平成 20 年度　 QSAT 開発状況

宇宙機ダイナミクス研究室修士 2 年生　大西俊輔

&

QSAT Project Team

発表内容

• QSAT 概要• QSAT 開発状況

– 地上局– 分離機構

• QSAT 今後の展望• まとめ

2009.05.09 QSSF 研究発表会 2

日本における小型衛星プロジェクト

SOHLA1 SOHLA2

PRISM

Cute-1.7 2SEEDS 2STARS-1

QSAT( 九大 )

KSAT( 鹿児島大 )

鳳龍 ( 九工大 )

大樹 ( 北海道 )

KKS-1

SPRITE-SAT

かがやき

2009.05.09 3QSSF 研究発表会

CubeSat( 創価大 )

UNITEC(UNISEC)

50kg 級 ( 大阪工業大 )

オーロラ帯磁化プラズマ観測衛星 QSAT 概要

50kg 級低コスト小型衛星

2009.05.09 QSSF 研究発表会 4

QSAT 主要諸言

ミッション機器

プラズマプローブ ･ [ 九州工業大学 (KIT)]

　　 - 高周波プローブ - Langmuir プローブ 磁力計　･ [ 九大・宙空環境研究センター (SERC)]

外形寸法 480×480×302 mm

重量 50 kg 以内

発生電力 平均 14 W, 最大 30 W

姿勢制御方式 3 軸安定

通信バンドアマチュア無線周波数帯

(Uplink: VHF, Downlink: UHF)

運用期間 1 year

軌道 軌道高度 : 700-800 km太陽同期軌道

打上 H-IIA Piggy back2009.05.09 QSSF 研究発表会 5

QSAT 概観

Sun Sensor(+X,+Y, +Z)

SeparationMechanism

Flange

Multi-LayerInsulator

Solar Cell

Sun Sensor(-X,-Y, -Z)

DownlinkAntenna

UplinkAntenna

High FrequencyResonance Probe

[ KIT ]

Langmuir Probe[ KIT ]

Magnetometer[ SERC ]

Nadir

Ram Side

Wake Side

Extension Boom

Solar CellVelocityVector

2009.05.09 QSSF 研究発表会 6

ミッション主目的

• 宇宙機災害の要因となる衛星帯電現象をよりよく理解するために，特に衛星が帯電しやすいオーロラ帯に着目し，1) オーロラ帯を通過する衛星の帯電状況を観

測すると同時に，オーロラ帯を通過する際の磁場及びプラズマ密度の変動も観測し，衛星帯電現象のメカニズムを解明すること

2) 九州大学宙空環境研究センターが地上に配置した磁場観測網を用いて予測しているオーロラ帯沿磁力線電流を上記の観測により検証すること

2009.05.09 QSSF 研究発表会

対象・ユーザ 九州大学・宙空環境研究センター (SERC)九州工業大学・宇宙環境技術研究センター (KIT)JAXA，国内外研究機関へのデータ提供

7

QSAT Mission 概要

2009.05.09 QSSF 研究発表会

(1) Magnetic field disturbances caused by FACs

J [A/m2]

V [V] J [A/m2]Better understanding spacecraft charging

(2) Satellite Potential induced by FACs

V [V]

