑った後反対側に倒れてしまいクラッシュ。 カメラを構えて待っていた僕に向かってとしごんが凄い勢いで転がって来た。 本来なら彼を止めなければならない立場にあったが 、 その時 、 僕の体勢が不安定だった事と巻き込まれたら僕も一

緒に階段下まで転がり落ちそうな勢いだったので見捨ててしまった。 としごんは何とか階段の踊り場で停止し 、 大事には至らなかったのでホッとした。そして彼が立ち上がり階段を上り出した瞬間、 としごんの根性と健闘を称え皆 、 拍手 、 喝采の嵐で彼を迎えた。その興奮が醒めない内に次はチャーリーが 10 段位ある階段の横の縁石をフィーブルグラインド。ここもさっきのハンドレールに引けを取らない急角度で良く滑る大理石。頂上の縁石は高さが無く 、 下るにつれ次第に高さが出るようになっている。チャーリーは見事 、 縁石の高さに合わせてフィーブルグラインドで下まで滑り切ったがスピードが出過ぎて着地に失敗。皆の煽りもあって3回挑戦したが惜しくもメイクならず。時間の経過と共に過激さを増していくリアルストリートジャム。さらに 、 街中へ進攻していくがお祭りで屋台や警備員が沢山居てこの大人数ではかなり無理がある。 締めが無いまま今年のクレージーリアルストリートジャムは終了になった。

今年の初め 、 各地の大会スケジュール表を貰った時から楽しみにしていた名古屋リアルストリートジャム 、 今年も従軍カメラマンとして参加し感じた事はやっぱりストリートの醍醐味は街中にある建造物をセクションにしたリアルストリートライディングにあると僕は思う。また来年も全国各地に散らばる腕利きのリアルストリートライダー達が皆 、 名古屋の街に集結し勝ち負けを抜きにした自由なライディングをする事を楽しみにしています 。参加した皆さんお疲れ様でした 。 @クリ坊

JAM Text & Photos by KURI-BOW☆名古屋リアルストリートジャム☆ August 19, 2000 / 名古屋市周辺

25 dig-it'zine 2000

勅使川原 正太郎* 今回は、名古屋市内の祭と重ってしまい、去年の様な街角

スタントライディングを披露する事が出来なかった。

* スーパーマンシートグラブを決めるオガタク。 カリクビ店員の兄だ。

* チャレンジャー・としごんの介

* 東のカリクビダートジャンパーと言えば柳瀬くにお。

* ター坊。広島のカリクビダートジャンパー。上手すぎる!

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投稿者名:200 円で PPV「神様お願い」。おひさ!宮里善孝です。* 皆さん。Core-X に来ていた沖縄のゼンコウとやっ

と仲良くなれたと Skip は大喜びでした。

投稿者名:匿名希望「Quamen Rider 125 万円ゲット」。ヒロの快挙に酔っぱらい二人もいい調子。* そうです。この時は嬉しくて嬉しくて酔ってるわで、へそが茶を沸かしそうだったのでトシゴンがパンチをめり込ませてます。 ヒロは大金をゲットしましたがトシゴンことゾマフォンもハーフタイムには誰よりも活躍していました。二人とも欠かせないタレントです。(マネージャー Skip)

投稿者名:Skippy「Core-X を一番楽しんでいた人達」。ストリートの決勝で盛り上がる。* どうやら、右から山サン、Alex, Shoe-G に山サンのチコちゃんのようです。生き生きしてま

すね。

投稿者名:Skippy「美男ノーパン美女」。Core X で見かけたイカした美女とステファン セラ。*Stephen はデンコちゃんのウチワが気に入った様ですね。 エノヤンのお友達らしい隣のお姉さん

はいつもノーパンだそうです。確かに。

投稿者名:スキ坊「レースクイーン」。菅生のレースクイーン。* せっかく可愛いレースクイーンを取りに行ったカメラお宅のスキ坊くん。ところが、ご覧のように訳の分からない 20 インチの自転車に乗ったバカチン共に妨害されたそうです。ちゃんちゃん。

