肺の役割と呼吸不全

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肺の役割と呼吸不全. 基本的なこと. 簡単な肺の解剖生理 COPD, 間質性肺炎など. ベルライフケアクリニック  玉垣 芳則. 人間の肺の位置と気道. 正常の胸部レントゲン. 気管→気管支→肺胞. 肺の防禦機構. 1)咳. 2)気道のクリアランス. 3)マクロファージの貪食. 肺胞構造の立体的イメージ. ブドウのフサ様 肺胞の表面積はテニスコート一面ぐらい. 簡単な呼吸の生理学. 呼吸不全を理解するために. 酸素カスケード. (760-47)×0.21=149.7. 飽和水蒸気圧. 大気圧. 酸素解離曲線. 目安です!. ガス交換のイメージ. - PowerPoint PPT Presentation

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肺の役割と呼吸不全

基本的なこと

ベルライフケアクリニック  玉垣 芳則

簡単な肺の解剖生理

COPD, 間質性肺炎など

人間の肺の位置と気道

正常の胸部レントゲン

気管→気管支→肺胞

肺の防禦機構

1)咳

2)気道のクリアランス

3)マクロファージの貪食

肺胞構造の立体的イメージ

ブドウのフサ様

肺胞の表面積はテニスコート一面ぐらい

簡単な呼吸の生理学

呼吸不全を理解するために

酸素カスケード

(760-47)×0.21=149.7

大気圧 飽和水蒸気圧

酸素解離曲線

目安です!

ガス交換のイメージ

酸素

炭酸ガス

赤血球

ガス交換の模式図

毛細血管床通過時間0.0sec. 0.25sec. 0.50sec. 0.75sec.

PAO2

PaO2

A-aDO2

80 ~ 100Torr

15Torr 以下PaO2

速い!

呼吸不全とは?

PaO2 ≦60 Torr

で定義される

呼吸不全の分類

気管支喘息 間質性肺炎 肺動静脈瘻 COPD

慢性呼吸不全の病態生理肺高血圧症・肺性心

低酸素性肺血管収縮による

呼吸筋疲労 呼吸筋へのエネルギー供給の低下、呼吸筋の仕事量の増加による

中枢神経障害 CO2 ナルコーシス・うつ・不安感

消化管障害 胃粘膜血流の低下、胃酸の分泌低下による

肝障害 肺性心・右心不全による腎障害 水・ Na の排泄障害による

貧血 消耗性疾患により症候性(続発性)貧血となる

栄養障害 エネルギー摂取低下、呼吸筋の酸素摂取量増大による

呼吸不全を呈する疾患

呼吸器疾患

気道障害 気管支喘息・ COPD ・無気肺・気道異物

肺実質系障害 肺炎・肺出血・誤嚥・ARDS ・刺激ガスの吸入

肺間質系障害 種々の間質性肺炎血管系障害 肺塞栓・血管炎

胸膜・胸郭系 気胸・胸水

神経筋疾患 重症筋無力症・ギランバレー症候群・ ALS

肺循環障害 血栓塞栓症・心原性肺水腫

COPD とは?

日本呼吸器学会 COPD ガイドライン

2004 年

GOLD

GOLD updated 2003

2003 年

(昔の定義)慢性気管支炎と肺気腫

慢性または反復性に喀出される気道分泌物の増加状態で、このような状態が、少なくとも2年以上連続し、1年のうち少なくとも3ヶ月以上、大部分の日に認められる病態で他の肺疾患や心疾患に起因するものは除外する。

終末細気管支より末梢の気腔が異常に拡大し、肺胞壁の破壊を伴うが、明らかな線維化は認められない病態。

慢性気管支炎 肺気腫

日本呼吸器学会

症候的診断 病理的診断

GOLD の COPD の定義

完全に可逆的でない気流制限を特徴とする疾患である。この気流制限は通常進行性で、有害な粒子またはガスに対する異常な炎症反応と関連している。

GOLD

有害物質(喫煙 , 環境汚染 , 職業上の塵埃 )

COPD

遺伝因子

気道感染

その他

GOLD

炎症による気流制限

COPD の病因

細気管支病変気道炎症

気道再構築

肺実質の破壊肺胞付着能の低下弾性復元力の減弱

気流制限

GOLD

炎  症

COPD の臨床像に関する概念図

日本呼吸器学会

アメリカ合衆国における主な死因 1998

1. Heart Disease 724,269 2. Cancer 538,947 3. Cerebrovascular disease (stroke) 158,060 4. Respiratory Diseases (COPD) 114,381 5. Accidents 94,8286. Pneumonia and influenza 93,2077. Diabetes 64,5748. Suicide 29,2649. Nephritis 26,29510. Chronic liver disease 24,936   All other causes of death 469,314

死因 数(人)

GOLD

慢性気管支炎および肺気腫による死亡数と死亡率

2001年の死亡の第 10位

( 10.4)

日本呼吸器学会

COPD の主な原因は喫煙である。

アメリカ合衆国では4720万人 (男性の28%、女性の23% ) が喫煙をする。

WHO は世界中に11億人の喫煙者がいて、2025年には16億人になると見込んでいる。低・中所得国ではものすごい勢いで喫煙者が増加している。

COPD の主な原因は喫煙である。

アメリカ合衆国では4720万人 (男性の28%、女性の23% ) が喫煙をする。

WHO は世界中に11億人の喫煙者がいて、2025年には16億人になると見込んでいる。低・中所得国ではものすごい勢いで喫煙者が増加している。

GOLD

COPD と喫煙

多数の斑状・点状の透過性亢進上肺野に優位壁は非常に薄い

COPD の HRCT  

COPD の解剖の模式図

正常 肺気腫

症  状

咳咳痰痰

呼吸困難呼吸困難

リスクファクターの吸入 タバコタバコ職業職業

室内・室外の空気汚染室内・室外の空気汚染

スパイロメトリースパイロメトリー

GOLD

COPD の診断

スパイロメトリーとは?

