第Ⅴ章 東京オリンピック・パラリンピックが 目指すもの...82...

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東京オリンピック・パラリンピックが目指すもの

1 スポーツが果たす重要な役割2 スポーツ、人権と共生社会3 震災復興に向けた取組4 参加国や地域について調べよう5 世界の中の日本人として国際マナーを知ろう6 未来へ

第Ⅴ章

「オリンピックデー・フェスタ in いしのまき」<2015(平成27)年8月8日 宮城県石巻市>

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スポーツが果たす重要な役割1

東京マラソン

▌スポーツは体も心も成長させる

 大きく分けてスポーツには、「学ぶ(知る)」「する」「観る」「支える」という四つの関わり方があります。体を動かすことは、人間の本質的な欲

よっ

求きゅう

です。私たちは、スポーツをすることで、健康を増進し、体力の向上を図ることができます。また、スポーツを通じて自然に親しんだり、仲間と交流して感動を分かち合ったりすることもできます。 実際にスポーツを行う以外にも、スポーツ観戦を通じて、選手たちの姿に励

はげ

まされたり、希望をもらったりすることがあります。アスリー

トたちのスピード感あふれるプレーや、鍛え抜かれた体から生まれる超

ちょう

人じん

的な技は、見る人に勇気と感動を与えてくれます。自身の限界に挑

ちょう

戦せん

するアスリートの姿には、気高さを感じることもあります。 また、ボランティアとして大会の運営や、障害者スポーツを支えることもスポーツの大きな楽しみ方の一つです。 スポーツは、人を成長させ、豊かな人生を送るためにとても大切な役割を果たしているのです。

 スポーツには、様々な楽しみ方があり、私たちの生活に欠かせないものです。また、スポーツを通じて学んだことは、生きていく上で大きな支えとなります。

人生や社会を豊かにするスポーツ

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▌スポーツが心身に及ぼす効果

 スポーツには、体力や運動の技能を維い

持じ

、向上させるという効果もあります。体力は、人間のあらゆる活動の源であり、意欲や気力といった精神面にも深く関わっています。適度にスポーツを行うことで達成感を得たり、自信をもったりできるのです。心と体はつながっているので、スポーツによってストレスを解消することができるとともに、自分の感情をコント

ロールできるようになります。 スポーツは、生

しょう

涯がい

にわたって、誰でも、どこでも参加できる活動です。自分の生活や体力にあった楽しみ方を考え、積極的に関わっていくことで、生涯にわたる豊かなスポーツライフを送ることができます。その意味で、中学生の時期に保健体育の授業や部活動などで様々なスポーツに取り組むことが重要なのです。

 生涯にわたって豊かなスポーツライフを実践するために、今、どのようなことをしたらよいかを考え、話し合ってみよう。

学習の扉

80

▌オリンピックへの女性の参加 女性がオリンピックに参加できるようになったのは、1900(明治33)年の第2回パリ大会からです。その時の参加者は、わずか22人でした。 1994(平成6)年、世界スポーツ会議において、「全ての女性が公平にスポーツに関わることのできるスポーツ文化を構築すること」を目的としたブライトン宣言が採

さい

択たく

されました。 それを受けて1996(平成8)年には、IOC世界女性スポーツ会議が開

かい

催さい

され、選手のみならず、スポーツ組織の役員などにも女性を増やし、スポーツにおける女性の地位向上を目指すことが定められました。 2012(平成24)年第30回ロンドン大会で

▌オリンピズムにおける根本原則

 オリンピック憲章の根本原則第4項には、「スポーツをすることは人権の一つである。全ての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づきスポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては友情、連帯、フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる。」と書かれています(P.8参照) 。しかし、近代オリンピックには、人種差別など様々な人権問題があり、その克

