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鉄道車両におけるCFD解析(COVID-19)
May 5th, 2020
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序論と目的
• Hexagonは自動車、航空宇宙、電子機器、消費財、医療機器などの産業を
リードする企業にて利用されているComputational Aided Engineering
(CAE)分野のソフトウェアの開発を行っています
• CAEは、実質的に複雑な物理現象を予測するために利用され、特に構造力学、
電磁気学、音響学、流体力学などのすべての工学分野をカバーします
• 流体現象のシミュレーション分野は数値流体力学(Computational Fluid
Dynamics: CFD)と呼ばれます
• 本研究のゴールは、くしゃみ、呼吸、または会話をしている間に含まれる飛沫の
飛散に対する複数のパラメータの影響について、理解を改善するためにCFD技
術を適用することです
• 本研究の目的は、将来のロックダウン出口戦略を考慮して、当局と一般の人々
の理解を支援することです
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鉄道車両での事例
近接空間での呼吸と会話
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一般的な鉄道車両における空調気流
シミュレーションシナリオ: 相互に近接している状況での呼吸と会話
概要:
• 人々が乗車している一般的な鉄道/地下鉄車両
• 人々は推奨されているソーシャルディスタンス1.5m~2.0mよりお互
いに近接している
• 話している人(赤色)が会話により飛沫を飛散さている
• 相手は話している人(赤色)から約0.7m離れている
• その他の人は口を通して呼吸のみをしている
• 解析実時間180秒のシミュレーションを実施
ケース:
• Case #1 話者はマスクを不着用
• Case #2 話者はマスクを着用
0.7m
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CFDシミュレーション設定
ソフトウェア:
• 本研究ではCFDソルバーとしてHexagon製の Cradle CFD (scFLOW v2020) を使用した
• 詳細情報と検証例は要望に応じて提供する
飛沫の物理モデル:
• 「パーティクルトラッキング」と呼ばれるシンプルなアプローチを採用した
• 飛沫の抵抗力、重力などを考慮する
• 飛沫の蒸発、分裂/崩壊は考慮しない
• 飛沫同士の相互作用は考慮しない
• ウイルスの挙動は考慮しない。気流と飛沫(水滴)の挙動のみを考慮する
• 飛沫が物体に衝突した際に付着とする
• 飛沫は顔と腕に付着した際にカウントされる
乱流モデル:
• SST k-omega モデル
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人物のCFD境界条件
呼吸サイクルの近似
呼吸サイクル:
• 人物の呼吸境界条件は右上グラフを参照
• 5秒の呼吸頻度 (c-rate) [1]
• フローパターンの近似(figure 1 in reference) [2]
• ヨーロッパ人の呼吸一回あたり600mlの流量は、日本人の一回あたり500mlの1.2倍から算出した [1]
• 話者の境界条件は右下グラフを参照
• 最大呼気流量 5.e-4 m3/s [2] (figure 9c in reference)
• 呼吸頻度は言語によって異なります。 呼吸と同じ呼吸頻度を想定
• 発話中のより長い呼気を近似するために、呼気は3.5秒に、吸気は1.5秒に拡張した
• 呼吸一回あたりの空気流束の割合はバランスが取れていたため、吸気と呼気は同量だった
• 発話と呼吸の両方のケースの結果として生じる流速0.5m/sおよび0.34m/sは、Zhang et. al. [3]によって要約されたデータと一致した
• Breathing References:
[1] Breathing reference numbers and formulas, Kyoto Prefectural University of Medicine, viewed 30 April 2020 ,
<http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/picu/respiration/res-c-2.html> (Japanese)
access reference here
[2] Gupta J. K. et. al., 2010, “Characterizing Exhaled Airflow from Breathing and Talking”, Indoor Air, 20, pp. 31-39
access reference here
[3] Zhang H. et. al., 2015, “Documentary Research of Human Respiratory Droplet Characteristics”, Procedia
Engineering, vol. 121, pp.1365-1374
access reference here
-0.0004
-0.0002
0
0.0002
0.0004
0 1 2 3 4 5 6
Table for Breathing (m3/s - sec)
-0.0015
-0.001
-0.0005
0
0.0005
0.001
0 1 2 3 4 5 6
Table for Speaking (m3/s - sec)
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飛沫生成のCFD境界条件
飛沫生成の近似
発話中の飛沫生成:
• この境界条件は話者にのみ適用される
• 飛沫は周りの空気と相互作用するパーティクルとしてモデル化した
• 飛沫の分布:
• 飛沫 (”パーティクル”) の粒径分布はNukiyama-Tanasawa分布により近似され Xie et. al.の figure 7a に示される [1]
• 飛沫の平均直径は40マイクロメートル、密度は水と同じであり、呼吸一回あたり質量は3.35e-8 kgで1000パーティクルが生成される
• 大きな飛沫は分布によって過小評価されることに注意。ただし、それらは重くすぐに落下するため、分布 [1]に従って小さなサイズの飛沫と一致するように調整される
