クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン note

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ようこそ食支援クラウドへ 訪問診療や口腔ケアのみという症例もありますので、全ての 症例に食支援クラウドを使う必要性はありません。 継続してケアとリハを行う方や嚥下難症例を受け持った場合 は、1度はクラウドの診察項目を入力して予後予測と対応を 検討して「多職種連携型の食支援」を実践下さい。 必ず、本マニュアルに沿って「食支援連携ソフト」をご体 験下さい。 1

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Page 1: クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン Note

ようこそ食支援クラウドへ

訪問診療や口腔ケアのみという症例もありますので、全ての症例に食支援クラウドを使う必要性はありません。

継続してケアとリハを行う方や嚥下難症例を受け持った場合は、1度はクラウドの診察項目を入力して予後予測と対応を検討して「多職種連携型の食支援」を実践下さい。

※ 必ず、本マニュアルに沿って「食支援連携ソフト」をご体験下さい。

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Page 2: クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン Note

クラウドを作成するにあたり「有識者の思考回路を分析して診察項目を決めました」そして「遠隔指導を行うために最低限必要な入力情報を整理」しました。

嚥下リハの回答は一つではありませんが、少なくとも遠隔支援ができるということは、嚥下リ 回答 ありま 、少なく も遠隔支援 きる う 、学問的なフローチャートに近い形であろう、という結論より、様々な状況に対応できる専門性の高い入力から予後予測を研修します。

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Page 3: クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン Note

食支援連携ソフトとは?

依頼(ケアマネジャー等からの情報収集)から身体診察までの入力を行うと、評価とプランニングがナビゲートされ、不安なときはクラウド内のスーパバイザーから各症例のラン ング ナ ゲ され、不安な き クラウ 内 イザ ら各症例遠隔支援が可能となります。

また、フィクションで作成された在宅仮想症例集を継時的に閲覧することで摂食嚥下障害の予後予測と対応を学ぶソフトです。

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Page 4: クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン Note

摂食嚥下障害の原因には口の状態もありますが、多くは原疾患(介護の原因となった疾患)の結果として口の問題が起こります。

つまり、体の障害が起こっている部位(脳・神経・筋肉)と嚥下障害が起きている口やノまり、体 障害 起 る部位(脳 神経 筋肉) 嚥下障害 起き る やドなどの部位が相違しているのです。

しかしながらノドと口だけを診ている(診察)ために、摂食嚥下障害の予後予測をキチント立てられないことが、多職種連携型食支援にとって最も欠如している問題と考えます。

※スライドの左側は、しっかり頭に入れておきましょう。

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Page 5: クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン Note

脳血管障害においては、

一側性麻痺(脳の片側がダメージ)では、主に口腔期の問題(麻痺)が残存することがあります。

この場合は、嚥下機能そのものには障害は少ないですが、口腔期の問題により機会的に誤嚥が起こることがあります。

また、高齢者は廃用(機能を使わないとさらに機能低下する)を伴うことが多い為、口腔機能向上にて誤嚥を予防(上手に食物をノドに送り込む機能を回復)することが可能です

一方、両側性麻痺(脳の両側がダメージ)では、水分のみ誤嚥・工夫をしていない食形態で誤嚥・唾液すら誤嚥というさまざまなレベルの嚥下障害が起こり、そのレベルを調べることが重要です。

このように、

① 脳血管障害では、一側性【片麻痺による歩行不全】か?両側性麻痺【両側麻痺による歩行不能】かなのか?をまず既往歴から調べ ADLの診察と摂食嚥下障害のレベよる歩行不能】かなのか?をまず既往歴から調べ、ADLの診察と摂食嚥下障害のレベルの探索を行います。

➁ 認知症では、歩行不能の重度期になっても嚥下機能は比較的保たれることが多く機会誤嚥を予防しつつステージ評価を行います。嚥下機能障害は主に終末期に訪れます。(予知的対応が可能)

③ 神経変性疾患では、ノドに送り込む機能と嚥下を行う機能(咽頭圧)という筋肉の力(パワー・稼動閾・巧緻性)が減弱します そして ある一定の閾値を超えると誤嚥す力(パワー・稼動閾・巧緻性)が減弱します。そして、ある一定の閾値を超えると誤嚥するため観察力が必要となります。

まず「原疾患の3つの公式」を覚えましょう!

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Page 6: クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン Note

一般的に① 軽い脳血管障害では、2‐3日で回復して完全歩行退院と投薬管理となります。

➁ 中等度の脳血管障害では、血管イベント直後は重症化しますが、2-3週間で急速に回復し、ペーストや軟食可能で軽度の麻痺を伴い退院します。

③ 重度の脳血管障害では、後遺症が残り、回復期・慢性期病院への転院となり、病院でのリハビリが必要となります。食形態はさまざまで、回復期間は約6ヵ月から1年です。その後は、一定の麻痺が残存する後遺症が残ります。

④ かなり重篤な脳血管障害(大脳皮質の広範な両側へのダメージ・小脳や脳幹部へのダメージ)は重症度の相違する嚥下障害が後遺症として残り、なかには気管切開などが必要になる方もいます。

以上のように、1回の血管イベントでは、①〜④の経過となりますが、地域で暮らす療養者の死までの軌道は、スライドのようになります。つまり、障害の重症度により一定のレベルの摂食嚥下障害が後遺症として起こります。

この、一定という意味が大切で、次回の血管イベントが起こるまでは現状の摂食嚥下障害(麻痺)が良くなることも、悪くなることもないという意味です。

スライド青点線のラインは、移乗・歩行困難時期を示します。

移乗・歩行不能でない片麻痺でも歩ける方が嚥下障害になる事は、特別な疾患(上肢型ALSや筋疾患等)を除いてありません。

まず、① 車椅子でも室内程度は歩けるかどうか?① 車椅子でも室内程度は歩けるかどうか?