• 肺活量( VC)• 努力生肺活量( FVC)• 1秒量( FEV1.0 )

性別・年齢・身長で予測値がわかる

1秒率= FEV1.0FVC( FEV1.0%

換気障害の分類

1秒率

肺活量 80%

70%

0%

100%

100%

拘束性換気障害

閉塞性換気障

混合性換気障害

正常

1秒率( FEV1.0%)

FEV1.0%< 70%・・・COPD ?COPD を疑う

FEV1.0

FVC× 100

FEV1.0%=

% 1秒量( %FEV1)

% 1秒量  =

FEV1.0(実測値)FEV1.0(予測値)

COPD は %FEV1で重症度を判定する。

スパイロメトリー

の見方

COPD の F-V 曲線

%FEV1

1秒率

ステージ 特徴0: リスクあり 正常なスパイロメトリー

慢性症状 ( 咳、痰 ) 

I: 軽症 FEV1/FVC < 70%; %FEV1 80% 症状(咳、痰)あるか、またはない

II: 中等症 FEV1/FVC < 70%; 50% %FEV1 < 80%

症状(咳、痰)あるか、またはない III: 重症 FEV1/FVC < 70%; 30% %FEV1 < 50%

症状(咳、痰、呼吸困難)あるか、またはない

Ⅳ: 最重症 FEV1/FVC < 70%; %FEV1 < 30% または % FEV1< 50% + 呼吸不全または右心不全の徴候

ステージ 特徴0: リスクあり 正常なスパイロメトリー

慢性症状 ( 咳、痰 ) 

I: 軽症 FEV1/FVC < 70%; %FEV1 80% 症状(咳、痰)あるか、またはない

II: 中等症 FEV1/FVC < 70%; 50% %FEV1 < 80%

症状(咳、痰)あるか、またはない III: 重症 FEV1/FVC < 70%; 30% %FEV1 < 50%

症状(咳、痰、呼吸困難)あるか、またはない

Ⅳ: 最重症 FEV1/FVC < 70%; %FEV1 < 30% または % FEV1< 50% + 呼吸不全または右心不全の徴候

GOLD

COPD の重症度分類

COPD の重症度分類の覚え方

リスクあり 軽症 中等症 重症 最重症

Stage0 StageⅠ StageⅡ StageⅢ StageⅣ

80% 50% 30%% FEV 1

こんな分類があるんだってことを、覚えておいてください・・・

COPD のまとめ

• 原因はタバコがほとんど。• 慢性気管支炎と肺気腫を区別しない。• 閉塞性換気障害がある。

–だからスパイロメトリーが大切。• 気道がやられるか、肺胞がやられるか、

どこもやられないか個人差がある。–遺伝的素因か?

間質性肺炎とは?

特発性間質性肺炎の分類

IPF 特発性肺線維症NSIP 非特異型間質性肺炎COP 特発性器質化肺炎AIP 急性間質性肺炎DIP 剥離性間質性肺炎RBILD 呼吸細気管支関連間質性肺疾患LIP リンパ球性間質性肺炎

IPF (特発性肺線維症)

• 労作時の呼吸困難から症状が始まる

• 拘束性換気障害である• HRCT で特徴的な所見があ

る(蜂窩肺・ honeycomb )

• 治療法ない。症状発現からの平均予後約5年。 HOT。

急性呼吸不全になりうる重要な呼吸器疾患

気管支喘息発作肺炎(オーム病・レジオネラ肺炎など)AIP (急性間質性肺炎) ALI/ARDS過敏性肺炎急性好酸球性肺炎

ALI: Acute Lung Injury ARDS: Acute Respiratory Distress SyndromeAIP: Acute Interstitial Pneumonia

AIP (急性間質性肺炎)

1. 胸部 X 線や CT上両側性のびまん性陰影を示すが,蜂巣肺は認めない.

2. 発熱,咳嗽などの感冒様症状に引き続き,急速に低酸素血症が進行する .

3. 血液検査では白血球上昇, CRP増加, KL-6上昇を認める .

4. 診断には既知の誘因によるARDSの除外が必要である.

5. 従来の Hamman-Rich症候群,および本邦の特発性間質性肺炎の急性型は本疾患と同一疾患 .

ALI/ARDS

ARDS の同義語として急性肺損傷( ALI:acute lung injury )があり, ALI の重症型がARDS.

ALI と ARDS は吸入気酸素濃度に対する動脈血酸素分圧の比で定義される肺酸素化指数: PF比( PaO2/FIO2 )によって区別. P/F: 300以下が ALI, 200 以下が ARDS

ARDS (急性呼吸窮迫症候群 )

①急性である。

②血液ガスの悪化

PaO2/FiO2< 200

③両側浸潤影 ( 正面像 )

④心不全でない。

肺動脈楔入圧: 18mmHg 以下

or臨床的に左房圧正常

(Bernard GR ら, 1994 年改変 )

ARDS の原因

直接的傷害

胃内容物の誤嚥肺炎溺水毒物吸引肺挫傷

間接的傷害

敗血症外傷(熱傷、脂肪塞栓)大量輸血人工心肺薬物中毒急性膵炎

ARDS の治療呼吸管理

早期より人工呼吸管理 PEEP 5 ~

15cmH2O

時には high PEEP

Permissive hypercapnia

循環管理

中心静脈圧 10cmH2O 以下

利尿剤・強心剤

原因治療

抗生剤

FOY等

その他の治療蛋白分解酵素阻害薬副腎皮質ステロイド薬

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