フレイル予防プログラムを活用した 産官連携型「未...

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フレイル予防プログラムを活用した

産官連携型「未病センター」

プロジェクトの推進について

平成27年12月10日(木)

東京大学高齢社会総合研究機構 辻 哲夫

<日本人65-79歳の11年間の追跡>

高齢者の痩せ(低BMI)は短命につながる

Tamakoshi A ら. Obesity (Silver Spring). 2010;18:362-9引用改変

悪 い

良い

BMI20~23を基準にすると

総死亡に対する危険度(オッズ比)

体格指標(BMI)

年齢 40 50 60 70 75 80 90

<健康増進>

健康増進・虚弱予防の研究と推進

メタボリック

症候群の予防

<メタボ健診基準>

老年症候群

の予防

虚弱化 要介護

虚弱体質

自立度

腹囲、血圧、血糖、脂質 など(平成20年度に基準化) 兆候をつかむ

<虚弱化・介護予防>

・転びやすくなった ・外出が少なくなった ・美味しいものが 食べれなくなった ・活動的でなくなった

<虚弱予防判断基準の策定>

ポイント

3

4

虚弱(Frailty)

『フレイル』

低栄養

体重減少

安静時代謝↓

歩行速度↓ 筋力↓

バランス障害 移動困難 障害

要介護・依存 転倒・外傷

易疲労

活力↓

Frailty cycle

活動性↓

社会的問題 ・独居 ・閉じこもり ・貧困

精神心理的問題 ・認知機能障害 ・抑うつ

虚弱サイクル Frailty cycle

サルコぺニア 食欲低下

摂取量↓

消費エネルギー↓

(研究者:Friedらによる)

今後の医療政策の骨格

生活習慣病予防

メタボ予防

◆歩く

◆適正なダイエット

介護予防

予防重視型システム

◆歩く

◆しっかり噛んで

しっかり食べる

◆閉じこもらない

(社会貢献・参加)

虚弱期のケアシステムの確立

医療・介護や住まいも含めた

トータルなケアシステム

◆地域包括ケアと在宅医療の推進

◆専門職および国民のお互いが

学び、そして創り上げる

◆どこまでも「食べる」にこだわる

「プレ・フレイル(前虚弱)」からみた予防重視型システム

東京大学高齢社会総合研究機構 飯島勝矢:作図

加齢(Aging) 死亡

No Frailty(健康)

Frailty (虚弱)

Comorbidity (併存症)

Disability (身体機能障害)

能力 (Ability)

Pre-Frailty (前虚弱)

【1】 市民に分かりやすい 簡易評価法と基準指標

(市民目線の早期介入ポイント)

【2】 元気高齢者が担い手側に! 市民同士で楽しく健康増進

活動を継続

【3】 『気づき』 『自分事化』

⇓ 意識変容 行動変容

柏スタディ(2012~) • 大規模高齢者虚弱予防研究「栄養と体の健康増進調査」

• 加齢による心身機能および社会性の低下に着目し、特に『サルコペニア(筋肉減弱)』の原因の解明を目的とした疫学研究

• 柏市内14か所の保健センターや近隣センターで実施

• 2000名を超える地域高齢者(自立~要支援)が参加

7

栄養 食・口腔機能

身体活動 運動、社会活動

など

社会参加 就労、余暇活動、ボランテイア

健康長寿のための『3つの柱』

より早期からのサルコペニア予防・フレイル(虚弱)予防

①食事(タンパク質、そしてバランス) ②歯科口腔の定期的な管理

①たっぷり歩こう ②ちょっと頑張って筋トレ

①お友達と一緒にご飯を ②前向きに社会参加を

我々はなぜサルコペニアになるのか?

《社会性の欠如・低下から始まりやすい》

『社会性』は、活動量、精神・心理状態、口腔機能、食・栄養状態、身体機能など、 多岐にわたる健康分野にも大きく関わる。

高齢期において「社会性」を維持する意義

ドミノ倒しにならないように!

