ソシオセマンティクス特論／概念構築Ｂ〈場〉...

20032003 年年 44 月月 1515 日日

ソシオセマンティクス特論／概念構築Ｂソシオセマンティクス特論／概念構築Ｂ〈場〉のチカラとファシリテーション〈場〉のチカラとファシリテーション

April 15, 2003 www.fklab.net

コミュニケーションをどう考えるコミュニケーションをどう考えるかかヒューマン・コミュニケーションヒューマン・コミュニケーション Axiom … Axiom … 公理→作業用の基本前提公理→作業用の基本前提

Watzlawick, Bervin, & Jackson (1967) Watzlawick, Bervin, & Jackson (1967) PrPragmatics of Human Communicationagmatics of Human Communication


５つの公理５つの公理コミュニケーションと行動コミュニケーションと行動内容（メッセージ）⇔関係性内容（メッセージ）⇔関係性シークエンス⇔分けるシークエンス⇔分けるデジタル⇔アナログデジタル⇔アナログ対照的⇔相補的対照的⇔相補的


One cannot One cannot notnot communicate communicate いかなる行動もメッセージ性をもついかなる行動もメッセージ性をもつ〈行動しない〉ということも、〈行〈行動しない〉ということも、〈行

動〉として理解することができる動〉として理解することができるコミュニケーションせざるをえないコミュニケーションせざるをえないわれわれの行動のすべてがコミュニわれわれの行動のすべてがコミュニ

ケーションケーションとしてとして理解できる理解できる


Content and relationship levelsContent and relationship levels コミュニケーションは、コミットメコミュニケーションは、コミットメ

ントである　→　関係性を定義するントである　→　関係性を定義する内容（メッセージ）内容（メッセージ）関係性関係性


メッセージの内容と関係性：例メッセージの内容と関係性：例

徐々に、なめらかにクラッチをゆる徐々に、なめらかにクラッチをゆるめましょうね。めましょうね。

そんなふうにクラッチをゆるめたら、そんなふうにクラッチをゆるめたら、トランスミッションが一発でこわれトランスミッションが一発でこわれるよるよ。。


Punctuation of sequence of Punctuation of sequence of eventsevents

コミュニケーションは、プロセスでコミュニケーションは、プロセスであるある

「はじまり」と「おわり」をどのよ「はじまり」と「おわり」をどのように理解するかうに理解するか


WatzlawickWatzlawick らによるらによるコミュニケーションのモデルコミュニケーションのモデル

Pragmatics of Human Communication (1967)Pragmatics of Human Communication (1967)

AA

BB

メッセージメッセージ

11 33 55 77 99 1111

22 44 66 88 1010


Digital and Analogic CommunicationDigital and Analogic Communication

デジタルとアナログデジタルとアナログ非言語的コミュニケーション非言語的コミュニケーション

姿勢・ジェスチャー・表情・声（トー姿勢・ジェスチャー・表情・声（トーン）・リズム・抑揚ン）・リズム・抑揚

内容（メッセージ）と関係性内容（メッセージ）と関係性


デジタルとアナログとの関係性デジタルとアナログとの関係性デジタル的コミュニケーションは、論理デジタル的コミュニケーションは、論理

的（ある程度の再現性がある）だが、関係的（ある程度の再現性がある）だが、関係性の意味づけは容易ではない。性の意味づけは容易ではない。

アナログ的コミュニケーションは、関係アナログ的コミュニケーションは、関係性の意味づけが可能であるが、曖昧さを排性の意味づけが可能であるが、曖昧さを排除した定義は容易ではない除した定義は容易ではない


Symmetrical and Symmetrical and complementarycomplementary

対照的なコミュニケーション対照的なコミュニケーション相補的なコミュニケーション相補的なコミュニケーション


対照的か相補的か対照的か相補的か対照的な関係性対照的な関係性

「平等」にもとづいて規定される「平等」にもとづいて規定される相補的な関係性相補的な関係性

「差異」にもとづいて規定される「差異」にもとづいて規定される社会的・文化的文脈によって規定され社会的・文化的文脈によって規定され

ることが多い（母と子；患者と医者；ることが多い（母と子；患者と医者；学生と教員）学生と教員）


まとめまとめコミュニケーションせざるをえないコミュニケーションせざるをえないコミュニケーションはつねに関係性をコミュニケーションはつねに関係性を

示唆する示唆する「はじまり」と「終わり」は流動「はじまり」と「終わり」は流動アナログの意味アナログの意味個人の〈位置〉個人の〈位置〉 ----- ----- あるいは〈場所〉あるいは〈場所〉

