市場機構（価格メカニズム）が働く

ミクロ経済学 ( )Ⅰ 1

市場機構（

価格メカニズ

ム）が働く

循環構造　民間部門の経済循環の流れcircular flow

家計企業

生産用役市場

消費財市場

財サービスの流れ･貨幣の流れ

供給収入

需要支出

需要費用

供給所得

x

p

0

ミクロ経済学 ( )Ⅰ2

第 4 章消費理論の応用 4.1 労働供給

■ 労働供給の理由・問題の定式化1 日のうち，労働時間が多くなれば，残りの余暇（自由時間）は

少なくなる。労働 Labour と余暇 leisure を如何に選択するか。

利用可能な最大時間： H労働時間： L 　　　余暇時間： x ＝ H － L通常の財の消費量： c

余暇 x

消費 c

0

効　用：　 u ＝ u(c, H －L)

H

u

c

H L

A

余暇需要

労働時間

労働 L

消費 c

0

u



■ 主体的均衡点1 日のうち，労働時間が多くなれば，残りの余暇（自由時間）は


利用可能な最大時間： H労働時間： L 　　　余暇時間： x ＝ H － L通常の財の消費量： c

余暇 x

消費 c

0

効　用：　 u ＝ u(c, H －L)

賃金（時給）： w消費財価格： p予算制約： pc ＝ wL

pc ＝ wL ＝ w(H － x)pc ＋ wx ＝ wH

H

u

cE

Ex

E

労働時間

w/p

wH/p

労働供給可能時間の経済的価値



■ 主体的均衡点1 日のうち，労働時間が多くなれば，残りの余暇（自由時間）は


効　用：　 u ＝ u(c, H －L)予算制約： pc ＋ wx ＝wH

余暇 x

消費 c

0H

u

cE

Ex

E

労働時間

w/p

wH/p

労働 L

消費 c

0

u

w/p

労働時間

E

ミクロ経済学 ( )Ⅰ 5x1

第 4 章消費理論の応用 4.1 労働供給■ 労働供給と賃金率

余暇 x

消費 c

0H

2w H p

u2

A2

賃金余暇需要労働時間w1 x1 L1

w2 x2 L2

w3 x3 L3

1w H p

u1

A1

3w H p u3

A3

A1 ～ A2 　余暇需要減少　労働時間増加A2 ～ A3 　余暇需要増加　労働時間減少

L1

効　用：　 u ＝ u(c, H － L)予算制約： pc ＋ wx ＝ wH

賃金率 w が上昇すると，労働供給はどのように変化するか？


第 4 章消費理論の応用 4.1 労働供給■ 労働供給曲線（労働供給関数）

余暇 l

消費 c

0H

2w H p

u2

1w H p

u1

3w H p u3


労働 L

賃金率 w

0

A2

A1

A3

w1

L1

w2

L2

w3

L3

労働供給曲線L ＝ (w/p)

後方屈曲的な労働供給曲線の現実的な意味

労働時間の長さは消費者が自由に選択できる。

手当が出してくれれば，超過勤務（残業）などをして労働供給を増やす人が現れることもある。

給与水準が高くにつれて，週休 2日制などへの要望が強くなる。

また，消費財価格 p が変化した場合，賃金率 w の変化と同じ効果がある。

実質賃金 w/p


市場機構（

価格メカニズ

ム）が働く


家計企業

生産用役市場

消費財市場


供給収入

需要支出

需要費用

供給所得

x

p

0

0 労働供給 H

賃金w


第 4 章消費理論の応用 4.4 顕示選好の理論■ 啓示選好とは何か第 3 章では，消費者の選好（効用）から需要を導いた。逆に，消費者の需要から，その選好についての情報を得ることもできる。これはサミュエルソンによって考案された顕示選好理論である。

ポール・サミュエルソンはアメリカの経済学者で，有名な教科書『経済学』の著者としても知られている。

1970 年に，「静学的および動学的経済理論の発展に対する業績と、経済学における分析水準の向上に対する積極的貢献を称えて」という理由でノーベル経済学賞を受賞した。Paul A. Samuelson

1915 ～ 2010

4.4 顕示選好の理論■ 啓示選好とは何か価格（ p1A , p2A ）の下で，財の組合せ A （ x1A , x2A ）と B （ x1B , x2B ）について，どれを購入しても予算的に可能であれば，もし実際に消費者が Aを選択したら，それは「 B よりも A のほうを選好する」ということが判断される。


第 4 章消費理論の応用

x1

x2

0

逆に，価格（ p1B , p2B ）の下で，消費者がA よりも B を選択したら，それは価格（ p1B,

p2B ）の下で A を購入するには予算的に不可能からである。

なぜならば， A と B の両方が購入可能であったら，消費者は A を選択するはずだからである。 B(x1B , x2B)

2 1A Ap p 2 1B Bp p

（ p1A , p2A ）の下で A の購

入金額（ p1B , p2B ）の下で B の購入

金額A(x1A , x2A)


第 4 章消費理論の応用 4.4 顕示選好の理論■ 啓示選好の弱公準

x1

x2

0

A (x1A , x2A)

　価格（ p1A , p2A ）の下で，

が成り立つなら， A が需要されると，即ち，A は B よりも顕示的に選好される。　もし消費者の選好が変わらないなら， Bが選択されることがあるのは， A を購入する予算が足りないからである。即ち，価格（ p1B , p2B ）の下で，

が成り立ち， A は B を通る予算線の外側にある。

B(x1B , x2B)

1 1 2 2 1 1 2 2 (1)A A A A A B A Bp x p x p x p x

2 1A Ap p 2 1B Bp p1 1 2 2 1 1 2 2 (2)B A B A B B B Bp x p x p x p x

「 (1) 式が成り立つなら， (2) 式も成り立つ」となる。これはサミュエルソンによる顕示選好の弱公準と呼ぶ。

（ p1A , p2A ）の下での予算制約

線（ p1B , p2B ）の下での予算制約

線


市場機構（

価格メカニズ

ム）が働く


家計企業

生産用役市場

消費財市場


供給収入

需要支出

需要費用

供給所得

x

p

0

0 労働供給 H

賃金w

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