第2回 パターン認識の応用例の紹介...
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パターン認識
第2回第2回
パターン認識の応用例の紹介
(署名認証)
1
1 署名認証とは何か
署名認証とは?
1.署名認証とは何か
• 署名認証とは?
• サインを使って、「自分は確かに●●●●です」ということを相手に認めてもらうこと。「偽者である」という判定も行う。あとから検証す者である」という判定も行う。あとから検証するのではなく、その場で判定する
• 筆跡鑑定とは?筆跡鑑定とは?
• 認証されることを意識せずに書いたものを、(主としてあとから)時間をかけて誰が書いた(主としてあとから)時間をかけて誰が書いたものかを判定する
2
署名認証の行われている場面は?
• 外国系銀行窓口での本人確認
署名認証の行われている場面は?
外国系銀行窓口での本人確認
– 印鑑を使わない。登録された署名をディスプレイに表示し、行員が目視で認証員
• クレジットカードの本人確認
– 登録(カードの裏に自筆)署名と 目の前で書かれた署名– 登録(カ ドの裏に自筆)署名と、目の前で書かれた署名を比較、認証
目視による署名照合
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あらかじめ署名をしておく(登録署名) 目視による署名照合
署名認証のもつ意味
本人 か書けな (本人 か持たな )特徴
署名認証のもつ意味
• 本人しか書けない(本人しか持たない)特徴ある署名→再現の可否によって、第三者が本人か否か 判断人か否かの判断
• 他に本人確認の方法はあるか?いろいろある– いろいろある
• 生体認証(バイオメトリクスと呼ばれる。署名も生体認証の1つ)証の1つ)
• 持ち物(鍵やカード)
• 記憶(パスワード、暗証番号)
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生体認証に使われる体の特徴
指紋 掌形手のひらや指の
顔指紋 掌形手のひらや指の
静脈顔
虹彩 眼底 DNA 耳
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虹彩 眼底 DNA 耳
ほとんどはhttp://kccn.konan‐u.ac.jp/information/cs/より転載
動作も生体認証のうち動作も生体認証のうち
長所◦ その動作をするときに、自然に採取できる(わざわざ別の動作をしなく よ )動作をしなくてよい)
◦ 歩く⇒歩行パターン取得
キ ボ ドを打つ⇒キ ストロ ク取得◦ キーボードを打つ⇒キーストローク取得
◦ 名前を書く⇒署名取得
◦ 話す⇒声紋取得◦ 話す⇒声紋取得
短所認証率は低い◦ 認証率は低い
特殊な状況での応用可能性あり!
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いろいろな生体認証の装置と応用分野(1)指や手を使うもの
指静脈指静脈
(写真は、日立製作所ホームページより)
掌静脈
写真 、 製
(写真は、富士通ホームページより)
応用分野•銀行口座利用
写真 、
指紋銀行口座利用
•パソコンlogin•部屋や施設への入室・入館の許可
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•勤怠(タイムカード代わり)
いろいろな生体認証の装置と応用分野(2)カメラを使うもの
虹彩 (松下電産のWebサイトより)
顔 携帯電話 Softbank 814Tなどパソコンlogin認証将来は 個人認証方法として最も有望(顔パス)将来は、個人認証方法として最も有望(顔パス)
8
生体情報の安全性について
問題
生体情報の安全性について
• 問題
– 一度漏れたら取り返しがつかない(性質上、変更できな)い)
– 例タク よる虹彩• コンタクトによる虹彩
• ゼラチンで作った指紋つき指
• 現在は 機械がだませる• 現在は、機械がだませる
• ただし、認証技術の発展によって、誤認識率は下げられる
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どうして個人認証は必要なの?
•• 銀行で銀行でATMATMからお金をおろすからお金をおろす
どうして個人認証は必要なの?
•• 銀行で銀行でATMATMからお金をおろすからお金をおろす
• 今はどうしている?