FACs

Earth

Potential Difference

8

機器配置コンセプト

2009.05.09 QSSF 研究発表会

Battery

Transceiver

MCU

X Body

Y Body

Boom

TCU

SU-A

MTQ X MMU MTQ Z

External Connector

VelocityVector

SU-B

AUMTQ Y

SERCPayload

SU-A/B は衛星のコーナのいづれかに，対角に来るように配置される

動作温度範囲がもっともシビアで，特に日陰時のヒータ使用が最小になるような配置を選択したい

定常時進行方向は 機 体 固 定 X軸に一致

ミッション要求 か ら ， 高 周波 プ ロ ー ブは衛 星 進 行 方 向逆 側 に 配 置 される

組立後 - 打上時までのデータ取得を行う

通 信 機 は FM送 信 時 ， 高 温になるので熱制 御 を 考 慮 した 配 置 に したい

ベースライン・熱解析・構造解析の出発点

9

フライトモデル構造試作版の開発をスタート・アルミ板＆ポリカ板

組織図

（有）QPS研究所（船越 国弘）

八坂 哲雄

櫻井 晃

情報工学科

田中 卓史

福岡工業大学

情報工学部工学研究院

（末岡 淳男）

九州大学　（有川 節夫）

宙空環境研究センター（湯元 清文）

宇宙環境技術研究センター（趙 孟佑）

航空宇宙工学部門（宇田 暢秀）

花田 俊也

平山 寛

九州工業大学

Jozef C. van der Ha

2009.05.09 10QSSF 研究発表会

実施体制・支援企業

実施責任者 有川 節夫

実施主任 花田俊也

構造系主任 幸節雄二

熱制御系主任 八坂哲雄

電源系主任 平山寛

通信系主任 田中卓史

データ処理系主任 桜井晃

姿勢制御系主任Jozef C. van der Ha

ミッション機器 湯元清文，趙孟佑

オムロン直方（株）カースル（株）

（株）エルポート（株）黒木工業所

（株）コムハーツジャパン（株）坂本電機製作所（株）昭和電気研究所（株）中島田鉄工所

（株）テクノサポート九州（株）渕上ミクロ（株）北斗電子（株）メイホー

（株）ロジカルプロダクト ナカヤマ精密（株）長崎菱電テクニカ（株）

マイクロラボ（有）合瀬製作所（有） QPS 研究所菱計装（株）菱算（株）

2009.05.09 11QSSF 研究発表会

エレクトロニクスユニット開発状況

QSSF 研究発表会

ユニット名 製作企業 要素 開発状況 課題

MCUメイン

(株 )昭和電気研究所

・電源制御基板・電力分配基板・ CAN ハブ

検討・設計段階製造未着手

○EM 電源制御ユニット機能確認　・太陽電池を接続しての電源制御　・ユニットへの電力配分試験

MMUミッション管理

北斗電子( 有 )QPS 研究

所

・拡張メモリ基板

リプログラミング

ソフトウエア開発完了

○リプログラミング利用の詳細検討○EEPROM 機能の利用の詳細検討

TCU通信

(株 ) コム・ハーツジャパ

ン

・通信モデム基板・拡張メモリ基板

検討・設計段階製造未着手

○EM 通信ユニット機能確認　・ GMSK9600 bps試験○ローカル基板回路設計

AUトルカ駆動ブーム駆動

TBD

・トルカ制御基板・モータ制御基板

検討段階製造未着手

○磁気トルカ駆動回路の再検討　・電流出力範囲の余裕不足○ブーム用超音波モータ回路の検討

SU-A/Bセンサ

菱計装 (株 )

・太陽センサ(PSD)・磁気センサ・ジャイロセンサ

設計と平行して製造を実施中

○EM センサユニット機能確認　・ PSD の原理検証，非線形性　・ジャイロセンサの非線形性

2009.05.09 12

要素開発状況

要素名 製作企業 開発状況 課題

主構造( 株 ) 中島田鉄工所カースル産業 ( 株 )( 株 ) 黒木工業所

EM 構造による振動試験完了

○フライトモデルの検討・設計○機器配置の検討　・ブームユニットの取付方法検討　・太陽電池セルユニットの取付方法検討

分離機構

( 株 ) 中島田鉄工所( 株 ) 合瀬製作所( 株 ) 坂本電機製作

所

原理・機能検証完了

○バンド，フランジの改良　・適切な張力での結合　・作業性の向上○フライトモデルの検討・設計

伸展ブーム 菱計装 ( 株 )( 有 )QPS 研究所

原理・機能検証完了

○超音波モータの選定　・トルクの大きいもの○振動試験○フライトモデルの検討・設計

アンテナ TBD 概念設計完了EM の製作中

○衛星全体で電波試験を実施する必要性　・衛星ジンバルの設計・製作○大型電波暗室の選定○アンテナ展開・固定機構の検討・設計

磁気トルカ TBD 機能検証完了 ○EM製造○発生磁気モーメントの評価方法の検討

2009.05.09 13QSSF 研究発表会

QSAT 開発状況地上局

2009.05.09 QSSF 研究発表会 14

地上局• 開発状況• 地上局ネットワーク関連

– 他大学による相互利用のプログラムの導入– GROWS(GSN Remote Operation Web Service)