投稿者名:クリ坊「がんばれ、横浜ベイスターズ」。ディギットカリスマ店員のオガマサ。*8 月、名古屋のダートジャンプ場に石井琢

郎選手のTシャツで現れたオガマサ。

投稿者名:デジカメ小僧「ナイス キャラクター」。名古屋在住の安藤 様。* 名古屋のフラットライダー安藤さん。この頭見たら本物の坊さんかと

思ってしまう程。光ってます。

投稿者名:Yasu Takeo「東京の熊本人 鼻血ブー」。Core-X で東京に来た楠本章雄。* クスボボは有明のホテルの部屋で「チャンネルを間違えちゃいましたよ。」と言い訳をいって一回千円のアダルトチャンネルを、毎日見ていたらしい。そりゃ鼻血もでまんがな。こう見えても現役九大生。

☆隠れた人気コーナ、投稿写真のコーナー。今月は 4 ページ!

26 dig-it'zine 2000

投稿者名:Augie「好きなの持って帰っていいよ」。左の二枚が数年前のJesse。右が俺。* アメリカのアギが大切に机の引き出しになおしていた貴重な写真です。カメン創設期の生き生きした様子が今でも伝わってくるようです。写真他にも Marttiの物もありました。Skipは一番左の Jesse の写真が雰囲気が良いねと言っていました。

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投稿者名:Skippy「怪しい2人」。Augie 将軍のアパートで。*US dig-it のカリクビチームマネージャ Augie と元祖カリクビカメン Rider の太郎ご覧のように下の写真ではかなりこの2人怪しげ?出来てるかも。Augie の酒のピッチは速い。

投稿者:あゆみさま。「ナイスな人達と」。インターバイク会場で色々なライダー達と写真を撮りました。

*(photo 1) 左側が S&M のセールスマネージャー の Chris です。彼は仕事も出来るし僕にも優しくて良いヤツです。ただし S&M のブースはビールを飲みながら酔っぱらってビジネスしてます。

*(photo 2) パリで S&M, Quamen, Graveyard 等のディストリビューターをしている Fresh bike のライノ。 彼は Alexis D. ともルームメートです。世界戦の時は世話になりました。*(photo 3) FBM の STEVE 君。 一段と成長していたようです。*(photo 4) 右がJIMMY LEVANとLACIOUSです。 LACIOUSは本当におかしなヤツでした。 2人ともこのまま日本に連れて帰りたい程。良いキャラクターをしています。*(photo 5) Powell bike, Chenga world Skate park のオーナーでもある Scott Powell。人柄がにじみ出ています。*(photo 6) 本誌の広告スポンサー UGP の Ronnie B.。Skip は T-shirts と B-cap をもらって

「似合うだろ」と、自慢していましたが、例によって翌日、見事に帽子を紛失してしまい「いつもこうだよ〜!」と落ち込んでいました。

投稿者名:Skippy

「神様お願い」。日米仮面ライダー。*Nathan の表情は KIDSそのもの。セサミストリートにエルモの友達として出演依頼が来ていると

の噂だ。

投稿者名:Skippy「鬼ごっこ」。Interbike での一コマ。*Nathan とタカシが、ヒロがやっとの思いで手に入れたトランシーバーで、鬼ごっこをしている様子。 Nathan の真剣な表情と本気で走り回っていた姿がただの子供でした。

1

2 3 4 5

6

投稿者名:Skippy「超低速シャッターに挑戦」。ラスベガスの TOWERへ行ったときに撮った写真です。 下に写っているラスベガスの夜景を撮そうと、超低速シャッタースピードにしてみました。 ちゃんと写ってますね。 * ここは、かなりの高さなので、後ろのガラスが割れたら即死です。今や日本のFLATLAND 界をリードする3人ですが、こころなしか落ち着かない様子です。 きっと、お尻がうずうずしていたことでしょう。

投稿者名:LAX シャトルドライバー「カメンブース」。国際色豊かなカメンブース。* カメンブースは連日大賑わい ..... といきたいところだったが実際はごろつきの巣と化していた(うそ)。バイト人で大阪からの留学生セイちゃん、Intrikat の

Chad Johnston とエイミーの顔もあります。

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投稿者:「非通知じゃないよ」ペニさん「DUB 博多店 1周年記念パーティーで:プップ」 福岡は FUNKY CAFE で、行われたこのパーティー。広いフロアに350人以上の観客が所狭しと踊っている。まさに満員電車状態。メインイベントはプップやROBO、クスボボに太郎塾長4人のBMXショーだ。ギャル達から黄色い声援をもらう。ショーは異常なテンションで盛り上がり、観客のみんなは釘付け状態。スゲーの一言。 * 今回ペニ山さんから、DUB のパーティーの写真を沢山投稿して頂きましたが、大部分の写真が公共の出版物では掲載禁止確実の素晴らしいモノでした。 ご堪能下さい。