身体機能

東京大学 高齢社会総合研究機構 ・ 飯島勝矢ら

厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業)「虚弱・サルコペニアモデルを踏まえた高齢者食生活支援の枠組みと包括的介護予防プログラムの考案および検証を目的とした調査研究」 (H26年度報告書より:未発表)

○生活の広がりや

人とのつながり

の低下

孤食

うつ傾向

社会参加の欠如

ヘルスリテラシーの欠如

(オーラルリテラシー含)

【第1段階】 社会性/心のフレイル期

健康

○要介護状態

【第4段階】 重度

フレイル期

嚥下障害、咀嚼機能

不全

経口摂取困難

運動・栄養障害

長期臥床

○生活機能低下

サルコペニア

ロコモティブ症

候群

低栄養

【第2段階】 栄養面の フレイル期

【第3段階】 身体面の フレイル期

【栄養】 食/歯科口腔

【社会参加】 社会性 メンタル

○フレイルへの様々な要因とその重複

【運動】 身体活動 歩く

【栄養(食/歯科口腔)からみた虚弱型フロー】 ~フレイル(虚弱)の主な要因とその重複に対する早期の気づきへ~

健康 虚弱

(フレイル) 身体機能障害

(要介護) 前虚弱

(プレ・フレイル)

虚弱度

東京大学 高齢社会総合研究機構 ・ 飯島勝矢(作図)

厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業) 虚弱・サルコペニアモデルを踏まえた高齢者食生活支援の枠組みと包括的介護予防プログラムの考案および検証を目的とした調査研究 (H26年度報告書より)

オーラル・フレイル

新考案 「指輪っか」テスト:ふくらはぎの自己評価

サルコぺニアの危険度 高い 低い

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三位一体型フレイル予防プログラム • フレイルの3つの側面(多面的) • 三位一体【①栄養(食・口腔機能、②身体活動・運動、③社会性・社

会参加(精神心理も含む)】に着目したプログラム • 生活の延長上にある場(地域サロン等)において実施 • 養成された市民サポーターが、プログラムの担い手となる • 参加者はフレイルについて学んだ上で、自分自身のフレイルの徴候をチェッ

クする ☛【楽しく、かつ気づき、そして自分事化を促す】を狙う

指輪っかでふくらはぎを囲んだ時にどうなりますか。

当てはまる に同じ色のシールを貼って下さい。

囲めない ちょうど囲める 隙間ができる

【指輪っかテスト】

【イレブン・チェック】 1. 健康に気をつけた食事を心がけていますか

2. 野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日1回は食べていますか

3. 「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛みきれますか

4. お茶や汁物でむせることがありますか

5. 1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか

6. 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか

7. ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか

8. 昨年と比べて外出の回数が減っていますか

9. 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか

10. 自分が活気に溢れていると思いますか

11. 何よりもまず、物忘れが気になりますか

【栄養・口腔機能】 • 咬筋触診

• 滑舌|オーラルディアドコキネシス検査

• 口腔関連QOL|GOHAI

【運動機能】 • 下腿周囲長

• 立ち上がり|片脚40㎝

• 四肢骨格筋量

• 握力

【社会性・こころ】 • 人とのつながり|LSNS-6

• 組織参加

• うつ傾向|GDS

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【指輪っかテスト】 【イレブン・チェック】

記入例

半年に1回ずつフォローアップ

赤シールを青シールにするために何をやるべきなのか

いかにエビデンスを 『現場(地域)』に 落とし込むのか! 根付かせるのか!

「栄養(食と口腔機能)・運動・社会参加の 包括的(三位一体)複合型フレイル予防プログラム」

《実際の地域サロン活動》 ・楽しさ ・目新しいさ、斬新さ ・気づき~自分事化 そして、、、 ・市民サポーターによる社会貢献~社会参加、 生きがいの醸成

「栄養(食と口腔機能)・運動・社会参加の 包括的(三位一体)複合型フレイル予防プログラム」

栄養(食と口腔機能)・運動・社会参加の

包括的(三位一体)複合型フレイル予防プログラム

【市民主体】 市民の手による、市民のための

【実例1】

栄養(食と口腔機能)・運動・社会参加の 包括的(三位一体)複合型フレイル予防プログラム

【市民主体】 市民の手による、市民のための

【実例1】

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三位一体型フレイル予防プログラム (2015~)

栄養 (食・口腔)

社会 参加

運動

新たな 市民サポーター

市民参加者

市民サポーター研修による教育・養成市民に対する教育を通したヘルスリテラシーの更なる向上

包括的チェックと深堀チェック・講義を通したヘルスリテラシーの向上と意識変容

第1回目サロン

指輪っか イレブンチェック 深堀チェック

第2回目サロン ※半年後

効果検証

行動変容 意識変容

1 2 3

市民の健康増進

半年後の再調査 行動変容・意識変容を主に評価

フレイル予防のための『包括的フレイルチェック』

サロン介入を通して個人間レベル・地域レベルでの効果を検証する

サロン介入を通して個人間レベル・地域レベルでの効果を検証する

地域リーダーの育成

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20150820読売新聞夕刊

「社会活動、口の衰えから」

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「未病センター」 ビジネスモデル 実証事業の骨格

健康ポイント・プロジェクト

商店街

(C主体)

