[第3回日韓若者フォーラム] npo法人 good!! (jp)

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日本のひきこもりの現状 日本における、不登校、ひきこもり、ニートなどの青少年問題。「ひきこもり」 という言葉が市民権を得るようになって 10 年以上。人とうまく関係を築けず、自 宅や自室にひきこもり、社会との接点をもてない若者の数が 100 万人を超える、と いう調査結果もあります。 good!設立趣旨 人と関わることがうまくできない、本音で話ができる仲間がいない、という若者たち。 一見普通に見えても、別におもしろいことなんかない自分が何をやりたいのか分から ない。そして、自分の人生なんて所詮はそんなものだと、あきらめてしまう。 いったいどうしたというのでしょうか。理由はきっと一つだけではないでしょう。しか し、その中の大きな要素として、あまりにも価値観が限定されすぎてしまっている、とい うことがあるでしょう。いい子にして、いい学校に行って、いい会社に入ることが、いい 人生なのだと幼少の頃から植え付けられ、そのいい人生のために、友達も、好きなこと も、全てを投げ捨てる。できて当たり前、できなければ落ちこぼれ。一歩でも足を踏み外 したら、もう取り返しのつかないダメな人生・・・。 しかし、人生というのはそれだけのものなのでしょうか。学校では教えてくれないこと、 勉強以外から学ぶこと、その中に本当に大切なものがあるのではないでしょうか。それは、 人との出会いだったり、人と本音でぶつかって傷つくことだったり、大失敗をしてそこか ら学ぶことだったり。誰かに教わったのではなく、体で、肌で感じたこと。それがいつか 絶望から這い上がる力となり、新しいことに挑戦する原動力となると思うのです。 若いうちに視野を広げること、自分の懐を深くすることは、人生を豊かにすることです。 グッドは、そんな契機のひとつになることを目的に、2001年1月より活動を始めまし た。「不登校・ひきこもり経験者を含む、すべての若者」を対象に、国内・外で、ボランタ リーな肉体労働などを行うワークキャンプを中心に様々な活動を続けています。共同生活、 労働の分かち合い、貧困や社会的な問題に直面する現場を体験することで、参加者たちは 確実に何かを感じ、新しい一歩を歩き始めています。また、人と関わることが出来ず、ひ きこもり状態を続けていたたくさんの若者が社会復帰を果たしており、私達の活動の可能 性を強く感じております。 NPO 法人 good! の取り組み 私たちは、そんな日本の若者たちが自分らしく生きるためのきっかけづくりを応援する NPO 法人です。主な活動は、国内外の様々な場所で実施しているボランティアワークキャ ンプ。中学生から大学生、社会人、フリーター、外国人など、幅広い世代や経歴を持った

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Page 1: [第3回日韓若者フォーラム] NPO法人 Good!! (JP)