投稿者:ペニ山さん左ー「トシゴンが塾ガールズの☆☆☆☆ちんに強制フェラーリさせている1カット。この後トシゴンは大事な部分を噛みつかれた。右ー 「トシゴンがパンツを脱がされているワンカット。」 * これも、DUB のパーティーの一コマ。セクハラは太郎の特権かと思っていたら、何と、トシゴンもやってました。 しかし、トシゴンはその後逆襲され、ズボンを

脱がされた様子です。 しかし、このパーティーは何なんでしょうか?

投稿者:山ペニさん「塾ガールズの☆☆☆☆ちんのハーフパンツを脱がしている太郎塾長。」 * おなじみ、太郎のセクハラの図ですね。 冗談で収まっていられるのは、太郎さんの人柄か? 訴えられる日も近い。

投稿者:ペニ山ペニヒ「タ★ロッキー国内防衛戦が始まった。おぉ...........!。 at Dub Party」* ベストキッドを彷彿するような構えをするタ・ロッキー。(左) これもタ・ロッキーだ。 (中) 試合後のタ・ロッキー。どうやら今日の試合はハードだったらしい。(右)

投稿者:LAX シャトルドライバー

「テラ〜シ & トニーチョ。」LAX から日本に戻る時の大阪バカコンビです。* ツースプランターことテラ〜シとトニーチョ。近いうちに寺師の特別投稿記事が掲載されるかも知れません。

投稿者:ばってん腹皮「熊本支局長とその彼女らしき物体」 お馴染み熊本支局 ペニピーこと、ペニ山トモヒロさんです。 現在、カエルの代わりになってくれる

娘を募集中です! ご希望の方は編集部まで。

投稿者:Rockey 保存会「本場は違うね。」映画のロッキーが撮影された有名なフィラデルフィアのアートミュージアムに立つ。

* タ・ロッキー感動の瞬間です。

投稿者:Dorkin' Fun Club「巨匠。」マーク・イートン。 * 彼は常に新しいシーンを撮り続けています。次回作 Dorkn' 10は絶対買いです。

投稿者:リムジンドライバー「サングラス コレクション。」リムジンの後ろで大騒ぎです。 * 下は滅多に見れない表情で変質者の様なヒロ。イメージぶち壊しです。右はサングラスを武器として使うアイデアマン太郎。嬉しそうに痛がるトニーがいい!

28 dig-it'zine 2000

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投稿者:Skippy 「広島はギャルライダー天国」広島で目立っていたギャルライダーを純粋な気持ちで撮影しました。左から名前は大阪のユウカちゃん、大分のシホ、名前は忘れたけど岡村アキラに激似の娘。最後に噂で聞いていた大阪のタカコちゃん。みんな女らしさを忘れていませんでした *Skip は雨が降って暇だったと言いながらフィルムはほとんどギャルライダーで埋っていた。

投稿者:ペニピー撮影隊長「大分ローカルと共に。」大分ローカルとスキップ、ヒロとカッパです。 * チームに大分ローカルのモンキーも加入しこれからもっと盛り上がる大分。温泉もたまらんもんね。 投稿者:Skippy

「太郎の一押しライダー 其のニ。」太郎のお勧めライダーの Saki Kuratani。五歳。太郎と同じ福岡の埠頭で時々乗ってます。好きな食べ物はお子さまランチ。ボーイフレンドは2人。二股かけてます。* 可愛いいサキちゃんはホントに元気なスーパーキッズ。

イタズラ盛りな太郎の姪っ子です。

投稿者:Skippy「太郎の一押しライダー 其の一。」太郎のお勧めライダー・テツオ。太郎と同じローカルの福岡の埠頭で毎日乗ってます。乗ってるちゃりはインフィニティ。得意技はフレームスタンドのトマホーク。恥ずかしがり屋だけど頑張って撮らせてくれました。こんなライダーを推薦してくれるなんてやっぱり太郎は見る目があります。* 隠れた凄いライダー、まだまだいそうです。凄