は、関係性によって相対的に決まるは、関係性によって相対的に決まる


プログラム・プロジェクトの関係性プログラム・プロジェクトの関係性

研究会（ゼミ）からプロジェクトへ研究会（ゼミ）からプロジェクトへプロジェクトの集合としての学習プログプロジェクトの集合としての学習プログ

ラムラム理論的関心：プロジェクトを横断するテーマ理論的関心：プロジェクトを横断するテーマ方法論の開発（メディアの活用）方法論の開発（メディアの活用）社会との関わり（現場を持つ）社会との関わり（現場を持つ）


学習プログラムの分類学習プログラムの分類

学び（受容的）学び（受容的）

創造（能動的）創造（能動的）

参考：「ワークショップ」（中野民夫）参考：「ワークショップ」（中野民夫）

個人（内向き）

個人（内向き）

社会（外向き）

社会（外向き）

ⅡⅡ　社会を変革　社会を変革する成果を出したする成果を出したり、行動する。り、行動する。

ⅢⅢ　社会・自然・　社会・自然・環境のことを体験環境のことを体験したり、学ぶ。したり、学ぶ。ⅣⅣ 　個人の内面　個人の内面を深めたり、心を深めたり、心と身体を癒す。と身体を癒す。

ⅠⅠ 　個人の内面　個人の内面を表現したり、何を表現したり、何かを創造する。かを創造する。


学習プログラムの分類学習プログラムの分類参考：「ワークショップ」（中野民夫）参考：「ワークショップ」（中野民夫）

７　統合系７　統合系４　自然・環境系４　自然・環境系

１　アート系１　アート系創造する（生み出す・アウトプット）創造する（生み出す・アウトプット）

個人（個人の変容・成長）


社会（社会変革）


５　教育・学習系５　教育・学習系

２　まちづくり系２　まちづくり系

６　精神世界系６　精神世界系

３　社会変革系３　社会変革系

学ぶ（感じる・理解する・プロセス）学ぶ（感じる・理解する・プロセス）


ちゃき組ちゃき組

〈場〉のチカラプロジェクトの分類〈場〉のチカラプロジェクトの分類

参考：「ワークショップ」（中野民夫）参考：「ワークショップ」（中野民夫）

ケータイケータイ

創造する（生み出す・アウトプット）創造する（生み出す・アウトプット）個人（個人の変容・成長）




ゆとりの時間ゆとりの時間

RF-IDRF-IDプログラムファシリテータープログラムファシリテーター

専修講座専修講座

コトバノアトリコトバノアトリエエ

学ぶ（感じる・理解する・プロセス）学ぶ（感じる・理解する・プロセス）

ネコミネコミ

学習ゲーム学習ゲーム


ちゃき組ちゃき組

ターゲットと時間ターゲットと時間

社会人→生涯教育へ社会人→生涯教育へ

定期的

（

継続的

）

定期的

（

継続的

）

不定期

（

単発的

）

不定期

（

単発的

）

ゆとりの時間ゆとりの時間

RF-IDRF-IDプログラムファシリテータープログラムファシリテーター

専修講座専修講座

コトバノアトリコトバノアトリエエ

子供→高等教育へ子供→高等教育へ

ネコミネコミ

学習ゲーム学習ゲーム

ケータイケータイ


〈場〉とはなにか〈場〉とはなにか伊丹敬之（伊丹敬之（ 19991999 ）『場のマネジメント』）『場のマネジメント』

（（ NTTNTT 出版）出版）人々が参加し、意識・無意識のうちに相互に観察し、コミュニケーションを行い、相互に理解し、相互に働きかけ合い、共通の体験をする、その状況の枠組みまずは、作業用の定義（ working definition ）としてつかう。


人は〈場所〉に人は〈場所〉に文化的社会的意味を授ける文化的社会的意味を授ける

David HarveyDavid Harvey「空間から場所へ、そして再び元へ」「空間から場所へ、そして再び元へ」（（ 1991; 1991; From space to place, and back againFrom space to place, and back again ））