こく

服ふく

に向けて積極的な努力を重ねていくことが、今なお求められています。

▌オリンピックにおける人種差別 ―ジェシー・オーエンスの戦い

 1936(昭和11)年の第11回ベルリン大会当時、ナチスドイツの指導者アドルフ・ヒトラーは、自分たち白人(ゲルマン民族)が、他の民族よりもあらゆる面で優れていると主張していました。そうした中で、黒人のジェシー・オーエンス選手(アメリカ)が、ヒトラーの「人種主義」に真っ向から挑

いど

みました。彼は、100m走、200m走、走り幅

はば

跳と

び、400mリレーで4個の金メダルを獲

かく

得とく

したのです。彼が打ち立てた走り幅跳びの8m13cmという記録は、その後、25年間破られませんでした。

 スポーツ基本法の基本理念には、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利である。」と示されています。誰にでも、スポーツをする権利があるのです。

スポーツ、人権と共生社会2

女性アスリートの目覚ましい活躍<2008(平成20)年第29回北京大会>陸上競技 女子200m予選

「まず、自分が強くならなければ勝つことはできない。

人生こそ本当のオリンピックなのです。」 ―オーエンス選手の言葉

人種差別に屈せず、目覚ましい記録を残したジェシー・オーエンス選手

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は、史上初、204の全ての参加国・地域から、4,676人の女性選手が出場し、女性参加率は44.2%となりました。

▌パラリンピックへの女性の参加

 1948(昭和23)年、第14回ロンドン大会の開会式の日に、グットマンがストーク・マンデビル病院で開催したアーチェリー大会(パラリンピックの原点)には、既に女性が参加していました。

▌先住民族とオリンピック

 オーストラリアでは、白豪ごう

主義の名の下に、1970年頃まで非白人に対する差別的な扱いが続いていました。 2000(平成12)年第27回シドニー大会では、アボリジニを中心とするオーストラリアの先住民との「和解」が大きなテーマとして掲げられました。 聖火リレーの出発点には、アボリジニの聖地であるウルル(通称エアーズロック)が選ばれ、聖火ランナーには、アボリジニ初の金メダリスト、ノバ・ペリス・ニーボーン(アトランタ大会女子ホッケー金メダリスト)が第一走者として起用されました。 また、アボリジニのキャシー・フリーマン(シドニー大会陸上400m金メダリスト)が、最終聖火ランナーを務めました。 開会式では、アボリジニの歴史と文化を紹介するパフォーマンスが繰り広げられ

るとともに、文化プログラムでは、アボリジニアートを中心とするアートフェスティバルが開催されました。

▌共生社会を推進する東京

東京は、2回目のパラリンピック大会を夏季に開催する初めての都市となります。前回の1964(昭和39)年第2回東京パラリンピック大会は、障害者スポーツを発展させる大きな契機となりました。また、高齢社会を形成している東京が、今後どのような社会を作るか、世界が注目しています。目指すべき社会は、年齢や障害の有無にかかわらず、参加できる共生社会です。2020(令和2)年の東京では、高齢者と若者、外国人と日本人、障害者と健常者などが互いを支え合う共生社会という考え方が更に重要になってくるでしょう。こうした共生社会の考え方を、第16回夏季大会となる東京パラリンピック大会を通じて社会に浸透させ、先進的な取組を海外に発信していくことが大切です。

▌全ての人がスポーツを

障害のある人が、スポーツを楽しみ、チャレンジすることは今や特別なことであってはなりません。プロの野球選手やサッカー選手がいるように、プロの車いすテニス選手や陸上競技選手もいます。日本には、世界トップクラスのパラリンピックの選手が数多くいますが、彼らをサポートする環境はまだ十分とはいえません。競技に参加する人が増えれば選手の競技力が向上することはもちろん彼らを応援し、そのスポーツを楽しむ人が増えることで競技の裾野が広がり、選手がより練習に打ち込むことができる環境が整えられます。