い人がいたらスキップに撮影に行かせます。

投稿者:Skippy

「身内の2人。」広島でモグーとカッパ。 * 友達ではなく「身内」と言ってくれないと寂しがるモグーとその身内ら

しいカッパ。

投稿者:Skippy「アレクシー婚約おめでとう。」

* 来年4月に結婚するアレクシーとペニピー。

投稿者:かなきょ仙台街角シリーズ 2

「うふっ。」一部で有名な SJC ニ号。腰つきがやばいです。彼とお友達でなくて良かったです。 *SJC 二号。時にはディギットの専属運転手兼接待部長として大活躍の彼の格好悪い姿です。私同様、ほとんど酒を飲まない彼が弾けるとこうなります。私も肝に銘じて気を付けよう。二号、今度一緒に飲もうね 。

(SJC ボス Skip 談 )

投稿者:かなきょ仙台街角シリーズ 1「スイカを頭で食べる男」一部で有名な SJC 一号。こんなアホ初めて見ました。彼とお友達でなくて良かったです。 * 全くお恥ずかしい。私、彼のボスとして穴があったら入りたい気分です。格好ワル〜です。こんなにスイカが好きなら来年夏は熊本か山形のスイカ農家にでも修行に出してスイカの大切さを教育してあげようと思っています。一号はこの後カナキョに超下らないメールを頻繁に送り彼女から本気で叱られてしまい、「彼女は恐い。」

と本気でぼやいていた。 (SJC ボス Skip 談 )

投稿者:かなきょ「416 のお誕生日。ヘアーカット写真」伊東 416 の誕生日。すご〜いシーンが沢山有りました。 * 全く仙台は今一番ホット。416 位の大物の誕生日となればたくさんのライダーが集まって、お祝いしてくれる。ライダー冥利に尽きる。中には写真のように自分の頭に

416 サインを入れるライダーも。素晴らしいですね。皆さんも仙台に行ってみてね。もう寒いらしいけどね。

このコーナーはタモリクラブの空耳アワー並に、皆さんからの写真が命です。みんなからの、写真を大大募集。応募は E- メールか郵送でお願いします。 君が撮った素敵な写真を待ってます。

Page 31: dig-it 'zine Oct.-Nov. 2000

この度、ディギットでは QUAMENフレームに乗ってコンテ

ストに出場してくれたライダーに、感謝と応援の意を込めて、『Q

UAMENアマチュアライダー支援制度』を開始する事にしまし

た。

この制度は、ディギットの指定するコンテストにおいて、3

位以内に入賞したライダーに賞品を贈呈するものです。

資格はQ

UAMENフレームに乗るアマチュアライダーです。

ライディン

グ、キャラクター共素晴らしいモノを持っているライダーがいた

ら、QUAMENライダー入りもあるかもしれません。

来月開催されるKOG最終戦から開始します。 対象となるクラス

はエキスパートクラスです。

優勝はディギット一萬円商品券、2

位が五千円、3位は三千円の商品券を贈呈する予定です。

来年の予定は決まり次第発表致します。

現在の対象はフラットラ

イダーのみですが、インターバイクで発表した、QUAMEN

トリートフレームも発売予定ですので、発売されたらストリート

ライダーにも同じ制度を取り入れる予定です。

QUAMEN

アマチュアライダー

支援制度開始

2000 年 11 月 1 日号発行:ディギット新聞社編集長 あゆみ様毎月一回発行予定印刷所 アドタック

1 ディギットジン新聞 2000 年 11 月 1 日 月刊

そうだ! 「のぞみ」に

乗って北海道へ行こう!

e-mail Address: [email protected] / FAX 046-246-5351 まで情報をお寄せください

☆今月SJCに入った情報の数々☆

♂東北支部青森支店八戸出張所根城分室(

へばな)