物質的、表現的、象徴的な活動を通じた、物質的、表現的、象徴的な活動を通じた、場所を構築する政治学がある。そして、こ場所を構築する政治学がある。そして、これらの活動は、個人一人一人が場所に対しれらの活動は、個人一人一人が場所に対して、時間や労力を費やし、結果としてコて、時間や労力を費やし、結果としてコミュニティとしての権限を獲得できるよミュニティとしての権限を獲得できるようなものでなければならない。うなものでなければならない。


ファシリテーターとはファシリテーターとは

FacilitateFacilitate （困難な仕事などを）容易にする、都合よく（困難な仕事などを）容易にする、都合よく運ばせる；運ばせる；

（交渉などを）促進する、円滑にする。（交渉などを）促進する、円滑にする。 FacilitationFacilitation FacilitatorFacilitator FacilityFacility


ファシリテーターとはファシリテーターとは山本成二・美濃一朗（山本成二・美濃一朗（ 19911991 ）『研修ゲーム）『研修ゲームハンドブック』日経連広報部ハンドブック』日経連広報部

研修ゲーム研修ゲームゲームの進行を司り、参加者の発言を援助ゲームの進行を司り、参加者の発言を援助し、知識や技能の交換、伝達、発見、再構し、知識や技能の交換、伝達、発見、再構築などを支援する。築などを支援する。質問という技術質問という技術討議・話題指定（討議・話題指定（ agenda buildingagenda building ））


ファシリテーターとはファシリテーターとはエコ・コミュニケーションセンターエコ・コミュニケーションセンター（（ 19991999）『新版・ファシリテーター入門』）『新版・ファシリテーター入門』

環境教育環境教育単なる司会、進行役ではなく話し合いを単なる司会、進行役ではなく話し合いを「容易にし、促進する」役割を担う人のこ「容易にし、促進する」役割を担う人のこと。と。グループの中の一人ひとりが持っている豊グループの中の一人ひとりが持っている豊かな経験・アイデア・意見を「引き出し」、かな経験・アイデア・意見を「引き出し」、皆が等しく参加できるようにする人のこと。皆が等しく参加できるようにする人のこと。


ファシリテーターとはファシリテーターとはエコ・コミュニケーションセンター（エコ・コミュニケーションセンター（ 19991999 ））『新版・ファシリテーター入門』『新版・ファシリテーター入門』

ファシリテーターは、そうした全員参加型ファシリテーターは、そうした全員参加型の話し合いを通して、一人ひとりが自らのの話し合いを通して、一人ひとりが自らの生き方・あり方との関連で何かを「発見」生き方・あり方との関連で何かを「発見」し、「気づき」をもたらすことを可能にすし、「気づき」をもたらすことを可能にする役割をもつ。る役割をもつ。「引き出し役（「引き出し役（ drawing ideas outdrawing ideas out）」ま）」または「可能ならしめる人（たは「可能ならしめる人（ enablerenabler）」）」


ファシリテーターとはファシリテーターとは赤池学・金谷年展・中雄政幸（赤池学・金谷年展・中雄政幸（ 20002000）『心）『心に火をつける人、消す人』に火をつける人、消す人』 TBSTBS ブリタニカブリタニカ

子どもの参画子どもの参画心に火をつけるということ。心に火をつけるということ。子どもたちが真に参画の道を歩めるように子どもたちが真に参画の道を歩めるように力づけること。力づけること。子どもの参画に力を貸す、触媒としての役子どもの参画に力を貸す、触媒としての役割割


ファシリテーターとはファシリテーターとは世田谷まちづくりセンター『参加のデザイン世田谷まちづくりセンター『参加のデザイン道具箱』道具箱』

市民参加市民参加進行役進行役気づく、受容する、コミュニケーションす気づく、受容する、コミュニケーションする、協力する能力る、協力する能力人びとの参加を促しつなげる力（コーディ人びとの参加を促しつなげる力（コーディネートする力、ネットワークする力）ネートする力、ネットワークする力）


ファシリテーターに要請される態度ファシリテーターに要請される態度柳原光（柳原光（ 19761976 ）『）『 Creative O.D.Creative O.D. 』プレス』プレスタイムタイム

参加者とおなじ目の高さで、共感的に理解参加者とおなじ目の高さで、共感的に理解しながら、感受性豊かに柔軟な対応を心がしながら、感受性豊かに柔軟な対応を心がけることけること先走って参加者自身の発見の喜びや学習す先走って参加者自身の発見の喜びや学習する能力の芽を摘まないことる能力の芽を摘まないこと失敗を恐れず、参加者とともに学ぶ姿勢を失敗を恐れず、参加者とともに学ぶ姿勢を忘れないこと忘れないこと