健康産業協力店舗

民間「未病センター」 協力商品・サービス店

茅ヶ崎市、小田原市 施設・サロン等

健康増進・介護予防事業による フレイル予防プログラム実施 (普及、改善効果の検証)

(B主体)

高齢者

スポーツ用品店 健康機器店

公共事業「介護予防サロン等」

民間設置「未病センター」

ドラッグストア、フィットネスクラブ、ショッピングモール、温泉SPA、

カーブスジャパン 「未病センター」における、

フレイル予防プログラムの実施、検証 市民ボランティアとの協働による

集客効果の検証

「未病センター」 ビジネスモデル実証事業の骨格

健康レストラン、健康に良い食品 健康に良い会員制リゾート運営 旅行、社会活動へ

(A主体)

<産官学連携による、「食べる、歩く、社会参加」ビジネスモデルの構築>

C主体の拡大

市民ボランティアの活用による 利用者増、継続利用効果の検証

美容院・美容室

フレイル予防プログラムと 各種健康関連サービスとの連携

(改善効果拡大、ニーズに応じた相互送客)

官民連携のポイント制度の確立

「未病センター」 ビジネスモデル実証事業の産学官の役割

市町村/委託サロン含む

主な役割

公共施設(介護予防センター、公民館、サロン)、団地(公・民)再生による空スペース等

場所 事業形態

① 自店舗を活用:、自店舗職員/地域サポータによる健康づくり、介護予防活動 ➡地域交流の拠点 (健康催事支援、連動)

② 地域健康関連店舗との連携 (商店連携による街活性化、共通ポイント) 注)地域支援事業・介護予防事業と連携を検討

③ A主体、C主体との連携(相互送客による改善効果、集客・販売メリット創出等)

<「食べる、歩く、社会参加」活動の推進>

A主体 B主体(ビジネス型未病センター)県が適正配置 C主体

民間事業者

ドラッグストア、フィットネスクラブ、スーパーマーケット、温泉SPA、コンビニ等の店舗内スペース

地域商店街、美容院、スポーツ用品店、レストラン、旅行社(B主体の協力店舗)

① 地域施設を活用した、専門職/地域住民、地域リーダーによる健康づくり、介護予防活動

② 地域リーダーの養成(地域人材の掘起し、組織化等)、➜B/C主体の地域リーダー養成を含む

注)市町村専門スタッフは県が養成する ③地域支援事業・介護予防事業と連携

① 自店舗催場を活用した、健康づくり、介護予防イベントの開催

② 地域交流の拠点、活性化 (A,B主体と連携した健康関連催事、健康運動連動の実施)

③ 地域健康関連店舗との連携 (商店街活性化、共通ポイント)

常設(又は定期的設置) フレイル予防プログラムの実施

常設、定期的設置(1~4回/月) フレイル予防プログラムの実施

設置と 実施内容

【民間独自の民間介入プログラム、サービス】+(C主体の商品サービスの紹介 【口腔サービス】 (咀嚼、嚥下支援食品、 【食事サービス】 (健康な生活を送る食品・レストランサービス) 【運動サービス】 (フィットネス、登山、トレッキング、ウオーキング、運動用品) 【社会性・こころ】 (旅行サービス、芸術、園芸、趣味、就労、、))

【公的介入プログラム】 口腔(カムカム運動、他 食事(BDHQ勉強会 運動(アクティブガイド+10、他 社会性・こころ(社会参加促進

支援 プログラム

+

運営者

スタッフ 市町村専門スタッフ+地域リーダー (非常勤有償ボランティア)

インストラター、薬剤師等の常勤スタッフ+地域リーダー(非常勤有償ボランティア)

店舗スタッフ(B主体による健康づくりに関する目標の共有と連携)

(収益事業(健康サービス、商品販売)) (非営利事業)

測定 フレイル予防測定プログラム(指輪っかテスト、11チェック、深堀チェック

各種健康サービス提供、健康・美容等 商品販売等(店舗に協力店表示)

連携システムによるデーター共有・分析(効果検証)、共通ポイント制度の検討)

東京大学の役割

県の役割

事業監修、改善効果の分析・実証(柏モデルとの連携)、ビジネスモデル化へのシステム構築 等

市民ボランティアの養成、産学官の連携体制構築、他自治体、企業への周知・普及啓発 等

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