ミャンマーの投資環境と中小企業

ミャンマーの投資環境と中小企業

第５回アジア中古車流通研究会2013年 5月 25日

松岡憲司（龍谷大学）

ミャンマー調査

• 大阪経済大学中小企業・経営研究所の「産業集積研究チーム」として訪問

• 2012年 3月 24日 -29日• 訪問地–ヤンゴン–ネピドー

• 訪問先–日本大使館、三菱商事、国家計画経済発展省、ティラワ港、日系靴メーカー

ミャンマーの産業構造（ＧＤＰに占める比率）

産業 2006/07年 2010/11年

農業 45.3 37.8

鉱業 0.7 0.7

製造業 13.8 18.8

電気・ガス・水道 0.2 0.3

建設 3.8 4.5

商業 21.7 21.3

輸送・通信 11.9 13.9

金融 0.1 0.1

公共部門 0.9 0.8

出所　ＡＲＣレポート・ミャンマー　2012/13　ｐ .35

ミャンマーの製造業

•上位２００社の内、 40社が製造業•構成（中小企業の場合）

– 食品　 28.2％– 縫製業　 5.9％

•縫製業– 2002年には、全輸出の 14.9％を占め、品目別第二位。– その後、経済制裁で大打撃– 2009-2010年　衣料品のバンコク経由日本向けのテスト輸送

– 日本向け急増• 2011年前年比　 73.4％

– 紳士服、ワイシャツ、作業着、ダウンジャケット

出所： ARCレポートより

出所：ジェトロ世界貿易投資報告（ミャンマー編） 2012年版

投資動向

• 2010年度　 199億 9800万ドル、過去最高• 2011年度　 46億 4450万ドルで前年比 -

76.8％• 分野–石油・ガス、電力といったエネルギー関連が主

– 2011年度の内、 43億 4400万ドルが中国による水力発電投資


外国投資法• 1988年　外国投資法制定• 2012年 11月 2日、新外国投資法成立– 法人税減免期間が３年から５年に延長– ミャンマー投資委員会（MIC)による規制（ 2013年 1月

31日発表）• 外国投資が禁止される分野　 21• 外国企業がミャンマー企業との合弁のみによって認可される分野　 42

• 投資認可に当たって事業の所管省による意見書や連邦政府の承認などが求められる分野　 115

• 特定の条件下でのみ参入可能な分野　 27• 環境アセスメント（ EIA）が認可の条件となる分野　 34

JETROホームページ、世界のビジネスニュース（通商弘報）

外国投資法

• 国家計画経済発展省での聞き取り–独資を認めない産業　 15-20種類–鉱山、観光、天然資源についてはMICを通さない

–最低投資額　 150万ドル

ミャンマーの中小企業基準小企業中企業

使用出力（ＨＰ） 3から 25 26から 50

従業者数（人） 10から 50 51から 100

投資資本（百万チャット） 1　まで 1超　 5まで

年間売上高（百万チャット） 2.5まで 2.5超　 10まで

Nay Pyi Taw(2012) “Small and Medium Enterprises in Myanmar”

ミャンマーの中小企業（公共部門）　社

Sr. Categories 2006 2007 2008

1 Food and Beverages 179 166 145

2 Clothing and wearing apparel 44 43 45

3 Construction materials 134 125 122

4 Personal goods 28 43 43

5 Household goods 28 23 29

6 Printing and Publishing 31 35 34

7 Industrial raw materials 48 46 42

8 Mineral and Petroleum Products 23 27 30

9 Agricultural Equipment 10 10 11

10 Machinery and Equipment 22 24 20

11 Transport Vehicles 172 169 14

12 Workshops and dockyards 108 112 122

13 Miscellaneous 93 94 83

Total 920 917 740Nay Pyi Taw(2012) “Small and Medium Enterprises in Myanmar”

ミャンマーの中小企業（民間）　社Sr. Categories 2005 2007 2008

1 Food and Beverages 24,954 27,743 26,269

2 Clothing and wearing apparel 1,920 1,867 1,805

3 Construction materials 2,946 2,948 2,814

4 Personal goods 937 768 782

5 Household goods 157 219 193

6 Printing and Publishing 312 339 271

7 Industrial raw materials 1,116 924 605

8 Mineral and Petroleum 1,641 1,530 1,597



11 Transport Vehicles 83 87 91

12 Electrical goods 33 28 28

13 Miscellaneous 5,045 5,270 5,421

Total 39,619 38683 40,194


ミャンマーの中小企業（全国、 2011年 9月）Sr. Categories Public Private Total

1 Food and Beverages 92 53,320 35,412

2 Clothing and wearing apparel 29 7,381 7,410

3 Construction materials 125 4,869 4,994

4 Personal goods 46 5,180 5,226

5 Household goods 26 1,164 1,190

6 Printing and Publishing 27 8,101 8,128

7 Industrial raw materials 75 2,578 2,653

8 Mineral and Petroleum 29 3,758 3,787



11 Transport Vehicles 30 1,562 1,592

12 Electrical goods 85 1,029 1,114

13 Miscellaneous 158 52,540 52,698

Total 733 124,956 125,689


ミャンマーの中小企業、部門別構成（企業数）

ミャンマーの中小企業

THEIN WIN” Seeking Ways and Means to Finance The Small and Medium Business Enterprises In Their Development Efforts”

大企業と中小企業の割合

THEIN WIN” Seeking Ways and Means to Finance The Small and Medium Business Enterprises In Their Development Efforts”

国家計画経済発展省カンゾ—大臣

• 国家計画経済発展省– 以前は財務省に統合されていたが、 3-4年前に分離独立

• カンゾ—大臣– 1995年　アジ研、京大に滞在– ヤンゴン経済大学でも教鞭

• ミャンマー、４つの課題– 農業– 地域間バランス– 人口増への対応– 統計の整備

カンゾ—大臣

• 改革の３段階– 政治改革

• 少数民族との和平• 政治的透明性

– 経済改革• 人間中心の開発• インフラ整備

– 行政改革• 汚職をなくす• 責任• 透明性

工業団地

• 全国で　３２ヶ所の工業団地–ヤンゴン管区　 18ヶ所• ミンガラドン工業団地

– 1998年開業– 味の素など日系 5社を含む 9社が進出（ HPより）– 2012年ハニーズ進出、第二工場進出予定（ 2014年 4月より）

–マンダレー管区　 4ヶ所

11

21

3

22

特別経済区Special Economic Zone

すべて計画中

Dawei SEZ

Thilawa SEZ

Kyaukphyu SEZ

ティラワ市内からクルマで 40分

出所：MITTプレゼン資料より

ティラワ（ Thilawa)特別経済区

　

出所：MITTプレゼン資料より

ティラワの特別経済区（ SEZ)予定地

報告者撮影

ミャンマーの投資環境と中小企業

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