シドニー大会最終聖火ランナー

キャシー・フリーマン

 過去大会において、様々な人権問題を解消するために、どのような取組が行われてきたのか、調べてみよう。

学習の扉

82

2012(平成24)年12月2日、3日に、福島県、宮城県、岩手県の3県で「ロンドンオリンピック・パラリンピック 応援ありがとう‌in‌東北」が行われた。

▌JOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクト

 2011(平成23)年度から、東日本大震災復興支援として、「スポーツから生まれる、笑顔がある。」をスローガンに、オリンピアンやアスリートが、スポーツを通じて被災地の方々と触れ合う活動を行う「オリンピックデー・フェスタ」が行われています。「オリンピックデー・フェスタ」では、その聖火である「つながる火」が各会場を巡

めぐ

り、被災地の人々をつないでいます。「つながる火」には、「今日つながった友達、これからつながる友達、そして明日へつなげる気持ち」の意味が込められています。

▌JOC「応援ありがとう in 東北」

 2012(平成24)年12月2日、3日、ロンドンオリンピック・パラリンピック日本代表選手団が、東北の方々からの支援と応援に対して感謝を伝えるため「ロンドンオリンピック・パラリンピック応援ありがとう in 東北」を福島・宮城・岩手の3県で開

かい

催さい

しました。パレードや「ふれあいイベント」が行われ、多くのオリンピアン・パラリンピアンが東北の人々と触れ合いました。

 スポーツには、人を元気にする力があります。東日本大震災からの復興に向け、被災地では、スポーツを通した様々な取組が行われています。

震災復興に向けた取組3

「がんばれ!ニッポン!」プロジェクト、「応援ありがとう in 東北」

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被災者が見守る中で行われた聖火台への点火式

▌1964(昭和39)年第18回東京大会の  聖火を灯した聖火台が石巻市へ

 国立霞かすみ

ヶ丘競技場に設置されていた聖火台は、被災地の人々を元気付けるため、石巻市に貸し出され、石

いしのまき

巻市の総合運動公園に移設されました。 2015(平成27)年6月27日、この聖火台への点火式が行われ、2004(平成16)年第28回アテネ大会陸上競技ハンマー投げの金メダリスト室むろ

伏ふし

広こう

治じ

氏が火を灯しました。 この聖火台は、2020(令和2)年に新しい国立競技場に返

へん

還かん

されることになっています。

 この聖火台は、1958(昭和33)年の第3回アジア競技大会の開催に間に合うよう、3か月という短い期間で作られました。聖火台を作ったのは、埼玉県川口市の鋳

い物も師じ、鈴すず木き萬まん之の助すけさ

ん、文ぶん吾ごさん親子です。萬之助さんは、銅像や

仏教彫刻などに用いられる鋳ちゅう造ぞう技術「惣

そう型がた法ほう」

の名工として知られています。完成を目前にして萬之助さんは急

きゅう逝せいしてしまいま

すが、文吾さんは父の思いを引き継ぎ、兄弟の協力も得て、聖火台を完成させました。

親子2代で作った聖火台豆知識

 震災復興に向けて、自分たちにできることを考えてみよう。また、どうすればそれを実現できるか、具体策を考えて、グループでアイディアを出し合ってみよう。

学習の扉

会場の様子

点火式での室伏広治氏

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 1992(平成4)年の第25回バルセロナ大会には、紛争により国としての参加ができなくなったユーゴスラビア国

こく籍せき(当時)の選手が、独

立選手団としてオリンピック旗で参加しています。2000(平成12)年第27回シドニー大会には、東ティモールの選手が個人参加、2012年ロンドン大会には、南スーダン、旧オランダ領アンティルの選手が独立参加しています。いずれも、国家独立や崩