日本のひきこもりの現状

日本における、不登校、ひきこもり、ニートなどの青少年問題。「ひきこもり」

という言葉が市民権を得るようになって 10年以上。人とうまく関係を築けず、自

宅や自室にひきこもり、社会との接点をもてない若者の数が 100万人を超える、と

いう調査結果もあります。

good!設立趣旨

人と関わることがうまくできない、本音で話ができる仲間がいない、という若者たち。

一見普通に見えても、“別におもしろいことなんかない” “自分が何をやりたいのか分から

ない” 。そして、自分の人生なんて所詮はそんなものだと、あきらめてしまう。

いったいどうしたというのでしょうか。理由はきっと一つだけではないでしょう。しか

し、その中の大きな要素として、あまりにも価値観が限定されすぎてしまっている、とい

うことがあるでしょう。いい子にして、いい学校に行って、いい会社に入ることが、“いい

人生”なのだと幼少の頃から植え付けられ、その“いい人生”のために、友達も、好きなこと

も、全てを投げ捨てる。できて当たり前、できなければ落ちこぼれ。一歩でも足を踏み外

したら、もう取り返しのつかないダメな人生・・・。

しかし、人生というのはそれだけのものなのでしょうか。学校では教えてくれないこと、

勉強以外から学ぶこと、その中に本当に大切なものがあるのではないでしょうか。それは、

人との出会いだったり、人と本音でぶつかって傷つくことだったり、大失敗をしてそこか

ら学ぶことだったり。誰かに教わったのではなく、体で、肌で感じたこと。それがいつか

絶望から這い上がる力となり、新しいことに挑戦する原動力となると思うのです。

若いうちに視野を広げること、自分の懐を深くすることは、人生を豊かにすることです。

“グッド”は、そんな契機のひとつになることを目的に、2001年1月より活動を始めまし

た。「不登校・ひきこもり経験者を含む、すべての若者」を対象に、国内・外で、ボランタ

リーな肉体労働などを行うワークキャンプを中心に様々な活動を続けています。共同生活、

労働の分かち合い、貧困や社会的な問題に直面する現場を体験することで、参加者たちは

確実に何かを感じ、新しい一歩を歩き始めています。また、人と関わることが出来ず、ひ

きこもり状態を続けていたたくさんの若者が社会復帰を果たしており、私達の活動の可能

性を強く感じております。

NPO 法人 good!の取り組み

私たちは、そんな日本の若者たちが自分らしく生きるためのきっかけづくりを応援する

NPO 法人です。主な活動は、国内外の様々な場所で実施しているボランティアワークキャ

ンプ。中学生から大学生、社会人、フリーター、外国人など、幅広い世代や経歴を持った

Page 2: [第3回日韓若者フォーラム] NPO法人 Good!! (JP)

若者が参加しています。また、不登校やひきこもりの経験者など、人づきあいが苦手な若

者も数多く参加しています。2001 年から活動を開始し、今年で 12 年目。2012 年の 5 月ま

でに 88 回のワークキャンプを実施し、延べ 1,600 人を超える若者たちが活動に参加してき

ました。活動を通して、多くの若者たちが新しい仲間と出会い、様々な体験を通じて、着

実に新しい一歩を踏み出しています。

ワークキャンプって何?

日常を離れて日本国内・海外の様々な地域を訪れ、共同生活やホームステイをしながら、

その場所が必要としている仕事(ワーク)を行う活動です。様々な作業をボランティアで

行います。新しく出会った仲間たちが、ただ一緒に汗を流して働いて、飯を食って、笑っ

て、語って、寝る!そんなシンプルな毎日を通して、若者たちの人間的な成長を目指しま

す。

ワークキャンプの主な活動先と活動内容

海外ワークキャンプ

タイやモンゴル、スリランカなどで、井戸掘りや学校建設などのインフラ整備のお手伝い

をするキャンプを行っています。また、2001 年より、KNCU(韓国ユネスコ委員会)の

協力により、韓国各地で韓日の若者が 10 名程度ずつ参加し、共同生活協同作業を行うワー

クキャンプも毎年続けております。

国内ワークキャンプ

日本国内各地で農作業などのお手伝いを 1 泊 2 日から 3 週間まで様々な日程、内容のプロ

グラムで実施しています。また 2011 年 6 月からは、東日本大震災復興プログラムの活動も

続けています。

フリースペースと共同生活寮

事務所は、フリースペースと共同生活寮にもなっており、高校生から大学生、社会人、

外国人、フリーター、ひきこもり状態にある人など、とにかく人と関わりたい人たちがや

ってきます。学校の先生や医療関係、IT、営業、マスコミ、エンジニア、介護士、整体師、

公務員…。経歴は本当に多種多様。事務所の仕事をお手伝いしたり、晩御飯を一緒に食べ

たりしながら交流をします。

事務所は共同生活寮にもなっており、不登校やひきこもり状態からの自立を目指す寮生

が、スタッフと寝起きを共にしています。またフリースペースに通いながら、人との関わ

りに慣れていきたい、という方のプログラムも用意しています。