• カ ドを入れる(ポイント1)• カードを入れる(ポイント1)
• 暗証番号を入力する(ポイント2)
問題点• 問題点
• カードを盗まれ、暗証番号を知られたら・・・
•でも、バイオメトリクスなら•簡単には盗めません
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クレジットカ ドでものを買うクレジットカ ドでものを買う•• クレジットカードでものを買うクレジットカードでものを買う• 今はどうしている?• カ ドを見せる(ポイント1)• カードを見せる(ポイント1)• 署名をする(ポイント2)• 問題点• 問題点• 署名を偽物(他人)と見抜くのはなかなか難しい
• 他人と思っても 「あなたはご本人ではありませんね」• 他人と思っても、「あなたはご本人ではありませんね」とは言いづらい
• でも、コンピュータで認証すれば
• 「コンピュータが偽物と判定しましたのでカードは使えません」と言える
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署名認証をクレジットカードに応用す
所
る長所・短所
• 長所:
• 「つけ」で物を買うとき 自分の署名を書くとい「つけ」で物を買うとき、自分の署名を書くという文化が定着
他人の名前を書くということに抑止力• 他人の名前を書くということに抑止力
• 短所短所
• 認証率:他のバイオメトリクスに劣る
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それ以外の場面での署名のメリ トそれ以外の場面での署名のメリット
• 昔から、自分の書いたものであることを主張するのに 名前を書いてきた (テストのときするのに、名前を書いてきた。(テストのとき、何かの登録のとき、契約書を作成するとき )き、・・・)
• 自分から努力して書かなければならない・・・自分から努力して書かなければならない何かの間違いで他人が自分として認証されることはない 他人がなり済ますことを抑制することはない。他人がなり済ますことを抑制する効果
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筆跡個性は個人独自なものか
個性それぞれは 必ず も個人特有 はな
筆跡個性は個人独自なものか
個性それぞれは、必ずしも個人特有ではない(別の人も同じ個性をもつことが多い)
個性の組合せは独自的
これからわかることこれからわかることこれからわかることこれからわかること
特徴の組合せで判断すべき。特徴1 あり特徴1:あり
特徴2:なし Aさん
特徴3:あり特徴3:あり
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動的署名認証について
署名 証
動的署名認証について
• 署名認証
– 動的署名(オンライン署名)動的署名(オンライン署名)
• タブレット上に、専用の
ペンを使って入力 認証ペンを使って入力、認証
– 静的署名(オフライン署名)
紙に書いた署名を画像• 紙に書いた署名を画像
として入力、認証
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タブレットとペンタブレットとペン
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我々の実験装置
タブ
我々の実験装置
• Wacom タブレット Intuos, Intuos2, Intuos3• 通常の実験では、ボールペンつきのペン通常の実験では、ボ ルペンつきのペン
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取得できるデータ
筆圧 向き 角度 時刻
取得できるデータ
x y 筆圧 向き 角度 時刻305 358 0 169 58 22:12:10:271305 358 0 169 58 22:12:10:271307 362 0 169 58 22:12:10:291309 368 0 169 58 22:12:10:291309 368 0 169 58 22:12:10:291311 373 0 169 58 22:12:10:311311 378 0 169 58 22:12:10:311311 384 0 169 58 22:12:10:331309 389 0 167 57 22:12:10:331306 394 0 166 56 22:12:10:351301 398 0 164 54 22 12 10 351301 398 0 164 54 22:12:10:351298 401 0 163 52 22:12:10:371296 403 0 161 49 22:12:10:371294 408 0 160 47 22:12:10:391292 408 0 158 45 22:12:10:391290 406 0 156 43 22:12:10:411288 406 0 154 43 22 12 10 411288 406 0 154 43 22:12:10:411287 406 0 154 43 22:12:10:431286 405 0 152 44 22:12:10:431285 404 0 152 44 22:12:10:451284 403 0 151 45 22:12:10:451283 402 0 151 45 22:12:10:471281 401 0 151 46 22:12:10:471280 399 0 150 47 22:12:10:481280 398 0 150 47 22:12:10:491280 398 0 149 48 22:12:10:501280 396 0 149 49 22:12:10:511280 396 244 149 49 22:12:10:521