ほう壊かいに伴うIOCの救済措

そ置ち

です。

▌ オリンピック・パラリンピックに参加する 国や地域

 2012(平成24)年ロンドン大会に参加したのは、オリンピック大会では204の国と地域、パラリンピック大会では164の国でした。それに対して、国際連合加盟国は193か国です。 オリンピックへの参加は、世界のあらゆる人々に開かれています。大会に参加するのは各国・各地域にあるオリンピック委員会(NOC)であって、国単位ではありません。IOCがその地域のオリンピック委員会を認めれば、大会に参加することができます。

オリンピック旗で参加豆知識

 世界には、多くの国や地域があり、それぞれの伝統や文化を守り、大切にしながら生活しています。我が国の伝統・文化を大事にするのと同様に、他国のことを知り、理解し、尊重することが大切です。

参加国や地域について調べよう4

2012(平成24)年の第30回ロンドン大会開会式。ロンドン大会には、204の国と地域から約1万人の選手が参加した。

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 2020(令和2)年には、世界中の人々が日本を訪問し、様々な人々と交流する機会が拡大するだろう。お互いに楽しく、有意義な交流となるよう、事前にどのようなことを学んでおくとよいか、考えてみよう。

学習の扉

○…

○…

○…

ギリシャ

ミャンマー

ロシア

アメリカペルー

ケニア

オーストラリア

バチカン市国

フランス

モンゴル

ベトナム

インドシンガポール

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・ 近代オリンピック・パラリンピックの開催地の分布からどのようなことが読み取れるか、考えてみよう。

・ 興味をもった参加国・地域の場所を確認し、色を塗ってみよう。また、国旗、挨拶、食文化等、調べてみよう。

学習の扉

近代オリンピック・パラリンピックの開催地

オリンピック冬季大会回 開催年 開催地1 1924 シャモニー・モンブラン2 1928 サン・モリッツ3 1932 レークプラシッド4 1936 ガルミッシュ・パルテンキルヘン

1940 札幌・返上1944 コルチナ・ダンペッツオ・中止

5 1948 サン・モリッツ6 1952 オスロ7 1956 コルチナ・ダンペッツオ8 1960 スコーバレー9 1964 インスブルック⓾ 1968 グルノーブル⓫ 1972 札幌⓬ 1976 インスブルック⓭ 1980 レークプラシッド⓮ 1984 サラエボ⓯ 1988 カルガリー⓰ 1992 アルベールビル⓱ 1994 リレハンメル⓲ 1998 長野⓳ 2002 ソルトレークシティ⓴ 2006 トリノ㉑ 2010 バンクーバー㉒ 2014 ソチ㉓ 2018 平昌㉔ 2022 北京

パラリンピック冬季大会回 開催年 開催地❶ 1976 エーシェルドスピーク❷ 1980 ヤイロ❸ 1984 インスブルック❹ 1988 インスブルック❺ 1992 アルベールビル❻ 1994 リレハンメル❼ 1998 長野❽ 2002 ソルトレークシティー❾ 2006 トリノ❿ 2010 バンクーバー⓫ 2014 ソチ⓬ 2018 平昌⓭ 2022 北京

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オリンピック夏季大会回 開催年 開催地1 1896 アテネ2 1900 パリ3 1904 セントルイス4 1908 ロンドン5 1912 ストックホルム6 1916 ベルリン -中止7 1920 アントワープ8 1924 パリ9 1928 アムステルダム⓾ 1932 ロサンゼルス⓫ 1936 ベルリン⓬ 1940 東京 - 返上

1940 ヘルシンキ -中止⓭ 1944 ロンドン -中止⓮ 1948 ロンドン⓯ 1952 ヘルシンキ⓰ 1956 メルボルン

1956 ストックホルム(馬術競技)⓱ 1960 ローマ⓲ 1964 東京⓳ 1968 メキシコシティ⓴ 1972 ミュンヘン㉑ 1976 モントリオール㉒ 1980 モスクワ㉓ 1984 ロサンゼルス㉔ 1988 ソウル㉕ 1992 バルセロナ㉖ 1996 アトランタ㉗ 2000 シドニー㉘ 2004 アテネ㉙ 2008 北京㉚ 2012 ロンドン㉛ 2016 リオデジャネイロ㉜ 2020 東京㉝ 2024 パリ㉞ 2028 ロサンゼルス