ファシリテーターの役割ファシリテーターの役割津村俊充・山口真人（津村俊充・山口真人（ 19921992 ）『人間関係ト）『人間関係トレーニング』ナカニシヤ出版レーニング』ナカニシヤ出版

あくまでも、「学習者の側に立って、援助あくまでも、「学習者の側に立って、援助してゆくべき」してゆくべき」「実習をとおしていろいろのことに気づい「実習をとおしていろいろのことに気づいてほしいあまり、当人の気持ちとは関係なてほしいあまり、当人の気持ちとは関係なく、気づきを押しつける」ことのないようく、気づきを押しつける」ことのないようにする。にする。


〈場〉とファシリテーション〈場〉とファシリテーション基本的な考え方基本的な考え方

あらゆる人間活動は一定の時間、空間（環あらゆる人間活動は一定の時間、空間（環境）の中で行われる。境）の中で行われる。


ファシリテーション，ファシリティーファシリテーション，ファシリティー人間活動を「容易にする」ためになされる人間活動を「容易にする」ためになされる時間、空間的条件整備を時間、空間的条件整備をファシリテーショファシリテーションン（（ facilitationfacilitation ）といい、ファシリテー）といい、ファシリテーションによってつくりだされた「整備されションによってつくりだされた「整備された時間、空間」の事をた時間、空間」の事をファシリティーファシリティー（（ facilityfacility ）という。）という。


無形のファシリテーション無形のファシリテーション無形のファシリテーションとは土地、建物、その無形のファシリテーションとは土地、建物、その他、様々な有形のファシリティー内での人間活動他、様々な有形のファシリティー内での人間活動を円滑化するための諸条件をなす行動基準ないしを円滑化するための諸条件をなす行動基準ないし規則（行儀、礼儀…）である。規則（行儀、礼儀…）である。無形のファシリテーションは慣習、道徳、規律、無形のファシリテーションは慣習、道徳、規律、法律等さまざまなレベルで行われる。法律等さまざまなレベルで行われる。茶室に作法、議事堂に議事進行があるようにこれ茶室に作法、議事堂に議事進行があるようにこれら有形に無形のそれが付加されてはじめて整備さら有形に無形のそれが付加されてはじめて整備された時間空間であるファシリティーは完備されるれた時間空間であるファシリティーは完備される。。


ファシリテーターとはファシリテーターとは有形、無形の諸条件がととのえられたファ有形、無形の諸条件がととのえられたファ

シリティーを用いて様々な活動が展開されシリティーを用いて様々な活動が展開される。る。

ファシリテーターファシリテーター（（ facilitatorfacilitator ）とは、こ）とは、これら一定の整備された〈場〉れら一定の整備された〈場〉 ---- ---- つまり時つまり時間空間（環境）間空間（環境） ---- ---- で行われる活動を促進で行われる活動を促進するために必要な経験、センスならびにスするために必要な経験、センスならびにスキルを持ったプロフェッショナルである。キルを持ったプロフェッショナルである。


〈場〉とコミュニケーションの問〈場〉とコミュニケーションの問題題方法論的関心方法論的関心

記録（オーディオ、ビジュアル）の活用記録（オーディオ、ビジュアル）の活用トランスクリプトの生成トランスクリプトの生成デジタルメディア・ネットワーク環境デジタルメディア・ネットワーク環境

〈場〉の特質をどのよう〈場〉の特質をどのよう〈場〉はどのように生成されるか〈場〉はどのように生成されるかどのような文化的・社会的意味があるかどのような文化的・社会的意味があるか


アイデンティティの問題アイデンティティの問題会話の「はじまり」会話の「はじまり」 (opening(opening ）の問題）の問題アイデンティティ・マーカーアイデンティティ・マーカーコントロールの問題コントロールの問題

〈場〉を仕切る〈場〉を仕切る〈空気〉を読む〈空気〉を読む


Identity MattersIdentity Matters コミュニケーション活動において、どのコミュニケーション活動において、どの

ような側面が際立つかような側面が際立つかデザインデザインあそびあそび年齢年齢ジェンダージェンダー権威・権力権威・権力

ソシオセマンティクス特論／概念構築Ｂ 〈 場 〉...

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