メール seiyo525@

hi-net.ne.jp

★体育の日に、八戸市近郊のジャスコで青森県ライダーのお遊び会を開きました。総勢三十人程の地元

ライダー達が好き放題に遊びまくり、スポーツオーソリティの店長様の地位を脅かしましたが。

地元ラ

イダーは前日よりジャンラン等の運搬、設置、解体、等、皆良く働き、地元BMXライダーの存在を誇

示しました。確実に地元ライダー全員が一緒に、一歩を踏みしめた日でした。本当に楽しかった、あり

がとう。

★体育の日から一週間後、秋田ライダー達が迷子になりに、八戸市と三沢市米軍基地トレイルに遊び来

ました。

着いた早々に迷子になり、八戸市ライダー捜索隊が出動。次の日、朝からダート連中とダート

トレイル三昧、昼は基地のフードモールで、タコスを食べ、夜はフラットライダーとフラット三昧、二

部構成で遊んでもらい、帰りに又迷子になりながら、楽しんで貰いました、八戸ライダー達も楽しんだ

よー、又是非とも、来てねー。ありがとうる

★ランスちゃん、本国に強制送還か。日本に来て四年、スケーターだったランスちゃん、今じゃ、ダー

トとストリートのBMXライダー、前回のパイプ盗難事件が影響したのか、来月にはUSAに帰る事に

なりました。僕達と最初の頃からずっと遊び続けた君、僕等は忘れないよ、ありがとうね。

って何か今

年の四月にも言った気がするなー。

★ここまで書いたけどね、途中で僕は三時間お休みしてたのよ。

今晩食べた焼き魚が悪かったのか、凄

い腹痛に見舞われ、トイレにもう十回は駆け込んだ、吐き気もする、十五分おきに陣痛が来る、くの字

で腹を抑えてる、尻の穴が、しぶしぶして、とても痛い、正露丸飲んだけど効かない、もうダメだ、行

き着けの病院に行って来まーす、0-157

で新聞載るかも。へばなす、Seiyo

♂熊本支部長(

ペニ山ペニオと呼ばれてます。)

メール ridebm

[email protected]

★アキラ、熊本でツアーバスに置いてきぼりにされる。

★広島のコージ君、現在福岡在住のキズ君、熊本の高井君の3名様結婚おめでとうございます。

★日田で開催された国際サムライウォーターコンテスト・プロクラスの速報。日本人ライダーはヒロと

上原プロの2人が参戦。ヒロは睡眠不足のため調子が悪く撃沈。しかし上原プロが表彰台3位をゲット

したとの情報だ。

★名古屋での「ウンコ事件」以来、カナメのURLは利用者がいなくなった。

★ウッホさんは最近琵琶湖に飛び込んで魚を捕っているとの情報だ。

★ヒロ、ペニピーの部屋に使用済みのパンツと靴下を忘れる。

★道産子がついにOLになった。

♂京都支部長(ハングアウト

社長)

メール m

r-100@m

box.kyoto-inet.or.jp

★「福岡の藤原君」ことシュウがアメリカで覚えた言葉は「ギブ・ミー」だ。

★広島のゴリさんのMC振りに、京都のライダーは圧倒されていた。

★カナメが京都で良い思いをした女は、もっぱら病気持ちだと言う噂だ。

★今度こそビーバーに春が来るかも?!

★ペニ山さんは、最近自転車よりもカメラの方が本職に成りつつあるらしい。

スキップのせいだろう。

★インターバイクでのヒロはいつも暇そうだった。

★俺もエクスタシーに行きたい。

♂その他の情報筋・

★今年のストーブリーグは色々ありそうだ。

★怪我をしていた高松のシナノが目出たく復活。

福岡方面では、下半身不随と、とんでもない噂が飛び

交っていた様だ。噂は怖い。

★クスボボの部屋にあるエロ本は、全くいけていない。

ヒロ談。

★某ストリートプロライダーがきゃんギャルにせくはら。

★八戸支部・清陽氏の腹痛の原因は、前日に食べた魚だったらしい。一緒に食べた家族は、大丈夫だっ

たそうだ。

何か悪いことでもしたんじゃないの?