パラリンピック夏季大会回 開催年 開催地❶ 1960 ローマ❷ 1964 東京❸ 1968 テルアビブ❹ 1972 ハイデルベルグ❺ 1976 トロント❻ 1980 アーヘン❼ 1984 ニューヨーク

ストーク・マンデビル❽ 1988 ソウル❾ 1992 バルセロナ❿ 1996 アトランタ⓫ 2000 シドニー⓬ 2004 アテネ⓭ 2008 北京⓮ 2012 ロンドン⓯ 2016 リオデジャネイロ⓰ 2020 東京⓱ 2024 パリ⓲ 2028 ロサンゼルス

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世界の中の日本人として国際マナーを知ろう5

●‌相手の目を見る。●‌相手の右手を自分の右手でしっかり握る。●‌挨拶しながら上下に2~ 3回振る。●‌頭を下げない。●‌両手で握らない。●‌強すぎず弱すぎず。‌※‌ ただし、イスラム教の習慣では、男性と女性は互いに握手をしないことが原則です。

▌プロトコール

 国際会議の開かい

催さい

など、国際的な行事において海外からの客人を迎える際には、プロトコールと呼ばれる国際的な儀礼やマナーに基づいた接せつ

遇ぐう

を行います。歴史、文化、言語などの違いにより、互

たが

いに誤解や不信感が生じることのないよう、外交を円

えん

滑かつ

に進める知恵として、相手への敬意と全ての国を平等に扱うことを基本とするプロトコールが、生まれたのです。

▌挨拶

 日本の挨拶はお辞じ

儀ぎ

ですが、海外における挨拶の基本は握

あく

手しゅ

です。握手をする際の留意点を押さえ、実際に使えるようにしておくことが大切です。

 将来、国際社会において尊敬され、信頼される日本人に成長していくためには、国際的な儀ぎ

礼れい

やマナーを理解し、実践できるようにしておくことが大切です。

様々な国の国旗

留意点

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▌国旗と国歌

 国旗と国歌はいずれの国ももっており、その国の象徴として大切にされています。我が国の国旗や国歌を大切にすることはもとより、互いの国旗や国歌に敬意を表することは、国際社会の基本的なマナーです。 ◆国旗の掲

けい

揚よう

については、プロトコールに基づいて行います。外国からのお客様をお迎えして両国の国旗を掲揚する場合は、相手国の旗を上位と捉えて、右(向かって左)に外国国旗、左(向かって右)に日本国旗を掲揚します。

◆また、四か国以上の国旗を掲揚する場合は、通常、国名アルファベット順に従って、向かって左端から右端へ順に掲揚します。 なお、掲揚する国旗の数が奇数の場合は、日本国旗を中央に配し、外国国旗を国名アルファベット順に、中央より向かって左側から左右交互に掲揚する方法もあるとされています。

 国際社会に生きる日本人として、外国の人々をお迎えするときに、どのようなことに気を付けて接することが大切か、話し合ってみよう。

学習の扉

外国国旗

外国国旗

外国国旗 日本国旗を中心に掲揚

外国国旗

外国国旗

中央に1位、向かって左側に2位、右側に3位の国旗が掲揚され、1位の国の国歌が演奏される。

 国旗と一緒に校旗も掲揚する場合は、下の図のように配置します。

外国の学校からお客様をお迎えするとき

豆知識

相手校の校旗 自校の校旗

外国国旗◆我が国を含ふく

め、三か国の国旗を同時に掲揚する場合は、通常、日本国旗を中央に配し、他の二か国の国旗は、国連方式による国名アルファベット順に従って、向かって左側に先の順位の国旗、右側に後の順位の国旗を掲揚します。

