φ1mmのパイプ1本で最大7点の温度計測を実現特殊な温度計の特性を見極めることで製品の仕様を明確に

企業概要所 在 地：東京都北区昭和町二丁目６番５号事業概要：温度測定用精密機械、温度センサの開発・製造・販売　　　　　 「シース熱電対の極細化では世界トップクラスの実績を持ち、さらに絶対零度近くから超高温域まで素早

く正確に計測できる製品の開発に挑戦しています。」

連携先：株式会社日本熱電機製作所

お問い合わせ先　沼尻 治彦／佐々木 正史／倉持 幸佑／河原 大吾 　地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター　 連絡先：技術開発支援部　numajiri.haruhiko@iri-tokyo.jp

公設試の貢献　φ0.1mm極細シース熱電対の開発にあたり、過熱により断線する温度を把握するための耐熱試験、連続暴露による熱起電力の変化量を把握するための耐久性試験等を行うことで単体の温度計としての性能を確認した。　一本のパイプの中に複数の測定点が存在するＭＰセンサは普通の温度計とは違う特性をもつと考え、独自の評価項目をあげ実施しました。例えば右図のように外側のパイプを伝わってくる熱が各測定点にどの程度影響するか(熱伝導の影響)を調べた結果です。ユーザー視点からの問い合わせに対しては、これらの評価結果をもとに特徴を説明しています。

評価の１例：熱伝導の影響

　JIS C 1605「シース熱電対」に規定されている最も細い径は0.5 mmとなっており、またこれまで極細として一般的に市販されていた製品でもその径は0.15 mmであったのに対し、φ0.1 mmの”超”極細シース熱電対を開発し、その性能を評価することで製品化に成功した。　開発したφ0.1 mm極細シース熱電対の特徴を活かして1本のパイプの中に長さを変えた複数の極細熱電対を設置することで、複数の測定点をもつ温度計(ＭＰセンサ)の開発を試み、どのような挙動を示すのか、その特性について調べ、製品としての仕様を明確にした。

連携成果の概要・特徴

測定イメージＸ線撮影の位置によって内部の熱電対の本数が違う

上：ＭＰセンサ／下：Ｘ線写真

左：JIS 最細品 φ0.5mm／右：開発品 φ0.1mm

髪の毛くらいの太さです先端のＸ線写真

頭髪の直径：0.05mm ～ 0.15mm

26