★ダイエー優勝に便乗し、街で裸で大騒ぎしていたプップ、太郎、瓜生は、雑誌「サブ」の目に留まり、

取材を受ける。

皆で勇気を出して「サブ」を買って見てみよう。

★田中光太郎は、薔薇族のモデルをした経験が有る事が発覚!ギャラは5万円だったらしい。

★田中光太郎は「チョコボール」みたい。

★以前投稿写真で阿波踊りを舞う姿が掲載されたヤンマー。今年の阿波踊りは多忙のため泣く泣く欠席

したらしい。

★カリクビ店員おがまさ、偶然、「保母さんの大運動会」に出くわし大興奮。

★ディギットでは、非通知で掛けてくる電話に冷たい事に気付いたペニ山さんは、早速、番号表示に切

り替えた。

その後、電話を掛けてくる度に「番号出てたでしょ。」と確認していた。

★ヒロからアメリカ土産に、憧れのケビンジョーンズのサイン入りTシャツをもらった徳島の巽君は、

それを額に入れて飾ってあるそうだ。

★最近、めきめき上達しているディギット生え抜きライダーKO

W-C

が、B1グランプリのストリート

プロクラスで見事3位に入賞!

表彰式で名前を呼ばれた瞬間、うれしさのあまり男泣きした。

その感

動を忘れずにこれからも頑張ってね。

次回予告11 月末日発行予定

★ B-1 Grand Prix ★★大分★

★投稿写真★ディギットジン新聞社 : 編集長 ( あゆみ様 )、 編集員 ( スキップ、クリ坊 )、外務大臣兼文部営業大臣(SHOE-G)、熊本支局長 ( ペニ P)、京都支局長 ( 百 )、青森八戸支局長 (Seiyo)、 仙台基地特派員 ( カ

ナキョ ), 地球防衛隊員 (Kaname K.O.F) 、福岡管理官 ( やまさん )、 鎌倉出張 t 所 (KAO 大橋 )、 四国徳島支局 ( ヒロ )、秘密 諜報部員組織 (S.J.C.) 全世界のライダー