※相手国の国旗のみを掲揚するのは、「占領下」という意味になるので、必ず、自国の国旗も掲揚する。

外国国旗① 外国国旗②

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未来へ6

▌みんなが参加する、 みんなでつくる東京2020大会

 2020(令和2)年の夏、世界のトップアスリートが東京に集結し、世界一を目指して、最高の競技が繰り広げられます。また、東京では様々な文化プログラムやイベントが行われ、世界中から訪れる多くの観光客をもてなします。 しかし、オリンピックやパラリンピックは、選手や大会関係者だけでつくるものではありません。子供から大人まで、あらゆる世代の、様々な立場の人々が協力し、参加することによって、大会は成功を収めるのです。 大会では、多くのボランティアが活躍します。一口にボランティアと言っても、空港や駅での道案内、観客の誘

ゆう

導どう

、会場整理、競技運営

 オリンピックやパラリンピックは、夢をもつことの大切さと、夢の実現に向かって努力することのすばらしさを教えてくれます。東京2020大会が、自分にとって生涯にわたる掛

かけ替

がえのないレガシー

となるよう、今から、いろいろなことにチャレンジしていくことが大切です。

サポート、言語サービスなど、その内容は多た

岐き

にわたっています。2012(平成24)年の第30回ロンドン大会では、約7.8万人のボランティアが大会を支えました。2020(令和2)年の第32回東京大会には、約9万人以上のボランティアが必要と言われています。 オリンピアンやパラリンピアンに大きな声援を送ること、参加国について学び、その国の人々と交流すること、日本や東京の歴史や文化を学び、外国人に紹介すること、自分の住んでいる街をきれいにすること、道に迷っている観光客に言葉を掛けることなど、自分にできること、やるべきことは何かを考え、2020年の自分のあるべき姿を思い描いてみましょう。

東京2020オリンピック・パラリンピックに関わる計画を立てよう!2019年 2020年

年生… 歳 年生… 歳

こんな形で関わりたい2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて準備すること、取り組むこと、挑戦することを書こう!

91

空港での出迎え、競技場での道案内、観客の誘導、言語サービス、会場整理など、様々なボランティアが力を合わせて大会を支えている。

 2020(令和2)年に向けて、これからどのようなことにチャレンジしていきたいか、考えてみよう。また、東京2020大会にどのような形で関わっていきたいか、自分の思いを書いてみよう。

学習の扉

東京2020大会以降2020年

大会後も続けていきたいこと(例)スポーツボランティアを続ける、海外の友達と手紙で交流する など

「自分レガシー」

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近代オリンピックの歩み

年 夏季大会日本の

メダル数 冬季大会日本の

メダル数 社会の主な出来事金 銀 銅 金 銀 銅

1894 パリ・アスレティック会議 日清戦争(~ 1895)

1896 第1回アテネ大会 ― ― ―

1900 第2回パリ大会・女子選手が初めて参加

1904 第3回セントルイス大会 ― ― ― 日露戦争(~ 1905)

1908 第4回ロンドン大会 ― ― ―

1912 第5回ストックホルム大会・日本人選手が初めて参加 0 0 0

1914 第一次世界大戦(~ 1918)

1916 第6回ベルリン大会中止

1920 第7回アントワープ大会・日本人選手が初のメダル獲得 0 2 0

1923 関東大震災

1924 第8回パリ大会 0 0 1第1回シャモニー・モンブラン大会・初めての単独開催

― ― ―

1928第9回アムステルダム大会・日本人選手が初の金メダル………獲得

2 2 1第2回サンモリッツ大会・……日本選手が冬の大会に初めて参加

0 0 0

1932 第10回ロサンゼルス大会 7 7 4 第3回レークプラシッド大会 0 0 0

1936 第11回ベルリン大会・初めて聖火リレーを行う。 6 4 10 第4回ガルミッシュ・パルテンキルヘン大会 0 0 0

1937 日中戦争(~ 1945)