➁ 次に、ベッドやトイレ移乗の時の様子が、片麻痺なら、そう介助は困難ではありません。 両側性麻痺であれば、非常に困難になります。この2点のADL情報収集が特に重要です。

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Page 7: クラウド食支援連携ソフトマニュアル講演用@ショートヴァージョン Note

一側性脳血管障害では、ほとんどの症例が6ヵ月を経過すると嚥下障害は回復します。

避けられない誤嚥(両側性麻痺)と避けられる誤嚥(廃用・一側性麻痺)を見極めましょう。

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脳血管障害は脳のダメージが口腔嚥下機能に影響を与えます

①ADLの情報収集(既往歴)から情報を得る。(脳卒中の回数や過去の脳卒中後の歩行状態の聞き取り)➁脳卒中発症後6ヵ月過ぎまでは、摂食嚥下障害の後遺症は回復経過過程である。➁ADL診察から両側性麻痺の有無を確かめ、摂食嚥下障害の重症度を知る。

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アルツハイマー型認知症では下記のステージを評価します。

①認知症の前段階(MCI):正常老化過程で予想されるよりも認知機能が低下しているが、認知症とはいえない状態。(最初におかしいと気づくのは本人)気

➁軽度 認知症 :物忘れが多くなり、短期記憶が低下します。これらの症状が目立ってきたり、医師の診断を受けた時が「周りの方が認知症に気づいた時期」です。

③中等度認知症 :介護の山場と言われ、短期記憶低下とともに見当識障害(人や周囲の状況、時間、場所など自分自身が置かれている状況などが正しく認識できない状態)

そして時間⇒場所⇒人が分からなくなり、徘徊や問題行動を起こす時期です。

④重度認知症 :軽度(2‐3年)中等度(4‐5年)を経て、失禁⇒移乗・歩行困難になり重度期を迎えます。

嚥下機能は重度期でも比較的保たれますが 2 3年の嚥下機能は重度期でも比較的保たれますが、2‐3年の経過で終末期がおとずれると嚥下機能不全となります。

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アルツハイマー型認知症は、記憶が低下する軽度期、色々な関係性の問題が起こる中等度期(介護の山場とも言います)、そして身体症状が起こる重度期に分かれます。

スライドのように、短期記憶の低下とともに長期記憶が低下します。同時に、時間、場所、人の順番で環境を理解する能力が奪われていきます。

後期には、失禁や歩行障害が現れ、全体でみると約10年の経過を坂道を下るようにゆっくりと低下し、死にいたる病気です。

同じように、食事パターンや食物の認識がうすれ、身体症状の現れる失禁・歩行不能時期から自食が困難になり全介助に移行します

この時期から咀嚼の動きが低下し、軟らか食となりますが終末期まで嚥下は保たれます。

認知症のどのステージに利用者がいるのか?を検討します。これは認知に気づいた時期(初期の中間)と歩行ができなくなった時期を聞き取ることで推測できます。

注意点

①認知発症に最初に気づくのは本人です その後家族もおかしいと感じ 本人のとり①認知発症に最初に気づくのは本人です、その後家族もおかしいと感じ、本人のとりつくろいがでてきます。

多分問診では、初期以降で、医師からの診断がついた時期が認知症の始まりとなります。

②歩行ができなくなったとは、車椅子に乗っているだけではなく「移乗が困難になった時期」を目安にします。

問題行動が多い中等度期に利用者がいる場合は、家族は混乱しておりますので「その後は寝たきりになる時期がきますので、今は色々な問題をうまく切り抜けましょう」などと支援します。

寝たきりであれば、形あるものが食べられているのか?など今後の食形態についてもアドバイスします。

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神経変性疾患や筋疾患は多様性を示し、同じ病名でも各症例で進行が違います。観察力を高めておきましょう。

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運動で覚えておくのは

①随意運動(脳血管障害)とは➁不随運動(神経変性疾患)とは➁③協調運動(小脳機能)とは

の3つです

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導入時期は、初心者にとって「つまずきやすい、断念する時期」が予想されますので、必ず事前研修マニュアルに沿って「食支援連携ソフト」を体験いただければ幸甚です。

この食支援クラウドはみなさまと共に内容を更新し、効率的で質の高いソフトへと進化食支援クラウ みなさま 共 内容を更新 、効率的 質 高 ソ 進化していく所存であります。

文責:全国在宅療養支援歯科診療所連絡会(HDC在歯連) 事務局 大石善也

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