☆ディギット11 月のお休み☆

12 日 ( 日 ) , 19 日 ( 日 )コンテストの為お休みします。

アメリカでのライダー達

★太郎はアメリカで、ヒロの事を紹介する度に「ヒー

ハズ

ノー

ブレイン。」と連呼していた。

怒ったヒロは、「太郎君、もう、止

めてよ、太郎君こそバカの一つ覚えなんだから!」と言っていた。

★インターバイクに来ていた、ダブファクトリー大阪、福岡、ハ

ングの御一行様達は、現地で、洗濯を「した」とか「しない」と

か「してやった」とかで仲間割れしていた様だ。

★ダブ大阪のジャニー氏は、初挑戦のスロットで大儲けしていた

らしい。

何でも、5¢

のスロットマシーンで最高倍率を当てたと

の事だ。

いいなあ。

★ジャニーの話を聞いたスキップは、一儲けを狙ったが、儲けるど

ころか、ギャンブル資金を落としてしまい、あゆみ様から大目玉を

くらった。

★宇野陽介、伊東高志、ヒロ達とビックショットに乗りに行った。

一回目で

陽介はダウン。

調子に乗って2回チャレンジしたタカシ

とヒロだったが、タカシはホテルに戻ってからダウンしていたそう

だ。

脳天気なヒロだけが、優雅にディナーを楽しんだ。

★ヒロ、タカシ、陽介が南海の社長さんと専務さんにお食事に招待

された。

そこでは、ヒロが徳島の大使として阿波踊りを語り、地元

アピールに懸命だったらしい。

★ディギットのメンバー達から1日遅れてラスベガス入りしたN

ATHANは、皆に合流出来ず、7時間も一人で、広いホテルを

さまよっていた。

★CORE XーGam

e

で賞金の25万円を獲得したヒロは、ラスベ

ガスでルーレットに挑戦した。 ルールがよくわからないので、

赤か黒かに賭けて当たれば倍になるという簡単な賭け方にする事

にした。

慣れた様子でルーレットを楽しんでいる人達の中に、お

どおどした様子で、ギャラリーを5人も引き連れたヒロが席に着

いた。そして、100ドル分全てを賭けた。

なんと、玉はヒロの

賭けていた方へ入った。 これで倍だ。 「もう1回やりなよ。

1回

勝ったんだから次に負けてもちゃらだよ」とそそのかされ、やる

気になったヒロ。それから一度見送った回の玉は、何と緑に入っ

ていた。

なんて強運なんだろう。 結局ヒロは2回勝って200ド

ルの儲けだった。

しかし、その後スロットで負けていた。

★太郎はアメリカからの帰りの飛行機で、周りの日本人に調子よ

く話しかけていたが、2時間位すると煙たがられていたらしい。

★ラスベガスのホテルやインターバイクの会場は本当に広い。

向音痴のヒロは最後まで地理を把握していなかった。

試しに、ヒ

ロを先頭にして会場を出ようとしたところ、見事に出口と反対方

向へ歩いていた。

★インターバイクの出展準備を手伝った。

太郎はブースの看板を置

きみやげに制作、好評を得た。

ヒロはショーケースのライトをバカ

力で無理矢理動かし、壊してしまった様だ。

スキップが担当したビ

デオの配線では、何故かデッキから煙りが出て大騒ぎになった。

★ヒロ、インターバイク会場でもと君の手下となる。

★寺師は太郎から「トゥース・プランタ」と言うニックネームを付

けられた。

太郎さん曰く「歯茎」を英語にするとこうなる。

★ラスベガスからUSディギットへ帰る途中に、アウトレットモ

ールに寄った。

何と、そこでおしゃれなヒロ君は、2時間も同じ

店に居続け、私たちを呆れさせた。

★帰国直後の太郎は、広島の石井コウジ氏の結婚式に出席、スピ

ーチを担当した。 「えー、高いところからではありますが、何しろ、

アメリカから帰ってきたばかりなので、アメリカなまりがとれな

いズラ。」と予定通り務め上げた。

★徳島阿波ダンサーは子供の時から「育成プログラム」によって

育てられる。ヒロ談

今月のディギットライダー達

★QUAMEN ライダーにニューフェイス登場。

彼の名は「モ

ンキー」。

今後の活躍次第では、トシゴンと2人で「チーム・モン

キッキ」結成予定だが、先ずは2軍からのスタートだ。

★NATHANは、日本に滞在中、3つのコンテストに出場。

て優勝した。

★その、NATHANは、名古屋で「天野ケイタ」と言う日本名

を授けられた。

★天野ケイタのライディング以外の運動能力はあまりなさそうだ。

★Core X-Game

に来日したステファン・セラは、真のビジュア

ル系だ。

甘いルックスで数々のオーディションに合格。アメリカ

ではコカコーラのCMにも出演している。

今度はメロドラマに出

演の話もあるらしい。

★自称ビジュアル系の太郎さんが、アメリカ帰り第一弾として予

定していた、「目覚ましテレビ」への生出演が、キャンセルになった。

原因は分からない。

★ヒロに『新幹線で広島から名古屋迄は、どの位で掛かるんです

かねえ?』と聞かれたスキップは、『そうだね、2時間半位じゃない』

と応えた。

するとヒロが、『それ、のぞみじゃないですか。』とお

っしゃったので、『そうだよ、のぞみでだよ。』と言うと、『違いま

すよ、のぞみじゃなくて、新幹線でですよ。』と言い返された。

ロはのぞみと新幹線は別物だと思っていたのだった。

これを聞い

た編集長は、ヒロの鉄道知識を調査。するとヒロは、新幹線は九

州から北海道まで日本縦断しているとも思っていた。

当然の事な

がら山形新幹線など知るはずも無かった。

四国には電車が無いそ

うなので、無理もないのかな。

★ヒロの2001スペシャルフレームが完成した。

前回、「BB圧

入に5時間」と言う、史上最低記録を作ってしまったヒロの為、

今回は万全の体制でフレームを送ってあげた。

しかし、ヒロから

の報告はまたもや「やっちゃいました。」だった。

今回は、全て無

事に組み上がってから、ヘッドの振れを取ろうとしたところ、ヘ

ッドのネジをねじ切ってしまったらしいのだ。

そんなところをね

じ切ってしまうなんて、かなりの間抜けだ。

その上、自分で塗装

したハンドルが、「霜降りの錆みたいな赤」になってしまい、送り

返してくるという、予想通りの展開に成っている。

そのハンドル

の剥離を担当したオガマサは、あまりの厚塗り加減に根を上げて

いた。

剥離には2日掛かった。

イベントinfomation

★ 11 月 12 日(日)★大分温泉でポン!

Flatland大分市内

問 塩月和樹090-1363-3985

★ 11 月 19 日(日)★KOG 最終戦

Flatland浅草 Rox

問 Fun Fancy06-6907-1141

★ 11 月 26 日(日)★駒澤うたげかいFlatland & Street東京都立駒澤公園

問 佐々木慶治090-2561-3841

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