1939 第二次世界大戦(~ 1945)

1940 第12回東京大会返上   ……ヘルシンキ大会中止 札幌大会返上

1941 太平洋戦争(~ 1945)

1944 第13回ロンドン大会中止 コルチナ・ダンペッツオ大会中止

1945

広島・長崎に原子爆弾が投下される日本がポツダム宣言を受諾国際連合発足

1946 日本国憲法公布

1948 第14回ロンドン大会 ― ― ― 第5回サン・モリッツ大会 ― ― ―

1951 サンフランシスコ平和条約

1952 第15回ヘルシンキ大会・日本人選手が16年ぶりに参加 1 6 2 第6回オスロ大会 0 0 0

1956第16回メルボルン大会・ストックホルム大会…(馬術競技)・欧米以外で初の開催

4 10 5第7回コルチナ・ダンペッツオ大会・……日本人選手が冬季大会で初のメダル獲得

0 1 0

1960 第17回ローマ大会 4 7 7 第8回スコーバレー大会 0 0 0 日米安全保障条約改定

93

年 夏季大会日本の

メダル数 冬季大会日本の

メダル数 社会の主な出来事金 銀 銅 金 銀 銅

1964 第18回東京大会・アジアで初の開催 16 5 8 第9回インスブルック大会 0 0 0 東海道新幹線開通

1968 第19回メキシコシティ大会 11 7 7 第10回グルノーブル大会 0 0 0

1972 第20回ミュンヘン大会・……選手村銃撃事件 13 8 8 第11回札幌大会 1 1 1 沖縄が日本に復帰

1973 石油危機

1976 第21回モントリオール大会 9 6 10 第12回インスブルック大会 0 0 0

1979 ソ連がアフガニスタンに侵攻

1980

第22回モスクワ大会・……ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議し、アメリカ、日本などがボイコット

― ― ― 第13回レークプラシッド大会 0 1 0

1984

第23回ロサンゼルス大会・……前大会の報復としてソ連などがボイコット・……民間資本導入で収支決算が大幅黒字になる。

10 8 14 第14回サラエボ大会 0 1 0

1988 第24回ソウル大会 4 3 7 第15回カルガリー大会 0 0 1

1990 東西ドイツ統一

1991 ソ連崩壊

1992 第25回バルセロナ大会 3 8 11 第16回アルベールビル大会 1 2 4

1993 EU(ヨーロッパ連合)発足

1994 第17回リレハンメル大会・冬季大会の開催年変更 1 2 2

1995 阪神・淡路大震災

1996 第26回アトランタ大会 3 6 5

1998 第18回長野大会 5 1 4

2000 第27回シドニー大会 5 8 5

2001 アメリカで同時多発テロ

2002 第19回ソルトレークシティ大会 0 1 1

2004 第28回アテネ大会 16 9 12

2006 第20回トリノ大会 1 0 0

2008 第29回北京大会 9 6 10

2010 第21回バンクーバー大会 0 3 2

2011 東日本大震災

2012 第30回ロンドン大会 7 14 17

2014 第22回ソチ大会 1 4 3

2016 第31回リオ大会 12 8 21

2018 第23回平昌大会 4 5 4

94

過去のオリンピック競技大会のポスター夏季大会

1896(明治29)年 第1回アテネ大会(ギリシャ)

1928(大正15)年 第 9回 アムステルダム大会(オランダ)

1900(明治33)年第2回 パリ大会(フランス)

1932(昭和 7)年 第10 回 ロサンゼルス大会(アメリカ合衆国)

1904(明治37)年第 3回 セントルイス大会(アメリカ合衆国)

1936(昭和11)年 第11回 ベルリン大会(ドイツ)

1940(昭和15)年 第12回 東京大会(日本) 返上

1908(明治 41)年第 4回 ロンドン大会(イギリス)

1912(大正元)年第5回 ストックホルム大会(スウェーデン)