• 東京大学 PRISM の運用で使用中

2009.05.09 15QSSF 研究発表会

地上局• 他大学衛星の運用協力

Polar Satellite Launch Vehicle (PSLV)・ Cute-1.7+APD II

東京工業大学

・ SEEDS 日本大学GOSAT・ PRISM 東京大学・ STARS 香川大学・ KKS-1 都立航空高専

2009.05.09 16QSSF 研究発表会

QSAT 開発状況分離機構

2009.05.09 QSSF 研究発表会 17

ばね部コンポーネント (1)

• 現在のばねの取り付け方

衛星射出方向

2009.05.09 18QSSF 研究発表会

ばね部コンポーネント (2)

• 分離機構の組み立て時の問題

• 分離機構解放後の問題　ばねを機軸方向に固定していないため分離後　デブリになる

フランジ同士を 523N(53.3kgf) の力で押さえつけた状態で組み立てる必要性がある

　→組み立てに複数人を要する→繰り返し試験に向かない

2009.05.09 19QSSF 研究発表会

ばね部コンポーネント (3)

• ばね部コンポーネントとフランジ取り付け図

• ばねを個別に圧縮• 圧縮状態を保持できる

• ばねがデブリとならない

}一人での組み立てが可能に→繰り返し試験が容易に

2009.05.09 20QSSF 研究発表会

フックの改良 (1)

• 現状のフックの問題

押さえつけ荷重が大きいバンドの影響により締が解放されない

2009.05.09 21QSSF 研究発表会

フックの改良 (2)

• フックに羽を解放機構にレールを取り付けた

バンドの曲げの影響を受けない歯の傾斜角を 0degにできる→押さえつけ荷重が小さくできる

2009.05.09 22QSSF 研究発表会

その他進捗

• モータの真空試験を実行　→運用に耐えることを確認• 初期姿勢の簡易シミュレーション　→射出試験の結果 ,射出方向の予想にズレ

2009.05.09 23QSSF 研究発表会

今後の課題

• バンドの強度試験• フックの強度試験• 分離機構全体の防振対策• 初期姿勢シミュレーターの向上• ハザード解析・ハザードの除去

2009.05.09 24QSSF 研究発表会

QSAT 今後の展望

2009.05.09 QSSF 研究発表会 25

Low-Cost Small Satellite SystemSystem Design & System Safety

Unit Development Electronics

C&DHTele-comm.

Power

AnalysisStructureThermalPowerADCS

Tele-comm.

Mech. DevelopmentStructure

Separation Mech.Extension Boom

Antenna Extension

OperationGround Station

Universal SystemUniversal System

Missions & ClientsMissions & Clients

Local Industries

•Technical Support•Manufacturing•Supplying

•Student Projects•Research

Polar Plasma Observation

KU-SERC & KIT

Individual System Operation

Electro-Dynamic Tether

JAXA

Individual System Operation

In-situ Debris Measurement

JAXA / IHI

Individual System Operation

Students

まとめ

• ２０１１年夏期の打上げに向けた QSAT の開発の継続– 開発体制の強化– ユニット単位から衛星全体へ

• ハザードを防止するためのシステム安全を考慮した開発– 分離機構– 伸展ブーム機構– アンテナ展開機構– リチウムイオンバッテリ– メインスイッチ，展開検出スイッチ，リレー回路

2009.05.09 QSSF 研究発表会 26