• 発話中の飛沫の散布:
• 飛沫の散布は、Gupta et. al. [2]によって提示された結果によって推定された (figure 6 in reference)
• 広がり角5°-長さ0.03 m(長軸)、広がり角15°-長さ0.015 m(短軸)の扇形散布
• Droplet References:
[1] Xie, X. et. al., 2009, “Exhaled droplets due to talking and coughing”, J. R. Soc. Interface 6, pp. 703-714
access reference here
[2] Gupta J. K. et. al., 2010, “Characterizing Exhaled Airflow from Breathing and Talking”, Indoor Air, 20, pp. 31-39
access reference here
-0.000001
0
0.000001
0.000002
0.000003
0.000004
1 10 100 1000
Input distrubition in scFLOW
Nukiyama Tanaswa with
40micron, a= 10, b=1
Splay model
Top view Side view
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多孔質体によるマスクのCFDモデル
マスクの近似
マスク:
• マスクの圧力損失はマスクの変形が無いもの(多孔質体)とした
• 圧力損失は有名なサージカルマスクメーカーによって校正される
• 形状はサージカルマスクとして近似する
• 飛沫に対するシンプルなフィルター効率を考慮する(次ページ参照)
多孔質体:
• マスクの圧力損失は下記方程式を用いてモデル化される:
Mask used in
Case #2
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マスク/喉領域のCFD境界条件
マスクのフィルター効率の近似
マスクのフィルタリング:
• シンプルなアプローチを採用:飛沫が生成されると(ほとんどの飛沫がマスク領域に到達する
ため)、拘束力が追加される
• 各パーティクルについて、0と1の間の乱数が生成される
• パーティクルがマスクに到達すると、この乱数はマスク効率と比較される
• 乱数が効率より大きい場合、パーティクルはマスクを通過する
• 乱数が効率よりも小さい場合、パーティクルは捕獲される
• ほとんどのパーティクルはチェックが行われる領域に到達するため、パーティクルが生成されたときにチェック
が行われ、飛沫の数を減らすことができる。そのためシミュレーションを高速化することができた
• フィルター効率(Sanchez in figure 32 [1])はパーティクルの捕獲のために使用された
• Filtration Reference:
[1] Sanchez E., “Filtration Efficiency of Surgical Masks”, MSc theses, University of
South Florida, Tampa
access reference here
Simple test, mainly smallest droplet
can pass through the mask
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日本の鉄道車両の形状をモデル化
鉄道車両の空調システムの近似
車両の空調システム:
• 車両内部への流量は概算で 19 m3/min
• JR東日本 E233系電車の三菱電機製空調システムを参照モデルとした [1]
• 参照モデルと同じ換気効率を維持するために、流量は車両の体積分率でスケーリング
する
• 右図に示すように、吸気口と換気口の位置を推定した
• 位置の推定は JR東日本 E233系電車の参照写真をベースに行った [2]
• Car Air-conditioning Reference:
[1] Koga T., 2018, “Features and Maintainability Improvement of Railcar Air
Conditioning Unit for JR EAST E235 Series”, MITSUBISHI DENKI GIHO, vol.92,
no.7 pp.26-29 (Japanese)
access reference here
[2] JR East E233 series 1000 series, Fukuju Train Net, viewed 2 May 2020 ,
<https://ftnp6.web.fc2.com/trainseat/jreast/E233-1000.html> (Japanese)
access reference here
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シミュレーションの全体像
鉄道車両内の会話と呼吸 (case #1 & #2)
話をしていると想定している人(赤色)の口
から飛沫は飛散される
相手は話している人から0.7m離れた向かい
側に座っている
話している人(赤色)以外の人は口を通して呼吸のみを行っていることを想定している
シンプルな空調システムはシンプルな構造として考慮している
シミュレーションで想定されている条件の下では、マスクは話者から相手に到達する飛沫を減ら
すことができる
備考: 解析実時間は180秒
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180秒後の顔と腕への付着数
会話による飛沫の飛散
これは現実的な条件下での飛沫の物理的挙
動を再現することを目的としたシミュレーションであることに注意してください医学的なアドバイスではありません
相互に近接している状況では、ソーシャルディ
スタンスを保つことの重要性が示されています政府や自治体の指示に従ってください
今回採用した仮定の下では、サージカルマスクは周りに飛散する飛沫を減らす可能性があり
ます
本研究では、話者がシンプルなサージカルマス
クを着用すると、相手に到達する飛沫を大幅に減少させることができるということがわかりまし
た。
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