1952(昭和 27)年 第15回 ヘルシンキ大会(フィンランド)

1956(昭和 31)年 第16回 メルボルン大会(オーストラリア)

1924(大正13)年 第 8回 パリ大会(フランス)

1960(昭和 35)年 第17回 ローマ大会(イタリア)

1992(平成 4)年 第25回 バルセロナ大会(スペイン)

1972(昭和 47)年 第20 回 ミュンヘン大会(西ドイツ)

1976(昭和 51)年 第21回 モントリオール大会(カナダ)

1980(昭和 55)年 第22回 モスクワ大会(ソビエト連邦)

1984(昭和 59)年 �第 23回 ロサンゼルス大会(アメリカ合衆国)

1988(昭和 63)年 第24 回 ソウル大会(大韓民国)

1964(昭和 39)年 第18 回 東京大会(日本)

1996(平成 8)年 第26回 アトランタ大会(アメリカ合衆国)

1968(昭和 43)年 第19回 メキシコシティ大会(メキシコ)

1948(昭和 23)年 第14 回 ロンドン大会(イギリス)

1920(大正9)年 第 7回 アントワープ大会(ベルギー)

2008(平成 20)年 第29回 北京大会(中華人民共和国)

2012(平成 24)年 第 30 回 ロンドン大会(イギリス)

2016(平成 28)年 第 31回 リオ大会(ブラジル)

2000(平成12)年第27回 シドニー大会(オーストラリア)

2004(平成16)年第28 回 アテネ大会(ギリシャ)

95

冬季大会

1924(大正13)年 第1回��シャモニー・モンブラン大会(フランス)

1964(昭和 39)年 第 9回インスブルック大会(オーストリア)

1928(昭和 3)年 第2回サン・モリッツ大会(スイス)

1968(昭和 43)年 第10 回グルノーブル大会(フランス)

1932(昭和 7)年 第 3回レークプラシッド大会(アメリカ合衆国)

1972(昭和 47)年 第11回札幌大会(日本)

1976(昭和 51)年 第12回インスブルック大会(オーストリア)

1980(昭和 55)年 第13回 レークプラシッド大会(アメリカ合衆国)

1936(昭和11)年 第 4回��ガルミッシュ・パルテンキルヘン大会(ドイツ)

1984(昭和 59)年 第14 回 サラエボ大会(ユーゴスラビア)

1948(昭和 23)年 第5回サン・モリッツ大会(スイス)

1988(昭和 63)年 第15回 カルガリー大会(カナダ)

1992(平成 4)年 第16回 アルベールビル大会(フランス)

1952(昭和 27)年 第6回オスロ大会(ノルウェー)

1956(昭和 31)年 第 7回��コルチナ・ダンペッツオ大会(イタリア)

1960(昭和 35)年 第 8回 スコーバレー大会(アメリカ合衆国)

1994(平成 6)年 第17回 リレハンメル大会(ノルウェー)

2006(平成18)年 第20 回 トリノ大会(イタリア)

2010(平成 22)年 第21回 バンクーバー大会(カナダ)

2014(平成 26)年 第22回 ソチ大会(ロシア)

1998(平成10)年 第18回 長野大会(日本)

2002(平成14)年 第19回 ソルトレークシティ大会(アメリカ合衆国)

※国名・地名は、開催当時のもの

96

過去のオリンピックの聖火リレーで使用されたトーチ

1952年ヘルシンキ大会

1936年ベルリン大会

1960年ローマ大会

1956年メルボルン大会

1976年モントリオール大会

1968年メキシコシティ大会

1948年ロンドン大会

1964年東京大会

1972年ミュンヘン大会

97

1984年ロサンゼルス大会

1980年モスクワ大会

1988年ソウル大会

1996年アトランタ大会

2004年アテネ大会

2008年北京大会

2012年ロンドン大会

2016年リオ大会

1992年バルセロナ大会

2000年シドニー大会

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