18登録されている署名(山田太郎)
y座標
向き 角度
ペン
標
x
向き
ペン
角度
タブレット面
筆圧
ン
タブレット
タ ッ 面
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署名における認証ポイント
• 署名の差異の種類
署名における認証ポイント
署名の差異の種類種類1
異なる文字を用いる(パスワード的。ただし、意図
認証異なる文字を用いる(パスワ ド的。ただし、
他人に容易に見られる環境では、使えない)
種類2
図的
証容易
同じ文字を使うにしても、くずす、筆順を変える、隠し点を設けるなど
種類3無 認種類3
署名のくせなど、容易にまねできない(本人も無意識)これのみで認証できれば望ましい
無意識
証困難
無意識)これのみで認証できれば望ましい
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特徴抽出の手順
全体的な特徴
特徴抽出の手順
1. 全体的な特徴
1. 2つの署名それぞれから、同じ手順で抽出署名それぞれ ら、同じ手順 抽出
2. 局所的な特徴
署名 ど 点とど 点が対応する か1. 2つの署名のどの点とどの点が対応するのかを知るためにマッチングを行う
2. 次に特徴を抽出する(種類 1~3)
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種類1のための特徴抽出
バランスの違い
種類1のための特徴抽出
• バランスの違い– 対応付けをし、対応した点の間の距離が大きければ、バランスが違う
とみなす• 字が違う場合や、書き順が違う場合にバランスが違ってくる
• 対応付けに失敗する対応付けをしたときに 片方の1点に他の署名の多数の点が対応付– 対応付けをしたときに、片方の1点に他の署名の多数の点が対応付けられる
• 字が違うような場合や、書き順が違う場合に対応付けがうまくいかない
静的特徴も な が多• 静的特徴も異なることが多い– たとえば、文字が違うために字画数や署名時間の違いなど
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実行例実行例
最終判定
判定に使用した情報
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違う字(雅⇒正)を用いた場合(種類1の違い)
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特徴量(全体的特徴)
署名接地時間 署名時間
特徴量(全体的特徴)
• 署名接地時間 署名時間• 署名中滞空時間 よどみの有無• 最⼤筆圧 瞬間的⼒の強さ最⼤筆圧 瞬間的⼒の強さ• 筆圧平均値 平均的⼒の強さ• 速度平均値 慣れ、筆記速度• 横幅 字の形• たて⾼さ 字の形• ペンの持ち⽅の⽅向平均 右利き左利き• ペンの持ち⽅の⽅向平均 右利き左利き• ペンの⾓度平均 ペンの持ち⽅• ストローク数 書き⽅の癖ストロ ク数 書き⽅の癖
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信頼性の高い認証システムへの障害要因
• 同じように書いても、時間が経過するとなかなか通らない
– 形よりも特徴に重点を置いた認証システムが必要要
– 不確実な要因を細かく分析し、それに対応する認識システムの開発が必要識システムの開発が必要
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署名認証の有望性署名認証の有望性
• 手法
インクの出ないペンで、動的署名を記載する
• 理由• 理由
– どんな署名文字、隠し点などを有しているかは、パ ドと 様 キ ベ を持パスワードと同様のセキュリティレベルを持っている
– さらに、個人特有の書き方の癖が含まれる
パスワードや暗証番号よりも強固ワ や暗証番号よりも強固
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署名認証は低認識率 だから・・・署名認証は低認識率。だから・・・
• 普通に考えれば、別のバイオメトリクスに置き換わっていくだろう
– クレジットカードのサイン
外国銀行などでの署名– 外国銀行などでの署名
– その他
顔認証、虹彩認証、静脈認証、…
生き残れるかどうかは微妙
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